アーク・ザ・ラッド T   作:魔ギア

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ここからどんどん出してきますよ。皆さんのお気に入りは出てきますかな?


第四話 ステータスプレート

 夢を見た。

 そこは俺がかつて住んでいた町の近くにある森。その中を俺は一人でさ迷っていた。

 この光景を覚えている。俺がまだ、5歳の時。何もかも嫌になって逃げだしたあの日。そして、()()()と出会った運命の夜。

 近くにあった水面を見ると、俺の姿は見るも無残なものだった。

 長い間、洗っておらず、黒い染みが目立つ白いシャツ1枚に傷だらけの青の短パン。

 ボサボサになって手入れされていない黒髪に、生気を感じさせない黒と白のオッドアイ。頬は殴られたような痕がくっきりと残っており、唇が切れて赤い血を流していた。

 靴は履いておらず、足は石や木の枝で傷だらけだった。

 

『こっちですよ』

 

 宛てもなく歩き続ける俺はただ、頭の中から響く声に従って森の中を進み続ける。気づいたら森を抜けだしており、町では見たことがない広い草原に辿り着いていた。

 

「おっと」

 

 そのまま、ボーっと歩いていた俺は誰かにぶつかって尻もちを着いてしまった。

 

「危ないですね。ちゃんと前を見て歩きなさい」

 

 俺に注意を呼び掛ける声。少し不機嫌そうな女性の声だった。

 

「……あなた、どこから来たのですか?」

 

 俺は顔を上げて女性の姿を見る。だが、月が雲に隠れているせいで彼女の顔がよく見えない。

 

「もしもし、聞こえていますか?」

 

 俺の反応がなかったからか、女性は手を振って俺に近づいてくる。

 

「よく見ると、ボロボロですね。……それに少し臭いです」

 

 彼女は指で自分の鼻をつまみながら、距離を取った。臭くて当たり前だ、もう何日も風呂に入っていないのだから。

 

「仕方ないですね。この出会いも何かの縁でしょう」

 

 少女はため息を吐いた後、懐から何かを取り出した。

 木で作られた音楽の指揮者が使っていそうな細長い棒。それを彼女はその場で軽く振るった。

 すると、大きな水玉が俺に襲い掛かってきた。

 

「……っ! ……?!」

「じっとしていてください。すぐに終わりますから」

 

 水の中にもがく俺を眺めながら、彼女は再び杖を振った。水玉は俺から離れていった。

 

「ケホッ……! ケホッ……!」

「さて、次は……」

 

 杖を振るう。すると、今度は風が吹いてきた。暖かい風に俺は思わず目を瞑ってしまう。

 

「うん。これでいいですね」

 

 目を開けて、自分の姿を確認する。

 服の汚れは全部落ちており、傷だらけだった足も綺麗になっていた。

 顔を手で触ると腫れていた頬は引いており、髪も整えられていた。

 身を綺麗にしてくれた少女は、そんな俺の姿にどこか満足げに頷いていた。

 何が起きているのかわからず、俺はただ呆然としていた。

 

「この私がこんな事をするのは、なかなかありませんよ? あなたは私に感謝するべきですね」

「……だれ?」

 

 俺は反射的にそう答えた。それに対して、女性は目を丸くする。

 

「質問をしているのはこっちなのですが……、まぁ、いいでしょう」

 

 少女は杖を空へと向ける。すると、杖先から放たれた光が天を貫いた。

 空を覆っていた雲が晴れて、月が顔を出す。

 光は霧散して雨のように降り注ぐ。月光と共に少女の姿を照らし出した。

 

「――――――」

 

 その姿に俺は言葉を失ってしまった。

 そこにいたのは10歳半ばの少女。黒のローブを身に纏い、頭には黒の三角帽子を被っていた。瑠璃色の瞳を輝かせて、杖を持っていないもう片方の手で風になびく灰色の髪を押さえる。

 宝石のように輝く小さな光を纏いながら、月をバックにこちらを見つめてくる少女。

 誰もが振り返り、ため息をこぼしてしまうほどの美貌を兼ね備えたその姿に俺は見惚れてしまっていた。

 

「私はイレイナ。旅の魔女です」

 

 これが俺と先生の最初の出会い。空っぽだった俺の心が初めて動いた瞬間だった。

 

