【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する   作:流石ユユシタ

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島の1日(博士視点)

僕、ラリラの朝はアムダ様の大声で始まる。

 

「うわあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

 

テントから出ると、島にて朝日を浴びながら彼は大声を出していた。これは彼のルーティーンの一つである。

 

エレモンを指揮するテイマーとして、声を鍛えるのは欠かせないらしい。混戦となると声が響きにくくなると、まともな指示にならないからだとか。

 

 

 

彼は毎朝大声を出している。

 

 

 

しかし、それだけではない。彼の朝はこれから始まるのである。

 

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! おはようー!!!」

 

 

 

彼は毎朝ランニングを欠かさない。テイマーとして体力がないといけないからだとか。彼は試合が長引いたり、試合数が多くなった場合、続けば続くほどに集中力が低下すると考えている。

 

 

体力を鍛え、集中力を持続する訓練をしているとか。

 

 

僕はそんな彼をドローンで観察しながら、優雅にコーヒーを飲み資料を眺めることで朝を過ごしている。

 

朝日が自身に当たり、砂浜にテーブルと椅子を立てておく。

 

 

「アムダ様めっちゃ、頑張ってるなぁ……」

『おはようー!!』

 

 

 

 彼はこの島に住む4000を超えるエレモン全てに挨拶をしているようだ。それは神話とか伝説とか、都市伝説とか、おとぎ話とか、架空でしか存在しないようなエレモンであったとしても変わらない。

 

 

 大きな声でちゃんと挨拶をする。しかもめっちゃ笑顔。こういう部分があるからこそのエレモンとの絆とか、言うことを聞くんだろうね。

 

 

『おはようー』

 

 

 

 彼が走っている場所が唐突に……雪が降り始めた!!!!

 

 

 

えええ!? 雪!? なんで? 今夏だよね!? と思ってしまうがもうアムダ君にそんなことを言ってもしょうがない。

 

 

 

 

「なぜ雪が降り始めて……と思ったが吹雪になった!?」

『おはようー!!』

 

 

 

 

 いや、おはよう!!! 

 

 じゃないよ!? 

 

 半袖で走ってる場合かよ!? てか、なんでこの島は一々気候が変わるんだよ。吹雪だよ!! とんでもない吹雪だし、積雪が凄まじい量になっている。しかし、彼が走る部分は走ることを想定しているように、道が作られていた。

 

 

 うん、色々言いたいことがある!!

 

 おかしいよ!? この島はどうなってんだよ!? 詳しく調べたいけど、ワクチンとかを作る必要とかもあるし、中々調べきれない。

 

 

 

 くぅぅー。もどかしい!!!!

 

 

『おはよう!!』

 

 

 

 あ。砂嵐になってる……と思ったら暴風に、大雨に、雷。山の天気は変わりやすいと言うけども、ここ山じゃないし。変わりやすいと言う話じゃない。

 

 

『おはよう!!』

 

 

 はい、暴風になってます。

 

 

『お、おはよう!!』

 

 

 アムダ様も暴風過ぎて口が開かないようだ。しかし、必死に体を前に持っていっている。

 

 

「さて。僕もそろそろ動きますかね」

 

 

 

 この島ではワクチンなどの開発を彼から依頼されている。そのため、午前中は血液採集などをしている。

 

 最近は植物系エレモンの血液を集めている。

 

 この島、最初は無人島で何もなかったのだが、最近は苗木が植えられて少しずつ森のような場所が作られている。

 

 

「もう、一体全体、どうなってんだよ。こんなすぐに森が出来るはずがないんだけども」

 

 

 森といってもまだまだだ。しかし、木々が重なり、集まり、日光が遮られている場所がある。ファームモンとかはもう集めたし……

 

 

 

「──」

「っ!?」

 

 

 

 なんだ、今一瞬……見たことのないエレモンが居たような。一瞬だけ、眼があったような……。

 

 

 

「……ウル」

「ああああああ!? あ、嘘でしょ!?」

 

 

 

 グリンウルフ!? Aランクエレモン。植物系グラスエレモンとも言われている。ランクも高いって言うところに眼も引かれるけど。

 

 

 グリンウルフは清らかな森でしか住むことはない。危険度や強さがランクの大きな基準になっている。しかし、珍しさだけでいったらAランクでも上澄の上澄み。

 

 

 緑の毛色、狼のような姿をしている。70センチほどの大きさだが自然に溶け込んでいるような、美しい自然そのものって感じだ。

 

 

「実物は初めて見た……僕。すげぇ! アムダ様、さすがです!」

「……ウル」

「ちょっと待って! おいこら!!」

 

 

 

 僕は走った。しかし、異様な速さを持つグリンウルフは捕まえられなかった。だが、さっき眼があったエレモンではない。

 

 

 あれって……なんだ? クイーンフォックス、テラゴラム、ジーググラモンとかと同じ気配なような同格のエレモンな気がするけど。

 

 

 

「さて、仕事仕事。血液採取……他にも行ってみたい場所あるんですけど」

 

 

 

 しかし、僕はここで雇われている身である。仕事をしなければこんな素晴らしい場所から退去しなくてはならない。

 

 そればっかりは御免だ。

 

 アムダ様が永住権とかくれれば良いんだけど、そう都合良くはいかないよね。仕事してもいずれ用済みになったらどうしようか。

 

 

「あ、僕は可愛いし。美女だったし、誘惑でもしますかね?」

『調子乗んな』

 

 

 これだよ、いつも僕は監視されている。どうしますかねー。博士は大変なのです。誘惑とか効果的ではないとしても、やってみる価値はあると思うんですよね。

 

 

 はい、このクイーンが監視してるので挑むことすらできません。

 

 

 超面倒です。

 

 

『心読めるって知ってるわよね。よくそんな事思えるわね』

 

 

 

 でもLランクエレモンなのでOKです!! はぁ、研究したいなぁ。血液採集させてください!

 

 

 

『まぁいいわよ。アタシのワクチンも作ってもらわないといけないしね』

「よっしゃ!!!! 舐めても良いですか?」

『良いわけないでしょ』

 

 

 

 毎日、楽しくやってます!! ガイア帝国に研究資料を盗まれ責任を取らされ、ぼっちな人生だから相談できる相手もいず。船で気分転換してたら津波に巻き込まれて、この島に流れ着いてよかったぁ!!!

 

 

 あー、楽しい。

 

 

 ここには未知が沢山いる。

 

 

 居るだけで吹雪を呼ぶ存在、雷を落とす獣、マグマと氷が共存する世界を持つエレモン。

 

 

 

 よっしゃ! 頑張りますよ、博士は!

 

 

 

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