【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する   作:流石ユユシタ

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第38話 博士

今日は帰る日だ。しかし、その前に再び螺旋の地下洞窟に挑み最下層まで進みたいとモエが言い出した。

 

 

ここまできたら、最後まで付き合おう。

 

 

俺はエレモンを出さず、チカとモエはそれぞれ自身のエレモンを出して戦いながら進んでいく。

 

メタモルフォーゼは既に多数狩りをしてしまっているので、洞窟からは消えてしまった。ゲームでも一定量を刈ってしまうと消えてしまう。

 

数日がゲーム時間内で経過するとまた出現するようになるのだが、そもそもが低確率出現だしな。

 

ゲーム時間を調整したりしながらレベリングをするけど、現実である今はさほど使えない。しかし、確実にレベルは上がった。平均5ほどは上がっているだろう。

 

 

「行きますわよ」

「いくぜ」

 

 

 

モエとチカ、それぞれエースエレモンは現代界で【姫マル】となっている。チカがなぜ武者マルを持っているのかと言うのは、グレンの妻であり、主人公の母親。ホムラも武者マルの最終進化個体を使っていた。

 

それゆえである。モエのライバルとして互いに高め合うことを期待して、託した。

 

 

無論だが、アムダには武者マル側たるイベントなどは本来ない。ライバル枠として結構不遇めの扱いをされているのである。

 

 

まぁ、既に関係ない情報でもあると思うけど。

 

 

──地下洞窟に進み、最新部に到着した。

 

 

 

最新部には巨大な壁画が描かれている。巨大怪獣のような絵画とアンモナイトのような絵画。それらが対立して書かれており、その二つの上部には大きな星の紋様が描かれている。

 

 

凄まじく年季が入っている壁画である。

 

 

 

最新部に到着すると、そこには白衣を着ている1人の男性がいた。坊主で眼鏡をかけている優しそうな男性。

 

 

「やぁ、こんにちは」

 

 

 

【カツタマ博士】だ。

 

 

おおー、懐かしい。ゲームの時なら色々教えてくれたり、エレモンの図鑑を見せたり、博士の中でもメインな感じだった。

 

 

メガネをかけている坊主の男性。40歳を超えているんだとか。

 

 

しかし、若々しい感じでエネルギッシュな印象を受ける。

 

 

 

 

 

「この最深部に人が来るとは珍しいね。なかなか来れないテイマーが多いからさ。でも、君なら当然なのかな? アムダ君」

 

 

 

どうやら博士は俺のことを既に知っているらしい。

 

 

 

「あ、久しぶりですねー。カツタマ博士」

「ラリラ博士もお久しぶりです。学会の時は色々手が回らずすいません」

「いいですよ、こっちの方が楽しいですし!」

 

 

 

 そうか、一応は博士同士だから知り合いなのか。カツタマ博士は俺を見て、ちょっと気になるようで話しかけてきた。

 

 

 

「えと、君がアムダ君、本物なのかい?」

「そう、です」

「そうか!! 君が!! いや、動画はいつも見ているよ!! 非常に興味深いんだ。君のエレモンはね!! ぜひ今度研究所に来て欲しい! ケーキあるから!!」

「カツタマ博士、アムダ様はそんなのじゃ釣られないです」

「そうかい? なら、ホールで用意するよ」

「量の問題ではありませんよ」

 

 

 

 こう言う時、さらっと間に入って話してくれるラリラ博士には非常に助かっている。カツタマ博士はその次に、モエとチカに目を向けた。

 

 

「君たちはモエちゃんにチカちゃんだね」

「カツタマ博士に知っていただけるとは光栄ですわ」

「チカだよー、知ってるんだね」

「こら、博士には敬語を使うべきですわよ」

 

 

 

 チカはタメ口なのでモエに注意されている。その様子を見て、カツタマ博士は笑った。

 

 

「ははは。気にしなくていいさ。僕はアムダ君を含めて3人のファンみたいなものだからね」

「本当に光栄ですわ」

「モエちゃんはグレン君の娘というだけでなく実力がすごいからね。チカちゃんも負けず劣らずで既にコードを7つ集めている。そして、未知のエレモンを持ち、実力すら未知数のアムダ君。エレモンの研究する者として3人を知らぬわけにはいかないのさ」

 

 

 へぇー、そうなのか。適当に頷いていると、博士は後ろの壁画に瞳を向けた。

 

 

「この壁画を知っているかい? テラゴラムとウミノゾアと言われるエレモンを描いているんだ。これが、古代で描かれたのではないかと考えられているわけさ。まぁ、ラリラ博士やアムダ君には説明の必要ないかもだけど」

 

 

 

 ゲームでも壁画は見たことあったけど、こうやって見るとかっこよさが段違いだな!!

