ウルトラマンGATE 超人 彼の地にて、斯く戦えり   作:食卓の英雄

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うおおおおっ!!!
今回のウルトラマンオメガでNDFの対怪獣試作徹甲弾が出てきたぞ!!これまで怪獣などの被害がなかった地球で通用する武器の素材が怪獣の牙とは…。いいね。最高!
今回は選んだ対象があれだったけど、発想自体は悪くないと思う。むしろ、今回ので注意点が分かったから、新たに倒された怪獣のを厳重に検査すれば使っても問題なさそうだけど…。話の展開的に封印されてしまうのだろうか…。


禁じられた侵略:中編(4)

 

 

 そして場面はまたもや移り変わる。ロゥリィは二体のゴドラ星人を相手取り、一歩も引かずに戦っていた。

 

 振るわれるハルバードはゴドラ星人のガードごと崩し、ゴドラガンの脅威にも臆さず迫る。振るわれた鋏をハルバードの柄で受け流し、その背を盛大に蹴り飛ばす。

 

 そして、いざトドメと大きくハルバードを構えれば、途端に横合いから腕へ向けて放たれたゴドラガンにより中止される。

 

「んもぅ、ちまちました戦いは女性に嫌われるわよぉ?」

 

 この通り、派手に戦うロゥリィはゴドラ星人にも危険視されているのか、互いに攻守を入れ替え、片方がやられそうになれば妨害をしてくるようになったのだ。

 

 ロゥリィの膂力や運動性能は人外染みていると言えど、その肉体の耐久性や痛みは人と同等程度に収まっている。

 故に、こうして徹底されているせいで攻めきれない。彼女一人であるならば、どうとでもやりようはあるものの、やはり守るべき一般人がいることに加え、ゴドラ星人の総数が分からない以上、あまり離れる訳にもいかないために戦いづらそうにしていた。

 

 並みの相手であれば、それでも容易に瞬殺出来るのだが、ここで炎龍並とも評した甲殻のせいで、力を込めて地面に向かって振り下ろさなければ決定的な一撃にはならない。

 

 …無論、耐久性と亜神の不死性を挙げれば、時間をかけていくごとにゴドラ星人は劣勢に追い込まれていくであろうが、そんな戦いはロゥリィの好みではない。

 身も蓋もない言い方をすれば、不毛な遅延戦術に苛立っていたのである。

 

 そこに転換期が生まれる。

 

「ガッ…!?何故っ…!?」

 

 控えていた個体が背後からの衝撃で前に押し出される。浅永が逸らした個体の一撃が、ロゥリィと相対していたゴドラ星人へと直撃したのだ。

 

「隙ありぃ…!」

 

 それを見逃すロゥリィではない。近くの個体を柄で突き飛ばし、転身。前のめりになったゴドラ星人目掛けて勢いよく得物を振り下ろした。

 

「な、何だと!?」

 

 その一撃で形勢は一気にロゥリィへ傾いた。

 同胞が斃れたことに驚愕の声を上げたゴドラ星人だったが、次の瞬間には既にロゥリィは宙を舞っていた。

 

「もう一発ぅ!」

 

 優雅にも見える滞空。勢いそのままに振り砕かれるハルバード。

 その2発で、拮抗していた戦場は終わりを告げた。

 

 

●●●

 

 

「え?え?夢?夢じゃないよね!?」

「くっ…、私も…!」

「やめよボーゼス!イタミ殿らでさえ苦戦する相手に武装もなしに何が出来る!?」

 

 一方その頃。少し時間は巻き戻り、一般市民である梨沙と遠距離攻撃手段のないピニャ、ボーゼスらは彼らの包囲の中央に立っていた。

 梨沙は宇宙人に狙われ、それを元夫含んだ特殊部隊が相手取っているという状況に目を疑い、ピニャ、ボーゼスらは目まぐるしく変わる戦況と、襲われているというのに守られるだけの立場に甘んじていることに苦虫を噛み潰したような表情を作る。

 

 ピニャ自身、先のイタリカで自衛隊や銃の力を見せつけられたからこそ、目の前のウチュージン(ゴドラ星人)は例え己たちが剣と鎧を身につけて完全武装していたとしても敵わないということが理解出来てしまったために、そう言わざるを得ない。

 

 とはいえ、ボーゼスの心境は更に複雑である。元より敵わないというのも承知の上だが、ピニャは帝国の皇女であり、自らの上司でもある。その護衛として来ているはずの自分が、こうして無力な民のように守られていることに悶々としているのだ。なまじ人に近い大きさだからこそ、余計にその感情は強い。

 

