ウルトラマンGATE 超人 彼の地にて、斯く戦えり   作:食卓の英雄

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禁じられた侵略:前編(2)

 

 夜も深まった刻、変化は起こった。

 正体不明の武装集団が山海楼閣に近づいているのが確認されると、その命令は実行された。

 

 今作戦にあたって使用されている状況管理運用システムルーム。ここには嘉納防衛大臣とその付き添いである背広組の参事官、制服組の幹部ら、そして指揮所担当の制服自衛官らが見守っていた。

 

 中央モニターでは山海楼閣を取り囲む周囲における戦況が描かれており、システムルームに置かれた数台のコンソールでは、モニターと向かい合う担当者が偵察衛星や空に浮かぶ偽装飛行船から送られてくる情報を読み取って分析し、インカムに向かって語りかけていた。

 

「北北東の高の台に熱源三。アーチャー……十時から十一時の方角よ」

『こちらアーチャー。目標を捉えた』

 

 小規模の不正規戦において、どのような指揮運用方法が適切であるかを、歴史の浅い特殊作戦群では、ほぼ手探り状態で見出そうとしていた。

 やはり実際に行ってみて検証、改善案を出すのが一番であるという考えのもと、今回は後方に控える指揮者ひとりに対して、戦場に身を置く戦闘要員がひとり、というペアを組む形である。

 

 このペアが七組ということから、セイバー、アーチャー等といった言葉が用いられているが、マスター・サーヴァントシステムといった名前から、誰かによる布教の成果なのかもしれない。

 

「ランサー。ポイント3へ移動……」

『こちらランサー。了解』

「キャスター、対処◯二。三時から四時方向でライダーが移動中なので撃たないように」

『こちらランサー。現在泥濘に嵌っているところ。ポイント3で一秒の遅れ』

「早く抜け出しなさい……」

 

 状況は、特殊作戦群にとって一方的に有利に展開していた。

 その人数は三十人程であったが、問題ではない。何せ、最新の機器によって敵の位置は見えているのだから。

 敵側は自分が見つけられているということにも気づかないまま無造作に近づいては、撃たれた後に慌てて物陰から身動きできなくなるといったザマである。

 

 これに対抗するには連携しての攻撃しかない筈であるが、3個のグループがあるにも関わらず、その数を全く活かしていなかった。

 それどころかその歩みは余りにも不格好で、歩き方、警戒の仕方の一つをとってもあまりに稚拙なものであった。

 

 その様子に、軍事に素人ながら疑問に思った嘉納が指揮運用担当の竜崎二等陸佐に話しかければ、竜崎は神妙な顔で言葉を紡いだ。

 

「考えられるのは、こちらがこれだけの高度な武力を用いた防御に出るとは、予想していなかったという可能性です。もう一つは、こちらの能力を測っているという可能性も考えられますが、損害を度外視し過ぎにも見えます。………いえ、だとしても動きがあまりにお粗末です」

「……とても、警察組織に顔すら割れずに行方不明者を出した様な奴の仕業には見えないがねえ」

 

 まさか、陽動か。その考えが皆に過った瞬間に、現場から驚愕の声が上がった。

 

『こちらランサー、敵が白旗を掲げていることを確認した』

 

 そのことに、にわかに揺れる作戦室。そんなにも早く身柄を明け渡すとは、これまでの行動からすれば余りにも信じがたい行動だったのだ。

 そのことに指揮者が竜崎らを伺うように見ると、それに応えるべく首を縦に振った。

 

「……細心の注意を払って、捕縛しなさい」

『こちらランサー、了解』

 

 そのことへの疑問や会話が飛び交う中、程なくしてその成果は上げられた。が、しかしてその正体は誰もが予想だにしないものであった。

 

『……こちらランサー。敵の正体が分かった』

「報告しなさい」

『……いや、敵とは言ったが、敵じゃない』

「どういうことですか?詳しい説明を求めます」

『……衝撃的な内容だが、周知を頼む。正体はただの一般人だ。……中国人とかも混ざってますが、中に一人日本人がいた。武器こそ持ってるが、軍人でも雇われでもない!素人だ!俺達に保護を求めている!』

