仮面ライダーガヴ×カシバトル スイート・ジェネレーションズ   作:壱肆陸

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目覚めよ、発掘恐竜!

 ショウマとチョコ達レジスタンス『チームキャラメル』の前に現れた、突然変異のグラニュート、ヒュドロ。そして新装(ネオ)レジスタンスと名乗る菓子能力者(カシマスター)たち。

 

 プリンの菓子能力者(カシマスター)、フランを撃破したチョコ達だったが、そこで目撃したのは異形に変身したショウマの姿。

 

 亀裂の入った絆に釘を突き刺すように、(シエン)の菓子能力が発動。

 異空間に繋がるゲートにチョコとショウマは吞み込まれ、姿を消した。

 

「クソっ! チョコとショウマはまだ見つからねぇのかよ!」

 

 ポップンが机に拳を叩きつける。あれから数日、チョコのレジスタンス専用端末に連絡はつかず、位置情報も消失。完全に手がかりを失い、残された彼らはただ祈ることしかできなかった。

 

「いま『チームグミ』のメルちゃんが、『電脳キャラメル』で解析を進めてる。だよねぽた子ちゃん」

 

「うん。あの場に残されてた乾パンの破片、そこから何か分かればいいけど、難航してるみたい。それに、ショウマくんのことも……」

 

「ショウマのヤツ……! どういうことだよグラニュートって! あのデカいのと同じで、人間を食べる怪物なんだろ!? オレ達のこと……騙してたのかよ!!」

 

 信じ難い真実の連続だった。ショウマに対する懐疑心はもはや決定的で、事情がどうあれ彼が嘘をついていたことは紛れも無い事実。彼が姿を消した今、ポップンの中で彼は人食いの怪物にしかなり得ない。

 

「でも! ショウマくんは、あたしを守るために戦ってくれた……ように見えた」

 

「そう。あの時、オイラ達は勘違いしちゃったけど……ぽた子ちゃんを痛めつけてたのは、あの(シエン)っていう缶詰の能力者だった。何よりアイツは、最後まで新装(ネオ)レジスタンスと戦おうとしてた」

 

「んなこと言っても! ショウマの口から何も聞けなきゃ意味ねぇよ!! チョコが一緒に消えちまったのだって、アイツのせいにはしたくねぇけど……オレは……ッ!」

 

「取り込み中邪魔するぜ」

 

 そこに現れたのは『チームグミ』の責任者、グミの菓子能力者(カシマスター)の女性、ゼラチ。その横にいるのはゼラチに同行していたベッコウと、熱血悪人面のハチマキ男。『食玩』の菓子能力者(カシマスター)、ハコガイ=ダブリだ。

 

「アンタがダブリか。今度のフリーマーケット任務にも参加するっていう」

 

「そういうお前はレモネドだな! チョコが大変な目に遭ってるって聞いて飛んできた。アイツはオレに正義を教えてくれた恩人だ、力になるぜ!」

 

「積もる話は後にしろ。さっきメルから解析結果が来て、こっちの調べとの照合も終わった。新装(ネオ)レジスタンスのボスを名乗る、(シエン)とかいう男のことだ」

 

 ゼラチが端末で表示した画像は、レジスタンスのライセンス。そこに映っていた少年の顔には、言われたら気付く程度ではあるが、疑いようもなく(シエン)の面影があった。

 

「歳も名前も違い過ぎてオレも気が付かなかった。本名、『カンキリ=ハービスト』。レジスタンスが形になり始めた頃にいた、古参メンバーだ」

 

「なっ……!? あの男が、レジスタンスの元メンバーだってのかよ!? おかしいだろ、その写真はどう見てもオレ達と同い年くらいだ! でもアイツはどんだけ若く見積もっても、30歳は超えてたぞ!?」

 

「あぁ。これは当時のチームメンバーに聞いて初めて分かったことだが、ヤツの『おまけ能力』はクッキー姫と同じ空間移動だけじゃない。『時間移動』、それが新装(ネオ)レジスタンスの正体だ」

 

_____________

 

「菓子能力『時間缶露門』。缶詰を媒介にゲートを作り、その缶詰の製造年にジャンプすることができる。くだらないワタシの能力です」

 

「くだらない……はっ、どこがだ? 人間風情を俺様が褒めてやってもいいぜ、それがありゃ世界は思いのままじゃねぇか。なんでこんな時化たコトしてるのか、まるで理解できないね」

 

 (シエン)とべゼロが卓上の缶詰を挟み、廃工場で語らう。ここもかつては缶詰を製造していた菓子工場。(シエン)が退避用に使う缶詰はかつてここで作られたもので、彼の能力は缶詰が閉じられる前の『記憶』を辿る。

 

