ウルトラマンGATE 超人 彼の地にて、斯く戦えり   作:食卓の英雄

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いつの間にやらUAが10万近くと、お気に入り登録者3500人を突破していました。
感想も多く、全てに返信は出来ていませんが、ありがたく全て目を通しております。
まだゲート要素の薄い作品ですが、どうかこれからもよろしくお願いします。

前話の怪獣の発表です。
こちらはこの世界で放映されていない範囲の怪獣を描写することにより、未知の怪獣であることを意識付けるためにあえて名前を伏せて登場させて頂きました。
分かる人は分かる。分からない人はこの世界の人々視点でのウルトラマンの活躍として見れるようにしておりました。

サードウェーブ
「鎧甲殻獣 シャゴン」ウルトラマンアーク第1話「未来へ駆ける円弧」にて初登場。
フォースウェーブ
「破壊暴竜 デスドラゴ」ウルトラマントリガー第5話「アキトの約束」にて初登場。
第五回怪獣出現記録
「甲虫怪獣 タガヌラー」ウルトラマンブレーザー第3話「その名はアースガロン」にて初登場。今回は45mの個体が現れ、原発を襲っていたが、その理由は後の第六回怪獣出現記録で地球に接近している隕石と怪獣を撃退するためにエネルギーを溜めていた。
第六回怪獣出現記録
今回は3体一気に登場。
「惑星守護神 ギガデロス」ウルトラマンタイガ第14話「護る力と闘う力」にて初登場。実は令和初のロボット怪獣。原作ではトレギアの暗躍により暴走状態に陥っていたが、今回の個体にはその様な影響はなく、今は滅んでしまった星を守護していたが、星が滅び、隕石に乗っている間に2体に捕捉され、怪獣と戦っていた。
「最凶獣 ヘルベロス」同じくウルトラマンタイガ第1話「バディゴー!」にて初登場。ギガデロスにやられた方。
「石化魔獣 ガーゴルゴン」ウルトラマンX第6話「星の記憶を持つ男」にて初登場。ギガデロスをやった方。


因みに、ギガデロスにはデロスイリュージョンがあるからガーゴルゴンの石化光線は効かないんじゃないかという思いが一瞬過ったのですが、描写をみる限りだと、直撃して火花が散ったり、その後の出演で光線技で倒されている所から、吸収したり無効化してる訳では無さそうなので、ならば性質的に石化させるガーゴルゴンの光線ならば、その機能自体が石になり停止してしまうと判断して描きました。
仮にこれが公式で覆された場合、この作品のガーゴルゴンの石化光線が強かった。あるいはギガデロスのデロスイリュージョンがちょっと性能低下していたとかにしておいて下さい。


外星から来た隣人

 

 世界が怪獣への対応に全霊で取り組もうとしている中、日本の発表した異世界への自衛隊派遣には、国内外問わず様々な注目が集まった。

 

 周知されている情報の中から、技術力で劣る国に対する武力侵攻だという意見もあれば、その先に得られる利益問題云々でちょっかいをかけられもする。

 

 しかしながら、事件当初より懸念されていた諸外国からの批判、割り込みは圧倒的に少なかった。

 というのも、こちらは世界中で現れ始めた怪獣による被害が原因である。アメリカや中国という大国でさえ怪獣の侵攻を食い止めることは出来ず、ましてや双方共に少なくない被害が出ている。

 

 その復興、補填が出来ていないことに加えて、怪獣に対して殆ど有効打を与えることが出来なかったことから今は軍への信用が低下してきており、そんな中で自国の戦力を分散させ、日本へ向けるような真似をすれば、どう映るかなど目に見えている。

 

 門の出現以降に怪獣が発生し始めたことから、その因果関係を疑う者もおり、仮に割り込めたとして、あちらにも怪獣がいない保証などない。

 何の整備もしていない異世界へ力を割くよりも、自国の守りを固めなければいけないと各国は考えていた。あるかもしれない利益を得るために、国が壊滅しては意味がないのだから。

 

 それならばと、未知の危険のある異世界へは日本に任せて、自国内で悠々とその成果を見守り、得がありそうならば育んだ国力で交渉すればよい。

 そもそも日本自体も怪獣への対策を余儀なくされており、怪獣、異世界双方への対処に多大な資金が使われている筈だ。

 念の為資金援助などでラインを作っておけば、後はどうとでもなるのだ。

 

