ウルトラマンGATE 超人 彼の地にて、斯く戦えり   作:食卓の英雄

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みんなO型の光だけで正体確定しすぎやろ!!

あとアーストロンと炎龍のダブルブッキングなのに被害が薄くなってるって方!エイリアンVSプレデターとか、色んな対決系はお互いに注目しすぎて雑魚には構えないんですよ…。

あと今回は伊丹達視点での話です


空想の怪獣

 

 時は少し巻き戻り、第3偵察隊の視点へと切り替わる。

 

 銀座事件において多数の一般人を救った功績により「二重橋の英雄」と呼ばれている自衛官、伊丹耀司が隊長を務める第3偵察隊は、現地民との接触を図って編成された6個の深部偵察部隊のひとつだ。

 

「空が蒼いねぇ。さすが異世界」

「こんな風景なら、北海道にだってありますよ」

 

 青々と広がる都心では見られないような空に、伊丹が言葉を零すと、運転席の倉田三等陸曹が応じた。

 倉田三等陸曹は、北海道名寄駐屯地から出向してきた隊員で、広いのどかな景色には飽き飽きとしているらしい。

 

「俺は、巨木が歩いてたり、ドラゴンがいたり、妖精とかが飛び交っているとこを想像してたたんですけどねぇ。これまで通ってきた集落で生活してたのは人間ばっかだし、家畜も牛とか羊にそっくりでガックリっす」

 

 倉田は一般陸曹候補学生課程を修了したばかりの二十一歳で、伊丹が上下関係に鷹揚だと知れば、気軽に話しかけるほどにはお堅い人間ではなかった。

 

 そしてまた、彼も伊丹同様にオタク自衛官であり、先程言った通りに異世界ならばとファンタジーな光景を期待していたのだが、実際は代わり映えのしない景色と、故郷で嫌と言うほど見た草原くらい。

 その鬱憤や想いを理解してくれると思っての愚痴である。

 

 そんな倉田に、伊丹はこう尋ねた。

 

「そう?でも本土(この場合門の先を指す)の地球にもファンタジーな怪獣やウルトラマンが現れてるでしょ?そこんとこどうなの?」

「いやいや、俺が言ってるのは漫画とかネット小説に出てくるようなファンタジーが見たいのであって、そんな巨大怪獣が出てきても困るっすよ。実際、こっちの生き物と違って今んとこ米軍でもダメだったでしょう?今来られたら俺らは最初の被害者枠確定っすよ」

 

 とのことである。要は自らの求めるファンタジーが危険のない範囲で味わいたいのであって、強力とはいえ自衛隊の装備が通じると分かっているこの世界の生き物と、元の世界の危機レベルの生き物を比べるな、ということだった。

 

「あっ、でもウルトラマンは見てみたいっすね。伊丹二尉は事件当時いたんでしょう?いいなぁ。生のウルトラマンと怪獣はどんな感じでした?」

「生の、って。いや、俺も遠目に見ただけだしなぁ。あの時は異世界に怪獣にウルトラマンって色々あり過ぎてねぇ」

 

 しみじみと思い返すように語る伊丹は、所詮特撮オタと呼ばれるオタクではないが、ウルトラマンやそれに登場する怪獣や宇宙人くらいは知っている。

 それどころか、ウルトラマンなどはそのような作品を普段見ないという人も知っているほどには国内での認知度は高い。

 

 そして資料として大真面目に配布されたウルトラマンの円盤を見たりもしたが、その上で言わせてもらうならば、双方共に格が違うということだろうか。

 

 何せ、自衛隊の誇るF-2戦闘機による攻撃は通じず、逆に生物の理解を超える速度で飛行している筈の戦闘機を、厳しい訓練を積んだパイロットを撃ち落とす攻撃性。

 角から放出された破壊光線がビルを文字通り斬り裂いた時には、乾いた笑いが出たほど。

 

 それを打ち破ったウルトラマンも、凄まじいの一言である。

 

 興奮もあったが、それよりもこの世界は一体どうなるんだ。これまで通りコミケは開催出来るのかということがひたすら気がかりだった。

 そしてその予感は、続くセカンドウェーブ、サードウェーブで軍事大国ですら敗北したことにより、悪い意味で当たったのである。

 地球を家として考えると、家の中に小さな穴が空き、そこから害虫が入り込むことと、家のどこかから急にヒグマが現れるくらいには脅威としての質が違う。

 