「そう便利なものではないのです。まず1つ、難度は『空間』に比べて跳ね上がります。通過人数、位置、角度、中身の状態によって精度が大きく左右される。飛ぶ年数が大きいほど更に難しい。100年のジャンプは命懸けでした。そして2つ目、そもそも缶詰の確保が極めて困難です」

 

 空間移動はその限りではないが、時間移動は能力の精度の問題で中身が乾パンに限定される。この『お菓子禁止令』の時代では、乾パンの缶詰の入手から至難。他にも様々な能力の制約が存在し、過去に戻れる(シエン)でも、必要分を確保するのに苦心した。

 

「そして最大の制約が3つ目、ワタシの能力で矛盾(パラドックス)を起こすことはできない」

 

_____________

 

 ゼラチの口から(シエン)の能力の詳細が語られるが、矛盾を起こせないという部分に皆が要領を得ないようだった。

 

「例えば物を落として、そいつを拾うために過去に戻るとする。そいつを拾って現代まで待つなり、能力で戻るなりは可能だ。だが拾ったものを過去の自分に渡すことはできない、ってことらしい」

 

「そっか……過去で落し物を取り戻しちゃったら、過去に戻る理由がなくなる。そしたら落し物が届けられることもなくなって……辻褄が合わなくなる! ってことですよね!?」

 

「なるほどね、ぽた子ちゃん。それがマジなら、使い勝手の悪さや缶詰の確保も合わせて考えりゃ……確かに特別便利な能力じゃないな」

 

 レモネドは(シエン)ことカンキリがレジスタンスで無名だった理由に納得を示す。

 要するに、彼の能力では『自分が関わる現在』を変えることができない。それをポップンも遅れて理解する。

 

「つまり過去に戻って王国をぶっ潰す、とかはできないってことかよ……それどころか、救いたいヤツこそ救えねぇ能力ってことじゃねぇか。そんなの……!」

 

「あぁ。実際アイツの能力は、レジスタンスの任務ではほとんど貢献できなかった。しかも能力自体に戦闘能力やサポートの汎用性は皆無だ。能力に期待していたチームメイトは徐々にアイツに失望していき……カンキリがレジスタンスから消える直前、こう言ったらしい。『役立たず』ってな」

 

 額に青筋を浮かべてゼラチが語る、残酷な一言。これが事の顛末、彼の過去。

 

____________

 

「そんなのは些末な事なのです。ワタシが役立たずなのは、誤魔化しようもない事実だ」

 

 べゼロに自身の過去を話した(シエン)は、あっさりとした表情で語り流した。

 

「ワタシが無力なのはよく知っていた。ですが、世界を救うためにワタシが無力であることは許されない。レジスタンスでワタシの能力は無意味だと判断し、20年ほど前に遡り対オアズーケ王国の組織を一から作ることを決めたのです」

 

 それが『新装《ネオ》レジスタンス』。フランも、ヤイガも、所属する菓子能力者(カシマスター)たちは皆、未来を知る(シエン)によって、菓子能力の覚醒を前提に鍛え上げられた子供たちなのだ。

 

「ワタシは缶詰の能力の副作用で、見たモノの『中身』と『質』を見ることができる。能力の素質を持つ子供たちを集められたのも、このためです。その眼が、アナタの素晴らしい素質を告げている」

 

 そこまで語り、本題の皮切りとして(シエン)が古い缶詰をべゼロの前に置いた。

 

「アナタ方が元の時代に帰るための、2024年の缶詰です。王国と、同時にレジスタンスと戦うための『力』を作り出していただけた暁には、これをゲートにしてお渡ししましょう」

 

「クソ長い御託を並べてやっとかよ、と言いたいとこだが俺様は天才闇菓子職人だ。抱える環境ってのは作品の質に関わってくるもんだ。いいぜ有難く思いな、そのオーダー受けてやる」

 

 べゼロの目には(シエン)の姿は映っておらず、ただ『作品』の構想を広げていた。あの憎きストマック家を叩き潰す未来を夢想した時、浮かんだのはショウマの姿。

 

「そういえば、赤ガヴのヤツはどうした?」

 

「彼は敵になると判断し、こちらで処理しました。彼を送ったのは簡単に出ることはできない自然界の牢獄です」

 

 (シエン)が取り出したのは、古いフルーツの缶詰。缶詰を手に取ってそのパッケージに載せられた『南の孤島のフルーツ!』の文言に目を滑らせ、べゼロは異形の頭のまま、口元に露悪的な笑みを浮かべた。

 

_____________

 

 ───頭が痛い。

 

 粘っこい霧を通して世界を見ているみたいに、解像度の低い自我のまま、彼は『動かなければ』という直感に従ってもがく。唯一見える記憶の浅瀬にあるのは、何も語らない異形の姿の、友。

 

 匂いがする。微かに漂う、潮の香り。植物の───フルーツの香り。

 その瞬間、体が急激に空腹を思い出し、意識が一気に浮上する。

 

