ウルトラマンGATE 超人 彼の地にて、斯く戦えり   作:食卓の英雄

40 / 46
お待たせしました。ようやく終わりが見えてきた…!
ウルトラマンは出ない。敵はずっとゴドラ星人ではさぞ退屈だったことでしょう。ようやく他の怪獣バトルとか、色々出来そうです


禁じられた侵略:後編(3)

 

「な…」

 

 前後を怪獣に挟まれ、しかも認識されるという絶体絶命の状況の中、死中に活を見出すべく7mサイズのシャゴンへと立ち向かおうとした一行だったが、その瞬間。

 

 轟音と共に天から銀色の柱がシャゴンを叩き潰す。

 

「うわっ…!?」

「きゃあっ!」

「くうっ……!!」

 

 その衝撃と舞い上がる土煙に誰もが顔を背け、けれどそれを確かめるべく瞳を開く。

 

 それは、柱ではなく握られた拳だった。

 

 7m級のシャゴンが、叩き落とされたそれによってたったの一撃で絶命する。勢いで地面が陥没し、シャゴンの背中の甲殻がすっぽりと収まる。

 

 誰もがその腕の正体を視線で追えば、それはズシンと重量感のある地響きを立てて着地した。

 

 伊丹達のいる道路から丁度肩から上を覗かせるそれの視線が伊丹達を射貫く。

 

「そんな…。新しい、カイジュー…?」

「鋼鉄の、雄鶏…!?」

「……まずい。既に我々は逃げられる距離では……」

 

 至近距離に突如現れた新たな怪獣に、特地の三人は慄き、絶望を浮かべるも、日本人組の反応は対照的だった。

 

「あれは…」

「隊長、あれって……」

「嘘だろ……」

 

 固まる一行に、それは両手を掲げる。

 レレイは咄嗟に指示を出そうとしたものの、日本人組に浮かぶ表情を見て、一瞬停止する。

 

 そして、鋼鉄の雄鶏と称されたその怪獣は鳴き声を上げた。

 

「クワァァァァァ!!」

 

「ウインダム!?ウインダムじゃないか!?」

 

 伊丹の驚きと喜びが混ざったような声に、特地の三人は疑問に思ったようで問いかける。

 

「イタミはあれを知っている?」

「助けて、くれたの?」

「あのカイジューは、敵ではない、というのか?」

 

 興奮した様子で叫ぶ伊丹の反応に、次第に三人もやや態度を軟化させる。そして、まだ特地語の覚束ない二人に変わって、高瀬が返答した。

 

「あれは、我々の知識が正しければウインダムという怪獣。……ウルトラマンの、味方の怪獣です」

 

 その言葉に応える様に、ウインダムは彼らを一瞥して頷くと、迫りつつあるシャゴンへと向き直った。

 

「クワアァァッ!!」

「キアアァァァッ…!!!」

 

 ウインダムが叫び声を上げながら、シャゴンへと立ち向かう。先手必勝とばかりに放たれたのは、上段からの空手チョップだ。

 頭部に一撃を受けたシャゴンは怯み、その期を逃すまいと懐に連続チョップ。シャゴンの反撃を両腕で防ぎ、お返しにショルダータックルでたたらを踏ませる。

 

「っよし!ウインダムが怪獣を相手取っている間に俺たちは逃げるぞ!」

「この怪獣の背中が丁度通れますね」

「皆さん、行きましょう」

「…ウルトラマンというのは、怪獣を使役することもできるというの?」

「が、頑張ってね!」

「あれは、味方ということでいいのですね…!」

 

 伊丹らも、ウインダムの献身に応えるべくその場から離れる。

 

 しかし、シャゴンは社会性のある怪獣だ。当然、逃げつつある獲物を放って置くわけがない。

 

 ウインダムと対峙している一体が呼びかけると、二体が伊丹達を追う。

 

「クワァァァ!」

「フキイィオオォォォ!!」

 

 ウインダムがそれを阻もうと、正面のシャゴンを蹴り飛ばして反転するも、背後からシャゴンアシッドが浴びせられ、怯んだ隙に拘束される。

 

 ウインダムが藻掻くが、シャゴンの拘束は強く、抜け出すことが出来ない。

 

 そしてこれを好機と見たのかは分からないが、伊丹達に向かっていたはずの40m級の個体が反転して動けないウインダムへと迫る。

 