 これが昔からよく見ていた作品がそのままに現れたのならば、目の前の部下のように目を輝かせることもあっただろうが、生憎と脅威を目の当たりにした後にウルトラシリーズの知識を仕入れたものだから、特に関わりが深くなりそうな自衛隊員としては興味と不安が半々くらいだろうか。

 

「今は別のオタクしてますけど、俺もティガとかダイナの世代だったんで。配信見た時は懐かしかったです」

「ほーん…。お偉いさんとかもちょっと興奮してたみたいだし、そんなものなのかねえ」

「やっぱ子供の頃からのヒーローは思い入れがあるんですよ。ってそうか、隊長が子供の頃は丁度空白期間だったのか」

「そーそー。だからウルトラマンも本格的に見たのは銀座事件の後が初めてなんだよ。多分、時期的には俺よか桑原曹長のが分かるんじゃないかな」

 

 伊丹が話を振るのは、この第3偵察隊で最年長である桑原陸曹長。彼は二等陸士からの叩き上げで、助教経験も長い今年で五十歳のベテランだ。

 

「ん?ああ、まあ確かに、俺が子供の頃に丁度ウルトラシリーズが始まったからな。ウルトラQは見てなかったが、ウルトラマンとセブンはテレビにしがみついてでも観てたな…。学校に通うようになったら、そん時には帰ってきたウルトラマンの話で大盛りあがりよ」

「古参ファンってことっすね」

「いや、もう殆ど覚えてなかったからな。昔好きだっただけだ。……しっかし、まさか今になって現れるとはなぁ。子供の頃に現れてくれれば手放しで喜んでたんだろうが」

 

 そう苦々しく語る桑原は、やはり世界各地での怪獣被害の方が気になるのだろう。

 

「ファンタジーを求めるなら、確かあっただろ?ナントカっつう新しく創てられたとこが。科特隊みたいな役割だろうに、そっちには志願しなかったのか?」

「特災課っすね。いや、志願はしたんですけどぉ……。普通に落ちました。だからこうして特地に来てるんじゃないですか」

「ん?確かそこって…」

 

 桑原は、より未知に近い出来事に関わることになりそうな特災課はどうかと聞くも、どうやら既に志願後だったようで、彼の古傷を抉ってしまったらしい。

 

 そのことに気がかりを覚えた伊丹は何かを思い出そうとするも、それも次の桑原の言葉により掻き消される。

 

「おっと、話し過ぎたな。倉田、もう少し行くと小さな川が見えてくる筈だ。そしたら右折して、川沿いに進め。しばらくすると森が見えてくる。それがコダ村の村長が言っていた森だろう」

 

 ここでは衛星を打ち上げていないのでGPSを使えない。その為、地図とコンパスによるナビゲーションだけが頼りとなるのだ。

 桑原がコダ村の村長から聞いた情報と、航空機によって得られた情報から作った地図で指示を出す。

 

 その後も、ベテランである桑原に隊の運営を押し付け…もとい任せた伊丹は、桑原の意見通りに森の手前で一度停止し、野営後に調査を再開する方針へと決めたのだった。

 

―――…

 

 こうして森の手前までやって来た第3偵察隊であったが、そこには驚愕の光景が広がっていた。

 まず最初に目に入ったのは森の中ほどからモクモクと立ち昇る黒煙だった。

 

「燃えてますねぇ」

 

 という倉田の呑気な言葉に肯定するも、やはりそれよりも注目を集めるものが、この距離からでもはっきりと見えていた。

 

「……俺の被害妄想って訳じゃ、ないんだよね?」

「はい、私たちもはっきりと見えておりますね」

「何て大きさだ…。ここの木々と同じと仮定すると、40から50、いや、60メートル近くあるんじゃないですか?」

 

 そして、その怪獣が暴れている様子から、何かが目標とされていることを理解するが、よくよく見れば龍の様な生き物が空中へと飛び上がっていた。

 

「首一本のキングギドラか?」

「おやっさん、古いなぁ。ありゃ、エンシェントドラゴンっすよ」

 