「───ショウマ!!」

 

 鐘木チョコは目を覚ました。

 まずは辺りを見回す。一人だ。チョコがいたのは建物の中だが、明らかに人が使っている痕跡が無い。しかしその構造から察するに、製造ラインを撤去した何かの工場のように見える。

 

「そうだ。オレはショウマと共に渦に呑まれ、そして……」

 

 その落下の衝撃で気を失った。正確に言えば、それが最後の一押しになった。

 フランとの戦いで『チョコ抜刀』のカウンターを成功させたが、あの時チョコもまた同じように彼女の一太刀を喰らってしまっていたのだ。そのダメージは大きかった。

 

 これが正しい道筋のはず。まだ頭が痛み、正確なことを思い出せていない気がする。

 

「っ!? 傷が手当てされている……!」

 

 手当てにしては少々不格好だが、チョコの傷口は破られた衣服で縛ってあった。それはショウマが着ていた服。そしてチョコの横には、人の手で集められたキノコや何かの果実。これはショウマがここにいたことの動かぬ証拠だ。

 

「ショウマがオレを助けた……のか」

 

 ショウマに何があったのか、彼が何を隠しているのか。話を聞かなければいけない。そう決意し、チョコはショウマの集めた食糧にかぶりついた。

 

 そして、チョコの意識は再び暗転。ふりだしに戻る。

 

______________

 

『オレ達を、騙していたのか!? 答えてくれショウマ!!』

 

 ずっとそんな想像をしていた。悪夢にも見た。

 その現実が突き付けられた時、ショウマはただ目を背けることしかできなかった。

 

「チョコくん、起きたかな……? 心配だけど、一緒にいるわけにはいかないし……」

 

 袖を千切った服で、ショウマは森を徘徊する。一緒に飛ばされたチョコは気を失ってしまい、酷い傷だったからとりあえず塞いで、食べられそうなものを辺りに置いておいた。

 

 その間にショウマはこの場所を調べた。結論から言って、ここは孤島だった。

 

「向こう岸も見えない海だった……泳いで戻りたいけど、どこに行けばいいか分かんないし、チョコくんを置いて行けない」

 

 かといって、ショウマはバケモノだ。もうチョコの傍にいることはできない。

 チョコと会わないようにしながら助けを待つか、脱出方法を見つけるしかない。

 

 お腹が空いた。独りだと、この空腹がより一層辛く、虚しく感じる。

 悪いのは人間の幸せを奪う奴らだ。それは分かっている。でも、ショウマがいなければチョコがこんな目に遭うこともなかったかもしれない。

 

「俺はやっぱり、人間と関わるべきじゃ……なかったのかな……?」

 

 怪物は、世界にいるだけで不安と不幸を生む。

 グラニュートと戦える仮面ライダーは、もう絆斗がいる。絆斗のためにも、幸果のためにも、ショウマはもう消えてしまった方がいいんじゃないか。

 

 このお菓子の消えた世界で、ショウマはこのまま───

 

「ショウマあああああああッッ!!!!」

 

 もう日が落ち、水面からも光が消え始めた頃、静寂を吹き飛ばす大声が島中に響いた。

 この声はチョコだ。というか、そのとてつもない大声が、段々と近付いて……

 

「むっ!? こちらからグミの匂いがする!! そこにいるのだな、ショウマ!!」

 

「えぇ!? う、うそ……追いかけてくる!?」

 

 グラニュートにも匹敵する冗談めいた走力と、尋常じゃない熱意。ショウマも思わず逃げ出す。

 

「ショウマ!? 何故逃げるのだーーーー! 話を聞かせてくれ!!」

 

「だ、ダメだよ!! 俺は……俺はバケモノだから!」

 

「理由になっていない!! キサマが敵ではないというのなら、話を───」

 

 ショウマの足は速く、気を抜くとすぐに見失ってしまいそうだ。

 今は何よりも対話が最優先であると判断し、チョコはチョコレートを少しだけ齧って刀を構える。

 

「んぐぎぎぎぎぎうおおおおおおおっ!!!」

 

 木を切り倒したチョコは、それを両腕で抱え、

 逃げるショウマに向けて思い切りぶん投げた。

 

 流石に足を止めたショウマに、チョコが追いつく。

 しかし、そこでチョコが空気が抜けたように倒れてしまった。

 

「チョコくん!? 大丈夫!? もしかして、まだ傷が!?」

 

「ハラが……減った……」

 

「えぇっ!? 俺、食べ物置いてたのに……」

 

「ショウマ……アレは毒だ……オレも気付かず食べて何度か気絶した……!」

 

「毒!? でも、俺が食べた時はなんとも……」

 

 そこでショウマも空腹で力尽きる。互いに逃げる気力も追う気力も果て、膝を突き合わせる以外の選択肢がなくなったのだった。

 

