「マインドスキャン?」
部室にて俺は素っ頓狂な声を上げる。予想はしてたけどマジでかよ~~。びっくりぽんだわ~~!
「うん。そだよ~~。聚楽ちゃんは所謂、魔眼を使うからね~~」
魔眼。文字通り魔法の眼ってやつか。へえ~~凄ぇな。桜川先輩のニコニコ解説光ってるぅ!
「ってことはその魔眼ってやつを使って、心を読んで、俺の心を丸裸にしてるってわけですか」
「そう! 正解だよ大月君! 凄い!」
桜川先輩はパチパチと俺に拍手を送る。でへへ。誉められちゃった。
「丸裸という部分がキショいです」
聚楽たそ、きつ~~。でもきゃわわ。
「たそ?」
うぐっ! 心読まれた!
「はい、聚楽ちゃん!」
桜川先輩が指をパチンと鳴らす。
すると真壁さんが衝撃を受けたように体を少し仰け反らせた。
「うっ!」
「ど、どしたんすか?」
俺が一連の動きに戸惑いを覚えていると、桜川先輩が安心させるようにニコリと微笑む。
「聚楽ちゃんが魔力を使いすぎないようにセーブをかけたんだ~~」
ほえ~~。そんなことも出来るのか。
「大月君も出来ると思うよ!」
「マ? 本当ですか?」
「マ、だよ!」
「1文字で会話が成立しているのですが」
真壁さんが衝撃から立ち直ったようだ。真壁さんはありがとうございます、と桜川先輩にお礼を言った後、俺に向き直って言った。
「私の魔眼は魔力の消費量が桁違いなのです。なので常時発動には向いていません」
真壁さんの説明に俺はふむと腕組みをする。
「んじゃ、今は俺の心の裸は見れてないってことすか」
「表現がキショいです。……もしかして、わざとですか?」
バレた? でも言ーわない! 黙秘します!
「じゃあ、大月君、早速だけど1つ聞いてもいいかな?」
「俺のオススメ萌えアニメですか?」
「全く興味ありません」
にこやかに話を振る桜川先輩の意図を探った俺をにべもなくぶったぎる真壁さん。
「アハハ、それもいいけどね。私が聞きたいのは……大月君がどんな魔法を得たいのかってこと!」
桜川先輩の問いに真壁さんがすかさず返す。
「破廉恥なのに決まっています」
おい~~決めつけんなよ~~そうだけどさ。
俺が会得したい魔法……めっちゃある。だが果たして俺に会得できるのか?
「大月君の会得したい魔法を教えて!」
桜川先輩は魔法への好奇心旺盛さを最大限に膨らませているのだろう。
「なるべく破廉恥ではないのでお願いします」
聚楽たそ、そいつは無茶な要求だぜ。
「そうですね……例えばっすけど」
「うんうん」
「何ですか」
俺は、勿体つけながら、晴れやかに、会得したい魔法の1つを告げた。
「リア充撲滅魔法っす!」
「「…………」」
しーーーーーーーーーーん。
あれ? 空気どうした? こちら知隆応答求む。
「う、うわあ……」
桜川先輩が俺から目を逸らして、なんともいたたまれない雰囲気を醸し出している。おい癒し担当。
「バカなんですか?」
真壁さんがグサリと、でも可愛い一言を俺に放ってきた。そのキツさも癖になる。
「いや、聞いてくださいよ。お二人とも」
まあまあと俺は両手を突き出す。
「普通カップルを見ると、グヌヌ~~となるじゃないっすか」
「そう、かなあ?」
「人によると思います」
はい、いきなり意見の食い違い発生致しました~~!
「いやいやいや、いやいやいやいやいやいやいや」
俺は何度も何度も手を振る。
「いやが多いですね」
真壁さんが呆れた目で俺を見てくる。
「何か思わないんすか? カップル見て」
俺がアンビリバボーな顔をして訊くと、
「ん~~。おめでと~~って感じ?」
「末永くお幸せに、ですね」
出た出た出た出ましたよ~~~~~~!!
心にもないこと言っちゃって~~。このこの~~。
「いや、お二人さん。本当のことを言っちゃってください」
「本当のこと?」
キョトンとする桜川先輩。
「紛れもない本音ですが」
キリッとする真壁さん。
そして俺は――
可愛い彼女欲じ~~~~~~よ~~~~~~!!
例のごとく、心の中で絶叫するのだった。
ぼっちには会得したい魔法がたくさんあります。可愛い彼女が欲しい。次もよろしくお願いします。