ウルトラマンGATE 超人 彼の地にて、斯く戦えり   作:食卓の英雄

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感想などでこの電磁短機関銃って怪獣素材使ってね?との疑惑が出ておりますが、大元となる技術があることと、あくまで技術試作品なので、貴重な怪獣素材など使っておりません。あくまで、特殊な電気の発生方法を調べるために使われたので、今もデスドラコの角は厳重に保管され研究されています。


禁じられた侵略:中編(3)

 

「うおっ…!?また出たぞ!」

「くっ!」

「一旦下がれ!」

 

 

 先の交戦から程なくして、進む一行の前に再びゴドラ星人が現れた。どうやら仲間が奇襲に失敗したことが伝わっていたようで、最初から好戦的に構えていた。

 

 先制のゴドラガンを躱したものの、一瞬の乱れに割り込むように新たなゴドラ星人が上空から降ってくる。

 

「上からっ!?」

「そういや飛べたなコイツッ!」

 

 振るわれた鋏を何とか受け止めた真樹は、必死にしがみついて離さないが、ゴドラ星人は反対の鋏を開いてゴドラガン発射の体勢を整えた。

 

「まずいっ!」

 

 しかも、真樹も必死だ。即座に離れることはできない。それに気づいた伊丹が小銃を向けるものの、暴れるゴドラ星人と動く真樹の体が重なって引き金を引けない。

 

「どりゃぁっ!」

 

 しかし、そこに右に布陣していた浅永が突撃した。その蹴りはゴドラ星人の腕を弾き飛ばし、そのまま肩で体当たり。

 真樹を抑え込もうとして揺れていた身体では耐えられず、もろともに地面に倒れる3名。

 

「真樹さん!」

「分かってる!」

 

 直ぐに立ち直った二人が倒れたままのゴドラ星人へと電磁短機関銃―――電磁拳銃というには大きすぎる―――を交互に撃ち込み沈黙させる。

 

「よしっ!」

「まだいるぞ!気を抜くな!」

 

 ゴドラ星人を討ち取った二人が残ったもう一方の支援をしようと顔をあげれば、ロゥリィによって腕を跳ね上げられ、無防備な身体に電時短機関銃を受け斃れるゴドラ星人の姿があった。

 

「ひゅう、俺たちの出番はなかったか…」

「何も出来ませんでした…」

 

 伊丹は尻を抑えて立ち上がり、富田も迅速な制圧に舌を巻く。

 

 しかし、その安堵も少しの間だけだった。

 

 その戦闘音を聞きつけてか、新たなゴドラ星人の増援が駆けつけた。その数は4体。

 

「こ、こんなにいるのか…!?」

「後ろへ下がって…」

「伊丹隊長!後ろからも来てます!」

 

 咄嗟に後方へ下がろうにも、倒した痕跡を追ってきたのか、6体のゴドラ星人が迫っていた。

 

「正面突破する!」

「はっ!」

「了解!」

「富田!クリ!お前らも気合いれろよ!」

「っはい!」

「分かりました!」

 

 この包囲網を突破するために、選んだのは正面突破。ゴドラ星人のゴドラガンを考えれば、立ち止まってはいられない。

 

 特災課が進行に邪魔なゴドラ星人を狙い、その他は伊丹らの小銃で牽制する。が、やはりそうして数がバラければ弾幕の集中もなくなり、足止めが不十分な個体が生まれる。

 

「人間にしてはやるようだな…!」

「だが我らゴドラ星人には敵わない」

 

 仲間を盾にして射撃を防いだ個体が、ゴドラガンを進行方向へと向け連射する。

 

「のわぁっ!?」

「きゃああっっ!??」

「っっ…!!」

 

 炸裂した地面が土煙を上げ、彼らの視界を一瞬塞ぐ。

 その瞬間、複数のゴドラ星人が迫りくる。

 

 土煙を払って現れたその一撃が、伊丹の頬を裂く。

 

「っこの!」

 

 至近距離ならば、確実に当てられると小銃をフルバーストして顔面に連射するも、それは少しの隙を生んだだけに終わる。だが、彼とて紛れもなく自衛官。撃ち尽くした小銃を見るや否や、引き倒すべくそのどてっ腹に渾身の蹴り。

 

「っ痛ってぇ!」

 

 何とか引き剥がしたものの、150kgの硬質な物体を蹴った衝撃は伊丹の身体も傷つけていた。つま先蹴りじゃなくて足裏で蹴り飛ばすべきだったと反省するも、そこに別のゴドラ星人が伊丹を狙う。