「あれは、不味いんじゃないですか…?」

「不味いな…。正直、作品見た限りじゃウインダムって映画の奴以外で怪獣と戦ったことも勝ったことないからな……」

「……とにかく、時間を稼いでいる内に視界から離れなければいけませんね」

 

 その姿に全員がハラハラと焦燥を駆り立てる。

 

 特地の三人は援軍が数の力で押されそうになっている場面に。日本人組はウインダムの活躍があまりなかったが故の評価から。

 

 そんなやや後ろ向きな信頼だったが、ここでウインダムがカプセル怪獣としての意地を見せる。

 

 動けないと慢心してのことか、接近して齧りつこうとしたシャゴンに、頭部の赤い発光体からレーザーショットを放つ。

 

「キアァァァァッッ…!?」

 

 照射されるレーザーが直撃するや爆炎を上げ、近寄るシャゴンが転倒する。さらに、その勢いのままに上半身を180度回転させると超至近距離から背後のシャゴンにも直撃させた。

 

 ウインダムが機械生命体であるが故の身体可動域を活かした不意打ちだ。

 

 更に、ウインダムは怯んだシャゴンの拘束を打ち払うや、右腕を回転させながら放つ正拳突きがシャゴンを背後へ吹き飛ばす。

 

 更に、立ち直った40m級のシャゴンが威嚇をするも、腰溜めに構えたウインダムは背面からジェット噴射による速度を乗せた突進攻撃で蹴散らしながら28m級へと追いすがる。

 

 その背中に追いついたかと思うや、尻尾を引きずって姿勢を崩すと、ハンマー投げのような姿勢のまま上半身を高速で回転させ、勢いがついたそれを二体のシャゴン目掛けて放った。

 

 シャゴン達は驚いたように目を丸くし、高速で迫る仲間の砲弾を避けきれずに再びよろけ、いつの間にか迫っていたウインダムのフライングボディプレスによる追撃に更なるダメージを負った。

 

「ウインダムって、あんなに強かったか…?」

「さ、さあ…。私も深く見たわけじゃないし…」

「……これは単なる予測でしかありませんが、仮にあのウインダムがウルトラマンノヴァのものだと考えると、その長いキャリア故の戦闘経験や、鍛錬などで実力を上げたのでは…?ウルトラセブンのウインダムも、映画だからと言ってしまえばそれまでですが、単独で怪獣を撃破するほど強くなっていたので」

 

 その言葉に「機械って鍛錬で強くなるのか?」「それよりも改修とか?」「いえ、あれはロボットではなく機械生命体ですので…」というやりとりが交わされたりもした。

 

 尚、実際の所はそのどちらも正解である。

 ウインダムの構造上、可能な場所には改造を加え、出力や対応幅を広げつつ、宇宙拳法の中からウインダムが扱えそうな手刀やチョップを活かしたものを重点的に鍛錬させた結果によるものだ。

 

 光の国とは協力関係にあるピカリの国においては、訓練・実戦共にカプセル怪獣との協力が重要視されており、そこに目をつけたノヴァによって、戦闘経験を積んだり、ノヴァとの組手を行うことによって、その能力を高めて来たのだ。

 

 お陰でノヴァのウインダムは新人宇宙警備隊員達の訓練相手としても活躍していたりする。

 

「とにかく、強いに越したことはないんだ。急ぐぞ!」

 

 伊丹たちが足早に撤収する間も、ウインダムは数の不利を抱えながらも奮戦する。

 

 シャゴンスパークを回転させた拳で霧散させ、お返しのタックルで距離を詰める。

 しかしその隙を突かれて掴みかかられる。ウインダムも負けじと腕を組んで抵抗するが、ガラ空きの腹に打撃を加えられ、たたらを踏んだ先に二体のシャゴンアシッド。 

 

 その勢いに転倒した隙に、50m級のシャゴンが伸し掛かる。

 何とか動く足で蹴りつけるものの、シャゴンの背甲には響かない。

 

 それを好機と見た二体も、はみ出した部分に纏わりつき、執拗に攻撃を加えていく。

 

「クワアアァァァッッ…!!!」

 

 これにはウインダムも堪らず悲鳴を上げ、バタバタと身じろぎするが、3体にマウントを取られている状態では抜け出すことが出来ない。

 

