【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する   作:流石ユユシタ

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第5話 DLCだけ出てくる組織

『ハンティングギルド』。Aランク以上のエレモンを売買する組織の名前だ。【地ノ国】を始めとした様々な国でその名前が報告されている。

 

 

ゲームではDLCイベントで登場することが多かった。珍しいエレモンが登場するストーリーをDLCで配信するのが【エレメンタルモンスターズ・パラダイス】と言うゲームであった。

 

 

【エレパラ】は珍しいエレモンが登場するのをDLCで配信するのが多く、必然的にそこには『ハンティングギルド』のテイマーも登場し、主人公とバトルするのが慣わしでもある。

 

 

 

アムダも前世で何度も見知った組織が、彼の黄金のドラゴンに目をつけていた。

 

 

 

「……この黄金のドラゴン。実に見事……然るべき場所で売れば20億は、いやもっと高値がつくだろうに」

 

 

 

 非常に勿体無い。と言うのが男の感想だった。男はマジシャンのような格好に、杖を持ち、髭を生やしている。

 

 

 カオン、と言う名のテイマーだった。

 

 

 

「どれどれ。若造から頂くのは心が痛むが致したかなし」

 

 

 

 

 

 

◾️◾️

 

 

 

 

 

 最近は取材が沢山きている。流石に大きすぎてヤバいと感じ始めていた。両親も場所を移して引っ越す事を視野に入れている。

 

 

 

『随分と大事になってるみたいじゃない』

 

 

 テレパシーで俺に話しかけてきたのは【クイーンフォックス】。通称クイーン、世界に一体しか存在しないと言われている新種の【Lランク】エレモン。

 

 

 しかし、この子は俺のゲームから出てきたので、この世界と合わせて、世界に一匹しか存在しないエレモンが二体いることになってしまうパラドックスが発生している。

 

 

『アンタのこと、なんて言ったら良いかしら? あーそうねぇ、キングって呼びましょう。アタシはクイーンだし』

 

 

 

 テレパシーを使えるエレモンは数いるが、完全な言語を習得し人と会話できるのはこの子だけだろう。

 

 

 しかも、彼女は()()()()()ことができる。俺は現在10歳だが、彼女は7歳ほどの姿で俺の隣を歩いている。ただ、流石に人と話すことは彼女でもできない。あくまで化けて、テレパシーができるだけだ。

 

 

 

「ここのお弁当、ゲームだと買えなかったんだよな」

 

 

 今、【美次(みつぎ)の町】という場所のデパートで商品を眺めている。ゲームでは弁当などと言うのはアイテムにはなかった。

 

 NPCとの会話で美味しい弁当があるとは言われていたけども買えなかった。

 

 

 

『よかったわね。アンタのこと、誰にもバレてないみたいよ』

 

 

 

 周りからいつもみたいに騒がれることはなかった。なぜなら俺は黒いマスクにジャージ、フードをかぶっているので誰にもバレていない。

 

 

『ただ、アンタのことさっきから誰かが見てるわ』

 

 

 

 クイーンがそう言うので辺りを見渡すが人が多くて、何もわからなかった。きっと、超感覚を持っているエレモンだから分かることがあるのだろう

 

 

 

 

『ずっとおってきてるし、おびき寄せて返り討ちにしてやればいいのよ!! さぁほら!!』

 

 

 

 

 人姿のクイーンが手を引いて走り出す。うむ、周りから見たら妹に見えるのだろうか。

 

 

 

 

 

──走って……町を出て、人通りが少ない原っぱに出た。あ、ここって、珍しいアイテムが落ちてる場所だ。

 

 

 

ゲームだとこう言う意味ない場所って、珍しいアイテムが落ちてるだよねぇ。えっと、確かこの辺に……あった【稲妻の輝石】。特定エレモンの進化に必要なのである。

 

 

『ちょっと! なに石なんか拾ってるの!』

「あ、えと、こ、これ、珍しいからさ。稲妻の輝石」

『よくやったわね! 流石はアタシ達の王よ! 勘違いして悪かったわね!』

 

 

 

 クイーンはどうやら、感情が豊からしい。ゲームだった時は流石に話せる機能とかはなかったし、うむ話せるのは楽しいな!!

 

 

『アタシも楽しいわ! 王であるアンタと話せるとはね! あと武者マルも楽しいって言ってたわ』

 

 

 

 おお! エレモンの頭の中も覗けるのか! これはもうとんでもない通訳なのでは……

 

 

 

『なんて、言ってる場合じゃないわね。来たみたい』

 

 

 

 パッと後ろを向くと、大道芸をするマジシャンみたいな格好の男性が立っていた。シルクハットの帽子、髭を生やしていて、杖を持っている。

 

 

 

 

 この人を、俺は知っている

 

 

 

 

「──カオン……」

「おや、まさかまさか、私を周知しているとは」

 

 

 

 

 

 ニコニコした笑顔で彼はこちらに話しかけてくる。ゲームでもよく出てきたやつだったな。

 

 大体、珍しいエレモンが出ると譲ってくれと言ってきて、断ると【エレモンバーサス】になる流れだった。

 

 【エレメンタルモンスターズ・パラダイス】

 

 第一作【地ノ国】編のDLCにて追加されたゲームストーリーが初登場だった。このストーリーはゲームクリアしてないと出来なかったから、高難度ではあったと思う。(負けたことあるとは言ってない)

 

 

 

 

 

「初めまして。DMをしました『ハンティングギルド』のカオンと申します。本日は返信を頂きたく馳せ参じました」

「あ、えと、その……」

 

 

 

 

 あ、コミュ障が出てしまった。やっぱり人と話すのは緊張するんだよ!!!

