ウルトラマンGATE 超人 彼の地にて、斯く戦えり   作:食卓の英雄

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GATEの時系列ってどっかに纏めてあったりしないっすかね…。一応小説は持ってるんですが、割と自然に何日か経ったり、〇〇から数ヶ月、とか季節の描写はあるんですけど、具体的にこの出来事とこの出来事の間は何日か。ってのが分からないです……


禁じられた侵略:後編(6)

 

 突如介入したにせウルトラマンジードによって戦況は覆った。

 

「ジュワッ!」

 

 一体目のゴドラ星人を押しのけ、続けてウインダムを拘束している個体を引き剥がす。

 ゴドラ星人は負けじと殴りかかるも腹を蹴り飛ばされ後退。右手がフリーになったウインダムも残りの一体の腕を掴み返し地に転がした。

 

「やった!あの銀色のカイジューも解放されたわ!」

「あれも、ウルトラマン…?」

「形勢逆転…というわけか」

 

 立ち塞がる巨人と解放された鋼の鳥獣。たじろぐゴドラ星人を見て特地の3人が声を上げる。

 

 一方で、睨み合う巨影を視界から外さないようにしながらも救援として現れた村崎へと事情を尋ねていた。

 

「連れてきてもらったって、あのウルトラマンに?いえ、ウルトラマンノヴァの話が真実ならザラブ星人に?一体どういうことなの?」

「色々とありますが、手短に言います。ここと通信が出来なくなる少し前、特殊作戦群の作戦基地でもあった市ヶ谷の中央指揮所が宇宙人の襲撃に遭いました」

 

「「「えっ…!?」」」

 

 中央指揮所と言えば、防衛省庁舎の内部だ。国防の心臓部といっても過言ではないその地に襲撃が起こるなど、とてつもない大事件だ。

 

「結果として、内部にいた特戦群のオペレーターと護衛は嘉納防衛大臣を残して消息不明。話によるとケムール人の液体によって消えたとのことですから、今はまだ生きている可能性が高いです」

「ケムール人が?」

「ええ。それで、命からがら脱出した嘉納防衛大臣は、庁舎付近で自衛官に化けたゴドラ星人に遭遇。命を落としかけた所で、あのザラブ星人さんに助けてもらい、自分たちの所まで逃げてきたって訳です」

 

 村崎の言葉は簡潔ながらも、やはり無視できない情報が多いために、咀嚼に時間がかかる。

 

「勿論、情報提供を受けた僕たち特災課がすぐに鎮圧に乗り出しました。まだ少数ですが量産化が進められている12式電磁小銃を配備した複数分隊とザラブ星人さんによってゴドラ星人特有の反応を記録した解析班、そして現場の自衛隊員達にも呼びかけた後、庁舎内のゴドラ星人の掃討作戦が始まりました」

 

 どうやら防衛省の方は殆ど解決に向かっているらしい。奇襲によるアドバンテージはあったものの、目標に逃げられたことに加え、同等のテクノロジーや手段を用いる存在の協力もあって、瞬く間にゴドラ星人の優位性は失われた。また、屈強かつ命令遵守の自衛隊員達のど真ん中であったことも災いしたのだろう。

 少しでも怪しい動きを見せれば複数人がかりで取り押さえられて解析に出され、正体を顕にして襲いかかろうにも、直ぐに情報が共有されて掃討部隊と戦うことになる。

 

「そ、そうなのか…。それで、どうしてあんたが?」

「ええ。保護した嘉納防衛大臣の話によると、現地の特殊作戦群との通信が次々と途絶したようです。その後の襲撃から考えても、箱根付近の異常も宇宙人絡みだと推測、その際の部隊編成時に、連れてきてくれたザラブ星人のザインさんの申し出で、僕らが先行したという訳です」

「ザインさん…っていうと、あのザラブ星人の名前?」

「はい。車で空を飛ぶ体験は貴重でしたよ」

「そ、そう…」

 

 そう苦笑する村崎へと伊丹は内心(やっぱ発想が違えなぁ…)等と、自分を棚に上げて思う。

 

 その間も、にせジードとウインダム、ゴドラ星人の戦いは続いていた。

 

「はあぁぁーっ!」

「ジュァッ!」

 