 

 ~~~~~

 

 

 翌日。勇仁たちは早速、訓練と座学が始まった。

 戦争に参加するかはともかく、勇仁たちが住んでいた地球とは違い、魔物といった危険が多く潜んでいるトータスでは自衛の手段が必要不可欠だ。

 勇仁たちは訓練場に集まり、騎士団から銀色のプレートを配られた。全員に配り終えたことを確認した騎士団長――メルド・ロギンスが説明を始める。

 

「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」

 

 非常に気楽な喋り方をするメルド。彼は豪放磊落な性格で、「これから戦友になろうってのにいつまでも他人行儀に話せるか!」と、他の騎士団員たちにも普通に接するように忠告するくらいだ。

 年上の人たちから慇懃な態度を取られると居心地が悪いと思っていた、勇仁を含んだごく一部のクラスメイトたちにとっては非常に助かる話だ。

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 『ステータスオープン』と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

「アーティファクト?」

 

 聞き慣れない単語に光輝が質問をする。

 

「アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな。複製するアーティファクトと一緒に昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通はアーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな」

 

 なるほど、と頷きクラスメイトたちは、顔を顰めながら指先に針をチョンと刺す。そこからプクッと浮き上がった血をプレートに刻まれた魔法陣に擦りつけると、魔法陣が淡く輝いた。

 勇仁は周りを確認し、彼らと同じように血をプレートに擦りつけて自身のステータスを確かめる。

 

「全員見れたか? 説明するぞ? まず、最初に"レベル"があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」

 

 メルドがステータスについての説明を始める。

 

「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後でお前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」

 

 メルドの話から、ステータスはゲームのように魔物を倒したりして上げるものらしい。地道に腕を磨かなければならないようだ。

 

「次に"天職"ってのがあるだろう? それは言うなれば"才能"だ。末尾にある"技能"と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」

 

 それを聞いた勇仁は昨日、晩餐会に参加していた者たちは非戦系天職か、天職持ちでない者だろうなどと、どうでもいいことを考える。

 

「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前たちならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 

 次々と来るメルドからの説明を聞きながら、勇仁はステータスプレートを見ながら、頭の中で情報を整理する。

 

「勇仁」

 

 その時、雫と恵理が勇仁に近づいてきた。

 

「お前らか。どうした?」

「えぇ。あなたのステータスがどうなっているのか、ちょっと気になってね」

「ちなみに僕はこんな感じ」

 

 恵理は、自分のステータスプレートを勇仁に見せる。

 

===============================

 

中村恵里 17歳 女 レベル:1

天職:降霊術師

筋力:20

体力:15

耐性:15

敏捷:15

魔力:110

魔耐:90

技能:降霊術適性・闇属性適性・気配感知・魔力感知・高速魔力回復・言語理解

 

===============================

 

「降霊術師。……技能を見た感じだと、後方支援型みたいだな」

「あはは…… 何か霊感が強いのかな。ちょっと意外だった」

 

 恵理は自分の天職が意外なものであったことに思わず苦笑いを浮かべてしまう。

 

「私のはこれよ」

 

 今度は雫がステータスプレートを見せにきた。

 

===============================

 

八重樫雫 17歳 女 レベル:1

天職:剣士

筋力:40

体力:50

耐性:20

敏捷:120

魔力:20

魔耐:20

技能:剣術・縮地・先読・気配感知・隠業・言語理解

 

===============================

 

「さすが剣道場の娘。がっつり前衛職だね」

「そうね。それで勇仁はどうだったの?」

 

