グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

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連休を利用して、俺達はソラネの故郷であるアケミヤシティへとやってきた。

ちょっと……いやかなりお茶目過ぎるソラネのお母さん、ミヤコさんに連れられて、俺達はソラネの実家へと向かったのだった。


第81話 〜生意気シェイミとソラネ〜

「はい、お待たせ〜」

やや間延びした声が響き、テーブルに人数分の紅茶とクッキー等のお菓子が置かれる。

 

「ありがとうございます、ミヤコさん」

「いいのよ〜、ソラネがこんなに友達を連れてきたのは初めてで、なんだか嬉しいわ」

そういえば、ソラネは最初対人恐怖症だったのを思い出す。もうすっかり普通に接してくれるから、つい忘れてしまっていた。

 

「ソラネから聞いたわ、この子がこうなったのはグリード君が支えてくれたからなんでしょ?」

「……………あー」

最初は何なのかわからなかったが、コンテストの時の事だとわかり頷きを返す。

 

「ソラネが変われたのは、ソラネ自身が変わりたいと願ったからですよ。

 俺ができたのはきっかけを与える事だけでした」

「………ふふっ」

「………?」

笑われた、別に可笑しい事を言ったつもりはないのだが……。

 

「本当にソラネの言う通りの男の子ね、優しく思い遣りに溢れ……そしてそれを自然に、当たり前のように行える。

 ――その性格、決して変えたらダメよ?」

「はあ……」

なんかよくわからないけど、とりあえず頷いておいた。

「でも、ソラネがボーイフレンドを連れてくるようになったなんて……月日が経つのは早いわね」

 

『なっ!?』

「えへへ……」

ソラネは顔を赤くして恥ずかしそうに笑みを見せ、それ以外のみんなは席から立ち上がり恐い顔になる。

……ボーイフレンドって、俺がソラネの?

 

「ミヤコさん、激しく誤解してますよ。グリードはソラネのボーイフレンドじゃありません」

「むっ……」

サクラを睨むソラネ、あれ……2人って仲悪かったっけ?

「何故なら、彼は僕のボーイフレンドだからです!」

「へ?」

『こらぁぁぁぁっ!!』

今度はサクラがおかしな事を言い出した。

 

「ちょっとサクラ、アンタいきなり何言ってんのよ!!」

「サクラちゃん、今の発言はちょっと許せないよ!!」

「そうだ! グリードがお前のボ、ボ、ボーイフレンドだと誰が決めたんだ!!」

「今、僕が」

『しれっと言い放った!?』

「あらあらまあまあ」

 

わーわーぎゃーぎゃーと言い合いを始めるサクラ達、それを何故か楽しそうに眺めているミヤコさん。

……何なんだ、一体。

 

「………ん?」

暫しその光景を見つめていたが……ふと、俺はとある扉に視線を向けた。

そこは、何の変哲もない扉。ソラネとミヤコさんの家だから何の部屋かはわからない。

けど………なんだろう、この感じは。

 

――あの部屋の中に、何か居る

 

強い波導、でもルカリオ種のような波導とはまた違う。

ポケモンの……今まで感じた事がない、普通のポケモンより強い波導。

それが、何故か気になって……俺は席を立ち上がり、その扉へと向かう。

 

「タジャ……?」

突然立ち上がった俺を不思議に思ったのか、ツタージャが俺の肩に乗る。

そして、俺はその扉を開き……中を覗き込んだ。

 

「っ」

「タジャ!?」

俺はおもわず息を呑み、ツタージャは驚きの声を上げる。

そこはおそらく客間なのだろう、ベッドにテーブルがある簡素な部屋だ。

でも……そのベッドの上では、あるポケモンが眠っていた。

「あっ!?」

俺達が部屋を覗いている事に気づき、ミヤコさんが驚きの声を上げるが……俺は、そのポケモンに視線を奪われていて反応できない。

 

 

「……………シェイミ」

 

 

そう――そのポケモンとは、シンオウ地方で幻のポケモンと呼ばれるシェイミだったのだ。

すやすやと寝息を立て、俺達が部屋の中に入ってきても起きたりしない。

 