 ウインダム危機一髪。最早倒されるのも時間の問題かと思われたその時、ウインダムの電子頭脳が閃く。

 

「クワッ!」

 

 ウインダムは倒れ伏したまま、各部のスラスターを全力稼働させる。

 

 突然の推進力。ウインダムの体勢に関わらず発せられたそれは、ウインダムの身体に張り付いたままのシャゴンごと地面を抉りながら発射していく。

 

「キィア…!!?」

 

 そして、突然の加速に拘束が緩んだ瞬間、ウインダムは上体を斜めに起こして空へと飛び立つ。

 

 28mのシャゴンがジェット噴射を浴びて引き剥がされ、残る二体も身体を揺らされしがみつく。

 更に、ウインダムはその状態のまま上半身を高速回転させる。

 

 シャゴンには、スクラムを組み電撃を纏った回転攻撃「シャゴンボール」というものがあるが、自分達の意思で回るのと、しがみついたものに振り回されるのでは訳が違う。

 

 加速していく回転に、横からしがみついていただけの40m級が岩肌に叩きつけられ、最後に残ったのはマウントを取っていた50m級のみ。

 

 それでもしつこく攻撃を浴びせようと首を伸ばして噛みつこうとするが、もう遅い。

 

 ウインダムは高速回転しながら、既に上空高くから落下していた。スラスターの推進力と、高速回転がシャゴンの感覚を奪っていたのだ。

 

「クワアァァッ!!!」

 

 ウインダム咆哮。懸命にしがみつくシャゴンに対して、ウインダムは回転しながら高速で頭から地面に叩きつけた。

 

 先ほどまでの回転に加え、強い頭部への衝撃の組み合わせは、相当な痛手だったようで、頭部に強烈な打撃を喰らったシャゴンはグロッキー状態に陥り思うように立つことが出来ない。

 

 その隙を狙って、離脱していたウインダムはトドメのレーザーショット。

 

 フラフラのシャゴンに照射された光線は弱点である胸部の発光体を焼き焦がし、全身に伝播したエネルギーの奔流がシャゴンを爆散させる。

 

「クワアァァァーッッ!!!」

 

 勝ち鬨を上げるウインダムは、両腕を掲げて残る二体を威嚇。

 ようやく復帰した二体も、最も強い個体が倒されたと見るや途端に弱気になり、戦意を喪失し地面の下へと去っていった。

 

「よしっ!ウインダムの勝ちだ!」

 

 轟音のために、一時足を止めて行く末を見守っていた伊丹も、この戦果には喜色の混じった声を上げ、小さくガッツポーズ。

 

 それを見届けた一行もほっと息をつくも、その雰囲気は一瞬にして破壊される。

 

「イタミッ!」

「のわっ!?」

 

 伊丹の身体が突き飛ばされ、尻もちをつく。

 兎のように飛びついたのはテュカだ。押し倒されるように地面に体をつければ、倒れる視界に映ったのは弾ける地面と炸裂音。

 

「チッ、外したか」

「耳のいい奴だ」

 

 その音に一瞬遅れて皆が戦闘態勢に移行するや、現れたのは3体のゴドラ星人。

 即座に得物を構えて牽制する栗林と高瀬。そしてレレイが背後を見て先の音の正体を呟いた。

 

「増援…!」

 

 彼女たちの目の前には三体のゴドラ星人が明確な殺意を滲ませて歩み寄ってきていた。

 

「運に恵まれたようだがこれで終わりだ」

「既に亜神という存在は確保した。最早捕縛に拘る必要もあるまい。エルフとやらも、我らが日本を支配してから攫えばいいのだ。あの小娘もここで殺す。ケムール人よ、お前の要望に付き合った結果がこの損失だ。文句は言わせんぞ」

「………」

 

 更にその奥から現れたのは、土煙に塗れたケムール人。苛ついたようなゴドラ星人の言葉には何も返答せず、顔面の発光器官が服従の意を示すかの如く点滅していた。

 

 ゴドラ星人の言葉から、どうやら今回の襲撃はケムール人の要望によるもので、特地特有の人種(亜神は人種と言えるか怪しいが)の誘拐が目的だったらしい。

 

 ケムール人は肉体を入れ替える相手を探しており、ただの人間でも良かったのだが、同じ見た目で、より優れた能力、寿命がある種の方が便利だと考えた様だ。

 