 

「危なっ!」

 

 身を転がしてどうにか回避したものの、先ほど足止めした個体も立ち直って転がる伊丹を待ち受けていた。

 

「あ、はは……」

 

 乾いた笑みを浮かべたものの、現実は変わらない。くぐもったような笑いを零したゴドラ星人は、しかして背後から電時短機関銃を複数受けて怯む。

 視線の先には、電時短機関銃を構えると高瀬と新星の姿が。

 

 二人に気を取られたゴドラ星人は、咄嗟にゴドラガンを向けたものの、しめたと思った伊丹が足を全力で引っ掛けて転倒させる。

 

「後頼んます!」

「でかした!」

 

 直ぐ側では、ゴドラ星人を蹴り飛ばし、浅永へと任せた真樹が駆け寄り這いずる二体の顔面に至近距離で銃撃を浴びせていく。

 

 瞬く間に鎮圧されたゴドラ星人を見て、立ち上がる伊丹。当の真樹はというと、今ので使い切ったのか、電時短機関銃の弾倉を変えていた。

 

 伊丹が転んだのと同時刻、栗林は一体のゴドラ星人と相対していた。

 

 先制の銃撃を始めるも、やはりゴドラ星人の強固な外殻は貫けない。その抵抗を無意味と嘲笑うかのように近づくそれに、栗林は打って出た。

 

「このっ!」

 

 その小柄な体躯を活かし、懐に潜り込んだ栗林の一撃が刺さる。格闘徽章持ちの彼女の一撃は、例え素手であってもただではすまない。

 

「ぐっ」

 

 外殻のない腹に一撃を受けたゴドラ星人は背後へとたたらを踏むも、またもや迫る栗林へ向けて鋏を振るった。

 が、それを軽快な動きで避けたと思うや、軽快に立ち回った栗林が銃剣格闘術で以てゴドラ星人へと痛撃を加えていく。

 

 体重差をものともしない一撃は次第にゴドラ星人を怯ませていく。銃弾は殺傷能力こそ高いものの、その威力で貫通できないものとなると途端に豆鉄砲になる。

 

 同程度のサイズならば、こうして格闘に切り替えた方がまだ戦えるという判断だった。 

 ゴドラ星人も負けじと鋏で栗林を捉えんとするが、左右に飛びながら撹乱し、一撃一撃を叩き込んでいく。

 

 そして、ガードが緩んだ隙を逃さず、見事な回し蹴りを顔面に見舞う。

 

「入った!」

 

 スパァンッ!という綺麗な音に手応えを感じた栗林だったものの、そこは宇宙人である。その足を払った瞬間、重い一撃を栗林の腹へと叩き込んだ。

 

「ぐえっ」

 

 まるでボウリング球を受けたような一撃に悶絶するも、痛みを堪えて再び銃撃。顔を狙ったものだったが、それは既に学んでいたのか、鋏で庇われ硬質な音を立てて弾かれる。

 

 そして迫るゴドラ星人の振り下ろした鋏の一撃を、小銃越しに何とか防ぐ。だが、より硬質な部位だけあって、その一撃で小銃は半ばから凹み使い物にならなくなる。

 

 さらに、それだけではない。そのままゴドラ星人は押し潰さんと力を加えてきたのである。

 

 いかに栗林が握力で64式小銃の二脚を破壊できる程の筋力を持っていようとも、ゴドラ星人もまた強靭な筋力を保有している。

 

「ぐぐぐぐっ…!」

「こんのォっ……!」

 

 その押し合いは、拮抗。いや、わずかにだが栗林が押し負けている。やはり純粋な力比べとなると、筋力だけでなく体重も加味されてしまう。

 加えて、先の一撃で腹に力を込める度に鈍痛が栗林を苛む。

 

 あわやそのまま押し切られるというところに、風切り音と共にゴドラ星人へと矢が襲いかかった。

 

「ぐあっ」

「嘘っ、弾かれた!?」

 

 それを成したのは、荷物からコンパウンドボウを取り出し構えていたテュカ。エルフらしく弓の扱いに長けていた彼女は、寸分狂いなく栗林と押し合いをしているゴドラ星人の目へと矢を放っていた。

 

 自衛隊の銃が顔を狙っていたこと。そして、炎龍ですら目への矢は通用したが故の考えだった。

 だが、ゴドラ星人の眼球は甲殻類や昆虫などのように多数の甲殻質で覆われている。眼球も薄いながらに無防備ではなく、それ故に弾かれた。

 