 

「まさか火を起こせるとは。グミ以外の能力も使えるのだな、その『ゴチゾウ』という……菓子能力ではないのだったか」

 

「うん……黙っててごめん。それに、食べ物のことも。俺、バケモノだから……」

 

 ショウマは辛いポテトチップのゴチゾウ、『ヒリヒリチップス』の能力で焚火をし、チョコと共に夜に耐える。

 

 てっきり毒を食べさせたことに怒っていると思っていたショウマだったが、どうにもそういうわけではなさそうだ。ただチョコは真剣な眼差しでショウマの目を見ていた。

 

「ショウマはオレの傷を手当てしてくれた。食べ物も見つけてくれた。何よりショウマは、あの(シエン)という男の誘いに乗らなかった。オレはショウマはまだオレ達の仲間なのだと、そう思いたい」

 

「でも、俺は……」

 

「だがそれはオレの勝手な願望だ。ショウマのことを何一つ知らないのに決めつけてしまうのは、暴力と何も変わらない。だから、話を聞かせてほしい」

 

 拒絶されて当然だと思っていたのに、チョコは自ら身を乗り出してくる。人を食うかもしれない存在に、チョコは欠片も臆さない。

 

「話したくないことがあるのなら、そう言ってくれ。嘘をついても構わない。オレはショウマの言葉を全て受け止める!」

 

 異形の姿で手を伸べるたびに遠ざかって行った、守るべき存在。ショウマが宿命と名前を付けた『諦め』をぶち破り、チョコは正面から手を差し出した。

 

 目の前を塞ぐ壁が消え、逡巡していたショウマの心から、言葉が溢れ出していく。

 

 ショウマはチョコに全てを話した。自身の生まれのこと。グラニュートのこと。なぜ人間世界に来て、なぜ戦っているのか。自分が何を見て、何を想い生きて来たのか。その全てを。

 

 ショウマは人間界に来て多分初めて、人の顔色を窺わなかった。半ば自棄に全てを吐き出した後、我に返ったようにチョコの顔を見た。

 

 怒りと驚きが混じったような表情。でも、チョコはその全てを一度喉の奥に仕舞い、嬉しそうにショウマと目を合わせた。

 

「……すまなかった!!」

 

「え……!?」

 

「菓子取団と戦った時、ショウマは言っていた。『お菓子は幸せを生む』と。オレはその言葉に、心から感動したのだ。なのに、ぽた子さんが傷付けられていたのを見て……オレはショウマを一瞬でも疑ってしまった! 信じることができなかった!」

 

 チョコは頭を下げたまま、己の中で滾る感情を飾ることなくショウマにぶつける。

 

「許せないのはショウマの家族、ストマック家だ! ショウマではない! ショウマはやはり……共にお菓子を愛する心を持つ、オレ達の仲間だった……! オレはそれが、心から嬉しいのだ」

 

 家族に愛されなかった。物心ついた頃から孤独に苛まれた。安易に言葉にして同情することはなかったが、それはチョコも同じだった。そんなチョコの、疑う気すら起きない真っ直ぐな言葉に、ショウマも心を解く。

 

「ううん、俺こそごめん。怖くて、誰にも話せなかった。話さずに、いなくなるべきだと思ったんだ。俺は人間の幸せを守りたいのに……俺のせいで怖がらせて、俺を狙う兄さんたちやグラニュートも、これからきっと現れて……それで幸せを奪っちゃうなら、俺はいない方が……」

 

「それは違うぞショウマよ!」

 

 チョコが返した強い声にショウマが顔を上げる。ショウマが抱えていた気持ちは、チョコがかつて持っていた大義と同じだった。

 

 奪われたお菓子を取り戻し、皆が幸せでいられる世界を作りたい。

 だがチョコが思い描いていたその理想に、チョコ自身の姿はなかった。

 自分のことがどうなろうと、他人が幸せであればいいと、それが幸せを守ることだと思い込んでいた。

 

『キミも幸せにならなきゃダメなんだよ。そうじゃなきゃ悲しいよ……みんなじゃないじゃん!』

 

 そんな時に出会ったのが、鶴田ぽた子だった。

 彼女が気付かせてくれた『幸せ』の本当の意味は、今もずっとチョコの心を支え続けている。

 

「オレはぽた子さんに教えてもらった。誰かの幸せを願うということは、己の幸せを願うということだ。自分は誰かの幸せの一部なのだと、自覚することだ。ショウマ! キサマは幸せになりたいと願っていいのだ!」

 

 ───そうか。

 『はぴぱれ』で幸果と共に誰かの役に立って、その時の幸せそうな表情を見て、ショウマも幸せになったんだ。それと同じで、自分の幸せだって、誰かの幸せになっているんじゃないか。

