【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する 作:流石ユユシタ
「残念だが、既にウミノゾアは目覚めましたよ」
自由の浜辺、そこに沈む『蒼い神殿』最新部にてモエははシア帝国の大元帥に勝利した。
【ウぁぁぁあああああああああああああああ】
嘆きにも聞こえる、ウミノゾアの鳴き声。大地の支配テラゴラム、海の自由ウミノゾアが互いに呼応している。
「……海の自由の力を使い、私が平和を手に入れるのです。バーサスには負けましたが、ここから先の未来は私の勝ちですね。また会いましょう、グレンの娘」
シア帝国、ルザンはそれだけ言って蒼の神殿を出る。
「またしても遅かったですわね」
彼女は慌てて、神殿を飛び出す。俺もそれを追って、外に飛び出した。
『これで7割くらいイベントは終わりかしら?』
クイーンが俺に聞いてくる、確かにほぼ終わりだ。あとは2体が外に出て激突する中で、融合して、スタードラゴが誕生。
制御効かなくなって、それを主人公が収めるって場面だ。
──まぁ、ゲームと違ってコンテニューができないからある程度はサポートするか
『一応、スタードラゴ2体持ってきてるのよね? 必要かしら?』
確かに必要かなと思った。主人公には荷が重い、主人公というよりモエに荷が重いという感じだけど。
しかし……
モエのやつ、思っている以上に強くなっているな。シア帝国との大元帥とのバーサスを見たが、ほぼ完勝だった。
武者マルのメス、その最終進化、奥マルも強くなっていたな。レベル58だったし。
レベリングをした時から、更に毎日レベリングをしていたのだろう。時折、DMが来ていたが毎日修行に明け暮れているみたいだったし。
「俺が出る幕なさそう」
確かに強くなってたな。俺のエレモンの方が強いけど。
ふむ、ディザスター、ファラン、グレン、その次くらいには強いかもしれない。コード・バトラー二週目にも連勝しているのは本当だろうな。
俺のエレモンの方が強いけど。
『そう、アムダが出る幕じゃないのだとしたらそれはそれで良いことね』
外に出ると水柱何本も天に昇っていた。暗雲に囲まれた世界に雨が降り、雷が落ちていく。
テラゴラムは大怪獣のような姿で、ウミノゾアはアンモナイトのようなフォルム。互いに巨大な化け物、暴力の塊。
制御ができる装置を持っていたはずだけど、確か使い物にならない。
装置の故障と暴走で2体が激突する中で、偶々融合をしてしまう。そう、今みたいに……
「「◇◇◇ッ!!!!!!!!!!!」」
──眩い閃光が世界を支配する。
小さな光の粒子が空へと昇っていく。先ほどまで暗雲だった空はいつの間にか輝く金色に染まる。
雨は止んだ、地震も止まったのに事態が治った気配を感じない。
「バカな……我らのテラゴラムが融合しただとッ」
「スタードラゴ……」
ガイア帝国ブラド、シア帝国ルザン、2人は戦慄をしている。その2人の間を抜けて、ラゴラゴンに乗ったモエが飛んでいく。
スタードラゴに挑むようだ。これで勝利して捕獲することで彼女が主導権を握り、暴走を止める。
それによって世界が平和になる。スタードラゴ関連は暴走すると星を潰すからね。問題だよね。
彼女が勝てるかどうかだが、まぁ、勝てるだろう。パッシブスキルもユニークスキルに進化させてないだろうし。アクティブスキルも奥義にしてないし。
「さて、こっちの大元帥を守らんとね」
ガイア帝国とシア帝国、それぞれはこの後に暗殺をされてしまう。誰にされるのか、そんなことは知らん。
ゲームでも唐突に暗殺をされてしまうからだ。
「グレンの娘、これほどとはね」
「スタードラゴに勝てるというのか」
そんな2人の後ろから黒装束の人物が近寄っていく。見た目が何もわからない、背丈しか認知ができない。
手には拳銃に似た何かを持ってる。
──パンっ、パン
そう聞こえた。しかし、帝国2人が撃たれることはなかった。俺の影から飛び出た黒い剣が銃弾を弾いていたからだ。
「「ッ!?」」
銃弾の音が聞こえたことに関して、驚いたような顔をしている2人。まぁ、それよりも打った方を捕縛したいけどもね。
「極マル……」
エレフォンから放出した極マル。それが黒装束の男の前に立つ。
『妙ね……あの人間からテレパシーが聞こえない。機械の類かしら?』
確かにな、なんだかシルエットは人間っぽいが実態は違う気がするな。大地の監獄に居る守護者とか、結構機械は出てくるんだよ。エレモンとは違うけど、戦闘はできるみたいだし。
ゲームでもそういうのと戦闘自体はあった。
「極マル、攻撃」
「……」
スキルを使う必要性はないだろう。仮に人間だったら殺すわけにはいかないだろうしな。
極マルが黒装束に向かうと、応対するのように後ろに跳躍する。
「それで逃げられるわけないだろ……回り込んで抑えて」
ジェット噴射のように推進した極マルが、跳躍した黒装束の後ろに既に回り込んでいた。
「速いッ! グレンより上か!!」
「信じられませんが……噂の10億か」
あ、俺のこと知っててくれてるんだ。まぁ、当然といえば当然だけど。流石は大元帥のお二人反応がよろしいようで。
極マルが抑え込んだ黒装束。
「一応、顔は見ておくか」
極マルがフードを取る。そこには紅瞳、顔はあるがメタリックで明らかに人間ではない。
魔ノ国、軍事人間だっけ。ってことは遠隔で見てるってことになる。スタードラゴは出さなくて正解だったか。
魔ノ国って、ゲームだと五部の主人公が対立するんだったか。結構、ダークな雰囲気があったのを覚えているぜ。
レアなエレモンとかを捕獲するハンティングギルドのメンバーは、魔ノ国出身が多かったりするし、面倒な印象がある。あんまり関わりたくはないんだけれども。
「極マル……それそろそろ爆発するから、海に放り投げろ」
「きわっ」
ゲームでも、パッシブスキルで爆発みたいなのが発動する。バーサスで倒されると爆発して主人公のエレモンにダメージを与えるのだ。
まぁ、そんなにダメージはないけど。極マルが黒装束を海に投げると、爆発を起こした。
水飛沫が上がり、2人の大元帥を濡らす。
「えっと、大丈夫……ですか?」
「君がいなければ危なかっただろうね。ガイア帝国大元帥としてお礼を言おう」
「礼を言いますよ。シア帝国大元帥としてね」
「……ほぼ、壊滅してるから帝国名乗る必要はないのでは? 警察に捕まったら大人しく事情聴取受けてくだいさね……え、えっと、それじゃ」
さて、モエの方もスタードラゴを捕獲できたみたいだし。一件落着だな。空は金色ではなく、青い空に白い雲、太陽が浮かんでいる。
『今回はそんなに暴れなかったのね』
「まぁ、いいでしょ。主人公に譲ってもね。俺は一応、歴代最弱ライバル枠ではあるし」
『そんなのあって無いようなもんでしょ』
魔ノ国はやっぱり、軍事兵器とか持ってるんだろうし。こっちも戦力鍛えておかないとな。
『現時点でどうやったら、アンタが負けるのよ』
念には念を入れるべきだろうし。ディザスターとか、ちゃんと整備しておきたい。そもそも機械とエレモンの融合。エレモン兵器、普通に生きられるのか、どう接するべきだろうかね。