蛇のおっさんが幻想入り   作:幽玄ノ乱

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第十一話 白玉楼の主

スネークが妖夢に言われた通りの道を進んでいくと、それらしい建物が見えてきた。……長い階段の上にだが。地霊殿といい白玉楼といい、どうしてこうも極端な場所に建てられているんだ。他に土地はなかったのだろうか?

通常なら階段を上ること自体はそれほど苦ではないが、地霊殿からここまで一切休憩を取っていないので、だいぶ体力が削られている。今の状態でこの果てしなく長い階段を登れば、恐らく中段辺りで力尽きるだろう。

そう考えたスネークは、白玉楼へ続く階段に腰を下ろした。ただ休憩するだけなのもあれなので、ナイフの手入れをすることにした。バック

パックからナイフを取り出し、磨こうとするが、ナイフの上半分がない。スネークは、旧都で勇儀に折られたことを思い出し、一つため息をついてナイフを地面に捨てた。近接武器がなくなってしまうと、CQCが厳しくなるが、折れてしまってはどうしようもない。

仕方ないので、パトリオットの手入れをすることにした。パトリオットをバックパックから取り出そうとすると、銃ではない何かがスネークの指に当たった。それを引っ張り出してみると、それは咲夜の銀製ナイフだった。

一本拝借してから特に使っていなかったが、ついにこのナイフの出番が来たようだ。

ナイフをバックパックにしまい、改めてパトリオットを取り出した。パトリオットのマガジンを外し、薬室に入っている薬莢を手動で取り出した。ハンカチでしばらくパトリオットを拭いていると、体力はだいたい回復することができた。

スネークは立ち上がると、長い階段に足を掛けた。

「……飛べたら便利だろうな」

スネークはそう呟き、階段を上っていく。本当、飛べたらどれほど便利だろうか。

 

 

 

・・・数十分後・・・

 

 

 

「ふぅ……やっと着いたか」

スネークは何とか頂上の白玉楼へ辿り着き、白玉楼の広い庭を見回した。白い石が敷き詰められ、池が作られてある。どこからどう見ても純和風の建物だ。人の気配が全くないが、ここでどう待てばいいのだろうか。

スネークが立ち尽くしていると、白玉楼の中に人影が見えた。声を掛けようとしたが、すでに白玉楼の奥に消えてしまっていた。

人がいることは分かったので、スネークは白玉楼の中に入ることにした。玄関の扉を開け、何があるかわからないので慎重に進んで行く。

人の気配が感じられないしんとした通路を進んで行くと、右側の部屋から物音が聞こえた。

障子をゆっくりと開け、中の様子を見てみるが、部屋の中には誰もいなかった。ネズミか何かだったんだろう、と考え、部屋を離れようとすると、後ろから誰かがスネークの方を叩いた。

スネークはすぐに振り向いたが、やはり誰もいない。気のせいか、と思い前を向くと、スネークの目の前に女性が微笑みながら立っていた。

「いらっしゃい」

「……いつからそこに?」

女性に背後を取られたことに多少ショックを受けたが、ここは幻想郷。気にしないことにした。

「たった今よ」

口をモゴモゴしながら喋っている。何かを食べているのだろうか。

「何を食べているんだ?」

「人魂。美味しいわ。食べる?」

人魂らしき物を右手で握って差し出してきた。人魂は必死に逃げようとしている。

「遠慮する」

スネークは即答でこれを拒否した。まあ当然なのだが。

「あらそう?まあ座ってくださいな」

女性は座布団に座ると、スネークに座るよう促した。スネークはその場に座ると、まだに人魂を食べ続けている女性の方を見た。

「それで、今日はどんな用で来たのかしら?」

女性にそう聞かれたので、スネークは事の始終を話した。だいたい聞くと、女性はまた人魂を食べ始めた。

「ふんふん、ふはりはえれなふなっふぁほ(つまり帰れなくなったと)」

口に人魂を詰め込んで喋っているので、もはや聞き取り不可能である。噛み終わったのか、ごくんと口の中の人魂を飲み込むと、また話し始めた。

「申し遅れたわね。私の名前は幽々子。ちょっと待って、今お茶でも持ってくるから」

そう言うと幽々子はお茶を取りに部屋を出て行った。それにしても、この屋敷に幽々子以外人はいないのだろうか?

しばらくすると、幽々子がお茶を持って戻ってきた。口には人魂が咥えられている。

どれだけ食べるんだ……と思いながら見ていると、幽々子はスネークの前にお茶を置いた。

「れ?ほれふぁらほうふるふほぉりふぁお?(で?これからどうするつもりなの?)」

真面目な顔で口に人魂を詰め込んでいる。聞き取り不能だ。

食べるのを止めない幽々子は、その後も聞き取り不可能な言葉でスネークと話しを続けた。




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