 

 絆斗も、幸果も、優しい人たちだ。自分が勝手にいなくなって、不幸にするのは嫌だ。

 まだ全てを打ち明ける勇気も無い。そのせいで幸せが無くなってしまうと思うと、一層怖いから。でも、それが傲慢な願いだとしても、

 

 ショウマは幸せになっていいんだ。

 

「俺は……独りになりたくない! これからずっと、お菓子を食べて、幸果さんや絆斗と一緒にいて、皆で一緒に幸せでいたい! バケモノだけど、俺は……そう願うよ。ありがとう……チョコくん」

 

「チョコでいい。ようやく本当の言葉が聞けたな、ショウマ」

 

「うん。ありがとう、チョコ!」

 

 解りあえた。そう思った途端に、2人の体は空腹を思い出して倒れ込んだ。食いしん坊な2人にとって、これは人一倍に一大事だ。

 

「俺は……その辺の草とか食べればいいけど……チョコは……」

 

「ダメだショウマ……こういう時こそ、しっかりとエネルギーを取らねばならん……! オレのチョコレートは菓子能力者(カシマスター)専用でショウマが食べても味がしない。それにこの非常時、能力のためにチョコレートは温存しなければ……」

 

「そっか……あ、チョコレート!? そういえば……!」

 

 この世界に来る前、タイムカプセルの穴掘りを手伝った報酬で貰ったお菓子。

 そのほとんどを菓子取団に奪われてしまったが、最後に残ったチョコレートは大事に残していたのをショウマは思い出した。

 

 ショウマがポケットから出したものこそ、ラスト1枚のチョコレート。

 それを見たチョコが、空腹に反響するくらいの声を上げた。

 

「それは……! 『発掘恐竜チョコ』ではないか!!」

 

「え……そんなに珍しいチョコレートなの? 確かに、変わった模様だけど……これグラニュート?」

 

「いや、そうか。ショウマはグラニュート界にいたのだったな」

 

 それは『発掘恐竜チョコ』。ミルクチョコの中に恐竜の骨を模したホワイトチョコがあるお菓子だ。チョコは以前、このお菓子と奇妙な体験をしたことがある。

 

『オレは聞きたい! 発掘恐竜チョコ……キサマが命ある理由を……!!』

『甦れ! チョコレートの化石恐竜よ!』

 

 王国から逃げ出したという、命を持つ発掘恐竜チョコを見つける任務。紆余曲折あったが見事発掘に成功したチョコは、甦った恐竜と共に王国の刺客を撃退したのだった。

 

「へぇ、恐竜かぁ……そういえば母さんから聞いたことがある。昔、人間界にはグラニュートよりも大きくて、強い生き物がいたって!」

 

「しかし、それは今かなり希少なものとなっているはずだ。製造も止まっていると聞いた。どうしてそれをショウマが……」

 

 チョコが発掘恐竜チョコをひっくり返し、目を見開いた。

 視線が留まったのは賞味期限の欄。

 

「賞味期限……2025年だと!!? バカな、そんなことが有り得るのか!?」

 

「そんなにおかしい? だって今って確か……」

 

 チョコとショウマが互いの言葉に顔を見合わせ、ショウマだけが声を張り上げた。

 『時代』。そのワンフレーズで、ショウマの中で渦巻いていた疑問が全て解消された。

 

「どういうことだ!? 何も分からんぞショウマ!!」

 

「わかったよチョコ! 今……今って何年!?」

 

「2121年の、もうすぐ年末だ!」

 

「やっぱり……俺がいたのは2024年の最後の方だったはず。俺、未来に来てたんだ!!」

 

 チョコもそこまで聞いて激しく驚き、同時に納得した。

 お菓子禁止令を知らなかったのは、ショウマがそれよりも遥か昔の人間だったからだ。

 

 つまり(シエン)の菓子能力は、あのフランという少女は……などと考えるチョコだが、糖分も体力も足りておらず目を回す。そんなチョコに、ショウマは発掘恐竜チョコを差し出した。

 

「一緒に食べよう。お菓子って、分け合うともっと美味しいから」

 

「……そうだな、感謝する。しかし100年前のお菓子……! 興味が止まらん……!」

 

「よし、じゃあ待ってて。俺が2つに……!」

 

「待てショウマ! そのチョコレートの食べ方はそうではない!!」

 

 袋から取り出し、ティラノサウルスの化石を真っ二つに折ろうとするショウマを、チョコが制止する。

 

「発掘恐竜チョコは周囲のミルクチョコを丁寧に割り、中のホワイトチョコの恐竜を発掘する、遊びが一体となったお菓子だ」

 

「そうなんだ……俺、そういう細かい仕事は苦手かも。チョコに任せていい?」

 

「ぐぬ……オレも以前失敗しているのだが……分かった。リベンジとゆこう!」

 