「ランサー、落ち着いて事情の説明を」

 

 次第に語気の荒くなるランサーへと、冷静さを取り戻すように告げる指揮者も、背筋に妙な寒気を覚えながらも紡いだ。

 

『この一団は、攫われ―――ガッ…!?』

「ランサー、応答しなさい。ランサー」

 

 説明途中に不自然に途切れた言葉に、ランサーのうめき声と地面に倒れて装備が擦れる音。

 同時に男の低い笑い声が聞こえ、その場にいたであろう降伏した一団の、国籍入り交じった悲鳴が轟音と共に届いた。

 

 モニターに記された熱源反応は、ランサーの近くにあったものが全て消失し、そしてランサーを示すシグナルも途絶えた。

 その間、新たな熱源反応はない。

 

「……伏兵か?いや、だとしてもここに至る全てのセキュリティを掻い潜ってきたというのか…?」

「攫われた……だと?だとしたら、本当に何も知らない一般人が囮に……?」

 

 その驚愕の情報に、先ほどまでとは逆に指揮所内で混乱の声が上がると、その確認を取るべく他の部隊にも指示を出した。

 

 その直後のことである。

 

 嘉納たちの背後。作戦指揮所のドアがノックされたのである。

 

「「「ッ――!!?」」」

 

 誰かが制止の声を投げかける隙もなく、その扉は開かれた。

 嘉納を守るべく、周囲の自衛官が前に立ち携帯していた拳銃を構える。

 

 剣呑な空気が満ちた室内に、しかして姿を現したのは、少し前にも見た顔だった。

 

「……?確か、ここの警備担当の……」

「……入室の許可は出していないぞ。要件があるなら上で聞こう」

 

 流石にこうして銃を突きつけられたとあっては真面目な顔になるのか、両手を上に上げて入室したのは、ここ防衛省の今の警備担当者であった。

 当然、この作戦指揮所を運用するにあたって、地上を通っているので、その際に顔を合わせたのだろう。

 

 しかし、いくら警備担当者とはいえ、作戦行動中であるこの一室に無断で立ち寄っていいわけではない。直ぐ様気を引き締め直した。

 

 無言で歩き出そうとする警備担当者へと、降ろしかけた拳銃を向け、竜崎は警告した。

 

「待て。現在この作戦指揮所は特殊作戦群で使用中だと伝えている筈だ。事前連絡もなしに訪れる場所ではない」

 

 止まらなければ撃つぞ。そう暗に示しながら、この行動を不審に思った竜崎は後ろ手に確認するように指示をする。

 

 竜崎は更に告げる。

 

「何故理由を言わない。説明するまで、不要な行動を取った場合は―――」

 

 そこまで言った所で、担当者から声が上がった。

 

「……既に警備担当者は交代。現在、休憩室にいるとのことです」

 

 その言葉と同時に誰もが臨戦態勢に入った。

 

「止まれ!!!お前は何者だ!」

 

 目の前の存在は、どこからどう見ても一警備員そのもの。いかに真面目と言われる日本人でも、こうまで迫られてなお無表情でだんまりを決め込むなどというのは、不気味だった。

 

 全員から武器を向けられて、立ち止まった警備担当はそこに至って初めて笑った。

 否、それは口角が上がったという訳では無い。むしろその逆、まるで動きを見せない表情筋のまま、耳がピクピクと動いてそれは現れた。

 

「フフォフォフォフォフォフォ、フォッフォッフォッ……!」

 

 まるで地の底から響いているような、低く不気味な声だった。

 既にそれはヒトのそれではない。縦に長い蛹のような形の頭部に、黄色の割れ目がアクセント。その中には、左右の位置がズレた目玉がギョロリと指揮所を見渡す。

 

「う、宇宙人…!」

「馬鹿っ、こいつはウルトラQのケムール人だっ!」

 

 

『誘拐怪人 ケムール人』

 

 

 初めて目にする異常な光景。そして不気味な外見と唸り声。真正面から見てしまった彼らの反応は、常人では判断できないほどのものだったが、確かに一拍遅れた。

 

 そして、その一瞬はケムール人相手には命取りであった。

 