 恵理の感想に答える雫は、話を変えて勇仁のステータスを尋ねる。彼は自分のステータスプレートを見た後、それを二人に見せた。

 

============================

 

光月勇仁 17歳 男 レベル:1

天職:魔導士

筋力:50

体力:90

耐性:80

敏捷:60

魔力:200

魔耐:200

技能:全魔法・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・言語理解

 

==============================

 

 恵理は勇仁のステータスを見て、目を大きく見開いた。

 

「えっ、魔導士?  というか魔力と魔耐どっちも200! すごっ!」

 

  恵理の声が大きかったからか、周りの生徒たちも勇仁の天職とステータスに目を丸くする。

 

「なんだよ。俺が魔導士なのが、そんなに意外か?」

「う、うん。だって、勇仁君。運動神経すごくいいから、てっきり雫ちゃんと同じ剣士とかの前衛の天職だと思ってた」

「そうね。私も同じ意見だわ」

 

 恵理は驚いている理由を簡潔に説明し、雫も同意するように頷いた。

 その後、光輝の天職が勇者でステータスがオール100というチート数値を叩き出した。

 

「あれが勇者って。大丈夫なのかな?」

「……」

「勇仁君?」

「どうしたのよ、顔が少し怖いわよ」

 

 光輝を睨みつける勇仁に雫たちは不安そうに声をかける。

 そんな時、後ろから下劣極まりにない声が響いた。振り向くと、檜山たち小悪党組がハジメを囲っていた。どうやら、ハジメのステータスがオール10で、天職が非戦系なことであることをバカにしているのだろう。

 

「あいつら、この世界でも何やってんだか」

 

 恵理は、不快げに眉をひそめていた。

 

「勇仁?」

 

 ハジメを助けようと雫が近づこうとするが、その前に勇仁がハジメたちの下へと歩いていった。小悪党組は勇仁に気がついたのか、地球の時とは違いニヤニヤしながら、勇仁を囲い込む。

 

「おい、光月!  お前、天職が魔導士みたいだな」

「後衛職のお前が、前衛職の俺たちに勝てるのかよ!」

 

 どうやら、勇仁が後衛職の魔導士であることに強気になっているようだ。

 

「後衛だから、すぐに殺されちまうな!」

「ヒァハハハ~、学校ではエリートでも、こっちじゃ落ちこぼれだな!」

 

 元の世界での鬱憤を晴らしているのか、檜山たちは勇仁を見下しながら嘲笑っていた。

 

「おい、ハジメ」

 

 だが、そんなバカ四人組を無視して勇仁はハジメに近づいた。

 

「ゆ、勇仁」

「これ、お前のだろ」

 

 勇仁は手に持っていた()()()()()()()()()()()()()を前に出した。

 

「え?!」

 

 ハジメは自分のステータスプレートを見て驚愕した。ハジメだけでなく、その様子を遠くから傍観していたクラスメイトたちやメルドたち騎士団も驚いていた。

 

「なっ!」

 

 檜山は勇仁の手にあるハジメのステータスプレートを見て自分の手を確かめる。いつの間にかハジメのステータスプレートが取られていた。

 

「こ、光月! てめぇ、いつの間に!」

 

 檜山は勇仁を睨みつけた。ハジメにステータスプレートを渡した勇仁は、そのまま檜山の方に振り向いた。

 

「取られたことに気付かない前衛職って、いる意味あるのか?」

「んだと、てめぇ!!」

 

 勇仁の発言に檜山たちは顔を真っ赤にして勇仁に食いかかる。そんな一触即発の状態になっていたが、

 

「こらーー! 何をやっているんですか! 喧嘩なんて先生許しませんよ! ええ、先生は絶対許しません!」

 

 ちっこい体で精一杯怒りを表現する愛子が割って入った。その姿に毒気を抜かれたのか、先程までのピリついた空気がなくなっていた。愛子はハジメに向き直ると励ますように肩を叩いた。

 

「南雲君、気にすることはありませんよ! 先生だって非戦系? とかいう天職ですし、ステータスだってほとんど平均です。南雲君は一人じゃありませんからね!」

 

 そう言って「ほらっ」と愛子先生はハジメに自分のステータスを見せた。

 

=============================

 

畑山愛子 25歳 女 レベル:1

天職:作農師

筋力:5

体力:10

耐性:10

敏捷:5

魔力:100

魔耐:10

技能:土壌管理・土壌回復・範囲耕作・成長促進・品種改良・植物系鑑定・肥料生成・混在育成・自動収穫・発酵操作・範囲温度調整・農場結界・豊穣天雨・言語理解

 

===============================

 

 ハジメは死んだ魚のような目をして遠くを見だした。

 

「あれっ、どうしたんですか! 南雲君!」

 

 ハジメの姿を見て、ガクガク揺さぶる愛子。予想外の反応に彼女は動揺してしまう。

 

「先生も充分チートじゃないか」

 

 先生は励ましたかったんだろうが、結果的に止めを刺されてしまったハジメを見て、さすがに同情せざるおえなかった。

