ウルトラマンGATE 超人 彼の地にて、斯く戦えり   作:食卓の英雄

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いきなり時間が飛んだのでその変更点とか色々書きたいよねという話


特災課の今

 

 さて、本土(日本)におけるオカグビラ騒動やその後始末も大方終結し、その細胞や経路の調査などはまた別のチームへと委託された後。

 

 特災課自体はGGUと合併吸収された形にはなったものの、それは形式上のものであり、指揮権や任務内容などに大きな変化はなく、またGGU日本支部内の一部署として今も機能している。

 

 強いて増えたものがあるとすれば、同じくGGUに参入した国との会議や諸々のやり取りや、派遣された人員の整理に他国の要請に応えた支援などであるが、それをするのは特地に派遣された彼らの関わるものではない。

 

 そしてGGUの設立によって各国との連携や支援、協力体制が得られたことで新たに特地に分遣隊が送られることとなった。

 

 これは特地側へ派遣されている自衛隊員や旧特災課隊員から、怪獣に対してあまりに無力であったことから本土への要請が定期的に寄せられていたことへの返答でもあった。

 

 かつては本土、特地ともに怪獣という脅威に対抗し得なかったために仕方ないと割り切っていたが、未だ完備とはいかないまでも怪獣への対抗戦力を量産しつつある今ならばと将官佐官らの幹部陣含めたサイン付きの嘆願書も提出されたほどだ。

 

 その甲斐もあって特地にも『74式電磁特車』や『13式対怪獣自走粒子砲』等の新兵装が運び込まれ、それを扱う人員や技術者なんかも増員された。

 

 以前から行なっていた部隊規模での試作品のテストなども更に大きな規模で行なうことになるだろう。

 

 それと関係して、自衛隊駐屯地には先んじて基地防衛用の試作兵器が備え付けられることになった。

 

 以前のマグラー襲撃において、撤退戦を選ぶことが出来なかった通り、日本の土地は自衛隊駐屯地…ひいては門が落とされれば一貫の終わりだ。

 

 これが日本ならば首都東京が(仮にだが)陥落しようとも、人員を下げ、部隊指揮を取り、前線を下げることで抗うことが出来る。

 

 だが特地は世界そのものが違う。一度退いて態勢を整えることもままならず、門が落ちれば故郷に帰る方法すら定かではない。

 

 絶対死守せねばならない存在があるために、門を中心とした要塞が作られているのだ。

 

 地球では守るべき場所が多すぎる上に、その施工や人民の退去、既にある様々な交通網や想定される交戦地域との兼ね合いなどなど、様々な権利や土地関係のいざこざがあるのだが、成果も見込めない試作品に住む場所を追い出されるのは納得がいかないという者も出てくるだろう。

 

 そこで特地の自衛隊駐屯地に白羽の矢が立った。唯一の繋がりである門が動かせないために守るべき場所が固定され、それでいて交通網やインフラ、面倒な法手続きに賠償金など、そういったしがらみもない。

 周囲は行軍して余りある程に広く、居住区を巻き込む恐れもない。

 

 よって、自衛隊駐屯地の外壁部には今現在固定砲台として4基の基地防衛用大型レールキャノンの施工が急ピッチで成されていた。

 

 本来は8基ほど設置する予定だったらしいが、流石に今の段階でそれだけのコストを割くことは出来ない。

 むしろ2基に減らされるところを特地の上層部らの嘆願で4基にまで抑えて貰ったという背景がある。

 

 因みに固定式レールキャノンの名は『タケミカヅチ』。電気を扱い国を守る剣としてあやかった名前だ。

 

 ただ、やはり大型ゆえに未だ全機建造中である。流石にそこまで早くできるはずもない。完成予定日は未定である。

 

 そんな現状であるが、少しの休暇を取った第1*1分遣隊の面々は本来の任務通りに特地に戻ってきていた。

 

「副隊長、こちらの資料と機材はどこに引き継げば?」

「それは第3分遣隊に頼む。浅永くん、手伝ってあげて」

「はい!…あ、キャスター持ってきますね」

「ありがとう」

「真樹、特災課内で戦闘機乗りが試験に必要とのことらしい。調べた結果、適性はかなり高いと聞いた。予備員もいるが、特地での試験に合わせるのは難しいだろう。…例の物の完成度は70%程度とのことだが、メインシステムの大半はどうにか仕上げたと聞いた。近くに行うから、資料と申請を忘れずに。何か聞きたいことがあったら隊長か村崎に聞くといいだろう」

