ウルトラマンGATE 超人 彼の地にて、斯く戦えり   作:食卓の英雄

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さて、前回の後書きの答えは『宇宙甲殻怪獣 バザンガ』!
みんなわかったかな?
バザンガはウルトラマンブレーザー第1話『ファースト・ウェイブ』に出現し、GGF(ブレーザー世界の防衛隊)の爆撃ですら怯まず街を蹂躙していった怪獣。
腕の甲殻から発射する棘、ソーンファランクスは作者が数えてみたところ、片腕につき1秒あたり100発くらい撃っててやばかった。あと、画像を5.2cmの比率にして手甲の穴のサイズをみる限り、約1m。刺胞とかから見るに、穴のサイズの約5分の1が射出される棘だと仮定した場合が直径20cm!これが前述の速度で打ち出されて、しかも時限信管つきでバザンガの意思次第で全て爆破できる鬼畜仕様。数が多ければ多いほど、互いの距離を意識するために当たりそう。
あとアークで判明したのが、こいつ中々の速度で飛行する。まあそりゃ宇宙からやって来れる怪獣だからそのくらいの移動手段持ってるよねってことでして…。

注意)今回も会話がほぼないです…。


未来へ駆ける新星

 

 セカンドウェーブが発生したことで、世界は怪獣の恐ろしさを再認識した。

 あの軍事大国であるアメリカによる攻撃と防衛策が通じず、逆に現代の主要な兵器が悉く薙ぎ払われていく映像は、世界中が我が身のことのように震え上がった。

 

 そんな規格外の生物が、銀座事件からそう日も経たないまま実際に現れてしまっては、その変化に追い抜かれないように足掻くしかないだろう。

 

 また、映像自体は途中で途切れていたが、殲滅攻撃後にもう一体の怪獣の存在が明かされ、双方がウルトラマンによって撃破されたことを米国政府は公開した。

 

 同時に、ロサンゼルスの海岸を守り、被害を出すことを未然に防いでくれた礼をウルトラマンにするために一度会いたいと発言した。

 大々的に発表したのは当のウルトラマンの所在が分からないためであったが、それに対するリアクションは今のところないようだ。

 

 各国はその悪夢のような強さの怪獣が、ただの一生物として無数にいるのかもしれないと頭を抱え、対怪獣を想定した指揮や作戦行動の導入も検討し始めていた。

 

 そんな矢先に、またしても新たな怪獣が出現したのである。

 

 

―――サードウェーブ。

 

 香港にて巨大な亀のような姿をした怪獣が出現。赤い甲羅状の装甲は近代兵器による攻撃をものともせず、甲殻部分の青い発光体から放つ電撃や、口から戦車やコンクリートすら溶解させる溶解液を放ち甚大な被害を齎した。

 

 現地の航空機による攻撃により、発光機関が弱点でもあることが判明。総攻撃によって怯ませることに成功するが、背中から無数の光刃を放ちミサイル群を撃墜。

 

 人口密集区へと積極的に移動する姿勢を見せ、直後に青いウルトラマンが立ちはだかり、これを今までに数度ほど披露した光線によって破る。

 

―――フォースウェーブ。

 

 バンクーバー郊外にて黒い外皮を持つオーソドックスなスタイルの怪獣が出現。大きな特徴としては頭部に鹿やトナカイの様な複雑な形状の角が生え、青白い電撃を放つ。

 

 初めて夜間に出現したことから付近の市民の避難が遅れてしまい、民間人の被害が増加した事件でもある。

 

 カナダの航空部隊が先制攻撃を仕掛けるも、不規則な電撃攻撃に苦しめられつつ周囲を飛び回ることにより市街地から引き離すように誘導することに成功。

 直後にウルトラマンが現れ、交戦の後に頭部の角を切断し、放電能力を失いながらも尚も暴れまわる怪獣へと、銀座やロサンゼルスで見せた光線により葬った。

 

