にとりに引っ張られて研究室に連れて来られたスネークは、洞窟の中とは思えない設備に驚愕した。
(どう考えても人間より妖怪の方が文明が進んでるな……)
「さて、じゃあちょっとその光学迷彩借りるよ。その間はこの施設の見学でもしててくれよ」
スネークは光学迷彩をにとりに渡すと早速研究室の見学を始めた。後ろからは謎の機会音が鳴り響いているが気にしないでおこう。スネークはテーブルの上に置かれていた一眼レフカメラのような物を持ち上げてシャッターを押してみた。
「あっ、それはカメラ型レーザーキャノン……」
「!?」
シャッターを押すとレンズが光り始め、小型レーザーキャノン並みのレーザーを発射した。室内で撃ったので当然壁に穴が空く。
にとりはスネークの肩を叩くと「修理代払えよ?」と言い放った。
気を取り直し、スネークは研究室の見学を再開した。
懲りずにテーブルの上に置かれていた紙で包装された物を持ち上げて観察してみた。梱包爆弾だろうか。テーブルに並んで置かれていたスイッチも観察してみた。
(普通に考えると、これがこの爆弾のスイッチだろう)
起爆させたらたまったものではないので、スネークはスイッチをそっと元の場所へ戻した。
スネークはテーブルの上をもう一度物色すると、葉巻とライターがあるのに気付いた。
そろそろ吸いたかったので一本拝借すると、ライターを点火した。
すると、何やら時計の針の音が聞こえてきた。まさかと思い梱包爆弾らしき物に耳を当てると、案の定音源はこれだった。
スネークが慌てて爆弾を壁に投げ捨てると同時に爆弾は爆発した。
呆然としているスネークにまたにとりが肩を叩くと「修理代☆」と笑顔で言った。
下手に触るとどんどん借金が増えて行きそうなので、スネークは部屋の隅でダンボールを被って大人しくしていることにした。
「……楽しいのかい?それ」
「……まあまあだな」
「そうかい。ああ、もうこれは返すよ」
そう言うとにとりは光学迷彩をスネークに返した。
「もういいのか?」
「うん、複製はできたからね。あ、そうだ。これお礼にあげるよ」
と言ってにとりは壁にかけてあったレーザーキャノンをスネークに渡した。
「これは?」
「これは私が作った中では最高傑作と言ってもいい。威力は一撃で相手を粉々にできるけど、エネルギー消費量はないに等しい。つまり連続して何発でも撃てるってわけ」
「それはすごいな。ありがたく頂戴する」
にとりからレーザーキャノンを受け取ったスネークはにとりの研究室を出た。
「じゃあねー。また遊びに来ておくれよー」
「ああ、じゃあな」
研究室を後にし、スネークは山を下り始めた。
川に沿って行けば山を抜けることができるだろう。
なんとなく上を見上げてみると、黒い翼が太陽を横切った。
「あれは……射命丸か」
しかし、射命丸はスネークに気付かないで飛んで行ってしまった。
そこで、スネークは上空に向けてレーザーキャノンを発射した。
レーザーが空高く昇って行き、爆音が山に響いた。
その音で射命丸がスネークに気付いたらしく、戻ってきた。
「あ、スネークさん。すいません、情報提供せずにいなくなってしまって」
「いや、いいんだ。それより紫の情報を教えてくれ」
「紫さんなら暑過ぎてダウンしたからスキマの中で今年の夏をエンジョイするって言ってましたよ」
「スキマとは一体なんなんだ?」
「スキマとは、紫さんが創り出せる空間です。一度閉じてしまうと紫さん以外開けられません」
「なんてこった……それじゃあ夏の間は帰れないということか」
「いえ、そうでもないですよ?」
「? どういうことだ?」
「今年の夏は幻想郷の歴史の中で一番暑いと言ってもいいぐらい暑いんです。つまり、何か異変が起きていると考えられます」
「つまり、その異変を解決すれば早く帰れる……と」
「まあそういうことです」
「仕方ない。早く帰るためにもその異変とやら、解決するしかないようだな」
「私の予想だと、多分地獄の鴉がまたやらかしたんだと思います」
「地獄だと? どうやって行くんだ?」
「入口まで案内しましょうか?」
「ああ、頼む」
スネークがそう言うと、射命丸はスネークの腕を掴み高速で飛び立った。
次回「異変解決編」になります