 しかし、いくらダメージが薄いとはいえ、突然目の前に矢のような大きな物が飛び込んできては、驚くのも当然だろう。

 

 思わず身体を仰け反らせてしまったゴドラ星人を一気に押し返し、その顔面を壊れた銃床で殴り伏せる。

 

 そのまま殴り伏せようとする栗林へと、背後からレレイが声をかけた。

 

「下がって」

 

 レレイは一人、栗林が抑えていた時すでに魔法行使の支度を始めていた。

 この乱戦の中、守っている戦力を信じ、滔々と意味ある詠唱の言葉を紡いでいたのである。

 

 レレイの突き出した掌を中心に、小さなプラズマ円が描かれる。その光の円は腕輪のように浮遊し、二つ三つとその数を増やしていき、直径は大きくなっていった。

 

 その輝きを見た栗林は最後のダメ押しとばかりに顔を殴りつけ戻る。それを見届けたレレイは、狙いを定めて連環から手を引き抜き放つ。

 

「buge-main」

 

 光の円が連鎖的に弾けたと思うや、その炸裂は次第に加速、増幅されていき、一条の光の矢を生み出した。

 

 その光の矢は熱量の塊。一直線に突き進んだそれはゴドラ星人へと突き刺さり爆裂という結果を生み出した。

 

「きゃあっ!?」

「ちょっ!?」

 

 テュカはその優れた聴覚に突き刺さる爆音に思わず耳を塞ぎ、あわや巻き込まれる寸前だった栗林は額に汗を滲ませて爆風から身を守る。

 

「レレイ、今のって…」

「こちらの世界で学んだ『理』を用いて編み出した。『火薬』と呼ばれる物に相当するものがこれ」

 

 それは、知識欲が人一倍高いレレイだからこそ、これ程の速さで身につけた魔法だった。

 元々、自衛隊が用いる『銃』や『砲』のような強力な武器が登場した挙句に、怪獣なんてものを知ってしまった今、これまでと同様の努力では時代の変革に対応できない。

 

 門の向こうの『原理』の探究は特地の遙か先を行き深く広かった。その『原理』に沿った形で魔法を展開すれば、今以上の威力を発揮できないか。というのがレレイの着眼点だった。

 

 そこで、ひとまずは理解の及ぶ範囲から知識を吸収し、最も見てきた自衛隊の火器を再現しようとした結果がこれだ。

 

 もっと言うのであれば、怪獣という脅威が存在する今、軍事以外にも工事や土木の需要が広がる筈で、爆発を起こすダイナマイトも元々はその用途だと知って、真っ先にその理を組み立てたのである。

 

「やりぃ!大金星!」

「しかし、このままでは効率的とは言えない」

 

 流石に生物とあればあの爆破の連鎖からは逃れ得ないだろうと考えの発言。

 爆轟はそれだけではたいした破壊力はない。大きな音と衝撃、光、そして熱を放って終わりである。より強い効果を得たければ、然素(炭素や水素)をかき集めればいいのだが、効率的ではない。

 今回は急遽必要になったために、然素をかき集めて威力を高めたものの、それはレレイからすれば強引な力技であり、褒められたものではなかったからだ。

 

「おのれぇっ…!!!」

 

 しかし、斃れたかに見えたゴドラ星人は、ダメージを受けながらも健在。

 

 まさかの生命力に、これには栗林、テュカ、レレイもギョッと目を向く。

 

「きゃっ!?」

「うっ…!」

 

 そして向けられたゴドラガンによる光線が、テュカのコンパウンドボウとレレイの杖を取り落とさせた。

 栗林はそんな二人を庇うように拳を握りしめ、ナイフ片手に前に出るが、ゴドラ星人は栗林に遠距離攻撃手段が無いことを理解しているからか、燃える地面から離れずにゴドラガンを構える。

 

 いくら栗林が特殊作戦群顔負けの近接格闘術を持っていようと、燃える大地の上では肌を焦がされ、肉を焼かれる。

 対してゴドラ星人はその程度の炎は問題にならないらしい。

 

 このままでは、一方的に攻撃される。

 

 そう思って焦る栗林だったが、彼女たちだけで戦っている訳では無い。

 

「栗林ちゃん!頭下げて!」

 

 背後からの叫びに、栗林は訓練時の軍曹の声を思い起こして咄嗟にテュカ、レレイの肩を掴んで姿勢を下げる。

 

 すると、その上を乾いた発砲音と共に鋭い着弾音が二つ連続で響く。

 

「ガッ……!」

 

 倒れ伏すゴドラ星人を見届け、背後を見れば射撃態勢を取っている高瀬の姿が。

 

