「アクアリフレクター!」
俺はぎゅっと〖あるもの〗を握りしめながら魔法を唱える。魔力アップだぜ!
ズガガガガガガガアアアアアア!
激しい魔法同士の鍔迫り合いが勃発。熱い寒い熱い寒い熱い~~~~~~~~~~! なんじゃこりゃ!
ずばあああああん! 魔法同士が弾け飛んでなんだかキラキラしてらあ。
「ぐへっ」
勢いに押され尻餅をつく俺。なんとか相殺できたようだな。
「おお~、大月君やるね~」
はへ~としながら桜川先輩は目をパチパチさせる。あどけないぜ!
「ほお、黒焦げにも氷漬けにもなりませんでしたか」
フムンと推理していますポーズを決める真壁さん。どっちもなったらヤバいって。
「まあ、なんとかかんとかって感じすね」
ういしょっと俺は立ち上がる、土埃パタパタ。
「ところで」
真壁さんが俺の右手を凝視する。
「何を握り締めているのですか?」
あ、聞いちゃうそれ?
「なんか肌色多めだね~」
桜川先輩が見たまんまを言う。やっべー。
「俺の……魔力アップアイテムでっす」
俺はさっとすぐさまポケットにそれをしまう。サンキュー肌色。
「……まあ、いいでしょう。少し休憩にしましょうか」
「賛成ー!」
真壁さんがそう提案すると、桜川先輩がはいはーいと手をあげて応じる。元気いっぱいに休憩取ろうってか。まあ、休憩は大事だよな。いやマジで。
桜川先輩と真壁さんがベンチに座って休憩している中、俺はなぜか立ちっぱなしだ。なぜかって? 座る場所がねーからだよ!
地べたに座りゃーいいじゃんって? おいおいこれ以上俺のケツを汚すなって。
「大月君座らないの?」
「立ちっぱなしは疲れるでしょう?」
桜川先輩と真壁さんが並んで首を傾げる。
……そう。2人の間には若干のスペースがある。まさかそこに座っていいってのか? マ?
「座りたいっちゃ座りたいっす」
俺がぐぬぬとしていると、
「ほら、座りなよ!」
桜川先輩が空いているスペースをポンポンする。
「遠慮しないでください」
真壁さんが空いているスペースをサワサワする。
「…………」
いやね、そのご厚意痛み入ります。……そこに魔力のオーラがビンビンになってなかったらなああああああああああ!
あからさますぎるトラップだぜい!
「大丈夫っす」
俺はいやいやと固辞していると、お二人はまたシュンとなる。
「そっか。なら、いいんだ、うん」
桜川先輩は足をプラプラさせる。寂寥感出すなって。
「大月君がいいなら私たちはそれで。ホロリ」
真壁さんは片目から一筋の涙をホロリ。目薬握り締めんなって。
「あーはいはい! 分かりましたよ! 座ります座ります!」
この勇気誰か褒めてくれ。
「さあ、どうぞ」
「思いっきり力を入れてください」
こえ~。何があんだ? 俺はおそるおそる空いているスペースに座った。よいしょっと。
ボガアアアアアアアアアアン!
爆発したよね。うん。あ、俺? ケツにバリア張ってたから大丈夫。事無きを得たわ。
「やっぱり凄いね。大月君」
桜川先輩が俺を称賛する。ケツバリアありがとう。
「大体は空の彼方まで吹っ飛ぶ威力なのですが」
真壁さんはパチパチと目を瞬かせる。そういう仕様なの?
俺は、やれやれと首を振る。とりあえず距離が近ーのはいい匂いも相まっていいこった。
ん~、やっぱり真ん中っていいですね~。また次回に続きます~。