 この事件による民間人被害者は多く、判明しているだけでも死傷者の合計が4桁にも登るという。

 仮に発見が遅れるか、都心部に現れた場合の被害は想像を絶するほどとのこと。

 

 また、度重なる怪獣被害から一過性の波のように過ぎるものではないと国際的に認められ、その対策を進めていくことが国連内でも通達されていった。この際に、〇〇ウェーブという名称は撤廃され、以後第〇回怪獣出現記録と統一されることになる。

 

 

―――第五回怪獣出現記録。

 

 

 サードウェーブ以前からフランス各地での原子力発電所が停止し始めており、それを怪獣の仕業だと断定したのは数えて7つ目の発電所が停止した際だ。

 被害にあった原子力発電所には穴が開けられており、また発電所内のエネルギーが根こそぎなくなっていた事もあり(このお陰で深刻な放射線漏れなどはなかった)、原因を同じくするものと推測するには容易だった。

 被害にあった原発同士を繋ぐと徐々に北上しながら付近の原発を襲っていると推測され、次の襲撃地点に当たりをつけて警戒網を張っていた所、現地時刻で深夜3:32分に地中から巨大怪獣が出現。

 

 虫の様な外見の怪獣は約42m程、両手が巨大な鎌のような形状をしており、口にはこれまでの痕跡と一致する吻があった。

 

 原子力発電所近くということもあって爆発物は使えず、砲弾や並の火器では、外見通りの強固な装甲には弾かれる。

 

 抵抗虚しく原子力発電所に組み付かれた瞬間に、凄まじい切れ味の光輪がその腕を斬り落とし、それを放ったと思われるウルトラマンが現れた。

 

 組み付いていた腕を落とされたため、怪獣は禄に抵抗もできないまま投げられ原発から引き離される。

 

 両腕を失いはしたものの、虫らしく痛覚はないのか然程のリアクションを見せることもなく、逆に切断面から赤く発光する触手のようなものを伸ばし、ウルトラマンへと振りかぶった。

 

 が、腕の光刃を一瞬だけ伸ばして振り切った一撃により、触手諸共肉体を両断されて終わる。

 内部の反応から、これまでに貯めた原発7つ分のエネルギーが行き場を失い暴発することが予期されたが、ウルトラマンが怪獣の死体を抱えたまま宇宙空間へ離脱。

 

 宇宙ステーションからの記録では、怪獣の死体を放ると、薄い青色の膜で包み込んで光線により爆破したことが映っていた。

 後の調査によると、周辺での核汚染物質などは確認出来ず、また反応も皆無だったことから、薄い膜は放射線などを浄化、ないしは薄める効果を持つフィルターのような役割を持っている可能性が考察された。

 

 

―――第六回怪獣出現記録。

 

 

 世界で見て6度目、そして日本国内にて2度目の怪獣が出現する。

 それは関東平野に落ちた隕石と共に現れた。それも、計3体の巨大怪獣が同時に出現するというこれまでの例で見ても最大級の事件。

 一体は青い鱗に黄色い腹を持ち、これまで同様オーソドックスなシルエットを元にしつつも、二股に分かれた尾、肩から生える二つのヘビのような口。そして目のある位置にはヤギのように捩れた角が生え、口の中に大きな目が一つだけ存在する不気味な怪獣。

 もう一体もオーソドックスな怪獣タイプで、黒い体に赤い鎧を纏ったような姿で、反り返った二本の角、全身に生えた棘や刃も相まって悪鬼のような印象を抱かせる。

 

 最後の一体は、これまで見られなかったタイプだった。シュッとした二足歩行の人型で、金属質に輝く黒いボディに、長い首と鳥のようなフォルムに角が生えたような頭部。

 極めつけには右手から伸びる剣に、左手と一体化した銃。やや有機的な意匠も見られるが、それは作中内でロボット怪獣と呼ばれるものの特徴を持っていた。

 

 当然、一体のみでも対処できていないのが現状だというのに、三体も現れてはたまらないと大慌てで出動することになるのだが、ここで自衛隊は驚きの光景を目にすることになる。