 チョコはティラノサウルスの化石を睨み、ミルクチョコを割っていく。力任せにすると骨が折れ、時間をかけすぎるとチョコレートが溶ける。迅速に、丁寧に、あの頃よりも磨きをかけた集中力と繊細さで、チョコはどんどん発掘を進めて行った。

 

「……よし、最後は任せたぞショウマ! 失敗しても責めん。オレはこの楽しさを、ショウマと分かち合いたいのだ」

 

「俺が……うん、わかった!」

 

 人間とかけ離れた力で、幸果には仕事で随分迷惑をかけたのを思い出す。

 ショウマは息を深く吸い、指先から脱力。残る鼻先のミルクチョコを───

 

 パキッ

 

 割った。

 ミルクチョコは綺麗に化石から剥がれ、ホワイトチョコのティラノサウルスがそこに完成したのだった。

 

「やった……! やったよチョコ!」

 

「うむ、発掘成功だ!! 感謝する!」

 

 ミルクチョコの破片を等分し、折角完成したのに勿体ないがティラノサウルスをやはり真っ二つに割り、チョコとショウマは発掘恐竜チョコを口に入れた。

 

「んーーーーうまっ! 周りの部分はチョコレートなのにサックサク! 恐竜の部分はホワイトチョコも一緒になって、なんかパワフルな美味しさ! 美味しいねチョコ! チョコ……?」

 

 ショウマが満面の笑みで振り返ると、チョコは身体を震わせ、どこか遠くを見るような目に涙を溜めていた。

 

「スマン……感動していた。100年の時を経ても、お菓子というのは……変わらず美味いのだな……!」

 

 チョコは以前の戦いの終わりに、発掘恐竜チョコの『思い出』に触れた。

 それは長い年月───100年以上もの間、『発掘恐竜チョコ』を楽しんだ者たちの記憶。

 

 チョコレートの起源を言えば更に何百年も昔だろう。それだけの長い年月の間、数えきれない人々がお菓子を愛し、絶やさないようにと伝え続け、進化させてきた。それはまさに化石のように、時を超えた歴史の蓄積。

 

 その歴史の重さが、これまでも、そしてこれからも幸せを作っていくのだ。

 

「───チョコ、危ない!!」

 

 思いを馳せていたチョコをショウマが突き飛ばし、その部分がゴッソリと抉り取られた。

 焦点がぼやけ、全てを覆い尽くすような黒い殺気。闇夜の影から現れたのは、スーツ姿の怪人。

 

「エージェント……? でも、兄さん達のと形が違っ……!?」

 

 その全容が月明かりに照らされた瞬間、ショウマは言葉を失った。

 エージェントの半身が黒いヘドロのようなものに侵食され、異常に肥大化している。

 

 暗闇に溶けてよく見えないが、その雰囲気と、流動して形を感じさせない鱗はヒュドロを想起させる。つまりこのエージェントはヒュドロか、べゼロの差し金。やはり彼もこの時代に来ている可能性が高い。

 

「人間ではないと見た。オレ達を始末しに来たようだな……ゆくぞショウマ、戦闘開始だ!」

 

「あぁ、一緒に戦おう! 変身!」

 

《ポッピングミ》

《ジューシー!》

 

 発掘恐竜チョコを食べたことで、チョコはチョコレー刀を即装備。彼が時間を稼ぐ間、ショウマはポッピングミゴチゾウで変身し、エージェントへと殴り掛かった。

 

 しかし、狂乱するエージェントの凄まじい膂力が、2人を纏めて撥ね飛ばした。

 チョコレー刀は砕かれ、グミの装甲も弾け飛ぶ。

 

「つ……強い! 多分、ランゴ兄さんのエージェントよりも……!」

 

 ヒュドロと同等のパワーと速度が再びチョコに迫り、ガヴが咄嗟に盾となって攻撃を受けた。硬化した爪と瞬間的に破裂した細胞が散弾となり、凄まじいダメージを喰らったガヴの変身が解除された。

 

 敵は理性を失っているようだが、身体のスペックが並のグラニュートを凌駕している。

 

「くっ……ハラが減って力が足りん……!」

 

「俺も……! このままじゃ……!」

 

 チョコとショウマのコンディションは最悪。エネルギー補給がチョコレート0.5枚で足りるわけもない。

 

 その時、ショウマの『ガヴ』が激しく唸る。

 腹の虫じゃない。この久々の反応は───ゴチゾウが産まれる兆候だ。

 

 ショウマの赤い『ガヴ』から飛び出たのは、今まで見たことの無い緑色のチョコレートのゴチゾウ。そのチョコレートの存在感は、チョコにも覚えがあるものだった。

 

「キサマは、もしかして発掘恐竜チョコなのか!?」

 

「君が……! 確かにいつもと違う。一か八かやってみるしかない!」

 