 失敗に終われば、怪獣被害に比べれば格段に少ない程度の金額で脅威が把握でき、成功したとしても出費の嵩む日本に大金を提示すれば成果の一部程度は手に入る。

 

 怪獣被害に遭う危険性と損害を考えれば、既存のものだけでローリスクハイリターンが確約されている。

 

 まあ、要約すれば、『現代の兵器ですら倒せない怪獣が自国内で出てきていて、更には宇宙人という存在への警戒も必要なのに、新たに門の問題なんか抱えてられるか』という話である。

 

 最初こそ門の出現が日本だと知って憤慨していたものだが、今は逆に安心している官僚もいるほど。それだけ、怪獣の与えた被害と恐怖は色濃いものだったのだ。

 

 既に米国など、怪獣へ通用しない兵器の数々を日本へ売却している次第である。何せ異世界の勢力、生物には通用しうるものであり、在庫処分をしながら恩と金を得られるのだ。しない理由がない。

 

 更に嬉しい誤算として、異世界への自衛隊派遣にちょっとした未練を残したちょっかいをかければ、その対価として日本で鹵獲された機械怪獣の調査にも参加することが出来たのだ。

 これには日本だけでは手が足りないということもあったが、要は向こう側での恩売りと、特地関連における強硬手段への牽制も兼ねていた。

 

 それは各国共に理解していたが、そうだとしても怪獣への対抗策をいち早く手に入れたい各国は大喜びで参加を表明したのだ。

 当然ながら参加資格、制限こそあったものの、得られるリターンは大きい。それに軍事力を失わないのもグッド。

 

 情報も判明していない野蛮人(言っては悪いが技術水準文化水準共に遥かに後進的。今や僻地の部族ですら携帯くらいは持っている時代なのだ)の世界へのちょっかいなど、その伝手を失うことへのリスクとはまるで見合っていないのである。

 

 そういう訳で、ロボット怪獣というリターンに釣られてではあるものの、各国は諍いを置いて結束するのであった。

 

 

●●●

 

 

 

 自衛隊による特地進出は、予測された程の被害もなく実にあっさりと成功した。

 

 門の先は緑広がる開けた大地となっており、逮捕した兵士から聞き出した情報によると『アルヌスの丘』と言う名称らしい。

 丘とは言ってもほぼ平坦で、駐屯地を作り上げるのに苦労はしなかった。

 

 更に言えば、かなり広範囲に開けた土地で射線が容易に確保でき、航空機などが飛ばせるのも功を奏した。

 異世界の軍勢は自衛隊の作り上げた駐屯地を奪還するべく連日攻撃を仕掛けてくるのだが、開けた大地で現代兵器を相手に正面から生身で挑むなど、最早負けることのほうが遥かに難しい。

 

 この特地方面派遣部隊の装備品には、基本的には旧式の古い物が多く用いられているのが特徴だ。隊員の持つ64式小銃や、74式戦車は、新装備が導入されたことで第一線からは姿を消しつつあるものばかり。

 在庫処分、そして相手の技術水準からそれで十分ということが理由ではあったが、現在使われている89式の5.56mm弾では現地のオークなどといった重量級の怪異を止めることが出来ず、また同銃の銃剣で刺突した場合、敵の鎧やチェーンメイルなどにノコギリ状の鎬が引っかかって抜けなくなってしまう事態が報告されたからである。

 

 加えて、情勢によっては装備を廃棄して撤退しなければならない事態も想定されているので、高価、最新の兵器類を簡単に打ち捨てていくわけにはいかない。

 よって、廃棄予定、あるいは廃棄しても惜しくはない装備品が選ばれたのだ。

 

 そしてそんな兵器群の中には、一部比較的新しい技術の使われた兵器群や、何に使うんだという大威力の火器などが場違いのように並んでいた。

 これには度重なる怪獣出現から、特地で怪獣、またはそれに比する存在を警戒しての導入が踏み切られたのだ。流石に衛星兵器などはないが、それでも性能は頭一つ抜けていた。

 

 まあ、それでも怪獣対策にはまるで火力が足りないのだが、それを分かっていても備えがなければ不安なのである。

 

 そして実際の戦闘なのだが、こちらは一方的であった。

 

 丘の麓からオークやトロル、ゴブリンといった特地の異形の化け物が突き進み、その背後から楯を並べた人間の兵士が続いている。空からは竜に乗った騎士が群れをなす。

 