 数の利を活かして連携攻撃を仕掛けたゴドラ星人だったが、肉弾戦で立ち回るも、相手の方が上手だった。

 ハサミによる刺突は辿り着く前に止められ、叩き落とされ、ガラ空きの胴体を蹴り飛ばされる。

 

「ぐぬっ!?おおおっ!」

「テイアッ!」

 

 負けじと体ごとタックルを試みるが、にせジードは勢いを受け流しながら体ごと回して投げ飛ばす。

 

 続けて躍り出た一体のゴドラガンをはたき落とし、向かってくる額へと正拳突き。頭を押さえてたたらを踏むゴドラ星人に追撃の破壊光弾。これには堪らず悶絶する。

 

「クアアァァァーッ!!!」

「うぬぁあっ!?」

 

 そしてウインダムと対面しているゴドラ星人はハサミによる刺突を真正面から防がれ、躍起になって振りかぶるもウインダムは華麗に後ろへ跳んでかわす。

 

 続けて攻撃を仕掛けんと走るゴドラ星人に対して、ウインダムは上半身を高速で回転させながら脚部のブースターを吹かせる。

 

 回転する腕による強烈なラリアットを受けたゴドラ星人は野太い悲鳴を上げながら吹き飛ばされる。

 

 何とか立ち直ったゴドラ星人は近接戦闘では勝ち目がないと悟ったのか、三人で列を組みゴドラガンによる掃射を試みる。

 

「ジュアッ!」

「クワッ!?」

 

 ウインダムが驚いたように額を庇う姿勢を取ったが、その光弾は届かない。

 にせジードが両手を合わせて正面に突き出し、指先から八角形の青いバリアを出現させて防いだからだ。

 

「クワッ!」

 

 守られたことを理解するやウインダムはにせジードに頷く。

 ゴドラ星人の射撃の勢いが弱まるやバリアを解除すると、即座にウインダムが前に出てレーザーショット。 

 

「ぐぅぅわあぁぁっ!?」

 

 中央の一体が爆散。左右の二体も少なくないダメージを受ける。

 

「お、おのれぇ!」

「何故だ!何故増援が来ない!?」

 

 ゴドラ星人が憎々しげにそう叫ぶも、状況は変わらない。じりじりと距離を詰めようとする二体に、ゴドラ星人はたじろぐばかりだ。

 

 そんな時だった。この対決を見守っていた栗林が更に奥に見えるあるものを指差した。

 

「伊丹隊長!あれって……」

 

 すっかり見入っていた一同は栗林の指摘により視線をずらすと、対決の場からやや斜め後方の空に浮かぶ奇妙な物体を目にする。

 

 いつの間にあったのか、既に100m程の距離にある物体はゆっくりと浮上を続けていた。

 

「もしかして……UFO?」

「ゴドラ星人達のものかも知れません」

「ってまさか、あれで逃げる気じゃ…!」

 

 確かに今の状況を見れば、それが最も自然だ。

 ゴドラ星人達は目的を達成出来なかったばかりか、その存在や目的が露見し、力付くでの排除も失敗しているのだ。

 

 巨大化した個体も圧倒されつつある今、逃走を図ってもおかしくはない。

 

 そして、対処に関しては実際にことが起こるまで尻尾を掴ませなかったこともあって後手に回っていた存在が逃げる、というのは穏やかな話ではない。

 

 力を蓄えて再起を狙ったり、逆襲に来る可能性を踏まえれば仕方のないことだろう。

 

「あの光は何だ?兵器とかだったら不味いんじゃないの?」

 

 そこで伊丹が青い光の軌跡に気がついた。軌道から考えて、恐らくはゴドラ星人達の船から落ちてきたであろうそれは、一定の速度で地上へ向かって降下していた。

 

 正体を知るべくサイトを望遠鏡代わりにした高瀬は、とうとうそれを捉えた。

 

「あれは…、新星副隊長!?」

「はい?え、どういう…?」

「あの船からそっちの副隊長が降下してるってこと?どういうことなんですか?それに、あの光は……」

「あ、もう一人見えます。真樹くん…じゃない。恐らくですが、民間人…?」

「……もしかして、ゴドラ星人に攫われていた民間人?」

 

