ダンジョンで一攫千金を狙おうと思ったらどんどん人から外れていくんだが 作:アースゴース
「使え」
ロドリゲルから投げ渡されたのは、
ショルダーストックはなくされ、代わりに木製のピストルグリップが取り付けられている。
ホルスターから引き抜いたそれは無骨で飾り気が全くなく、むしろ古臭い。あらゆる技術の衰退した、世紀末的な雰囲気を
「ウチがか? トーシロやぞ」
「お前ほど体幹がしっかりしている者はそういない。ならば、狙いを定めて撃つだけでいい。お前にはそうする度胸もある」
ウチはゆっくりとショットガンを構える。
両手で持つという長さでもないし、重量もウチにとってはあってないようなもの。
ならば片手撃ちか……うん、何も問題ない。むしろしっくりくる。
「良い構えだ。『ウェイストランド』を思い出す」
「ふん、S級ダンジョンか。じゃあS級の実力、拝ませてもらおか!」
じろりと静かににらみ合う。
が、まだお互いに撃たない。まだその時ではない。
ロドリゲルが口を開いた。
「決闘はフェアでなくてはならない。隠しだてするつもりはないので最初に言っておく。この弾丸の名は『
「銀の弾丸?」
アンデッド特攻。吸血鬼はもちろん、狼男などに効くとされる弾丸だ。総銀製なのでもちろん値が張る。
銀はダンジョンからも産出されるが、高純度の魔力を持ったものは高額……らしい。
「対アンデッド用の、市販されているような代物ではない。正真正銘のアーティファクトだ」
アーティファクト……それは、ピーキーな効果を持っていることを意味する。
使用者に絶大な力をもたらす半面、デメリットも大きい。あるいはその逆。また、毒にも薬にもならなかったり、ただ害を与えるだけものも存在するという。
この弾丸はどうだろう?
「こいつにはアンデッドを葬る効果も、追尾性も貫通力もない。ただ、『想いを乗せる』だけだ。俺は絶対的な『殺意』を乗せた。お前を一撃で殺すために」
「何ぃ?」
「俺は一発でお前の急所に当てなければならない。だが、急所に当たれば殺せる」
今この瞬間、誰もいないコロシアムは、どちらかが死ぬまで出られない空間と化した。
「俺も、その銃とその距離ならば、どこに当たろうが一撃で死ぬだろう。お前が鎧袖一触のもとに撫でるだけで死ぬ。フェアでない真似はしない」
「おもろいやんけ……」
一撃死VS一撃死。
逃れられぬ死闘が始まる……