「フォッフォッフォッフォッフォッフォッ…!」

「うあっ!?」

「しまっ」

 

 ケムール人が頭を勢いよく振り被れば、頭部の穴から透明の液体が噴き出す。

 反応の遅れた周囲の面々や竜崎にかかった瞬間、彼らの肉体は文字通りその場から消滅した。

 

「ひっ…!」

「…嘉納大臣を死守しろ!」

 

 その命令と同時、周囲の自衛官がケムール人へと発砲し、嘉納だけでも逃さんと肉の盾になる。

 

『こちらセイバー!何があった!』

「作戦指揮所は襲撃にあっていまっ」

 

 即座に反応した指揮者がケムール人の液体に触れ消滅する。

 

 そのことに戦慄しながら、彼らは決して逃げずに立ち向かった。

 銃弾を浴びて尚健在のケムール人に一人の自衛官は舌打ちしつつも、それでも嘉納防衛大臣だけは逃がそうと立ちふさがる。

 

 ドアを抜ける間際、学生時代ラグビーをやっていたと答えた参事官がどうにか組み付いて時間を稼ぐ。

 

 嘉納は久々に全力疾走で廊下を駆ける。

 

 背後からは、争うような音がほんの少しだけしていたが、直ぐに不気味な笑い声が木霊する。

 

 警戒こそしていたが、まさかここまでされるとは思っていなかった。

 

 常日頃から想像力の足りない官僚たちにボヤくようなことはあったが、今はまさに自分がその被害にあっている。

 

 一体どこからバレた。何が目的だ。そう逃げながら思考し、ケムール人が他を差し置いて自身を追おうとしていたことを思い出す。

 

「俺じゃねぇか……!」

 

 考えて見れば、こうして政治の中心でもなく、秘密裏に行われた作戦の指揮所など、対応が遅れるのは必至。

 普通ならば無理難題であっても、宇宙人クラスであれば、むしろ人目につかずに少数で固まるために、やりやすいことこの上ないだろう。

 

 そもそも、伊丹に化けて現れたことを踏まえれば、あの時の歓談を見られていたのだろう。顔馴染みであることで油断を誘える上、あの会話を聞いていたのならば特殊作戦群の配備を知っていることにも合点がいく。

 

 そう理屈を捏ねながら真っ先に携帯を確かめるが、電波が遮断されているのか、圏外になっているどころか原色のまま固まってしまっている。

 

 ここからの増援は事態を聞いた特殊作戦群が戻って来るか、自力で逃げ延びる他ない。

 

 竜崎の手からこぼれ落ちた9mm拳銃をどさくさに紛れて拾っているが、嘉納は訓練を受けた戦士ではない。まして相手はその中でも優れた人員を嵌めた相手だ。ないよりはマシ程度だと思ったほうがいいだろう。

 

 施設の間取りは頭に入っているつもりだが、生憎宇宙人に追われながら逃げる練習などしていない。

 

 それでもやらなければ、宇宙人という侵略者に好き放題されかねないのだ。

 

 覚悟を決めて、嘉納は銃をマニュアル通り(ゲームやアニメで見るようなものだが)に構え、足音と息を殺して施設を進む。

 気分は蛇の名を冠する伝説の傭兵を操作するゲームのよう。ただし、緊張感は桁違いだ。

 

 息を潜め、角から顔をのぞかせ、いないと見るや足早に駆ける。その繰り返しだ。

 

「ふー…。ここからはそう遠くねぇ。……だが、出口はあいつらも張ってるだろうな…」

 

 誰だってそうする。俺だってそうする。とネタを挟むことで心の平静を保つ嘉納は、あえて大きく声を上げた。

 

「……た、助けてくれ!中に宇宙人が!!護衛もやられちまった!」

 

 ガンガンガン、と足音を立ててドアを勢いよく開く。

 

 同時、嘉納は脇道に逸れて別の部屋に身を隠す。

 

 これで行き先を間違えてくれれば御の字。

 暫く待てば、特徴的な笑い声が人間ではありえない速度で接近し、次第に通り過ぎていく。

 

 賭けに勝った。そう安堵した嘉納は、気づかれぬ内に別方向の窓から外へ駆り出した。

 