 しかし、当初の目論見は外れ、孤立した筈の作戦指揮所では嘉納防衛大臣に逃げられ、山海楼閣では人間に倒され、逃げられるというアクシデントが起きた。

 

 ゴドラ星人からすれば堪ったものではない。

 

 故に、特に珍しいとされる亜神(テュカは精霊種のエルフなのでかなり希少だが、そこまでの詳細な情報は知らない)を確保した段階で、目撃者である彼らを始末しに来たのだ。

 

 嘉納防衛大臣を取り逃がしたのが特に手痛い。危険因子となり得る存在としてマークされていた特災課が、彼の一存で動くことになるのだから。

 既にゴドラ星人にとっての脅威足り得ると分かった今では尚更に。

 

 通信妨害に加えて、予想される箇所に追手も送り込まれてはいるが、あの状況から逃げ延びたことといい、今回の襲撃の失敗といい、こうも悪いことが重なれば焦るのが人心というもの。

 

 であるからこそ、今詳細な情報を握る対抗戦力を早々に排除し、急ぎ計画に打ち込まなくてはならないのだ。

 

 ゴドラ星人もなりふり構っていられなくなった、ということである。

 

 確かに、その行動の尽くがゴドラ星人の計画を妨害し続けていたものの、しかしてそれは計画という大局のもの。

 個人である伊丹達にとっては、遊びもなしに殺そうとするゴドラ星人がいるというのは不幸なことこの上ないだろう。

 

 伊丹もどうにか頭を回すものの、やはりそのあからさまな殺気には頬が強張る。

 こちらも牽制してはいるが、一体を相打ちに持っていけるかどうか。

 この場にいる全員が自衛官ならば、特攻という手も最悪選べたが、護衛対象が混じっているために踏み切れない。

 

「クワァァァ!」

「させるかっ」

「ふん、最初から仕留めていれば良かったのだ」

 

 ウインダムもこれに気づいたのか駆け寄ろうとするが、背後から現れた三体のゴドラ星人により抑えつけられる。

 

 加えて、そのうちの一体はウインダムのビームランプへと銃口を向けているため下手に身動きが出来ない。

 

 絶体絶命。その4文字が脳裏に浮かぶ。

 

「また逃げられても厄介なことになる。痕跡の抹消も兼ねてだ。…ケムール人!」

 

 打開策を練る前にゴドラ星人が無情にも指示を下した。

 控えていたケムール人が消去エネルギー源を周囲にばら撒く。

 

「くっ!」

「また!?」

 

 距離が離れていて、来ると分かっていれば避けられない程の速度ではないため躱すことが可能だったが、ばら撒かれた粘液をゴドラ星人が撃ち抜くと可燃性のそれが炎上して彼らを包み込む。

 

「正気か!?こんな所で使ったら洒落にならねえぞ!?」

「フフフフフ、この場の後処理に割く時間が勿体ないのでな。注意を引くためにも、ここら一帯が燃えるのは好都合なのだよ」

 

 伊丹が山火事の危険性を訴えるが、むしろ痕跡の処理と現場の混乱を同時に齎すことが出来る山火事はゴドラ星人の狙うところであった。

 

「くそったれ…!」

「このままじゃ死ぬだけです。一か八かで突撃して一人でも逃がしたほうが…!」

「ですが、逃がすとは言ってもこの状況では…!」

 

 燃える空気。迫るゴドラ星人。最早助かる道はない。

 

 そう思われた瞬間、高瀬の目があるものを見つけた。それを見届けるや、前に出て構える伊丹と栗林の間まで擦り寄るや小声で呼びかける。

 

「私が合図をしたら、特地の彼女たちを抱えて脇道に転がって下さい」

「はい?」

「高瀬さん?脇道は炎の中で……」

「今の服装なら耐火性も備えているでしょう。数秒なら深刻な火傷にはなりません。それよりも特地の方の保護を…」

 

 突然の事に疑問が尽きないが、あまり長く話してもゴドラ星人達に勘付かれる。

 取り敢えずいつでも実行可能な様に、じりじりと下がりながらそれぞれ特地人を手の届く距離に置く。

 

「何をコソコソとしている!」

 

 ゴドラ星人が激昂するが、高瀬はちらりとその背後を伺うのみ。そして後ろ手に指を立てる。

 

