「ようこそ! 新入生! 私はこの魔法部の部長をしている桜川寧々《さくらがわねね》です! 以後お見知りおきを!」
「うす。 ……あっ、大月知隆、です。ぼっちやってます……」
しーーーーーーん。
「よろしくね! 大月君!」
スルーかい。そんな桜川寧々さん。黒髪ロングの溌剌とした印象の美人で、なんつーか目合わせづらい、いい意味で。
俺が目線を首から下に下げるもんだから、まあ、目に留まるよね。何がって?
制服越しのたわわな物体が、さ。
ゾクリ。……ん? なんか悪寒がしたような……気のせいか……?
「真壁聚楽《まかべじゅら》です。魔法部部員。趣味はゲームです」
「うす。……あっ、大月知隆、です。小説書いたりしています」
ピコンピコーン。
あれ? なんか上がった? 好感度?
真壁聚楽さん……は、途轍もなくクールなお人で俺を見つめる目が絶対零度。金髪ショートで華やかな印象である。こちらは単純にちょい怖い。でもカワユス。
場所は黒焦げになった部室。あの爆発でなぜ俺達は無事だったのであろうか?
「よろしくお願いします……大月君。さっきの爆発、大丈夫でしたか……?」
「あ、ああ……はい。てゆうか何だったんすかあれ?」
俺の当然の疑問に部長の桜川先輩がニコーッと満面の笑みを湛えて応えた。
「あれはね……魔法!」
「……へぇ、魔法、ですか」
「あ、信じてない?」
「あっ、いやそんなことはナッシングっすけど」
「そっか。あれはね、ダメージレスエクスプロージョンっていう魔法なんだよ」
「ダメージレスエクスプロージョン?」
つまり、と真壁さんが説明をしてくれる。
「人体に極力危害を加えない爆発魔法を開発しているところです」
「それって何の意味があるんすか?」
「魔法に意味を求めてはいけません。というよりも自由を求める形として魔法が存在します」
「な、なるほどっす……」
俺は曖昧にコクコクと頷いた。
「じゃあ、とりあえず屋上行こっか!」
桜川先輩に促され、俺は勢いに押されるまま部室を後にして、屋上へと向かうのだった。
「よし、じゃあ始めるよ!」
色々と説明端折ってるかもしれんけど堪忍な。こっちもあんま頭追いついていないんだわ。
ってことで。今の状況はというと……
「神に賜りしこの力、土地に宿いしこの想い、顕現するは一条の閃光。弾け! ダメージレスエクスプローーージョン!!!!!!」
カッ!!!!!! ドオオオオオオオオン!!
うん。詠唱込みの爆発を空高く打ち込んだって感じ。つか眩しーなオイ。
「どう!? どう!?」
「まずまずですね」
桜川先輩が魔法を打ち込んではしゃぎ、真壁さんが評価をしている。
「ねえ、どうだった?」
どうだったと言われても……
「す、凄かったです」
そう言うしかなかった。
「でしょでしょ! 魔法って凄いんだよ!」
まあ、凄いし、いっちゃんびっくりなのが魔法って現実にあったの!? って事だと思うんだよね。
「まだ信じられてない顔しています」
「え? そっすか?」
真壁さんがジロジロと俺のフェイスを眺めながら、不満? 気な表情を見せる。
「そんな顔してますかね?」
「はい。ちょい不細工です」
「いや辛辣だなオイ!」
「えー、まだ信じられてないの~~? じゃあ聚楽ちゃんアレアレ」
桜川先輩がスススと移動して真壁さんに耳打ちをする。真壁さんがちょっと驚いた顔をした。ように見えた。
「え? あれですか? あれは……」
「駄目?」
「…………」
なんか黙っちゃった。
「……大丈夫だよ、聚楽ちゃん。彼、魔法適性持ってるから」
笑顔の桜川先輩。はて? 魔法適性とは何ぞや?
魔法って凄い。俺って適性あったの? 次回に続きます。