 

 最後に現れた機械の体を持つ怪獣が、残りの二体を相手に立ち回ったのである。

 自衛隊内ではすわ同士討ちか敵対関係かと訝しんだが、その状況を利用出来るとして三体目を援護する形で二体の怪獣へと攻撃を仕掛ける。

 

 有効打は与えられずとも、爆撃による音や視覚面での補助程度にはなり、そのサポートを受けたロボット怪獣が数的不利を抱えながらも大立ち回りをする。

 二体の怪獣も目の前のロボット怪獣に集中しており、戦況を進めることが出来た。

 

 終いには、黒い怪獣が放った電撃を吸収し、二体に分身するという驚異的な能力を見せ、数の不利を覆す。

 

 ただでさえ2対1でもやりあえていた性能が、同数に持ち込んだことで好転した。苛烈な攻撃を受け、装甲には傷をつけられながらもどうにか黒い怪獣を撃破したが、残る怪獣が目から放った光線を受けて胸部の装甲が石化。

 それに伴って分身した個体も消滅してしまい、思うように動けない所を袋叩きにされ、石になった胸部を破壊され機能を停止してしまう。

 

 これに焦ったのは自衛隊。

 能力や規模から見ても、これまでの怪獣よりも高い能力を持っていたそれが世に放たれれば、その被害は計り知れない。

 

 まして、これまでの怪獣のように破壊エネルギーだけでなく、対象を石化させる光線という現代科学では対処不能な技まで持っている始末。

 

 放ったミサイル群は全て石化させられ、その威力を発揮することなく土に還った。

 

 苦し紛れに顔の付近を飛び回ることで意識を逸らそうとするも、それも大した時間稼ぎにはならない。

 

 そんな時、南の空からウルトラマンが現れた。

 

 怪獣の前に現れたウルトラマンは、怪獣と熾烈な戦いを始める。その強さは記録からの推察通りに、怪獣側もそう容易くはいかない。

 強固な外皮に、両肩のヘビのような触手を用いた噛みつきや破壊光線を放ちウルトラマンと渡り合う。

 

 特に、その触手の力は強力で、ウルトラマンに組み付いて離さず、それどころかその体を持ち上げてしまう程。更に厄介な点として、触手は独立しているために拘束中でも一方的に攻撃が出来てしまう。

 

 それには自衛隊側も黙ってはいられず、拘束を振りほどこうと爆撃を加えていくが、やはりその強固過ぎる装甲が貫けない。

 

 ウルトラマンも次第に抵抗が弱々しくなり、敵怪獣はトドメを刺すべく、口腔内の瞳を露出させる。眼球へと、視覚化出来る程の凄まじいエネルギーが集中していく様子に、最早逆転は不可能かと諦めかけたその時だ。

 

 石化光線の前兆でもある口の中の目が開かれると、これまでとは打って変わって持ち直したウルトラマンが、勢いよく光剣を顕現させた腕を横一文字に振るう。

 

 無防備な眼球に突然攻撃を受けた怪獣はうめき声を上げながら後退し、拘束を振りほどいた後は怯む怪獣へと果敢に攻めかかり、その巨体を吹き飛ばす。

 

「ギュイエェオゥゥヴッッ…!!」

 

 怒涛の攻撃に追い詰められた怪獣が、打開しようと今度は離れた位置で口腔を開く。何と潰された筈の目玉は恐ろしいほどの速度で再生し、再び石化光線を放つことが出来るらしい。

 

 迎え撃つように、ウルトラマンも光の刃と弓を形成するが、ここで誤算が生じる。

 

 相手の怪獣が最大まで溜めずに速攻で石化光線を放ったのである。先ほどは溜め中の隙を突かれて攻撃されたことを学んだのか、意表を突く形でそれを発したのだ。

 

 最大まで溜めなければウルトラマン程の相手の全身を石化させるほどの効力はないが、さりとてあのロボット怪獣の様に、一部分だけでも石化させられれば大幅な戦力低下に繋がる。