「おー、痛てて、俺も歳だな…」

 

 窓枠から飛び降りただけなのに、衝撃が膝に来てしまった。そのことに老いを実感しながら、助けを求めるべく走り出した。

 

 すると、建物の陰に差し掛かったところで、じゃり、と土を踏む音が聞こえた。

 

「っ!」

 

 即座に振り返り銃を構える。その反応速度は嘉納の人生でも屈指のものだっただろう。

 

 すると、突然銃を突きつけられた相手は、しかしてそちらも警戒するように小銃を構えていた。

 

「嘉納防衛大臣…。無事でしたか」

「………あんたは、確か…」

 

 その姿に見覚えのあった嘉納は記憶野から名前を思い出す。

 別に付き合いがあるわけではないが、よく挨拶をする真面目な若手で、防衛省に来る際は何度もすれ違っている。

 そうだ、確かイトウとかいう名前だった筈だ。

 イトウは目の前で安堵したように息をつくと、外に宇宙人が現れ、自身も襲われたこと。残っている宇宙人や救助が必要な者がいないかの確認に来ているのだと言う。

 

 その仕草や口調は自然なものだったが、嘉納は先ほどの警戒心を引きずっているのか、どうにも妙な違和感を覚えた。

 

「……安心したよ。ヤマグチさんよ。そうだ、他の奴らはどうしたんだよ。ほれ、お前さんの部下のナカヤマとタニグチ、それとイトウは何処なんだ?」

「ええ、無事です。襲撃には遭いましたが、何とか危機は脱せました。さ、こちらに」

 

 笑みを浮かべたイトウに対して、地面の砂を高く巻き上げて即席の目眩ましをすると、嘉納は踵を返して脱兎のごとく駆けた。

 

「畜生っ!こいつもか!!」

 

 何も、意味もなくこんなことをしたわけではない。

 

 先ほどの口振りからして宇宙人に遭遇して危機を脱したという割には交戦しているような音や騒ぎは耳に届いていない上、そのような特殊能力を持つ宇宙人相手にただの一自衛隊員でしかないイトウがたった一人で来るわけがない。

 

 さて、その答え合わせの時だ。

 

 走りながら背後を見やれば、視力を取り戻したイトウの姿は青い光の幕に包まれるようにして本当の姿を現した。

 

 それは正しく異形の姿。長く伸びた頭頂部に並ぶ二つの目。白い格子状の体組織に、胴体には赤いチョッキのように見える部位がある。その両手には、蟹のような鋏がついていた。

 

「…なぜ分かった!」

「ケムール人じゃねぇ、こいつは、確かゴドラ星人か!?」

 

『反重力宇宙人 ゴドラ星人』

 

 出し抜かれたことに憤慨するそれは、癇癪を起こすようにその爪を横に振るった。その仕草にびびっと来た嘉納は咄嗟に跳んだ。

 

 直後、ゴドラ星人の振るった爪の延長線上をなぞる様に地面が炸裂する。

 

 ゴドラ星人の爪の先にはゴドラガンというビームを発する事が可能な部位があり、薙ぎ払うように発射されたそれが地面を穿ったのだ。

 

「うがっ…!」

 

 その勢いに吹き飛ばされる嘉納。身につけていたピシッとしたスーツは破れ、土埃に塗れる。慣れない痛みに声を上げ、それでも僅かなチャンスを逃すまいと、拳銃を向けるも、既に構えていたゴドラ星人によって弾き飛ばされる。

 

「フハハハハハッ!この日本が地球で最も我らの技術に近づいていると聞き最優先目標としてみれば、この程度か!」

 

 地を転がる自動拳銃。

 勝ち誇るゴドラ星人が爪を打ち鳴らし、じわりじわりと距離を詰める。

 

 逃げようにも向こうに飛び道具がある上に、遮蔽も少ない。大人しく両手を上げて嘉納は降伏の姿勢を取った。

 

