【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する   作:流石ユユシタ

103 / 103
第85話 主人公の弟くん

 俺の人生において、圧倒的な壁は……姉だった。

 

 

 

 産まれた時から両親は俺を姉から遠ざけていたらしい。

 

 

 

 その理由は単純だった。

 

 

 

 

──姉は化け物だったからだ

 

 

 

 産まれて数日で言葉を使うことができたらしい。泣いていた期間などほとんどなく、全てを理解したような瞳を持っていた。

 

 

 対話も運動も知略も全てを姉は持っていた。俺が一生懸命やったことも姉は当然のようにできる。すでに通り過ぎているとすら言っても良いだろう。

 

 

 それほどまでに圧倒的なのだ。

 

 

 

 エレ塾でも教科書は一度眼を通せば興味をなくし、その内容を自己の中に落とし込み昇華させ応用もできる。

 

 

 全ての才能を持つ化け物。俺の両親はそう思っていた。いや、両親だけじゃない、俺もそう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 姉は俺のコンプレックスの塊だった。

 

 

 

 俺のしていることが全て無碍になっていく気がする。俺が百したことは、姉の一以下にもならない。

 

 

 それなのに両親は俺を可愛がった。一体全体、俺のどこがすごいと言うのだろうか。

 

 

 もっと、すごい奴は目の前に居るだろうに。俺など大したことのない人間だと言うのに。

 

 

 どこに、俺がすごい場所があるのか。姉と俺を比べなくても言うが比べるなと言うが無理は無しだろうが。

 

 

 

 

 

 そして、姉はテイマーとしての才能もずば抜けていた。エレ塾では成績は一度も勝てたこともない、バーサスも無論手も足も出ない。

 

 

 姉はエレモンの言葉わかる特性すら持ち合わせている。

 

 

 

 

 

 

 ──俺は

 

 

 

 

 

「カガリくんー」

 

 

 

 

 

 ふと目が覚めた。どうやら世界で1番不快な夢を見ていたようだった。公園のベンチで俺は寝てしまっていたようだ。

 

 

 俺の目を覚まさせたのは、知り合いのタロウと言う初心者テイマーだ。同年代で初心者テイマーの講義の時に旧知の中となった。

 

 

 

 

「ここで寝ると風邪ひいちゃうよ」

「あぁ、悪ぃな」

「いや、気にしないで」

 

 

 

 ベンチから飛び起きて公園の出口へと向かった。タロウはそんな俺についてきた。そして、俺の地雷の話題を出す。

 

 

 

「あのさ、お姉さんのことなんだけど」

 

 

 

 また、姉のことか。どうせ、いつもの通り姉の武勇伝でも聞く羽目になるのだろう。あいつがすごいのは知っているが俺からすると不快以外の何者でもない。

 

 

 現在エレメンタルコードを4つまで取ったらしいが、そんなのはどうでもいいことだ。

 

 

 俺はいつか、越してやると決めている。

 

 

 

 

「男に貢いでるらしいけど、大丈夫なの」

「あぁ? しらねぇ」

 

 

 

 

 姉の話題が出た時は基本は適当にあしらう。偶に姉のサインとかを求める輩もいるがそういうもあしらうだけでなく、無視をする。

 

 

 

 あいつがどんな偉業をしようが……

 

 

 

 

「あ?」

 

 

 

 

 タロウ、今なんて言った……? 俺の耳がおかしくなったのか、流石に姉の話題を聞きすぎて脳がおかしくなったのか。

 

 

 

 

「今、なんて」

「だから、()()()くんの姉が男に貢いでると聞いたんだけど大丈夫なの?」

「……冗談ならやめろ。イライラする」

「冗談じゃないけど。ネットに乗ってる」

 

 

 

 

 そう言ってスマホを差し出してきた。そこには確かに姉が札束を男に差し出している写真があった。

 

 

 コラ画像か何かか……?