 数にして数千から万に届くほど。

 しかしながら、彼らの世界に置いては異例と言える程の大規模な軍勢であったとしても、技術水準の差というものは残酷である。

 この世界の標準的な武器とは剣や槍、弓などで、防具は鉄の甲冑。戦術はどうしても隊列を整えて全員で押し寄せる形となる。

 弓や魔法といった彼らの遠距離攻撃は、銃火器に比べれば圧倒的に射程が短くそれほどの脅威にはならず、空飛ぶ竜騎士は高射機関砲で竜諸共肉塊と化す。

 

 特地世界では有効な夜襲を仕掛けても、闇の中を恐る恐る進む兵士たちは暗視装置や照明弾で早期に発見され、そのまま何を為すこともなく全滅する。

 

 こちらの世界の歴史では、強壮なる武田騎馬隊が織田の鉄砲隊を前に敗北したと記されているが、同じ時代の人間同士の戦いでもそれほどのアドバンテージがあるのだ。

 まして、自衛隊はそれよりも数世紀以上進んだ技術と、積み上げられた経験と実績に則った戦略を取っている。

 

 既に二回の侵攻は失敗に終わり、それでも奪還せんと迫る兵士達だが、最早どれほどの数を揃えようとも、現代の銃砲火器を装備した自衛隊の前では敵にもならなかったのである。

 

 三度目の侵攻も失敗も失敗。特地の言葉で『連合諸王国軍(コドゥ・リノ・グワバン)』は壊滅状態に陥り、死者は約6万。日本の小都市程の兵士が犠牲になったのである。

 また、この侵攻が失敗に終わったことで国力も相当に低下したのか、それ以上の襲撃はなく、無事『門』と周辺土地、及びにアルヌス駐屯地を守り抜いた。

 

 自衛隊を通した特地との接触が、今ここから始まろうとしているのだ。

 

 

 

 

●●●

 

 

 

 

『推察のとおり私は宇宙人だ』

 

『宇宙人!?』

 

『さよう。第8銀河系の中にあるザラブ星人。我々の言葉で兄弟という意味だ。仲良く平和に暮らしていくことが我々のモットーだ。だから、地球の諸君とも兄弟同士というわけだ。もっとも、私の方が兄で、君たちはまだ幼い弟だがね』

 

 

 液晶の中で、首と肩が繋がったような奇妙な体の人物が喋る。それと相対するのはオレンジの制服を纏った人々。

 場面は変わり、友好的に振る舞っていたザラブ星人が企みを暴かれ、一人の隊員を捕まえて目つきの悪い巨人へと姿を変える。

 

 しかしながら、捕まっていた隊員が拘束を解かれると、ペンライトのようなものを天に振りかざすとよく似た姿の巨人。つまりは本物のウルトラマンとなり、姿を変えたザラブ星人――にせウルトラマンと戦い始めた。

 

 姿は真似ても実力の差で化けの皮を剥がされ、その悪事が白日のもとに晒されたザラブ星人は、空中での揉み合いの末に墜落し、ウルトラマンの光線によって死に絶えたのである。 

 

 その話が最後まで終わると、一人の男性が声を掛ける。

 

「どうです?よく出来ているでしょう?」

「ああ、君に言うのは少し悪いかもしれないが、やはり素晴らしいと思うよ。私が閲覧した情報や状況と合致する。それでいて物語として纏められていて分かりやすい。……新人達の教材に導入してもいいかもしれない」

「ははは、本場の光の巨人に言ってもらえるなら今は亡き友人達も本望だろうさ」

 

 彼らが見ているのは、今話題の初代ウルトラマン第18話「遊星から来た兄弟」。様々な理由があって初代ウルトラマンの中でも有名な話の一つである。

 

 だが、それを見た感想としては些か奇妙な言葉が出てくる。

 

 二人の男は少しの間を置き、テレビを消すと向かい合う。

 

「…ここ数日、君と共にいたが、その間の君の言葉は真に迫ったものだった。私があえて隙を晒しても、それを心配し、慮ってくる思慮深さ。……疑ってすまなかった」

「いえいえ、私自身そう思われることをよく理解しています。特に、私の種族はあまりにも有名な侵略宇宙人ですから」

「いや、それでも善意で接してくれる君に失礼なものだった」

 

 再び頭を下げる男に、もう一人の男が頭を上げるように言う。結局、このやり取りはお互いに気にしないことにした。

 