 

 まして、相手は腕を突き出しているのだ。これ以上に有効な手はない。この怪獣は見かけによらず知能が高く、それこそ他者の言語を理解し発することが出来る程の知性を持っていた。

 

 だからこそ思いついた不意打ち。これはウルトラマンも技の準備中に仕掛けられたために反応が一瞬遅れる。

 

「うおおおおおぉぉぉっ!!!」

 

 そこに、己の身も鑑みずに割り込んだ者がいた。

 

 F-15を駆るそのパイロットは、折角出動したというのに有効な攻撃も与えられず、何も出来ないことに無力感に苛まれていた。

 

 そして、人々の希望であるウルトラマンだけは失うわけにはいかないと、自らの駆る戦闘機で盾になったのである。

 

 石化光線が当たった箇所から伝播していく瞬間はその目で見ていた。故に、戦闘機に当たれば中にいる己諸共石化することは理解していた。同時に、当たった対象を貫通して破壊するほどの直接的な破壊力はない。ならば、その一瞬の放射さえ防げれば、背後のウルトラマンには当たらないと。そう睨んでいた。

 

 パイロットの読み通り、溜めなしで放たれた石化光線はほんの一瞬。真っ直ぐ放たれたウルトラマンの腕めがけて突き進み、割り込んだF-15を石化させて放射は止められた。

 

「ギィェヴァッ!!?」

 

 放たれた必殺の一撃が、戦闘機によって防がれたことによる驚きで怪獣が声を上げる。

 

 鋼鉄のハヤブサは鈍重な石像となって地に落ち、その翼と頭は砕け散る。

 その命がけの献身の意味を即座に理解したウルトラマンは、その期待に応えるべく、技を完成させた。

 

 突き進む螺旋状の刃は空間を抉り取りながら猛進し、慌てて口を閉じた怪獣の外皮ごと貫通し、頭に巨大な風穴を空けて爆散した。

 

 怪獣が倒されたことにより、石化光線の効力も失われたのか、ロボット怪獣や戦闘機が徐々に元の姿を取り戻していくが、石化中に破損した部位はそのままだった。

 

 故に、誰もが生存を絶望視していたが、完全に壊れたF-15の天蓋を開き、現れる人影。

 

 どうやら全ての部位が石化したことから、逆にギチギチに固定され、形を保っていたらしい。

 彼はキョロキョロと辺りを見渡し、怪獣が倒されたことを確かめると、ウルトラマンへ向けてぐっと握り拳を掲げる。

 

 ウルトラマンはそれに応えるように同じく腕を掲げ、空の彼方へと消えていった。

 

 この例は今まで助力どころか足手まといになりかけていた地球の組織における初の貢献とも言え、未だ力は及ばぬものの、ウルトラマンと共に戦う者としての勇気を見せた例でもあった。

 

 この時のパイロットは作戦行動中の独断専行によって戦闘機を失わせたことで処分が下されることとなるが、その先が彼の人生を大きく変えることになるとは、今は誰にも分からない。

 

 また、爆散した二体の怪獣は屍を失い、またしてもサンプルを採取することは出来なかったものの、機能停止したロボット怪獣はその状態のまま残されており、防衛省はこの機体の回収と分析へと力を入れていくことになる。

 

 数多の怪獣被害に、日本でのゴタゴタと功績。各国の苦悩や思惑が飛び交う中、日本国内では『門』先の世界―――特地へと自衛隊の派遣が決定されたのであった。




今回も名前が判明していない怪獣が多数出現!全部分かる人いるかな?

後でも語ると思うんですけど、怪獣出現の因果関係は、実はセカンドウェーブ、サードウェーブ、フォースウェーブは原因が同じですが、第五回怪獣出現記録は第六回怪獣出現記録と繋がりがあります。
尚、ファーストウェーブの原因はこれらとは関わりがありませんが、これが起こったせいで後の活動が活発化することになります。
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