ぼっちケーション   作:トモットモ

9 / 14
ぼっちには会得したい魔法がたくさんある

 ここからは桜川先輩の解説解説~~。

「オートマティックマジックはね、物とかに魔力が宿って自動的に動いたりする魔法だよ!」

 そして真壁さんの捕捉説明説明~~。

「ポルータとの違いは魔法を発動する者、術者の気配が魔力に宿っているかいないかです」

 俺は心の中でメモメモ~~。

「なるほどなあ」

「じゃ! まずは魔力を吸い取っちゃおう!」

「ドレインバキューム」

 真壁さんが空飛ぶヅラの方に手を向ける。なんかシュゴオオと音がすんな~~。

「準備完了。行きます」

 シュゴオオオオオオ! 真壁さんの手から風が生まれ、すんげえ吸引音がしている。

 校長のヅラ改めアルティメットヘアーが風に捕まり、ブワワ~~っと広がりながら空中で制止する。なんかの妖怪みてえだな。

 俺がほえ~と眺めていると、「ああ、わしのアルティメットヘアーの毛先にダメージがーー! オーマイガー!」と叫んでる。いっちょまえにヘアアレンジ決めてんのかジジイ。

「魔力、吸い取ります!」

「オッケー!」

 真壁さんの掛け声にグルグルグルと右肩を回しながら桜川先輩が答える。何をしてるんだこの人は? って思ったけど可愛いから何でもいっか!

 ズズズ……キュ、ポーーーーーーン!

 アルティメットヘアーから魔力っぽいオーラが吸い取られた。すっげー!

「まだです!」

 真壁さんがググッと力を入れて右手を突き出す。俺は渾身の思いで応援する。

「フレー! フレー! ま、か、べ、さ~~~~~~ん!」

「ちょっと静かにしてください。集中してますので」

「すみません」

 俺が誠心誠意頭を下げる。でも応援は続けさせてもらうぜ!

「あの~出来ればわしのアルティメットヘアーのダメージを最小限にしてもらえたらうれぴーかと……」

 校長がコソコソ~~としゃしゃり出てきた。

「うるっっっせえぞジジイーーーーーー! 黙ってろやーー! 集中できねーだろーがーーーーーー!」

「す、すみませ~~ん!」

 校長が俺達に誠心誠意頭を下げる。つかこのジジイうれぴーとか言ってなかったか?

「おお~頼もしいね~~。大月君」

 ずっと腕をクルクル回している桜川先輩が俺を褒めてくれた。俺は直角90度に頭を下げる。

「あざっす!」

「聚楽ちゃんも頑張ってるし、私もいっちょやったりますか!」

 いっちょやっちゃってください! うおお、部長の本領発揮ってやつか! 楽しみだぜ!

 

「部長! 魔力全部吸い取りました!」

 真壁さんが手を上にして魔力のオーラを引っ張り上げる。力業だ~~よいしょ~~!

 桜川先輩は腕をクルクルしながら詠唱を始める。

「我、力欲する。右手に宿るは、剛の鉄槌。非力な我にその力を与え給え。アイアンインパクトーーーーーー!」

 ドゴオオオオオオン! 魔力のオーラに魔力の塊みたいなものが衝突して、周囲に轟音が発生した。

 か、かっけええええええ!

 あの、きゃわうぃ~動きからこんなパゥワーな魔法が拝めるなんてな!

「わ、わしのアルティメットヘアーは、果たして無事なのか~~~~~~!?」

 校長が顔を蒼白にして、叫ぶ。心底どうでもいいな。どこかに吹き飛んでんじゃね?

 やがて魔力のオーラがたちまち消失した後、その空間に静けさがやってくる。あ、隅っこの方にアルティメットヘアーが落っこちてら。

「アルティメットヘアアアアアアア!」

 校長は老体とは思えぬ身のこなしでアルティメットヘアーに飛びつく。速えなオイ。今からオリンピックとか目指してもいいんじゃないか?

「ふい~もうクタクタだよ~」

 桜川先輩は手前のソファにボフンと腰掛けて脱力した声を出す。

「ええ。私も大分魔力を消費しました」

 真壁さんはあまり表情からは窺えないが疲れてそうな声を出す。

 つかマジで俺出番なかったな。校長黙らせてただけだったわ。

「お疲れ様っす。お二人とも」

 俺は労いの言葉を掛ける。

「ありがと~」

 桜川先輩は脱力したまま片手をヒラヒラする。出し尽くした感あんなあ。

「何か飲み物をお願いします」

 真壁さんは汗をハンカチでふきふきしながら片手を俺に差し出す。ナチュラルにパシんなって。

「魔法部諸君」

 いつの間にかアルティメットヘアーを装着した校長が俺達に向かって声を掛けてきた。

「我が校では魔法によるトラブルが後を絶たん。毎回毎回感謝するぞい」

 校長は、ふうと息をつく。

「生徒たちには中々表立って公表できんのが煩わしいわい」

 桜川先輩はニコリとする。

「大丈夫ですよ。本来魔法ってそういうものですから」

 真壁さんがキリッとする。

「悪用されても困りますから」

「ウムウム。それでじゃが、君も魔法部の一員なのかね?」

 校長が俺に向かって言う。俺は何とはなしに頷く。

「そうっすよ」

 校長はウムともう一度頷き、口を開いた。

「ではチミにも、また話しておかねばな。魔法部というものについて」

 アルティメットヘアーをファサアと掻き上げながら校長が決めてくる。ちょっちずれてっぞ。

 魔法部についてか。それは気になるからまた話を聞いてみようじゃねえの。あと何がチミだよ。

 

 




対アルティメットヘアー完勝! お疲れ様でした! あれ? 俺の見せ場は? また次回です~。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。