 ここまでの会話の中で分かるだろうが、この二名は姿こそ一般的な日本人のものだが、その種族は異なる星から来た所詮外星人である。

 

 頭を下げた男性は、男から光の巨人と呼ばれた通りに、この世界のウルトラマン。ウルトラマンノヴァその人である。

 容姿としては30代半ば程で、顔立ちは優しげだがキレのある瞳が特徴だ。

 対するもう一人の男。この家の家主でもある宇宙人は20代後半程の外見で、日本人にしてはやや彫りの深い顔立ちと、どこか高貴な風貌が相まって、どこか安心感を与える容姿をしていた。

 

「ええと、確か財前君はこの世界の円屋プロダクションに務めているんだったね。このことを知るものはどのくらい?」

「歴代の社長と一部の幹部。それと私自身に親交のあった方や私の入社時のメンバーくらいです」

「なるほど…。作品にはどのくらい関わっているのかな?」

「ああ、そこなのですが、普段は普通の役員と然程変わりませんよ。強いて言えば、既存の宇宙人への事実と異なる著しい悪印象を与えかねない場合にはこっそり口を出すように言われていますが、今のところ知る範囲ではそこまでイメージを悪化させるようなものはないので役目は果たせていませんがね」

 

 財前と呼ばれた宇宙人は笑いながらそう答えると、少し驚いた様にノヴァが尋ねた。

 

「とすると、基本的な物語の大筋は全てこの世界の人々が?」

「ええ、そうなのです。驚きですよね。私自身、迷い込んでしまった身ではありますが、テレビで放送されていた話を見てしまい、正体がバレていると恐れたものですよ。……当時の円屋氏にも伺いましたが、特に他の異星人からの関わりはありませんでした。…私自身、貴方がたM78星雲人のことは知っていましたが、会ったことはなかったので完全な想像力だけで貴方がたの世界を描いていたのですよ」

 

 「あれには私も心底驚愕し、人間の想像力とはここまでいくものなのかと感心しましたよ」と当時を振り返るように懐かしむ。

 

「……こうして信用してもらえたから暴露するのですが、実のところ最初は侵略も考えていたのです。元々仕事ではなく、宇宙で起こった何かに巻き込まれてやって来た星ですが、文明レベルも低く、異星人との接触もないこの星など、私の能力を使えば支配も容易いことだと。私たちが侵略宇宙人であることと、その手口を知られていると知ってからはより一層慎重に、その発信元を探りに行ったのです。尤も、私の勘違いでしたが」

「…それで円屋プロダクションに?」

「はい。最初は情報収集と、取り入るために下手に出て信用を得るために活動していました。ですが正体を明かした彼らの反応は驚きと感動に溢れていました。この様なことは初めてだったのですよ。何せ、工作員として嘘を付くことには慣れていても、その工作員と知られている相手から絶賛されるなど。……当時の私は困惑しましたよ。ええ、それで裏があると思い、更に仕事に熱心に取り組むポーズを見せましたが………」

「成程、それで気が変わったと」

「はい。我々は他の星を争わせ、奪うことを生業としていた一族。何かを自ら作り出し、それを世の人々に作品として認められる。というのは何ものにも得難い経験でした。作り上げた作品の売り上げや評判、子供達の声。共に作った社員達との思い出。いつの間にか、私は子供達に夢を与えるこの仕事が好きになっていたのです」

 

 しみじみと語り、慣れた手つきで紅茶を淹れる様は最早完全に地球人と言って差し支えないほど。

 

「仕事で来たわけでもなければ、母星とも連絡がつかなかったので、そう割り切れたのだとは思います。ですが、命の危機を冒し、何かを奪って憎まれるよりも、仲間と共に作り上げた作品で喜ばれる方が、ずっとずっと嬉しかったのです。この様な形で地球に来れてよかった。今は自信をもってそう言えます」

「……そうだね。うん。ここはいい星だよ。……因みに君がここにやって来たという原因については?」

 

 話の中で気になった部分に触れると、彼は眉を下げて首を横に振る。

 

「…そうか。だが、その様な現象があったとなれば、私たちの知る情報とは少し差異があるように感じられる。調査を進めなければいけないかもしれないね」

「そういえば、あの門とやらが与える影響についても調べていたのですね。やはり、宇宙警備隊としては気になられますか?」

「元、だよ。…正直、五分五分だと言った方がいいかも知れない。あの門か、それに連なる原因があるのかも知れないとゾフィー君達は睨んでいたが、こうして降り立って調べてみれば、逆に門がここに現れたことにも因果関係があるのではないかと疑っている。こればかりは、向こうにも行かなければ分からないが……」