 近付くエージェントを前に、発掘恐竜チョコのゴチゾウをガヴにセット。

 

《チョコ》

《EAT チョコ》《EAT チョコ》

 

「変身!」

 

 ショウマの双眸が紫に光る。ゴチゾウが叫ぶと共に溶けたチョコレートがその全身を生け埋めにし、チョコレートはそのまま固まって地層を形成。

 

《チョコホネ》

《パキパキ!》

 

 チョコレートの地層を内側から砕き、竜が眠りから目覚めた。

 ガンマンのような姿はチョコダンフォームと同じだが、各所に刻印された骨の意匠に、発掘恐竜チョコをそのまま模した左手の盾。

 

 仮面ライダーガヴ チョコホネフォーム。

 森を震わせる咆哮を上げて、ガヴがエージェントに駆け出していく。

 

「ショウマ、これを使え!」

 

 チョコが投げたチョコレー刀をガヴが受け取り、それを逆手持ちしてエージェントへと突き刺した。狙ったのはヒュドロの鱗が無い部分。呻くエージェントの反撃は、左手の盾で受け止める。

 

 エージェントが腕を振ると自身の体が引き千切れ、暴走する細胞の炸裂弾となってガヴに迫る。それらを全て盾で防御するが、連鎖する爆発で瞬く間に盾は削れていった。

 

「ショウマ……盾が! いや、あれは!」

 

 カルシウムを含む化石部分に傷は付かず、削れていたのは周囲の部分だけ。掘り出されたティラノサウルスの全身化石は、その瞬間に浮かび上がって光を放って目を覚ます。

 

 圧倒的な巨躯と、獰猛を曝け出した無数の牙は、太古の時代を制した覇者の証。

 二本足で大地を踏みしめる、ホワイトチョコレートの香りを纏いし白骨の暴君。

 

 発掘成功 ティラノサウルス!!

 

「チョコ、力を貸して!」

 

「無論だ! また会えたな、化石恐竜よ!」

 

 ティラノサウルスから溶け出たチョコレートと、チョコの体から溢れるチョコレートのオーラが接続。それと同時にガヴはハンドルを廻し、ゴチゾウを咀嚼していく。

 

《チャージ ミー》《チャージ ミー》

《チョコホネフィニッシュ!》

 

 ガヴの叫びに応え、地中から呼び出される5枚の発掘恐竜チョコ。

 そこから覚醒したのは、トリケラトプス、スピノサウルス、プテラノドン、ブラキオサウルス、ステゴサウルス。5体の恐竜の爆進がエージェントを襲う。

 

 最後の1体、ティラノサウルスがチョコの構えと同期。狂気を砕かれ動きを止めたエージェントに、甘き太古の暴威が牙を剥いた。

 

「必殺、ガヴ・エクスカベイt(トン)!!」

 

 チョコとガヴの力が一つに溶け合った必殺技。その咆哮と暴走は前方の森を海辺まで削り取り、強化されたエージェントを欠片一つ残さずに消し飛ばした。

 

 戦いを終え、ゴチゾウは満足して天へと昇っていく。

 それに応じて恐竜たちも消滅し、チョコは静かに感謝を彼らへ捧げた。

 

「なんとか勝てたけど、ずっとここにはいられない。この時代に来てるはずの絆斗も心配だ」

 

「その通りだ。何より、新装(ネオ)レジスタンスとグラニュートの陰謀は、必ず止めねばならん!」

 

 電波も通じず、助けも来ない。食べ物すら見つからない絶海の孤島。

 この絶望的な状況でも、2人は生きる気力を確かに心に宿していた。孤独ではない、ただそれだけで前を向く意味になるから。

 

 2人は共に支え合い、夜の森を進んでいった。

 

______________

 

 数日後。レジスタンス『チームキャラメル』のもとに、信じ難い情報が飛来した。

 

「オアズーケ王国の『大工場』が乗っ取られた!?」

 

「潜入調査員からの情報だ、間違いねぇ。攻めて来たのは……新装(ネオ)レジスタンスの菓子能力者(カシマスター)と怪物共だ」

 

 ゼラチの報告で、チョコが昔言っていたことをポップンは思い出した。

 日本各地にあるというオアズーケ王国のお菓子工場。そこを叩いてお菓子を人々の手に戻し、工場を失って弱体化した所を潰す、というのがレジスタンスに入る前のチョコの計画だった。

 

「アイツ等は王国をツブすことが目的だって言ってたぜ。昔のチョコと同じ狙いってことかよ……?」

 

「いや、それだけとは思えない。わざわざ工場を乗っ取った意図……欲しいのは工場の設備、まさか例の『闇菓子』を大量生産する気か!?」

 