 その意外な正体と、謎の状況に思わず疑問符が頭を埋め尽くすが、唯一それを知っていた村崎が声を張り上げた。

 

「あれは…!天照ドライブ内蔵型の試作ジェットパックの粒子!そうか!確かに一機だけ配備されていた…!」

「な、何ぃ!?ジェットパックだってぇ!?まだ実用化なんて話は聞いてないぞ…!っていうか何だあの青い光!ジェットパックならガスだからあんな光は出ないだろ!?」

 

 伊丹は創作で見るような実用化したジェットパックの存在に鼻息荒く詰め寄る。

 

「え、ええ。一応、元々の開発に、特災課の方で手を加えた結果実用可能になったものなので…。あの青い光は最近研究が進められている粒子の活動によるもので、重力制御と推進剤の役割を担うことが可能になったわけです。そのおかげで軽量化と燃料の節約、活動範囲が大幅に上がったってわけでして…」

「はぁー…。銀座事件以降の科学の発展が凄い勢いで進んでる…」

「あれ便利そうだなあ。特地……で使うにはそんなに高い建造物がないから……。いや、強襲やヘリとの合流なんかも……。ああでもあの光は夜襲に向かないでしょ…」

 

 説明に熱を上げる村崎、呆ける伊丹、ぶつぶつと活用方法を考える栗林と、絵面はカオス染みてきた中で、特地勢力の三人もそれを目にしていた。

 

「すごい…。ニイボシが空を飛んでるわ!」

「あれはセントウキやヘリコプターの様な技術を用いている?だが青い光はなかった筈…」

「見、見えん。本当なのか?翼持たぬ人が単独で空を飛ぶなどというのは…。そ、それでは気付かぬうちに城門を越えることも……」

 

 純粋に驚き考えを巡らせる二者とは違って、ボーゼスは仮想敵として考えて顔を青褪めさせる。

 鉄の天馬の存在をピニャからこれでもかと聞かされたものの、その大きさや音から存在自体は簡単に発見できると思っており、空というアドバンテージの代わりに早期発見が容易だと見ていたのである。

 

 それが、個人レベルで飛行が出来るならどうだ。

 

 場合にはよるが、警邏さえ躱せば城壁など素通り出来てしまう。

 

 そしてカイジューに向けられた攻撃能力を見てしまえば、最早城壁は自分たちの行動を阻害するだけの檻となってしまっているのではないか、という不安が鎌首を擡げたのである。

 

 無論、一般配備には到底足りない上、そもそもそんなものなくても攻略が容易であるのは言わずともよいことだろう。

 

 そんな話をする間に、ゴドラ星人はある決断を下していた。

 

 立ち位置から、ゴドラ星人達には浮上する宇宙船の姿が映っていた。にせジード達は目を離すことが出来ないからか、その存在に気づいていない。

 

「増援がないかと思えば、撤退ということか」

「仕方あるまい。ここは一度退いてやる」

 

 宇宙船が徐々に高度を上げていく。増援が現れないのはこれ以上この場に残る理由がなくなったからだと彼らは解釈した。

 

 小声で離したゴドラ星人達は、目を合わせると一気に足を踏み出した。

 

 突然の突進に身構えたにせジード達であったが、ゴドラ星人はその足元に突如発砲。

 仰け反る二体を見て即座に逃走するのであった。

 

「しっ、しまった!」

 

 にせジードが思わずといった様子で振り向くが、ゴドラ星人は勝ち誇ったように嘲笑う。

 

 しかも姑息なことに、一体が伊丹たちのいる山道目掛けて乱射するものだから、にせジードとウインダムは人間達を守るために追いかけることもできない。

 

「今回はしてやられたが、我らはまだ負けてなどいない!」

「いずれ貴様らをも排除してくれる!」

 

 捨て台詞を吐いて飛びゆくゴドラ星人。だがしかし、あと数百m程度といった所で宇宙船が音を立てて爆散する。

 

「なっ、何ぃッ!?」

「わ、我らの船が!?」

 

 ゴドラ星人達は目の前の出来事に信じられないと声を荒げる。自らの拠点にして逃走手段たる宇宙船まであと少しという所で失われたのだから当然とも言えよう。

 

