【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する   作:流石ユユシタ

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第21話 交渉

肉串は美味しかった。さて、偵察の続きになるが……

 

「えっと、果物とかの値段はこんな感じか」

『アムダ、大体相場は分かったわ。売る場所を確保した方がいいんじゃない?』

「だね!」

 

 

 そう、売る場所の確保が売買では必要となる。ゲームだと売買は出来たがあくまで市場に来たプレイヤーとしてだ。

 

 売る側で店としてやってた訳じゃない。一応、持っているアイテムを売ることはできなくなかったが、プレイヤーとしての売値だとどうしても安くなってしまう!

 

 ファームモン、ガーディモン、武者マルも沢山手伝ってくれたデカイチゴを適当に売らだなんてあってはいけない。

 

 少しでもよりよく売らなければ……これはテイマーとしての義務だぜ!!

 

 

 

「……何かないか……あ!」

『何かあったの?』

「聞けばいいんだ!」

『ん?』

「むしゃ?」

 

 

 

 よく売るためにはこの市場にて俺もお店側になるが……、どうやってなればいいのだろうか?

 

 

 さっき買った肉串屋さんに聞いてみよう

 

 

 

『アンタ、話すの苦手なのに』

「で、でも俺がやるよ!」

『……ふふ、かっこいいじゃない。流石は王ね!』

「むっしゃ!」

「博士がやりましょうか?」

『王の成長のチャンスを奪うのはやめなさい!!!』

「おお!? 頭の中に声が響いてきた!?」

 

 

 

 よ、よぉし、先ずは売店のおっちゃんに話しかけるぞ!!

 

 

「あの、お、お肉美味しかったです」

「おお、そうかい! ありがとうな!」

「あ、お、俺も店出したくて」

「店? 子供なのにか? まぁ、出したいならこの市場の責任者である【サクマ】さんに頼めばいけるぞ。ただ、ここでの売り上げの一割を渡すようだったり、一定以下の売り上げだと場所を剥奪されたりはするがな」

 

 

 な、なるほど。一応、売り上げの一部を上げたりしないといけないのか。

 

 

 それにしても【サクマ】って名前はゲームでも居たな。確かに市場の責任者として説明があったし、自身でも秘伝書とかを売っていたな。

 

 

 

 

「どこにサクマさんが居るのか、分かるか?」

「は、はい」

「……ほう、知ってんのか」

「お、おす!」

 

 

 確か、特殊な場所に居るらしい。隠れ名店で限られた人だけが秘伝書を買いにくるみたいな設定だったはずだ。

 

 

「よし、行くか!」

「どこいくんですか?」

 

 

 

 クイーンと手を繋いで武者マルと、あと博士と一緒に市場の路地裏に足を踏み入れた。

 

 

 えと、ここを曲がって、ここを曲がって……確かこのぼろっちい部屋を潜ると……

 

 

 

「ほほほ、いらっしゃい。若人がここに来るとは珍しいのぉ」

「へ、へへ、若者です」

『笑い方! 王がそんな媚びるような笑い方をしない!』

「アムダ様、こんな場所知っていたんですね!」

 

 

 あ、クイーンに注意されてしまう笑い方をしてしまった!

 

 

「ほほほ、緊張するのも悪くあるまい。それで、秘伝書を買いに来たのかい?」

 

 

 秘伝書。アクティブスキルをエレモンに覚えさせるのに使う道具だ。本来なら覚えないのも限定で覚えさせることができる。

 

 

 でも、俺の今回の用事は違う。

 

 

「え、えと、売店をしたくて」

「ほう? 市場に店を出したいと?」

「そ、そうです。あの果物とか売りたくて」

「どういう物を売るつもりなのかい?」

「こ、このデカイチゴを」

 

 

 

 そう言って俺は島で育てたデカイチゴを差し出した。一応、売り出す商品だから持ってきておいたんだ。

 

 

「ふむ……デカイチゴ良く出来てるのぉ」

「え、えへへ、俺のエレモンのおかげです」

「ふーむ、色と艶も良い。これは……苗まではファームモンで育てて、そこからをガーディモンが育てたのかのぉ?」

「そうです。で、でも、そうでないデカイチゴもあります。そ、それは分けて育ててやつでして……」

「ほぉ、感心じゃのぉ。ファームモンは種子から苗まで、そこから実がなるまでガーディモンに育てるのが良いのは意外と知られてないからのぉ」

 

 

 今回は全てを分けて育てることができなかった。ただ、一本だけの木は分けて育てられてた。

 

 やはり、ファームモンとガーディモンで育てる順番を決めたデカイチゴとそうでないデカイチゴには出来の良さが違った。

 

 

 これはゲームと同じ仕様だった。

 

 

「……こ、こっちが順番を決めずに育てたイチゴでして」

「ふむ、ほほう、こっちも悪くはない……ふむ、お主、名前は?」

「……あ、アムダ」

「ほう、アムダ君かい。噂の子だったのかのぉ。宜しい。市場の一箇所を貸そう。その代わり、一割の売り上げをもらおう。ほれ、少し待っておれ」

「は、はい」

 