 とは突っ込むものの、その顔色は優れない。何せ、本土だけでなくこちらの世界にも怪獣に匹敵する存在が現れてしまったとなれば、自衛隊の持つ現代兵器のアドバンテージは薄れてしまいかねないからだ。

 

 その存在が怪獣に匹敵する程の能力を持つのか、こちらの原生生物で、実はミサイルで倒れたりするのかも分からないが、それにしたって問題が一つ増えたことになる。

 

 ドラゴンの方も脅威になり得るのだが、その身体構造は既に似通った飛龍などが確認されており、しかもその圧倒的な体格差から、怪獣かどうかは議論の余地にあった。

 

 そして、火炎放射を放つドラゴンを見て倉田が黙りこくった桑原へと話しかける。

 

「あのドラゴンがキングギドラなら、あっちの怪獣は角のある怪獣王ですかね?」

 

 桑原の言葉に合わせた問いかけだったが、桑原は「まさか…。だが、あり得ないということも…」とぶつぶつ呟いている。

 そのことに驚いた倉田が再び声を掛けると、我に返って、今しがた思い至った懸念点を通達する。

 

「伊丹二尉、あれはもしかすると、アーストロン、かもしれません」

 

 桑原の何か知っていそうな言葉に皆が意外という顔をしながら聞き耳を立てる。一応は隊長である伊丹がその心当たりを尋ねると、桑原は語り始めた。

 

「はい。あの姿は、帰ってきたウルトラマンに登場した怪獣、アーストロンに酷似しています。見た目やサイズだけでなく、口から光線も、一致します」

「えぇ…。それってホント?」

 

 移動中に雑談をしていた二人以外はベテラン曹長である桑原がその様な話題を出したことに驚き、その年齢にある意味納得する。

 

「稀々姿や行動が似通った生物という可能性はありますが、()()を考えるべきかと」

 

 この場合の最悪とは、特撮シリーズであるウルトラマンに登場した怪獣や宇宙人が実在する可能性のことである。

 元々がウルトラマンや怪獣という存在から、あるかもしれないと提唱されていたことだったが、現れたウルトラマンは既存のウルトラマンとは一致せず、怪獣も特撮には影も形もないものばかり。

 

 だがしかし、作品内で現れた怪獣が一度確認された場合、他の作品のものも実在する可能性が限りなく高くなるということだ。

 今は直接的な巨体などの被害で済んでいるが、ウルトラシリーズには特殊な能力を持ち暗躍する宇宙人や、設定に忠実ならば太陽系を吹き飛ばせる火球を放つことの出来る存在までもがいることになる。

 

 作品内でも歯が立たなかった存在もいるのに、未だ世界全体での結束も、技術も足りてない今の世の中では、果たしてそれらに滅ぼされないとどうして断言できようか。

 

 生憎とここではインターネットが繋がっていないため、そのアーストロンのデータや画像を見ることは出来ないが、それでもその警告を無下にすることなど出来ようもない。

 

「とにかく、適当なところに隠れて様子を見よう。んで、怪獣とドラゴンもいなくなったら、森の中に入ってみよう。何か情報が手に入るかもしれないし…。生き残ってる人がいたら救助とかしたいしさ」

 

 森の中に集落があるという情報は聞いていたが、巻き込まれているんじゃないかというのが伊丹の考えであった。

 

「あっ、ドラゴンが逃げていきますよ!」

 

 空に放たれた光線を見て、逃げ去っていくドラゴンを見届けて、次に推定アーストロンと思われる怪獣は足元へ向けて光線を撃ち始めた。

 

 その光景に伊丹はやっぱりかとため息を一つつき、待機のための準備を進めるべく双眼鏡から目を離したその時。

 

「あっ!!!ウルトラマン!!」

「ぬわぁんだって!?」

 

 倉田の絶叫の様な声に、準備を進めていた隊員達もバッとアーストロンの方へと目を向ける。

 慌てて覗いた双眼鏡のレンズは、アーストロンへと組み付き打撃を加えていくウルトラマンの姿を映し出し、その差異にまたもや別の意味で驚愕を覚える。

 