 そうしている間にも、戦況は目まぐるしく移り変わる。特に、敵の数の多い今、何処かが突破されたら瓦解されかねない。

 

 だからこそ、何が起ころうとも対処出来るように周囲に目を配れ、という意味も含めての言葉であった。

 

 しかし、悔しさを滲ませたボーゼスは、背後から迫る一体のゴドラ星人に気づくのが遅れた。

 

 これが正規の軍人であったり、自衛隊員であるならば、互いに背を預け、死角をなくすという方法もとったのであろうが、一人は本格的な実戦はイタリカ防衛が初の皇女。一人は未だこの敵と戦術に慣れない騎士。そしてただの一般人である梨沙では、例え一人が警戒していても穴が生まれてしまう。

 

「ボーゼスッ」

 

 ピニャの怒声にハッと向き直ったボーゼスだったが、咄嗟に抜剣しようとして、帯剣していなかったことに気づく。

 

「しまっ…」

 

 迎撃態勢を取ってしまったせいで、今からの回避は難しい。かといって、無手でゴドラ星人の攻撃を凌ぐのも限界がある。

 

 ここまでかと思われたその時、ゴドラ星人の動きが鈍る。

 

「ボーゼスさんっ!!」

「ト、トミタ殿…!」

 

 他の戦局の援護に徹していた富田が、ゴドラ星人へと組み付いた。

 撃たなかったのは、位置の関係もあったが、銃弾の通らない硬さのゴドラ星人に対するストッピングパワー不足だと判断したが故。

 

 急な突進に虚を突かれたゴドラ星人は、その一撃を空振り。

 富田はここで離してはいけないと、ゴドラ星人の腕を掴み、引き倒さんと力を込めたものの、立ち直ったゴドラ星人も負けじと腰だめに構えて堪える。

 

「おのれっ!」 

「ぐあっ…!?」

 

 バッとその手を振り払ったゴドラ星人は、なおも引き剥がさんとラグビーのような低姿勢で離さない富田に、二度三度と背中に叩きつけられるダブルスレッジハンマー。

 

 くぐもった声を上げながらも必死にしがみつく富田だったものの、流石にゴドラガンを向けられては慌てずにはいられない。咄嗟に銃口から逃れれば、それを予期していたゴドラ星人により蹴り飛ばされる。

 

「ぐぁっ…!」

「トミタ殿!」

 

 転がる富田を受け止めるボーゼス。その仕草には、騎士や貴族らしさといった誇りではなく、どことなく乙女な雰囲気を漂わせていた。

 

「おのれ…!数はいるのだ。一人二人死んだ所で構うまい」

 

 ゴドラ星人は、取るに足らない筈の人間に留められたことで逆上したのか、二人諸共に抹殺せんと己の鋏を構える。

 

「っボーゼスさん逃げろ!」

 

 富田は立ち直れていない自分に構わず逃げろと叫ぶが、ボーゼスも富田を置いて自分だけ助かろうという気などない。

 

 それどころか、富田を庇わんと前に出てしまう。

 

 これに富田は焦る。まだ関わりは少ないものの、魅力的な女性だと感じ、あまつさえ守るはずの自分が非武装の女性に庇われている。

 何と屈辱的なことか。何と悔しいことか。何と不甲斐ないことか。

 

 そしてゴドラ星人の鋏が火を吹くかと思われた瞬間、パキンという何かが割れたような音。

 

「ぐあっ!?」

 

 同時、構えていたはずのゴドラ星人が腕で顔を覆っている。

 

 何故と疑問に思うまもなく、それがかつてにも聞いた覚えのあるものだと分かった。

 

「う、うわわ……!や、やっちゃったやっちゃったっ……!!?」

 

 そこには、へっぴり腰になりながらもソニッターを両手で向けている梨沙の姿があった。

 

 聞き覚えのある音とは、炎龍との対峙で数度ほど聞いたからだろう。

 梨沙としては危機的状況故に咄嗟に撃ったのだが、やってしまったと顔を青褪めさせている。

 

「っ今だ!」

 

 しかし、その隙を逃す富田ではない。

 閃光と超音波で平衡感覚を狂わされたゴドラ星人に体当たり。体幹の揺らいだゴドラ星人にそれを耐えられる筈もない。

 

 富田ごと引き倒されたゴドラ星人も激しく抵抗するが、全力で地面に押さえつける。そこにボーゼスや他の面々も続き、こうなってはゴドラガンも形無しだ。

 

「はあっ!」

 

 身動きを封じられたゴドラ星人へと、栗林がトドメを担う。その手には高瀬から借りた電磁警棒が握られており、的確に顔面を貫いた。

 