 

 ここで、渋い顔を作るノヴァ。彼の豊富な経験と、宇宙科学技術局での知識がどうにも違うのではないかと囁いているらしい。

 

「成程…。道理で、自衛隊に紛れてあの門の先。確か『特地』へと行くのですね」

「ああ、その折には君の伝手に助けられた。まさか、政府にも他の宇宙人がいるとはね。彼のお陰で嘉納防衛大臣へ事情の説明が出来ましたし、新設される怪獣・宇宙人対策班へ入れてもらえることになった。礼をしたいので、機会があれば伺わせてもらいたいと伝えて欲しい」

「ええ、ですが彼は今とても忙しそうですからね…。リスクのある仕事を増やしてくれたなと怒っていたので、その際は一緒に怒られてください」

「それは勿論。私が原因なんだからね」

 

 そして、何かそわそわとし始める彼にノヴァは不思議そうに尋ねた。

 

「どうしたんだい?」

「いえ、その新設されるという班には、何か名前はついていないのですか?科学特捜隊やウルトラ警備隊、GUTSやXIGの様に何かしら名前は必要でしょう?」

「ああ、確かに君は制作側。現実になれば気になるのも理解は出来る。…でも名前の方はまだだそうだよ。何分怪獣被害への対処が急務であることから真っ先に編成はされたから、名前の方は仮で止まっているんだとか。聞いた話によると円屋作品の防衛隊の名前を提案していた人もいるらしいけど、やっぱり却下されていたようだよ」

「それはそれは…」

 

 そう談笑している合間に、ニュースで緊急速報が流れてくる。内容は突如フィリピン海に台風が現れ、中には巨大な鳥のような影が確認できるとのこと。

 既に海岸沿いでは風は強くなりつつあり、このままでは首都マニラへと直撃してしまうとのことだ。

 

「…私の出番のようだ」

「そのようですね。…あの怪獣は、私達の作品には出てきませんでしたが…」

「あれはグエバッサー。風を操りビルすら吹き飛ばす強敵だ。だが、対処法も心得ている」

 

 彼は立ち上がり、スティック状のノヴァスパークを手に取ると等身大のウルトラマンノヴァの姿が現れる。

 

「それでは行ってくる。協力感謝するよ。財前(ざいぜん)進一(しんいち)くん。いや、ザラブ星人ザイン」

「いえいえ、私はただのファンですから」

 

 そう告げると、ウルトラマンノヴァの姿は光に包まれるように消え、少ししてテレビでは台風の元凶である怪獣と戦闘を始めたウルトラマンノヴァの姿が映し出された。ウルトラ一族の持つテレポートを用いたのだろう。

 

「活躍の方はテレビで見届けさせてもらいますよ。新星(にいぼし)(わたる)。…いえ、ウルトラマンノヴァ」

 

 そう呟く彼の瞳は、どこかヒーローに憧れる子供のように澄んでいた。





ザラブ星人ザイン
人間態時の名前は財前進一。
任務などではなく、宇宙で起こった謎の現象にて地球に迷い込んだザラブ星人。最初は緊急事態故に、連絡を取ろうとするも繋がらず、地球を一旦征服してから立場を確保しようとしたが、途中で電気屋のテレビに映るウルトラマンとザラブ星人を見て自分達の存在と手口がバレていると思い込み、それを放送している円屋へと潜り込んだ。
その後はなんやかんやあり、作品を作ることや地球の文化にハマり、任務もないし母星からも連絡ないしで地球に住むことを決めた。
何気にウルトラマンという作品が放送されていたお陰で地球侵略が食い止められた事例である。
今ではウルトラマンを通じて子供に夢を届ける仕事にやり甲斐を感じており、ウルトラマン達のファン。
自分がいる以上どこかにいるだろうなということは分かっていたが、いざ実際に目の当たりにするとスタンディングオベーションをするくらい感動していた。
それと同時に怪獣出現などから自分や会社に目が向きそうで怖いな。とも思っている。
その後はノヴァに分かるように接触し、活動拠点や物置として家の一部を提供。推し活もとい、いい空気を吸っている一人。
CVは神尾晋一郎をイメージ
職場ではいい声の財前さんと親しまれている
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