「向こうで現れたウルトラマンとは大分姿が違うねえ」

「色も違いますし、模様やカラータイマーの形が違います。断定は出来ませんが、私たちの世界に現れたウルトラマンとは別の存在と捉える方がいいかもしれません」

 

 笹川陸士長が、何とか写真を撮影しようと拡大をしながら呟く。

 

「特地にもウルトラマンがいる…ってことか?」

 

 そうなるとまた、面倒な話になってくる。何せいくら相手が攻めてきているとはいえ、こちらは言葉も通じないし、圧倒的な技術差で無双している。

 流石にあちらから襲ってきた上に、殺害しているのは軍人や野盗などに限られており、まして捕虜などには人道的な配慮をしているので自分たちと敵対する可能性は低いとは思いつつも、配信で見たイーヴィルティガの様に、特地の人が己の意思で動かしている場合もある。

 

 そうなればこそ、その接触は慎重に行わなければならなかった。というか、正直ほっぽりだしたい気持ちでいっぱいである。

 

「……今からでも帰っちゃダメかな?ほら、怪獣とウルトラマンを刺激するわけにもいかないからさ」

「気持ちは分かりますけど…」

 

 げんなりとする伊丹に同情はしつつも、流石に仕事を放り投げるわけにもいかない。

 

 少なくとも、様子見くらいは続けるべきだろうと、そう判断した所で勝元陸曹長が声を上げる。

 

「あっ!怪獣が逃げていきますよ!」

 

 新たなウルトラマンとぶつかり合っていたアーストロンは、タックルやパンチにも果敢に立ち向かい、逆にウルトラマンをその怪力で跳ね上げたり、尻尾の一撃を繰り出したりしていたが、顎にいいのが入ったせいで体勢を崩し、そのままふらつきながら地面へと潜って逃走したのであった。

 

 後に残されたウルトラマンは一息つくような動作を見せると、光となって消えていった。ウルトラマンから現れた光の玉は、そのまま森の中枢、集落があると思われる位置に降り立っていくのが確認できた。

 

「…怪獣もドラゴンもいなくなりましたが、どうされますか?」

「いやぁ…。様子見でしょ。今から入るには燃えた森に入ることになるし。収まるのを待たないと俺等が巻き込まれちゃうよ。それに、ほら、情報通り人が住んでて、生き残りやら、さっきのウルトラマンとかを脅かすことになるでしょ?国民に愛される自衛隊がそんな威圧するようなこと出来ないし、第一ウルトラマンがいるかもしれないなら極力そういう印象は避けないといけないよね」

 

 そう早口で告げると、伊丹はさっさと待機姿勢へと移ってしまう。他の面々はそれぞれ再び怪獣が現れた時のため直ぐに逃げられるように整えながら、火の様子を伺っていた。

 

 報告しなければいけないことに頭を抱えながらも、伊丹は何かを思い出しかけたような、もやもやのようなものが残ったままなことに気づく。

 

「あれ…?何だったかな…。えっとぉ……」

「伊丹二尉、次交代ですよ」

「あら、もう?ちょっと待っててっ…と」

 

 思い出しかけていたそれは、やるべきことで上書きされ、再び思考の彼方へと追い出されていったのであった。

 

 様子を伺ってはいたが、中々鎮火せず、黒煙が立ち込めていて見通しが利かなかったことから、伊丹達が森に入ることが出来たのは翌朝となるのであった。




今まではフィクションの存在でも、実際にそのままがでたことはなかったけども、仮にその世界のものがそのままデてきてしまった場合、連鎖的に他のも実在する可能性が高まるからヤバイよねっていう発見。


あと、特災課の真樹准一さんがデュナミスト達から一文字ずつ頂いているのに気付かれる方がおりますが、あくまで名前の由来であってそれらに関わりのある方ではございません!
この分遣隊はノヴァである新星 渡以外はウルトラシリーズの登場人物から名前を頂いているだけです。

以下、上記2名を除いた他メンバー

村田 明弘(ムラタ・アキヒロ)
村崎 裕馬(ムラザキ・ユウマ)
浅永 龍久(アサナガ・タツヒサ)
高瀬 紗友里(タカセ・サユリ)
石山 彩子(イシヤマ・アヤコ)
中村 舞(ナカムラ・マイ)
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