~十数年前~
沢山の屍が倒れている場所、そこで生きている人間は二人の童だけだった。背丈や顔もよく似ている二人、どうやら双子のようだ。そこに一人の男がやって来る。
男「屍を食らう鬼が出ると聞いて来てみれば...君達がそう?」
そう言って男は二人の頭に手を置く。
男「また随分と、カワイイ鬼がいたものですね」
二人は男の手を払い距離を取る。弟は姉を護ろうと自分の後ろに下がらせ、持っていた刀を鞘から抜こうとする。
男「
男は自分の腰に差している刀に手を添える。
男「
すると男は自分の刀をヒョイと少年に投げた。
男「くれてあげますよ...私の剣...
男は二人に背を向ける。
男「敵を斬るためではない、弱き己を斬るために...己を護るのではない、己の魂を護るために」
この双子の姉弟、
それから少しして、銀時と真白は松陽の開いた寺子屋「
そんなある日、銀時は剣道場で松陽に勝負を挑んでいた。真白は道場の端の方に座り、二人の勝負を見届けていた。
銀時「まだだ...まだ俺の剣は折れてねぇぞ」
フラつきながらも立ち上がった銀時は竹刀を再び握る。
銀時「もう一本だ!!松陽ォォォォォ!!」
そう叫びながら自分に向かってくる銀時を松陽は笑顔で迎え撃つ。
その日の夕方、銀時と松陽は縁側に並んで座っていた。
松陽「惜しかったですね...銀時」
そう言われた銀時の顔はボコボコに腫れていた。どうやら松陽には勝てなかったようだ。
銀時「先生、どのへんがですか」
松陽「そのへんです」
銀時「具体的に」
松陽「やっぱりあのへんでした」
そこに真白がお盆を持って二人の元にやって来た。
真白「は~い、お茶が入ったわよ~」
松陽「ありがとう、真白」
真白は自分の淹れたお茶を松陽と銀時に渡し、自分も銀時と挟むように松陽の隣に座る。
銀時「松陽...どうやったらお前みたいに強くなれる。俺はお前と出会うまで、大人にだって負けたことはなかったんだ。お前は大人なんて生易しい生き物じゃねえ...巨人だ」
松陽「それは違うよ銀時、私は......阪神が好きです」
銀時「先生、人の話きいてください。お前みたいな化物見た事ねえつってんの」
すると今度は真白が口を開く。
真白「松陽、あなたはあたし達と出会う前、何をやってたの?...あなたは一体何者なの?」
松陽「............」
松陽「屍を食らう鬼と呼ばれていた君達なら解るでしょう。化物も化物の子も同じですよ。化物とは人ならざるもの。人ならざる血濡れた業の中でしか生まれない。化物の剣では、
松陽は立ち上がって笑顔で二人に語る。
松陽「銀時、真白...楽しみにしていますよ...いつか君達が、私という化物を退治しにきてくれるのを」
それから十数年、ここは江戸のかぶき町。「
少年をかけた眼鏡「ほら、みんな早く行きますよ......てか『少年をかけた眼鏡』って何!!?普通は『眼鏡をかけた少年』でしょ!!?」
この少年をかけた眼鏡、名を
新八「だから『少年をかけた眼鏡』って何!!?」
チャイナ服の少女「細けぇこと言ってんじゃねえヨ...どうせお前なんて眼鏡以外ろくな特徴もねえクセに」
赤いチャイナ服の少女、名は
白い大きな犬「わん!」
この犬は
銀時「おいお前等、あんましぎゃあぎゃあ騒ぐな...あ~頭痛ぇ...」
真白「まったく銀時ったら...だから、あの辺で止めとけって言ったのに...」
出てきたのは坂田真白と銀時の姉弟だ。あの時の少年達も、もう立派な大人に成長していたが、銀時は何やら頭をおさえフラついていた。
新八「しかし真白さん、昨日銀さんと同じぐらい呑んでたのに、全然ピンピンしてますね」
神楽「
銀時「で...今回の依頼って何だっけ?」
真白「これ...」
真白は一枚の写真を見せる。そこには一匹の猫が写っていた。
真白「迷子猫、大和屋さんちのクロミちゃんを探すのが、今回の依頼」
そう言って真白は三人それぞれに写真を渡す。
銀時「よぉし...手分けしてさっさと見付けるぞ、4時から見たいテレビもあるしな」
真白、新八、神楽「「「おおーーっ!!」」」
定春「わん!!」
神楽は定春に乗り、皆は四手に別れて迷子猫のクロミちゃんを探しに出た。
・
坂田銀時の双子の姉。髪の色は銀時よりも白味がある銀髪。姿は『性転換篇』で銀時が女体化した銀子と瓜二つだが胸は大きくない。弟同様、甘い物が大好きだが体調管理をしっかりしている為、血糖値も正常、虫歯になったこともない。
腰に差した木刀「琵琶湖」はかつて琵琶湖に旅行に行った際、湖の女神に貰った物。(通販で買った物ではありません)
神楽とは女同士で気が合うのか姉妹のように仲が良く、彼女からは「