「レジスタンス本部の意見もレモネドと同じだ。といっても人間を材料にした菓子のことなんて知るはずもねぇ、全部が推測だ。ただ何にせよ、ここまで強硬手段を取って来たってことは、様子見するほど被害は大きくなる」

 

 レジスタンスはそれでも突入に踏み切れないと言う。グラニュートという存在が未知数で、戦力を注ぎ込むにはリスキーという判断だ。しかしここで手をこまねく程、レジスタンスは愚かな集団でもない。

 

「直接奴らと対峙したオメーらに、乗っ取られた大工場調査の『課題(クエスト)』が下りた! だが言ったように事は一刻を争い、恐らく戦闘は避けられねぇ。最善は即制圧! 難度は当然、最大の『激辛』だ!」

 

「……でも、ゼラチさん。まずはチョコくんとショウマさんを探すのが先なんじゃないんですか!? もう何日も連絡もつかない……戦力面で考えても、2人を早く見つけるべきです!」

 

「見つからねぇからこんな事態になってるんだ。冷静になれ、ぽた子。何より井上ショウマは敵である可能性の方が高いのを忘れるな」

 

「それは……」

 

 事実、チョコ達の救助を待つ余裕は無いのは全員が分かっていた。チョコ達を見つけるために出来ることは、(シエン)を捕らえて彼らの行方を聞き出すことだけ。

 

 このどうしようもない程の不安を抱えたまま戦うことを覚悟した時、ポップンの端末に着信が入った。

 

『───える……か。聞こえるかポップン!』

 

「お前、チョコ!? チョコなのか!?」

 

「チョコちゃん!? っ……無事だったのか……!」

 

「よかった……あぁっ……本当によかったよ、チョコくん……!」

 

『その声、レモネドとぽた子さんも一緒なのか! スマン! 心配をかけてしまった!!』

 

 ノイズを掻き分け鮮明に届いたチョコの声に、3人は崩れ落ちるように安堵する。ゼラチも「マジかよ」と小声で笑うが、すぐに表情を戻してポップンから端末を取り上げた。

 

「鐘木チョコ。今どこにいる、状況を教えろ」

 

『海の上だ! ショウマも一緒にいる!』

 

「ショウマも!? ていうか、海の上!!??」

 

 端末を奪い返したポップンの声に、そこは非常時でも不器用なチョコだ。

 チョコは今に至るまでの過程を丁寧に語り始めた。

 

 チョコたちが飛ばされたのは、かつて果物の缶詰を作っていた工場があった無人島。となれば必然、生き延びたチョコとショウマはそれを見つけることになる。産地直送、缶詰用の果物を作っていた果樹園だ。

 

『これって……果物! バナナに、それとパイナップル! 果物だよね!?』

 

『あぁ! 手入れされず野生化しているようだが、食べられそうだ! これは十分に食糧になる!』

 

 食糧を確保した2人は、島を脱出する方法の考察を始めた。島のどこかから妨害電波が出ているらしく、チョコの端末でも通話どころかGPSも機能しない。その上、飛行機も船も一切見かけない。救助は早々に諦めた。

 

『こうなれば、やはり船か。自信は無いが、木を切ってイカダを作るしか……!』

 

『船……? あ、そっか船!! あの海の上を走れるっていう乗り物のことだよね!? そうだ、いい考えがある! チョコ、俺に船のこと教えて!』

 

 母から聞いただけの『船』という存在が、ショウマの中で選択肢となって天啓へと昇華した。チョコは絵と言葉を以て全力で『船』をショウマに教え、そうして出来上がったイメージを具現化するのは、キャンディのゴチゾウ『ブルキャン』。

 

『俺のバイクや車は、この子がキャンディで作ってるんだ。それなら船にもなれるはず!』

 

 何度も試行錯誤を繰り返し、ブルキャンで船を形成。それをチョコの菓子能力でコーティングし、そのエネルギーはブルキャンを介して動力に。他のゴチゾウの能力も総動員し、2人乗りのブルキャンボートは遂に島の脱出に成功。

 

 方位磁針から何となくで海を進み、ついさっき電波が復活したのだった。

 

課題(クエスト)の詳細はメールで確認した! ショウマと共に直ちに向かうから、それまで頼む!』

 

「でもチョコ、ショウマは……!」

 

「貸せ。おい鐘木チョコ、一応確認しとくぞ。井上ショウマは『敵』じゃないんだな?」

 

『あぁ! ショウマはオレ達の仲間だ!!』

 

 一点の曇りもない即答。それを聞けば、仲間として納得しないわけがない。

 チョコはショウマと共に戻ってくる。その確信を胸に、オアズーケ王国大工場調査───新装(ネオ)レジスタンス掃討作戦は開始された。

 

「闇菓子を利用するなんて、絶対に止める……! 急ごう、チョコ!」

 

「あぁ。反撃開始だ!!」

 

 

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