「グリードくん、どうし――」

「っ、このポケモンは………!」

「シェイミ……」

サクラ達も部屋に入ってきた瞬間、シェイミの存在に驚きの声を上げていた。

 

「……お母さん、どうしてシェイミが……」

「……バレちゃったか、シェイミの事は内緒にしておきたかったんだけどね」

〈……んっ……〉

身じろぎをして、シェイミがゆっくりと目を開く。

寝ぼけ眼のままゆっくりと辺りを見回し……ソラネと視線を合わせた瞬間。

 

〈……可愛い女の子でしゅね、シェイミのタイプでしゅ〉

そう言って、いきなりソラネの胸に飛び込んでいった。

ってか凄いな、シェイミって喋れるんだ。

 

「きゃっ」

驚きつつも、シェイミをしっかりと抱きしめるソラネ。

当のシェイミはというと、ソラネの胸に顔を埋めすりすりと首を動かしている。

「んぁ……く、くすぐったいよ……」

「へぇ、ソラネの事が気に入ったみたいだな。

 はじめましてシェイミ、俺はグリードっていうんだ。宜しくな?」

近くで見ると、やっぱり可愛い外見をしてるなぁと思いながら挨拶をすると。

 

〈………男なんかに挨拶されても、嬉しくも何ともないでしゅ〉

こちらに視線すら向けず、冷たくそう返されてしまった。

ガーン……ショック、可愛い外見と声とは違って辛辣だなぁ。

 

「ごめんなさいね、この子女の子が大好きで男の子が苦手みたいなの」

〈男なんてこの世から居なくなればいいでしゅ〉

凄い事言うな……。

 

「何よそれ、とんだエロポケモンね」

〈安心するでしゅ、お前みたいなガサツそうな女には一切興味を持たないでしゅから〉

「なっ!? なんですってこの………!」

「わぁっ、落ち着けカレン!!」

 

シェイミに殴りかかろうとするカレンを慌てて羽交い締めにするアオイ。

しかし、自分を助けようとした相手にも……シェイミは暴言を吐き出した。

 

〈ツリ目が全然魅力的じゃない上に男言葉なんて……女としての魅力が皆無でしゅね〉

「っ、き、貴様。人が気にしてる事を………!」

「2人とも落ち着きなよ、そんな事で怒るなんて僕は情けないよ」

「アンタに情けなく思われる筋合いなんてないわよ!!」

「こっちは密かに気にしてる事をはっきり言われたんだぞ、我慢なんてできるか!!」

「だからって、殴ろうとするのはどうかと思うよ僕は」

 

どうどうと暴れ牛をあやすようにするサクラ。

ふぅ、これで何とか……。

 

〈僕っ娘で萌えアピールでしゅか? ちゃんちゃらおかしいでしゅね〉

ってアホーーーッ、なんでわざわざ火に油を注ぐんだお前は!!

「……………」

サクラの動きが止まる、そのまま無言でシェイミへと視線を向けたその瞳は……正直、ぞっとしました。

 

「……たしかシェイミはくさタイプだったよね、だったらリザードンのフレアドライブで……」

「何恐ろしい事を平然と言ってんだお前は!!」

「わたしのウルガモスも力を貸そう」

「結託すんな!!」

「エルレイドのれいとうパンチでボコボコに――」

「お前もか!!」

 

〈まったく、ガサツな女が多すぎでしゅ、その点ソラネはお淑やかだし可愛いし最高でしゅね〉

「あ、ありがとう……」

『………コイツ』

サクラ達の殺気が増した。

ああぁぁ……このままじゃ間違いなくここが戦場になる。

 

「はいはい。みんなそこまでにしなさい、お家を壊されたらたまらないわ」

「そ、そうだよみんな! それにどうしてシェイミがここに居るのか、気にならないのか!?」

ミヤコさんが仲裁に入ってくれたので、俺も慌てて便乗する事に。

その甲斐あってか、みんなおとなしくなってくれた。

 

〈まったく、騒がしい連中でしゅね〉

「お前はもう喋るな!!」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「えっ……保護?」

どうにかサクラ達を宥め賺し、ミヤコさんに事情を訊いてみると……そんな言葉が返ってきた。

 