「大丈夫?」

「ええ、はい。……もうちょっとだったんですけどねぇ」

 

 高瀬の手を取り立ち上がると、栗林は何とも悔しそうな声を滲ませる。実際、体術に関して言えば上回っていたと明確に断言できるほどにゴドラ星人を追い込んでおり、いい一撃が入ったと油断したりしなければ、腹へ一撃見舞われることもなく、押し合いにも負けはしなかっただろう。

 

 後は、単純に栗林の持つ武装ではゴドラ星人に通用しなかったのも相まって、決定力不足で苦戦を強いられていた。

 小銃では人間相手には強いものの、一定以上の装甲と生命力を有する相手には途端に豆鉄砲となり、ナイフも鎧などなら隙間に差し込むなりやりようはあったが、全身が異なる組成の宇宙人とあっては、却って腕を痛めかねない代物となっていたのである。

 

「それにしても、凄い格闘技術ね。特災課(こっち)に来れば良かったのに。格闘枠あったのよ?」

「これでも格闘徽章持ちですから。……いや、その。最初はちょっとオタクっぽいっていうか、そういうのが苦手で……。それに一応自衛隊とはちょっと違う所属って聞いて……」

「そう。…まあ、今は置いときます。格闘枠と言えば、あそこの浅永君はウチの中では最年少だけど、それで選ばれたの」

 

 そう言われて視線を向ければ、そこには一人のゴドラ星人と格闘で渡り合う浅永の姿が。

 

「だっ!でいっ!」

「ガッ!グワッ…!?」

 

 ゴドラ星人が振りかぶった鋏を出だしで受け止め、怯んだ隙にプロテクター付きの膝で一撃。そのまま頭部を抱え込み、2度3度と腹へと膝蹴りを叩き込むと、ゴドラ星人も負けては居られぬと振り払う。

 

 拘束を払ったゴドラ星人へと電時短機関銃を撃つも、あまりに近すぎたせいでそれを腕ごと払われる。

 

 体ごと逸らされたその身体に、ゴドラ星人は重い一撃を叩き込む。

 

「……痛っつ…!!」

 

 腕を交差させてそれを防ぐも、ゴドラ星人はたたらを踏んだ浅永へと踊りかかる。

 

 鋭い鋏の一撃は、直撃すれば肉ごと抉り取るだろう。それを紙一重で躱しながら、素早く太ももの警棒を取り出しゴドラ星人へと叩きつける。

 

「ガッ…!?」

 

 瞬間、警棒にあるまじき炸裂音と共にゴドラ星人の体表で火花が散る。思わぬ一撃に怯んだゴドラ星人へと、先ほどの仕返しのように苛烈に責め立てる。

 

 見れば、その警棒からはバチバチと、スタンガンの比ではない激しいスパークが生まれており、相当強力な電流が流れていることを伺わせる。

 警棒術と体術を組み合わせた一連の動作は、栗林から見ても見事なものだった。

 

 やがて、やけになったゴドラ星人が立て直すためにゴドラガンを構えた。

 

 しかし、近接の間合いにおいて、その一瞬の硬直は悪手だった。

 浅永の回し蹴りで軌道を逸らされたゴドラガンはあらぬ方向へ。

 

「しまっ…!?」

「とどめぇっ!」

 

 それに狼狽えた隙を逃さず、警棒の先端が顔面を突き飛ばし、また一体が沈黙したのであった。




浅永くんは精鋭ばかりの中で格闘のみで入ってきたやばい奴です。年齢は24歳。大体栗林とほぼ互角。でもムサくないよ。さっぱりした明るい好青年で少年っぽさの残るイケメンです。
俊敏性と柔軟性は栗林の方が上ですが、筋力と体力では浅永くんの方が高いです。
スカイタイプの栗林、パワータイプの浅永です。
そしてグリッター新星エタニティ。

因みに、電磁短機関銃の基礎となる機構を開発したのは同じ隊の村崎です。
同じく電磁警棒も対異星人用の近接兵装です。電極には電磁短機関銃に使っているような高出力のものが使用されており、当然ながら絶対に人に向けて使ってはいけない。

因みにそれぞれの人材のレア度で表すと
N→R→SR→SSR→UR

伊丹:SR 富田:R 栗林:SSR レレイ:SSR テュカ:SR ロゥリィ:SSR ピニャ:R ボーゼス:R 梨沙:N
新星:--- 真樹:SSR 高瀬:SR 浅永:SSR 村崎:UR くらいになります。
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