 

 

 

 

「これはあれか、画像生成とかで作ったやつか」

「違うと思うけど」

「……バカな。あれが誰かに金を差し出す……?」

「それとなんだけど、このライオン仮面の人って講義で居たテイマーだと思うけど」

 

 

 

 

 画像をよく見ると、確かにライオンの仮面を被っている男に見えた。そういえば確かにこんなテイマーがあの時に居た気がする。そして、俺も僅かに言葉を交わした。

 

 

 

 

「なんで、金を渡してんだ……」

「さぁ? 好きだから貢いてるとか?」

「あいつはそんなことするタイプじゃない。上っ面は良いが基本的に自分が1番だと本気で考えてつ奴だ。施しは気まぐれに起こすが、大金を渡すのは度を越してる」

 

 

 

 

 きっと何かの間違いか何かだろう。あいつはその気になれば、宝くじで一等すら余裕で叩き出す女だ。

 

 

 

「噂だと何度も渡してるらしい」

 

 

 益々馬鹿らしい。あり得ないだろうな。きっと何かの間違いのはずだ。適当なことを誰かが言ってそれを信じた奴がいて、尾鰭がついだのだろう。

 

 

 この写真も大金を拾ってそれを持ち主に返したとかそんなオチだろうさ。

 

 

 

 

 

「馬鹿らしい。俺はスーパー寄って飯買ってくる」

「もう日も暮れてきたしね。でも、本当だと思うよ。スレでこの話題出てたんだけど、俺も本当に見たし」

 

 

 

 

 誰かが姉のコスプレでもしていたのだろう。そいつが貢いで……いや、そろそろ無理がある言い訳になってきたか。

 

 

 しかし、なんとしても信じられん。

 

 

 

 

 

「あ、半額シール弁当。お金ギリギリだから助かりましたね」

 

 

 

 

 嘘だろ……あの姉が財布見ながら半額シール弁当を買っているだと……?

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

カードを合成して合体獣を作り出す能力?(作者:七蜘蛛)(オリジナル現代/冒険・バトル)

交通事故で命を落とした青年、カードゲームが当たり前のホビアニ系の世界に子供として転生した。一度は世界が滅びるなどもあったが、主人公達が救ってくれたようだ。なら、のんびり過ごそうとしていたら、今度は神のカードを巡る戦い?じゃあ、勝手にやってもろてと思いきや、自分の目の前に神のカードが現れた、しかも2枚!?そのカードに教えてもらうと、自分の力はカード同士を混ぜ合…


総合評価:2639/評価:6.93/完結:118話/更新日時:2025年12月12日(金) 21:30 小説情報

その力は何の為に(作者:カニ漁船)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

「私のために尽くしなさい、トレーナー」▼「私と一緒に、苫小牧を盛り上げて欲しいんです!」▼「頑張るよ」


総合評価:6898/評価:8.82/完結:88話/更新日時:2024年11月21日(木) 23:00 小説情報

自分の事を主人公だと信じてやまない踏み台が、主人公を踏み台だと勘違いして、優勝してしまうお話です(作者:流石ユユシタ)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

書籍化決定!! 2月10日からTOブックスより発売です!▼神「こいつ、主人公キャラに転生させるとか嘘ついて、噛ませキャラに転生させたお(笑)」▼ 漫画、アニメ、ラノベ、ありとあらゆる物語に出てくる主人公キャラに憧れる男子高校生はトラックに引かれて死亡してしまう。そんな彼の前に神が現れ、ノベルゲーの世界に転生させると言うのだ。喜びに打ち震える主人公……だが、転…


総合評価:55955/評価:8.74/連載:75話/更新日時:2023年11月16日(木) 17:04 小説情報

得物:木刀……木刀!?(作者:ぼっくとん)(原作:恋姫†無双)

ふと気が付くと、少年は森を割る道のど真ん中に立っていた。▼なぜ自分がここに居るのか、その直前までの記憶はすっぽりと抜けており、代わりに彼に持たされていたのは破格の身体能力とその身体能力に耐えうるだけの強度を持った一本の木刀。▼後に、国賊と呼ばれた少年は古代中華に降り立った▼世界恐慌張りの批判の嵐を受けた十五話に関して、別ルートを用意しました。▼ 因みに、その…


総合評価:11067/評価:7.56/完結:19話/更新日時:2025年05月21日(水) 00:30 小説情報

戦いは数だよ無惨さん!(作者:土井中32)(原作:鬼滅の刃)

▼鬼滅の刃の世界に転生してしまった主人公。▼戦う力のない彼が考えた、生き残りの策とは…!


総合評価:10996/評価:8.79/短編:3話/更新日時:2026年01月01日(木) 00:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>