(3…2…1…)

 

「今っ!」

 

 同時、取り出したソニッターで光を生み出す。電磁短機関銃を警戒していたゴドラ星人はまんまと引っかかり、一瞬の隙が生まれる。 

 

「テュカ!」

「レレイ!」

「ボーゼスさん!」

 

 そして三人はすかさず特地の三人を抱えるようにして炎の中へ。

 

 その動きを明滅した視界でも捉えていた一体が狙いもつけずに発砲するが、それはコンクリートの一部を破壊するに留まった。

 

「ッ殺――

 

 ――せ!」。そう言い切るよりも早く、炎陣を突き破って現れた車体がゴドラ星人達を背後から纏めて吹き飛ばす。

 

「行きましょう!」

「お、おう!」

「あっぶなかった…!」

 

 慌てて立ち上がるや、ゴドラ星人達が吹き飛ばされて空いた道へと躍り出る。

 ダッシュで距離を離して見れば、炎を突っ切って現れたそれは、日本では馴染みはないが、彼らにとっては最近よく見かけるようになったものだった。

 

「改造済みのブッシュマスター…!ってことは…!」

 

 炎から抜け出すべくバックして現れたのはブッシュマスター防護機動車。自衛隊ではまだ導入されていない筈のそれを堂々と乗りこなし、見覚えのあるカスタムに、車体には所属を示す「SD3C」のロゴ。

 

「救援に来ました!大丈夫ですか!?」

「村崎くん!?」

 

 ドアから躍り出たのは、新星たちと同じく特災課特地分遣隊村崎裕馬だった。

 

「まさか直接…!?あなた開発局にいたんじゃ…。通信異常を察知したにしても、いくら何でも速すぎるわ…!」

「連れてきてもらったんですよ。お陰で、僕らが一番乗りです」

 

 そう言うや、車内から現れたのは二名の特災課。その手には電磁短機関銃をアサルトライフルへと変えたような外見の銃器が握られていた。

 

「ぐうっ…!おのれぇ!」

「たかが地球人如きが…!」

 

 ゴドラ星人達が復帰するが、こちらの展開は既に終わっている。

 

 高瀬もそれに加勢し、得られたデータから作られた「正式採用型電磁小銃」が火を吹いた。

 

 それは電磁短機関銃に比べて威力が低くなる代わりに、その分だけ一発あたりに必要な電力や冷却時間を低減したものだ。

 

 先手で放たれた弾幕に身を強張らせた三体の異星人は、身動きが出来ないまま銃撃の嵐に飲み込まれて倒れ伏していく。

 

「終わりね」

 

 最後。残っていたケムール人の頭部めがけて一発。正確に撃ち抜かれたケムール人はそのままドロリと溶け消えていく。

 

 伊丹達に迫る危機は去った。

 

 しかし、この場面にまだ脅威は残っている。

 

 こうもドンパチとしていれば、流石に巨大化したゴドラ星人の目にも止まった様で、ウインダムを抑えていたゴドラ星人が今度は彼らを諸共誅殺せんと銃口を向ける。

 

「不味い…!」

「気づかれた…!」

「村崎くん、直ぐに車を…!」

 

 流石にあれほど巨大化した攻撃に晒されれば衝撃波だけでも死にかねない。故に切羽詰まった声で村崎へと声を上げるが、当の本人は焦った様子はない。

 

「さっき言いましたよね。()()()()()()()()()って」

「それって……」

 

 瞬間、ゴドラ星人の腕が閃くと同時。空から大質量の影が舞い降り彼らの視界を覆う。

 

「ジュワッ…!」

 

「あれは新宿の…!」

 

 ニセウルトラマンジードが全ての銃撃を弾き、ここに参上したのであった。




『正式採用型対怪獣用電磁小銃』
試作型の電磁拳銃と同じ原理だが、連射速度とか威力が違う。例えるなら同じ蛇口から、バケツに貯めてから一気にぶっかけるのと、ホースつけてばら撒くくらいの違い。
ただし、大きさの問題からバッテリー容量などは増えており、使いやすさはこっちのほうが上。
電磁短機関銃はね、威力高いけど一発撃ったら3秒待たなきゃいけないし、その上外した時の損失でかいから…。
FPSとかのライフルに近いかな
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。