「よしっ!通じる!ありがとねこれ!」

「いや、栗林ちゃんが持っていたほうが有効活用出来るからこの一件が片付くまでは持っておいて。私には電磁短機関銃(コレ)があるから」

 

 ようやく戦闘の音は消えた。僅かな交戦だったものの、人間と異星人の群れという状況で、内半分は対抗手段がなかったと考えれば大金星だろう。

 

 それを見守る伊丹は、転がるゴドラ星人の数と、それを倒した面々を見届け、それぞれ合わせていく。

 

(えーっと…。まず俺が引き倒して真樹にトドメ刺してもらったので二、高瀬の援護射撃で一、。浅永が肉弾戦で倒したのが一に、ロゥリィが二、今のでクリが一だから……。あと三体は?)

 

「おい、まだ気を抜くなよ」

 

 伊丹が非戦闘員を庇うように背に置きながら言うと、すぐに物音とともに何かが伊丹の目の前に飛び出した。

 

「グォアアッッ!?」

「んなっ!?」

 

 現れたのは、ゴドラ星人。ただし、自ら飛び出したというわけではないようで、直ぐに追撃が入って沈黙する。

 

「みんな、無事か?」

 

 その元を辿れば、電磁短機関銃と警棒を同時に構えている新星の姿が。

 その姿にほっと安堵し、残るは二体だと告げようとした所で、新星の側に二体のゴドラ星人が斃れていることに気づく。

 

「マジかぁ…」

 

 あの栗林や浅永、ロゥリィですらまともに向き合えば一体二体でも苦戦気味だったそれを、たった一人で三体倒している。

 

 特災課の中でも、精鋭を集めた部隊だということは理解していたが、その副隊長という肩書は伊達ではないのだなと実感したのであった。

 

「富田、大丈夫か?」

「だ、大丈夫です…」

「トミタ殿……」

 

 さて、ひとまずはゴドラ星人を退けた一行だったものの、富田がややふらつき気味だ。

 

「おいおい、ほんとに大丈夫か?ほら、背中見せてみろ」

「いえ、それよりここに留まってたら今の音でゴドラ星人が…」

「だーかーらっ、いいから見せろって言ってんの。一応俺が隊長なわけだし、お前も極秘任務ってことになってんだから、何かあったら俺が困るんだよっ!」

 

 そう言われては、模範的自衛官とも言える富田は逃れることなどできない。大人しくなった富田の背を見ようと後ろへ回れば、伊丹は戦慄する。

 

「お、お前…!」

 

 暗くて分かりにくかったが、スマホの照明で照らせば、富田の服は背中側が裂け、その隙間からは血が滲んでしまっている。

 

「うわっ、富田大丈夫?結構深そうだけど…」

「……正直、立つのも結構キツい」

 

 バレてしまっては最早隠し通す意味もない。富田は嫌な汗が浮かぶことを自覚して、青い顔で答える。

 

 ゴドラ星人のスレッジハンマーは、人間のそれと違って鋏を使って放っているものだから、当たった箇所によっては刃物で斬られたり突かれたような傷になるらしい。

 

 致命傷とまではいかないものの、傷は広く、それなりに深い。下手に戦闘や行軍を続けては命に関わっても可笑しくはないだろう。

 

「…トミタ殿、私を庇って……」

「気に病まないでください。自分は護衛として当然のことをしたまでです」

 

 何やらちょっといい感じな雰囲気になりかけているが、今はそう悠長にしてられない。

 予め備えていたこともあって、消毒して包帯を巻きはしたものの、やはり応急処置。早く治療するに越したことはない。

 

 富田はボーゼスに肩を借り、何とか再び進み始めた。

 

「…駐車場までもう少しだ。何かあったらすぐに報告だぞ」

 

 怪我人を抱えていることもあって、先ほどよりも慎重に歩を進めた伊丹らは、とうとう駐車してある高機動車を発見する。

 

 伊丹らは電車と徒歩でここまで来たので、これは先回りしていた特災課の乗車してきたものとなる。

 

 駐車場という位置関係と、唯一の移動手段が故に、最大限の警戒をしながら進み出るが、意外なことに待ち構えているゴドラ星人はいなかった。

 

「…今がチャンスだ!」

 

 新手が来ないうちに急いで駆け寄ると、車体を遮蔽にしながらドアを開ける。

 

「……どうする?」

「……高機動車の乗員は10人。…装備の分も考えれば、詰めても11人が限度でしょう」

 

 ここで、問題が発生する。一行の数は13人なのに対し、席が足りないのだ。無理に詰めようものなら早急な対応が困難になり、かといって、装備を捨てるのも無抵抗になるだけだ。

 特にロゥリィのハルバードが場所を取る。

 