 

 うーむ、実際にテラゴラムとウミノゾアの壁画はかっこいいなぁ! 実際の方がかっこいいけどね

 

 

「そう言えば、ラリラ博士は【テラゴラム】や【ウミノゾア】が研究対象だったね。この壁画は気になるんじゃないかい?」

「うー、それなら最近もっと気になる研究対象を見つけましたので」

「確かにアムダ君の方が興味深いね。ジーググラモン、空想とだけ言われてたけども。確かに存在するんだね。彼のおかげでただのおとぎ話と全ての伝説が言えなくなったね」

 

 

 

 

 くつくつとカツタマ博士は笑っている。そして、また俺の方を見た。

 

 

 

「アムダ君を試すわけじゃないけど、少し、クイズを出してもいいかな?。テラゴラムの系統は?」

「ち、地系と喪失系……」

「ほう、詳しいね。流石だ。でも、喪失系は未発見だからね。地系だけとする説もある。それじゃあテラゴラムの生息していたとされる場所は分かるかい?」

「ち、地ノ国。その【大地の監獄】、で、です」

「……ほぉ、なるほど。確かにそうと描かれている見聞があるのも事実。なるほど、調べ尽くした場所だけど。アムダ君が言うなら何かがある場所なのかもしれない。再調査しようかな。しかし、本当に面白いなぁ。もし良かったらこんど僕の家に来ないかい? スイーツバイキングするよ」

「え、遠慮します」

 

 

 

 

 甘いもので釣られると思っているのか! さて、そろそろ帰ろう。俺、モエ、チカ、ダブル博士の計5人で地上を目指す。

 

 カツタマ博士はせっかくだから、ついていきたいらしい。

 

 

 

 

地下洞窟から抜けて再び大地へと俺達は戻ってきた。

 

 

 

 

「うーん、日の光が眩しいね。久しぶりだ」

 

 

 

 カツタマ博士は随分と長くあの壁画を見てたいのだろう。でなければこんな言葉は出てこない。

 

 

 

 俺は日の光はそんなに久しぶりではないので特に感情が動くこともないけども……

 

 

 

「では、俺帰るので」

「じゃ僕も、また会おう。モエちゃんとチカちゃんも応援しているよ」

「「ありがとうございます!」」

 

 

 

 俺達は別れそうになったそのとき、空中から一匹のエレモンが降ってきた。そのことに全員が気づいた。

 

 

 

「……ら、ラゴ……」

 

 

 これは【ラゴラゴン】だ。【Gランク】、光系統と龍系統を併せ持つエレモン。純白の月光のように輝く肉体。大きさは1メートルしかないが、立派なドラゴン。

 

 光の爪の白の足と尾。瞳は黄金。美しい月光かと思ったら【ラゴラゴン】だった、みたいな話がよくあるとか。

 

 

 そんなエレモンだが、傷だらけで輝きが失われている。それに、そもそも【Gランク】がこんな場所にいるのがおかしいのだけど

 

 

 

 

「こ、これって……まさか【ラゴラゴン】!?」

 

 

 

カツタマ博士は驚いたような反応をしている。Gランクだからね。見たことはないのだろう。

 

 

「僕もそう思ういますが、アムダ様これ本物ですか?」

「本物です」

「なら本物ですね。アムダ様がそういうなら」

 

 

 

 確か、DLCイベントで【ラゴラゴン】を捕獲するイベントを配布していた記憶があるようだった。

 

 

 あー、【ハンティングギルド】って名前のエレモンを捕まえて売却するグループから逃げてくるんだな。

 

 

 

「一応、回復、させておきます……【ホーリーマジックモン】」

 

 

 

 俺がすぐさまホーリーマジックモンをエレフォンから放出し、回復をさせる。テレポートもこなせる万能エレモン、【ホーリーマジックモン】。戦闘不能状態から全回復も可能である。

 

 

 

 ──しかし、これはDLCイベントかぁ。流石主人公というべきか。彼女が行く先ではイベントが起こるんだな。

 

 

 

 

 

 

 

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