「了解しました。しかし、運用上仕方のないものとは分かってますが、あれは戦闘機乗りでも容易に気絶するじゃじゃ馬です。多目的運用を正確に成すにはどれだけの調整が必要か…。その前にテスターがくたばりそうで心配ですよ」

「それに関しては特注の耐Gスーツを新たに着用するらしい。操作性は劣るが、より継続的な行動を見据えているらしい。ゆくゆくはそれなしでも可能にするつもりとのことだが……」

「お話中のところすみません。ですが第4分遣隊の装備の搬入手続きが滞っているらしく…」

「分かった。そちらには私が向かおう。どのみち連係と顔合わせはする予定だった。少し早まるくらいはいいだろう。それじゃあまた」

「はっ」

 

 そんな彼らを待ち受けていたのは、これまで以上の仕事の山だった。

 

 それも当然と言えよう。元々特災課時代に派遣されてきたのは一時的な生態調査や分析のための科学調査員や、ごく少数の試験機の運用などだった。

 

 しかし、人員の増大に伴い、本格的に部隊を増やすとなれば、その部隊にとっては初の特地での正式な任務だ。自衛隊も今では慣れたものだが、その面倒な手続きに辟易としていた者も多いだろう。

 

 加えて、普通の自衛隊の装備と異なり、彼らが扱うのは対怪獣・宇宙人を想定した最新鋭の技術をふんだんに使った兵器の数々だ。当然その手続きや保管にはより一層の手間を必要とする。

 (比較的)単純で旧式の銃火器の持ち込みや運用とは訳が違うのだ。

 

 新規参入ということで、既に使っていたスペースや設営拠点の移動。自衛隊側との兼ね合いなどなどと、遅れて参加したが故の面倒さと手続きが残っていたのだった。

 

「すまない。待たせた。第1分遣隊副隊長、新星だ」

「えっ。第1分遣隊の新星一等特佐殿…でよろしいでしょうか」

「ち、地球に潜伏し連続誘拐事件を引き起こして国の中枢を乗っ取っていた宇宙人の船に単身潜入し大勢の拉致被害者と国家主席殿を救出し、宇宙船すら堕としたという、あの…!?」

「自分は第4分遣隊の荒北三等特尉と申します!かの英雄と共に任務に就けること、光栄に思います!」

 

 門付近の検閲に引っかかり、特殊兵装の取り扱いや保管場所に四苦八苦している隊員の姿を見つけて声をかけると、彼らは目を見開いて驚愕すると敬礼をする。

 

 一等特佐、三等特尉等と呼称されている通り、今現在のGGUには階級制度が復活している。

 

 特災課時代は比較的小規模な組織であり、怪獣や宇宙人の存在という未曾有の事態から、厳格な階級制度よりも簡素な指揮形態とするために廃されていたが、GGUとの迎合に合わせて、規模の拡大と連係、各国との足並みを揃えるためという理由があった。

 

 勿論それに振り回されたお上が大変だったのは言うまでもない。

 

 新星の階級は一等特佐。字面からも分かるであろうが、それぞれ陸海空における一佐(大佐)相当の階級だ。

 

 新星の(表向きの)年齢からすれば異例の出世であるが、それに足るだけの成果を示したのは誰も目からも明らかだ。

 

 ……変わったことと言えば、もう一つあった。

 

 新星達第1分遣隊への周囲からの視線だ。

 

 今までにも好意的な視線や懐疑的な視線等が向けられていたが、あの事件以降は熱い視線を頂くことが増えたのである。

 

 先ほど第4分遣隊の隊員が言っていた通り、副隊長の新星は一国の頭を救い、秘密裏に起こされていた侵略を食い止め、この地球においては未だ誰も成し得ていない宇宙船の単身撃墜(実際は相手の自爆だが)を生身で成し得ての帰還。

 

 同じく真樹も孤立した状態で敵拠点への潜入に成功し、拉致被害者多数の救出に成功。

 