 けれど、それは即ち、このいつ何時新手が来るかも分からない山中にたった二人の生身の人間を残すことを意味する。

 

 それらを頭の中で飲み込み、伊丹は優先順位を決めた。

 

「よし、まずは特地の人らは乗ってくれ。ピニャ殿下達は何かあったら向こうとの国際問題になる。残すのは論外。ボーゼスさんもだ。……他の3人も、メディアでの露出がある分、欠けたらまずいことになる。……それと梨沙も一般人だから当然乗るとして。富田、お前もだ。怪我人を残すわけにはいかないでしょ」

 

 その判断には残りの人員も異論はないようで、見回す伊丹の視線に頷きで以て返す。

 富田は不甲斐なさそうに顔を悔しさに滲ませたが、その理由も理解できるが故に「すみません」と一言残して乗った。

 

 これで7人。残りをどう決めるかと悩んでいれば、新星が言葉をかける。

 

「伊丹2尉、高瀬君と浅永君を同乗させてもらえないか。……高瀬君は女性だし、射撃能力も随一だ。浅永君もゴドラ星人と正面から渡り合える実力を持っている。分断するなら、ゴドラ星人へ有効な武装を持つ人物がいた方がいい」

「それには賛成だけど……。お二人は?」

「副隊長の指示なら、従います」

「俺も、異論はないです!」

「そ。……じゃあ、二人は決定ね。……じゃあクリ!お前も乗れ」

「えっ!?」

 

 まさか伊丹よりも先に乗ることを指示されるとは思わず、驚いた様に目を見開く。

 

「な、何でです?今の理由だったら、私もあの宇宙人と戦えるから残ったほうが……」

「……いや、それもあるが、正直お前と誰が残るにしても、制御できる気がせん!今回は特に相手の数も出方も分からないんだから、お前じゃ不適格だ。……それに、さっきのは結構効いてるんじゃないのか?」

 

 抗議しようとする栗林だったが、最後の一言に顔を強張らせる。

 

「な、なんのことでしょう?」

「あー、いいからいいから」

 

 バッと身体を隠すように構えた栗林へと近づいて、その腹を軽く突く。

 

「あいたッ…」

「それ見たことか。防弾チョッキも装備も何もなしで受けたんだ。浅永とはワケが違うだろ。山道での移動でも体力は使うだろうし、今回は敵を倒すのが目標じゃない。それなら慣れてる俺のほうがマシな動きが出来るよ。……それ、入った入った!」

 

 しっしっと野良猫でも払うような仕草には恨みがましそうな瞳で見返すも、それは当を得ていたのか、渋々と引き下がった。

 

「……あー、勝手に決めちゃいましたけど、大丈夫です?」

「私も同じ意見だ。伊丹2尉の判断に異論はない」

「俺もだ」

 

 あっという間に選定は終わり、残すは最後の一人となる。

 

「えー……。最後、どうします?」

 

 伊丹が遠慮がちに問うが、真樹が即答した。

 

「伊丹2尉、アンタが乗れ」

「そりゃありがたいですけど……。いいんです?」

「当然だ。……第一、伊丹2尉らの任務は特地来賓の護衛と送迎の筈。俺たちとは違う。隊長であるあんたがいなきゃ意味がないだろ」

「真樹の言う通りだ。…それに、私達の方がゴドラ星人には対抗できる。早く行って彼女達を逃がすんだ」

「……分かった。あんた達も、頑張ってな」

「言われるまでもないな。それよりも、あんな小さい嬢ちゃんや一般人の元嫁さんの側にいてやれ。あんたが連れてきたんだ。送り届けるまではあんたが責任を持つべきだろ?」

「安心してくれ。私達は、『怪獣退治の専門家』だからな」

 

 その言葉と共に送り出す二人に苦笑し、伊丹が高機動車へと乗り込み、数秒後にエンジンがかかる。

 

 去っていく高機動車を見送り、二人きりになった新星と真樹は、小さな声で話し合った。

 

「…俺たちは、どう動きますか?」

「……そうだな。離脱も考えたが、先に展開していた特殊作戦群が心配だ。そちらへ向かってみよう。何かあるかもしれない」

「…了解。残マガジンは三つ。一体あたりに5発と考えて、やれて15体か…。心許ないな」

「いざとなれば私のを分けよう。まだ5つ残っている」

「そうならないように努力しますよ」

 

 そう言って、二人は静かな闇の落ちる山中へと姿を消したのであった。

 




何かエミュの精度が下がっている気がする…。


果たしてゴドラ星人たちの目的とは一体…?ケムール人との関係とは?
そして、何のために人々は攫われたのか。


乞うご期待!
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