水面に映る狼は笑わない   作:桜水月

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少しのズレから大きく運命は変わる

ー桜木葵視点ー

ポカポカな日差しにバスの絶妙な揺れに眠気を誘われ、寝ていたら、頭をぶつけてしまった。

(痛い…)

ふと、バスの空気が重いような気がした。

辺りを少し見渡すと辛そうなおばあさんと涙を堪えているOLに何かを懇願するかのような目を大勢に向ける女性、そして満席のバス内に何かを迷ってる人や関わりたくなさそうな人…

これだけ情報があれば、何が起こったかなんて言うまでも無いだろう。しかし時間も経っただろうから

「あの…よければ席、譲りましょうか?」

と、申し訳なさそうに言った。まるでこの重い雰囲気に負けてしまったかのように。女性と一緒におばあさんを席まで案内した。その時に、たくさん感謝されたが、大したことはしてないし、何なら寝ていて直ぐに譲れなかった事が申し訳なかった。

席を譲った後、吊り革を掴もうとしたが、届かなかった…少し悲しい気持ちになったが、ドア付近の手すりを掴んだ。ところで、なぜこんなにも熱い視線が向けられているのだろうか?そんなに席を譲ると言う行為は可笑しいものだろうか?でも、敵意とか殺気とかの悪い感じでは無いから良いかと少し視線の先の人々に目を向けてそう思った。そんな事をしていると

「さっきは本当にありがとうねぇ」

と隣りにいた少女がいった

「いえ!いえ!むしろ直ぐに譲れなくてすみません」

「そんな、そんな、譲ってくれてだけでもありがたいのに。あっ、後高育の新一年生だよね?同級生なんだし、そんなにかたくならなくても良いよぉ」

「んっ、分かった」

笑顔で好印象を持てるのに、何だろうなんか

『本当だよ、さっさと譲れば良かったのに』と思ってそうだと思った。まあそれが本心だとしても、当たり前の事だから気にしなくても良いか。

「私は、櫛田桔梗って言うの。あなたは?」

「私の名前は、桜木葵」

櫛田「桜木さんね!友達沢山作るつもりだから入学後も仲良くしようね!」

桜木「うん!よろしくね!えっと…櫛田さん」

そうしてたわいも無い話をしていたら目的地に着いたようだ。

桜木「ここが…」

櫛田「早くクラス分け見に行こう?」

桜木「あっ、うん!」

掲示されている所に行く

櫛田「人、多いね…」

桜木「そうだね…えっと…」

櫛田「見てこようか?」

善意100%でそう言っているのは分かったが面倒くさいとも思ってそうだし、なによりあの人混みをかき分けるのは疲れそうだ

桜木「いや、大丈夫…ここから見えるから、むしろ、櫛田さんの名前探そうか?」

櫛田「うん!じゃあ見てく…えっ?見えるの?

この距離で??」

※推定10m

桜木「えっと視力良いからね。あーと、櫛田さんは、Dクラスだって…えーと私は…Dクラスだ」

櫛田「本当!?やったねー!実は私同じ高校からの人が居ないから少し心配だったんだ」

桜木「そうなんだ。実は私も知り合いいなくて心配だったんだー」

そう言い、私達は体育館に向かった。

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