「そうなの。あれは……1ヶ月くらい前かしらね、私がいつも通りお花の手入れをしていたら、この子が空から降ってきたのよ。それも傷だらけで」

「シェイミ、どうしてそんな事になったんだ?」

俺がそう訊くが、シェイミはぷいとそっぽを向いて答えてくれない。

「シェイミ、教えてくれないかな?」

〈シェイミにもわかんないでしゅ、目が醒めたらミヤコに保護されてたから……〉

 

おい、何で俺の質問には答えないでソラネの質問にはちゃんと答えるんだよ。

むっとしながらも、我慢しながら言葉の続きを待つ。

 

「もしかして、シェイミって記憶喪失なの?」

〈違うでしゅ、でも……どうしてシェイミが怪我をしてたのかは、思い出せないでしゅ〉

「………そう」

「…………」

 

一部だけの記憶喪失か、そういうものもあると聞いた事はあるけど……。

でも、どうしてシェイミが怪我をしていたのか……それくらいなら、容易に想像がつく。

 

――ポケモンハンター、もしくは密猟者。

 

似たようなものだけど、おそらくそいつらがシェイミを捕らえようとして怪我を負わせたのだろう。

シェイミは幻のポケモンと呼ばれる存在だ、当然その値打ちははかりしれない。

質の悪いコレクターにとって、何をしてでも手に入れたいと思うだろう。

……そう思うと、怒りが内側から沸き上がってくる。

 

〈………変な顔でしゅね、何怒ってるんでしゅか?〉

「だって、お前を傷つけたのはきっと心ない人間達だろ。そう思うと……情けなくて恥ずかしくて……許せないんだ」

「グリードくん……」

〈……なんだ、そんな事でしゅか〉

「えっ……?」

 

シェイミを見る、するとこいつは心底小馬鹿にしたような口調で、こう言った。

 

〈人間なんて愚かな生き物でしゅ、シェイミ達ポケモンと呼ばれる存在より身体は弱いし寿命は短いし、意志が弱いしそのくせ自分達が一番偉いみたいな勘違いをしてるお馬鹿な存在でしゅ。

 なら、仮にお前の考えてる通りシェイミに怪我させたのが人間だとしても、仕方ないんじゃないんでしゅか?〉

「っ、違う!!」

おもわず、席から立ち上がる。

「人間は、愚かな生き物なんかじゃ……」

〈それはお前が人間だからでしゅ、だから人間の味方をしてるだけでしゅよ〉

「そんな事ない。確かにそういう人間が居るのは否定しない。

 でも、この世界に生きる人間全てが悪というわけじゃないだろ?」

〈…………〉

「な、なんだよ……」

 

俺をじっと見つめ続けるシェイミ、そこから感情は窺えない。

暫し見つめ合い……やがて、シェイミはプッと吹き出した。

 

〈お前馬鹿でしゅね、冗談に決まってるじゃないでしゅか〉

「えっ……?」

〈もしシェイミが人間が愚かで救いようがない生き物だと思っていたら、今頃ここにはいないでしゅ〉

「…………」

 

そういえば……確かにそうだ。

人間に対してそんな風にしか思ってたら、いつまでも人間が暮らしてる場所に留まるわけがない、怪我だってもう治っているのだから。

 

「こらシェイミちゃん、意地悪言わないの」

〈はーい、でしゅ〉

 

ミヤコさんに怒られながらも、全然反省をしてない声を返すシェイミ。

……何だ、嘘だったのか。

からかわれたのは正直ムカついたけど……それよりも、シェイミが人間を嫌っていない方が嬉しかった。

 

「………やな奴」

ぽつりと呟いたカレンの言葉には、怒りと不満の色が見えた。

 

〈……お前、変わってるけど気に入ったでしゅ〉

「シェイミ……?」

ぷいとそっぽを向くシェイミ、もう一度訊きたかった俺は近づいてみるが。

〈ミヤコ、シェイミお腹空いたでしゅ〉

もう言わないという意志を俺に向けたまま、ミヤコさんに話しかけた。

 