「おいおい、宇宙船が爆発したぞ!?」

「自爆…いえ、する必要がない。だとすると、まさか……新星副隊長が…?」

「人質救出した上に、破壊して離脱した。……ってこと?」

 

 予期せぬ事態にゴドラ星人たちの頭に迷いが生まれ、その足を止める。

 

 そうなれば解放された二体がやることは決まっている。

 

 ウインダムは額のビームランプを輝かせ、まるでウルトラセブンの様に両指を添えてレーザーショット。

 

 にせジードは握り拳を作った右腕を縦にL字状に重ね、青紫色の炎を纏わせると、正拳突きの様に繰り出すと、炎を纏った様な光線が一直線に獲物を射貫く。

 

「クワアァァァ―――!!!」

「ストライクブースト!!」

 

 ゴドラ星人が気を取り直した時にはもう遅い。

 

 闇夜を斬り開きながら突き進んだ光線はゴドラ星人を捉え、悲鳴一つ上げる暇もなく夜空を彩る花火と化した。

 

「ぃよしっ!」

「やったぁ!」

 

 その戦いを見届けた人々が喜ぶと、その声に応えるかのごとくにせジードとウインダムは振り返って、ゆっくりと頷いた。

 

 同時に、ウインダムも連戦に次ぐ連戦で疲労が溜まったのか項垂れるようになった状態のまま、光の粒子となってどこかに消えていった。

 

「お、ウインダムが…」

「持ち主のもとに戻ったのでしょう」

「これで全部終わり、ですかね」

 

 迫りくるゴドラ星人は全て倒れた。拠点と思わしき宇宙船も破壊された。

 

『…え…か……ら真…、……ち……樹…。こちら真樹。伊丹二尉及びに特地分遣隊、聞こえるか』

 

 同時に、今まで沈黙していた無線から真樹の声が届く。

 

「こちら高瀬。通信状態良好。問題なく聞こえています。送れ」

『無事だったか。簡潔に言う。こちらはゴドラ星人の宇宙船とおぼしき船に潜入後、30名ほどの拉致被害者を発見、救出した。現在は副隊長が本部への連絡と搬送部隊の申請中。人的被害はナシ。だが特殊作戦群への囮に使われていた民間人が30名ほど死亡を確認。そちらの状況も教えてほしい。送れ』

「…そうですか。やはり民間人を……。こちらは逃走中にケムール人と遭遇。消去エネルギー源により富田二曹、浅永隊員。及びに護衛対象であるピニャ殿下、ロゥリィ、民間人の葵梨沙氏が消息不明。対象は撃破済み。村崎隊員率いる増援部隊含め、重傷者はナシ。ケムール人によって攫われた犠牲者の数が不明なため、場合によっては混乱が予想され…………」

 

 ふと、高瀬は言葉を詰まらせる。

 確かにこの手でケムール人は打倒した。正確に頭を射貫いたし、泡となって消える場面も目視。この場の全員が目撃している。

 

 しかし、ならば何故、ケムール人撃破から今までの間、戻ってきた人間がいないのか。

 

 元の場所に戻るのであればそれでいい。確認が困難になるが、あの状況で放り出される方が危険だ。しかしそうであるならば、そう離れていない距離で消された仲間たちがこちらに気づかない道理がない。

 

「まさかそんな…。いえ、だとしたら辻褄が…」

『…瀬隊員。高瀬隊員。……高瀬!何かあったのか!?』

「っ、真樹隊員。可能性の話ですが――」

 

 そう言葉を紡ごうとした次の瞬間。にせジードの背後に巨大な影が現れる。

 

「ああっ!」

「後ろだ!」

 

 巨影の目が光る。にせジードは咄嗟に振り返ろうとするも、突如として背に強烈な爆発を受けてしまう。

 

「ガアッ…!?」

 

 うつ伏せで倒れたにせジードを踏みつけにして、それは嗤う。

 

「フフォフォフォフォフォフォフォ、フッフォッフォッフォッフォッフォ……!」

 

 ケムール人。やられたかのように見せていたそれは、虎視眈々と機会を伺っていたのだった。




も、もうちょっとだけ続くんじゃ…。

あとにせジードはプリミティブ(みたいな姿)でストライクブースト撃ってます
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