 

 

 

『アタシ達エレモンと接するのは大丈夫なのにね』

「もう、一生お前と一緒でいいよ」

『流石はアタシ達の王ね。それくらい気持ちいいこと言ってくれなきゃ』

 

 

 

 

 やっぱり人と話すのは苦手だ……エレモンなら大丈夫なんだけど。うむ、ここは会話をするよりもさっさと【エレモンバーサス】した方が早そう

 

 

 

「……武者マル」

「おや……おやおやおや、これは……交渉決裂ということでしょうか? なるべく穏便に」

「え、えと、こっちの方が、早くないですか?」

「……クク、確かにこっちの方が、色々とね」

 

 

 

 

 

 ──互いにエレモンをエレフォンより、放出する

 

 

 

 

 俺は武者マル、火系統のDランクだ。対してカオンは【ラジグル】、全身が金属の部品で構成されているように見える犬型のエレモンだ。

 

確か、改造エレモンだったな。ランクは一応【A】になる。

 

 

 

「ほほう、武者マル……Dランクでは勝負にならないのでは?」

「あ、えっと、あの、俺のことより、負けた時の言い訳を考えた方が……」

「クク、クソガキですね……少しだけ躾が必要なようだ」

 

 

 

 あ、あれ、なんか怒ってる?

 

 

 

『アンタ、無自覚に人を怒らせる時があるからね。まぁ、エレモン関連限定でしょうけど』

 

 

 

 相手の【ラジグル】はゲームだとレベル50くらいだったか。俺の武者マルは120だから……負ける要素なさそう。

 

 

 

 だから、それを正直に言ったんだけど……

 

 

 

「【ラジグル】。オーバードライブ」

 

 

 エレモンバーサス、ターンバトル制である。アクティブスキルをターンに一回だけ使って相手を攻撃する。

 

 これが主なルールだ。【オーバードライブ】は相手に80ダメージを与えつつ俊敏を上げる。連続で使えば使うほど、ダメージと俊敏が上昇していく。

 

 

 シンプルながら強力なスキルだ。

 

 

「武者マル……攻撃」

 

 

 

 【攻撃】、スキルを使わずに相手にダメージを与える手段。アクティブスキルは【魔素】と言われるエネルギーを使用する。

 

 ただ【攻撃】は消費しない、だが、その分攻撃がだいぶ弱くなる。

 

 

 

「攻撃でオーバードライブが相殺できるわけがッ!!」

 

 

 

──うむ、やはり大分ステータスに差があるな

 

 

 

 エレモンには全員にステータスがある。これが勝負には密接に関わるんだけど、ゲームストーリーってあくまで誰でもクリアできるように作られてるからな。

 

 ネット対戦とか基準になると相手にならない。

 

 

 

 

 

──武者マルのただの攻撃が相手の、ラジクルを吹っ飛ばした。

 

 

 

「こ、これ……は!? 凄まじい武者マル、グレンを思い出しますねッ」

「ま、まだやりますか? え、えと、お、俺、負ける気しなくて」

「……えぇ、えぇ、負けですとも、しかし、私もここで帰るわけにはいかないのですよ……あの、黄金のドラゴンを手に入れるまではね!!!」

 

 

 

 

 

──その時、俺は目を見開いた。彼の手には【拳銃】が握られていた。

 

 

 

 

──パン、と音がして、煙の音がした

 

 

 

 あれ、もしかして、撃たれた?

 

 

 

 ふと、肌を触る……いや、撃たれてないな? 

 

 

 あれ? 銃口はこっちに向いているのに……

 

 

 

『やっぱり、王の影に【潜ませていたのは正解だったわね】」

「え?」

『──王、なんだもの。守る家臣を配置するのはクイーンとして当然よ』

 

 

 

 突如として突風が起きて俺は瞼を閉じてしまった。目を開けると、そこには【Gランク】エレモンが佇んでいる。

 

 

 

【イクリプス・ファントム】

 

 

 が立っていた。【Gランク】は上から数えて二番目、クイーン達【Lランク】の次にランクが高いエレモンだ。

 

 

 Lランクが神話や太鼓、架空の存在だとすれば【Gランク】は都市伝説のようなイメージか。

 

 微かに存在が存在している、もしかしたら居るかもしれないと思われるレベル。

 

 

 

 

 

 

 

 【クイーン】はこれをまさか、俺の影に潜ませてたのか。

 

 

 全身が影のような黒い水で構成されている。人形シルエットで顔には骸骨をかぶっている。その間から青い瞳がギラギラと輝いている。

 

 

 

 

 

「……」

「ありがとう。イクリプス」

「……」

 

 

 

 

 骸骨のお面から微かに見える青い瞳、終始無言だがお礼は受け取ってもらえたと思う。

 

 

 

 

「──な、んですか……それは……」

 

 

 

 

 驚くのは無理も無い。ただ、ゲームでは珍しいのを【エレモンバーサス】で出してもこんな反応とかは無い。

 

 そして、拳銃を使って直接テイマーを攻撃するなんてな……。ゲームと現実は違うのだろうか。

 

 

 

 

「──それは……エレモンか……? 化け物だろう」

「え、エレモンです……」

「そんな、のが、居るのか。死の神、死を形にしたような……エレモンが」

「……い、居ますよ」

 

 

 

 

 今まで『ハンティングギルド』が狩ってきた高ランクエレモンとは格が違う。Gランクはそういう次元。

 

 それだけでなく、単純に俺がレベルを限界突破120までに育て、そして、隠しステータス、装備厳選、スキル奥義まで派生させている。

 

 

 ──ランクは既に関係ない

 

 

 

【Gランク】イクリプス・ファントムは、紛れもなくこの世界では、強さの一点においては

 

 

 

 

 ──超次元、【Lランク】を超えている

 

 

 

 

 

 

 

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