 

 

 秘伝書を買う以外でこのお爺さんと話す機会があるとはね。クイーンと武者マルはズッと二人で何か話してりしてるみたいだ。博士はクイーンを後ろから抱っこしている。めっちゃ、拒まれてる。

 

 

 

「ほほ、お主中々のテイマーじゃの」

「え、えへへ? そうですか、へへ。エレモンは良いのが揃ってます……」

「ほほ、若いのに変わった話し方をするの」

 

 

 へへ、緊張して変な話し方になってしまったぜ。サクマは俺の武者マルを見ている。

 

 

「ほほ、面白い武者マルじゃの。【グレン】の武者マルに似ておる」

「……ご、ゴッドリーグのテイマーの?」

「そうじゃ。偶にここに来るんじゃよ。昔から強さを探究する男での。よく秘伝書を見ておったわ。自分の小遣いと睨めっこしながらの」

 

 

 

 武者マルが似てるのは当たり前だな。グレンは主人公の父親の設定だし。主人公に最初に武者マルを与えるイベントがあるし。

 

 グレンの育てた、武者マルの最終進化エレモンの子供を主人公にあげるからね。

 

 別世界線のグレンのエレモンの息子とも言えるからな。

 

 

 

「ほほ、噂をすれば……」

「……久しぶりだな。じいさん」

 

 

 

 

 うわぁ!? グレン君がここにやってきたようだ。すげぇ、顔とかシルエットも同じや。

 

 あれ? 一応主人公としてゲームをしていた俺もパパって呼んだ方が……いや、そんなわけないか。

 

 

 ゲームでも時折グレンがここにやってくるんだよね。低確率だけど、遭遇すると主人公にお金とかくれるんだよ。

 

 今日は何円もらえるか……あ!! 俺もう主人公じゃなかったわ!

 

 

 

「ああああああ! ゴッドリーグテイマーグレンですよ! アムダ様!!」

「……そ、そうですね」

「……お前達はラリラ博士と……そうか、アムダか」

「アムダ様! グレンが博士達を知ってますよ!」

 

 

 

 まさか、グレンの耳にも入っていたとはね……いや、モエがいるんだ。当然と言えば当然か。

 

 

「……会うのは初めてだな。あの子が言っていた。塾では一度も勝てなかったとな」

「あ、そうでした」

「うむ……あの大会も見たが……見事なヴェルディオンだった」

 

 

 

 へぇ、チェックしていたのか。いや、娘が出ているんだから当然か。

 

 

「ほほほ、それで何のようなのかの?」

「じいさん。秘伝書を見せてくれ」

「ほほほ、新しいのは特にきてはおらんがの。お主は昔からここで秘伝書を眺めておったからの」

「ふん……」

 

 

 

 グレンはクールキャラだからな。ちょっと痛々しいのがいい感じなのである。

 

 

「それで、お主そろそろ引退すると言うのは本当かの」

「……あぁ、ゴッドリーグではもうやることがない。俺には、いや、俺達にはもう成長の余地がない」

「ゴッドリーグは退屈か」

「退屈だな」

 

 

 あら、サクマじいさんとグレンが会話している。ゲームでも確か、ゴッドリーグを引退するイベントがあったなぁ。まぁ、娘が旅を始めたから、サポートをしたいみたいな理由があった。

 

 グレンが消えたゴッドリーグは人気がめっちゃ下がるんだっけ? そこに主人公が台頭してきて再び、黄金の時代がやってくる!! みたいな展開だった

 

 

 

 グレンは勝ち過ぎてたんだよな。自分の成長の余地がなくて、つまらなくなってしまったらしい。

 

 

 ゴッドリーグの中で彼は異彩を放っていたらしい。確かにグレンはゲームではクリア後のやり込み要素の一つだった。エレモンの平均レベルは他よりも高いしね。クリア後直後では負けは必須レベルである。

 

 

 

 

「ほほほ、昔のお主の方が楽しそうだったの」

「……皮肉か?」

「ほほほ、そうじゃの、弱かった頃の方が楽しそうだったからのぉ」

「……ふん、仕方あるまい。俺のエレモン達も一向にレベルが上がらん。ゴッドリーグも未知の場所ではなくなった。それだけだ」

 

 

 あぁ、こんな感じで引退するのか。そ、そろそろ帰っていいのだろうか? 人が会話している場所にいるのって苦手だし。博士はクイーンを触ってるし。クイーンはすごい嫌がってるし。

 

 

「俺には娘がいる。あの子が俺を越えるの楽しみにしよう」

「そうかの」

 

 

 

 お、俺は今ぼ、ぼっち? 

 

 

「むっしゃ!」

「武者マル。ありがと! お前はいつも俺の元に来てくれるよな!!」

「むしゃ!」

 

 

 へへへ、ぼっちじゃなくなったぜ……

 

 

 

 

「……ん? その武者マルは」

 

 

 

 あ、グレンが俺の武者マルに目をつけた。なんか、面倒ごとに巻き込まれそうな予感がする……

 




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