 その後、武器を提供するためにメルドは光輝たちを引き連れて宝物庫へと向かう。勇仁も皆の後に続こうと進むが、突然、足を止めて壁に並び立つポールに視線を向ける。

 

「勇仁君。何してるの?」

「……いや、何でもない」

 

 恵理に呼ばれて、勇仁は訓練場を後にした。

 訓練場に誰もいなくなると、ポールの陰から誰かが出てきた。

 

「まさか……気づかれるとはな」

「偶然じゃないの?」

 

 出てきたのは勇仁たちと同い年ぐらいの二人の男女。

 男の方は中性的な容姿をした高身長の少年。ショートの茶髪を青いフードで隠しており、腰には長さの違う双剣を背負っていた。

 一方で女の方は少年より頭一つ分小さい可愛らしい少女。ピンク色の髪をツインテールにし、黒のシルクハットを被ったクマのぬいぐるみを手に持っていた。

 

「さっきのだけじゃない。勇者のステータスが公開された時も、あいつは勇者じゃなくて、その先の俺たちが隠れていたポールの方を見ていた」

「ふ~~ん。他の人たちは全然、気づいていなかったみたいだけど。すーちゃん、本当にあれが"神の使徒"なの? あれじゃあ、すぐにやられちゃうんじゃない?」

「教会に潜らせた"彼女"の話だと異世界から召喚された者たちらしい。見たところ、さっきの男以外は、全員、実戦経験は皆無といったところだろう」

「じゃあ、当分は彼を警戒するって感じかな?」

「そうなるな。それじゃあ、リーダーに報告しに帰るぞ」

「え~~! もう帰っちゃうの?!」

 

 少女は駄々をこねながら、少年に縋りつく。その姿に彼は呆れた視線を向けていた。

 

「俺たちの任務は"神の使徒"の偵察だろう? 寄り道なんかしたら、サブリーダーのあの人に怒られるぞ?」

「大丈夫だよ。あの人は今、フェアベルゲンに行ってるから、絶対にバレないよ。それにリーダーのことだから、たぶん、アジトじゃなくて、町を回ってるんじゃないかな?」

「それは……言えてるな」

「だったら、アジトで待つよりも、町に回って探した方が効率がいいでしょ」

「お前……、それ絶対に建前だろう」

 

 町へ行く気満々の少女に少年は肩を落とすしかなかった。

 

「わかった。ただし、見つからなかったら、すぐに帰るぞ」

「ありがとう! やっぱり、すーちゃんは優しいね」

「やれやれ……」

 

 その後、二人はその場から姿を消し、訓練場は静寂に包まれるのであった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 その日の夜、勇仁は自身に与えられた部屋に戻る。ベッドに腰を掛けて懐から自分のステータスプレートを取り出す。表示されている自身のステータスを勇仁はいぶかしげに凝視していた。

 

「……試してみるか」

 

 勇仁は目を閉じて神経を集中させる。毎日の鍛錬で行っている魔力のコントロール。勇仁は自身の魔力をステータスプレートに注ぐ。ゆっくりと目を開けた勇仁は再びステータスプレートを確認する。

 

「上手くいったか」

 

 自分のステータスを見た勇仁は口角を上げる。表示されているステータスが先程のものとは違うものになっていた。

 

============================

 

光月勇仁 17歳 男 レベル:???

天職:魔導士・英雄

筋力:500 [+最大6000]

体力:900 [+最大6000]

耐性:800 [+最大8000]

敏捷:600 [+最大7000]

魔力:20000

魔耐:20000

技能:全魔法[+武装付加]・念話・魔力操作[+身体強化][+部分強化]・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・精霊の加護[+ステータス上昇][+言語理解][+隠蔽]

 

==============================

 

 光輝のチートステータスを越えたバグレベルのものになっていた。

 

「[+隠蔽]……。これが原因か」

 

 勇仁は技能の最後にある「精霊の加護」と[+隠蔽]に注目する。

 メルド団長の話では、ステータスには後天的技能として"派生技能"というのがあるらしい。精霊の加護の派生技能である「隠蔽」がステータスの表示を変えたのだと、勇仁は瞬時に見抜いた。

 

「最初に気付かなかったら、分からなかったな」

 

 ステータスプレートに血を擦りつけステータスを確認したとき、精霊という単語を勇仁は見逃さなかった。他のも確認しようとしたのだが、ステータスがすぐに変わり、周りに人がいたことから、勇仁は今まで調べることができなかったのだ。

 

「精霊が俺のステータスを偽ったのか」

 

 しかし、何のために?

 

 あまり目立つのはまずいから皆のステータスに合わせてくれたのはありがたかったが、なぜ偽る必要があるのか、勇仁は疑問を浮かべる。

 

「精霊は俺に何か危険を知らせているのか」

 

 勇仁は今後の行動に注意することを心掛けて、明日に備えるためにベッドへと入るのであった。

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