「畜生、わかった。降参だ。降伏する。お前達の目標は俺の身柄か?」

「………何か、勘違いをしているようだな。我々は、この地球を征服するにあたって脅威である自衛隊、ひいては特別指定災害級生物対策課を纏めている貴様を排除できればよいのだ。我々の変身能力で頭を挿げ替えてしまえば、最早操り人形も同然。各国から集まる技術者や対抗策を管轄できる立場となるのだ。………つまり、貴様が生きている必要はないのだよ」

 

 ゴドラ星人が高笑いをしながら嘉納へとその爪を向ける。

 

「そりゃねぇぜ」

 

 人間相手の対応では、異なるスキル、テクノロジーを持つ異星人には十分ではない。そう理解はしていたが、まさかこうなるとは。

 

 苦々しく思いながらも、ここで自分がやられれば、その立場が悪用され、日本、ひいては世界そのものの危機となる。

 そのことに憤慨し、どこか冷静な部分が(SFもので脅威にさらされたお偉いさんもこんな気持ちだったのかね)と達観する。

 

 まさか、こんなことになるとは。

 

 このことのきっかけでもある特地来賓を思い出しては、その中心にいる顔馴染み。伊丹耀司へと心の中でエールを送る。

 

 そして、覚悟を決めた。

 

「こちとら、生粋の日本男児よ!どうしようもないからってはいそうですかと殺されてたまるかってんだ!俺は嘉納太郎、本位内閣防衛大臣兼特地問題対策大臣として、国民を守らにゃならねぇ義務がある!」

 

 技術で負けようとも、心までは負けまいと、侵略宇宙人何するものぞ。そう言わんばかりに最期の抵抗に出た嘉納。

 

「無駄な抵抗を」

 

 その姿を見て嘲笑するゴドラ星人は、お望みならばそうしてやろうとゴドラガンを頭へと向けた。

 

 その瞬間、横合いの脇道から強力な光と共に唸るエンジン音が迫る。

 

「何ッ!?」

 

 驚愕するゴドラ星人は咄嗟に視線を向けるが、勢いを殺さないままに突進してきた車両に吹き飛ばされる。

 

 そのままターンした車両は、嘉納の目の前で土煙を上げて停止する。

 

 車種はレトロなアメ車のシボレー・コルヴェア。銀色のカラーに、そのドアには、これまでの資料で何度となく見た科特隊を示す流星マークが刻まれていた。

 

 嘉納は迷った。このタイミングでゴドラ星人を跳ね飛ばしたことには助かったが、自衛隊の設備でもない。

 敵か味方かと逡巡する間にも、立ち直ったゴドラ星人が怒りを露わにする。

 

「邪魔をするな!」

 

 迫るゴドラ星人。あの威力に晒されてしまえば、軍用車でも何でもない車はたちまち破壊されてしまうだろう。ゴドラガンは発射直前だ。

 

 だが、それを制したものがいた。

 

「レッキングリッパー(偽)!」

「ぐわああぁぁぁっっ!!?」

 

 運転席から躍り出た人影が放った紫紺の切断光線が直撃したゴドラ星人は悲鳴を上げて爆散した。

 

「危ないところでしたね」

 

 投げかけられた声に視線を向ければ、黒いコートで全身を覆い、同じく黒色のハットで目元を隠した人物が立っている。

 

 その隙間から覗ける顔は、つい先日にも嘉納が調べた宇宙人そのものだった。

 

「ザ、ザラブ星人…!?」

「ええ、ザラブ星人、名をザインと申します。そして、ウルトラマンノヴァの協力者。……以後、お見知り置きを」

 




「誘拐怪人 ケムール人」ウルトラQ第19話「2020年の挑戦」にて初登場。
「反重力宇宙人 ゴドラ星人」ウルトラセブン第4話「マックス号応答せよ」にて初登場。今回の個体はセブンに出た個体の例に漏れず、優位に立っていると見るや計画をべらべらと話したりと、詰めが甘かった。





次回予告

温泉旅館を楽しむ伊丹達へと侵略の尖兵が肉薄する!
唸る亜神のハルバード、響き渡る銃声。特地来賓と共にこの脅威への立ち向かう。
ケムール人とゴドラ星人、二つの侵略者の狙いとは?

次回、ウルトラマンGATE「禁じられた侵略:後編」

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