「はいはい、今持ってくるわね。

 あっ、グリード君悪いけど手伝ってくれないかしら?」

「あ、はい」

立ち上がり、ミヤコさんと一緒に台所へ。

 

「……シェイミちゃんの事、許してあげてね?」

「えっ?」

「あの子、口には出さないけど人間に対して恐怖心というか……警戒してるのよ。

 だから、あなたを試すような事を言ったの。けど根はいい子だから許してね?」

「いえ、許すも何も別に気にしてませんから」

 

実際、ムカついたがもう気にしてないのも事実だ。

俺がそう言うと、ミヤコさんは笑みを浮かべ「ありがとう」と感謝の言葉を述べた。

 

「君は本当にいい子ね」

「そんな事ないですよ」

話しながら準備を終え、台所を離れる。

 

「そういえば……ソラネはコーディネーターとしてちゃんと頑張ってるのかしら?」

「頑張ってますよ。この間なんてミクリカップに優勝したんですから」

「そうだったわね。……うん、ならそろそろ試してもよさそう」

「………?」

何やら呟くミヤコさん、俺は首を傾げながら彼女と一緒にみんなの所へと戻った。

 

「ソラネ、ポケモン達の調子はどう?」

「えっ、うん、大丈夫だけど……」

シェイミにポケモンフーズを渡しながらそう訊かれたので、慌ててソラネは答えを返す。

すると、ミヤコさんは少しだけ考えた素振りをしてから……。

 

「なら、貴女がどれくらい腕を上げたかお母さんに見せて頂戴」

そう言って、ミヤコさんは立ち上がった。

 

「えっ……お母さんとバトルしろってこと?」

「そうよ。もちろんコンテストバトルをね」

「……ミヤコさんって、もしかしてコーディネーターなの?」

「そうだよ。それもトップコーディネーターの中でもかなり上位に入るくらいの実力者さ」

 

サクラの説明に、俺は感嘆の声を漏らす。

凄いなぁ、トップコーディネーターの中でもかなり強いんだ……もしかして、アリシアさんより凄いのかな?

 

「……わかった。じゃあバトルしよっ!」

「いいわよ。ごめんなさいねグリード君達、急にこんな事言い出して」

「気にしないでください、それより俺達も見学させてもらっても構いませんか?」

「もちろんよ。コンテストバトルは魅せるバトルなんだから」

よっしゃ、とおもわずガッツポーズ。

〈子供みたいにはしゃぐなんて、恥ずかしいでしゅね〉

……シェイミ、うるさい。

 

 

 

 

To.Be.Continued...




【ツタージャ】♀        【ムクホーク】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】         【使えるわざ】        【使えるわざ】
・つるのムチ         ・はがねのつばさ     ・たつまき
・リーフブレード       ・かぜおこし         ・アイアンテール
・リーンフォースブレード  ・でんこうせっか      ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん        ・つばさでうつ        ・れいとうビーム
・へびにらみ         ・つばめがえし       ・じこさいせい
・リーフストーム        ・ブレイブバード      ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り ・インファイト        ・アクアリング
・エナジーボール      ・かげぶんしん       ・アクアテール
                ・はかいこうせん      ・みずのはどう


【オノノクス】♂     【コジョンド】♀    【グライオン】♂
【使えるわざ】     【使えるわざ】     【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり         ・シザークロス
・シャドークロー   ・はっけい       ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり   ・とびひざげり     ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー   ・はどうだん      ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき   ・おうふくビンタ    ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん   ・ギガインパクト    ・はがねのつばさ
・あなをほる     ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう   ・ストーンエッジ 
・はかいこうせん   ・きあいパンチ

【クチート】♀    【ラティアス(ティア)】♀    【ゴチム】♀
【使えるわざ】    【使えるわざ】         【使えるわざ】
・てっぺき      ・ラスターカノン          ・なし
・アイアンヘッド   ・じこさいせい
・かえんほうしゃ  ・はかいこうせん
・ねごと       ・りゅうのはどう
・ラスターカノン   ・りゅうせいぐん
・かみくだく     ・れいとうビーム
            ・ドラゴンクロー
            ・はがねのつばさ
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