 浅永は個人での目立った戦績はないものの、格闘徽章持ちで脳筋…もとい圧倒的な近接格闘能力を持つ栗林と何度も模擬戦をして互角に立ち回るだけの腕を持っているからだ。

 互角とはいうが、純粋な身体能力やタフネスさは上回っているまであり、センスや柔軟性においては後塵を拝するものの、総合的な格闘能力はほぼ同等。

 また、その戦闘が過酷でこっぴどくやられた者たちからすれば、何度も付き合いきれる体力と気概も呆れられているほどだ。

 

 また、本人の性格も若く直情的な部分こそ見受けられるが、純粋で気のいい好青年といった様子で後輩として可愛がり甲斐があるためか好意的に受け止められていたりもする。

 

 高瀬は女性隊員ながら、狙撃徽章持ちでその射撃の精度は揺れる車内は勿論のこと、空挺降下中でも目標を正確に撃ち抜けるほどだ。

 

 村崎など、今も隊員に制式採用されているレールガンの小型化に加えて、最も怪獣に痛手を与えたレイラインエネルギー収束砲、粒子砲車などの開発にも携わっている人物でもある。

 今や彼の技術力は国際的に評価されており、今や日本が誇る技術者のリストのトップに堂々と名を連ねる程だった。

 

 その他の面々も各分野で相当に優秀な成績を残しており、その分析力や解析能力は作戦遂行の基盤となっている。デマーガ、ゲードス戦時の弱点の判明や、近い所で言えばオカグビラの誘導周波数の特定などはこちらが主導で行っていたりする。

 

 元々は特地に少数のみの派遣員とするための体裁として、優秀な技能をもつ者たちの集まりとされていたが、一年と経たずに挙げた成果はそれこそ一国の軍でもなし得ていない手柄を挙げているのだ。

 

 個人で見ても部隊で見ても類を見ない目覚ましい活躍をし続ける精鋭部隊。そんなもの、注目されない訳がない。

 

 一応補足として挙げるが、新星の一佐相当の地位への任官はこれだけの功績を挙げた部隊の実質的な部隊指揮官であるということの他に、中国側のメンツを立たせるために相応の地位と能力があるという保証、対怪獣組織の構成人員としての実績…言ってしまえばプロパガンダも含まれていたりする。

 

 無論、全てが嘘という訳でもない。元々想定以上の成果を挙げていることから昇進案が既に出ていたものの、制度的な問題で例外にするわけにもいかなかった所、丁度いい特例とも言える実績と名目が見つかったという理由もあった。

 

 また、それに応じて第1分遣隊のメンバーはGGUへの編入と同時に元階級から一つ繰り上がっていたりする。

 

 幸い、目覚ましい功績による昇進はかの銀座事件の際に多くの人々を救った「二重橋の英雄(伊丹耀司)」という前例が近くにあったため、国民にもつつがなく受け入れられた。

 

 まあそういったことがあったために、彼らGGU日本支部特地派遣隊第1分遣隊の面々は、対怪獣作戦行動のスペシャリスト部隊として英雄視された。

 

 されてしまったのである。

 

 同じ英雄として注目を集める伊丹も、その周囲の面子などからよく目立つが、特注の試験装備を身に着ける第1分遣隊はより目立つ。

 また、功績として理解できる範疇で大きな成果を挙げている伊丹と違い、多くの未知と別組織故の馴染みの薄さなどから、より多くの好奇の目を向けられているのだ。

 

 そのことに思うことがないわけでもないが、そこはプロ。程々に対応してガス抜きもしながら業務に励む。

 

「あっ!副隊長!これから栗林二曹と模擬戦をする予定なんですけど、良かったら副隊長もどうですか!」

 

 一通りの手続きと書類整理も終えて一息ついていたら、元気の有り余った様子の浅永が声をかける。

 

「今度こそ!副隊長相手に一本取ってみせますよ!」

「……まだ了承はしていないんだけどね。……まあいいか。よし、付き合おうか。ただし、これからも業務があるから、やったとしても三本だけだ」

「はいっす!了承です!」

 

 

 その様子にどこか実技面では優秀な筈なのにどこか抜けている若手の面影を見て頬を上げると、飲みかけのコーヒーを一口で飲み干して、据え付けの椅子から腰を上げるのであった。

 

*1
増員されたので新星達の隊が第1とされた





尚途中で栗林が駆けつけ
1本目が浅永。
2本目に栗林。
3本目で2人同時に相手したが、新星が全勝した。

観戦していた自衛官の一部からは悲鳴が上がったとかなんとか
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