【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する 作:流石ユユシタ
わたくしの人生はとんでもない変化をしてしまった。
僅か1日にて、今までとはまる別物に。
星を作るほどの巨大な龍と戦い、それを制した。あの時はゾーンに入っていた気がする。
エレモンも全て調子が良かった。まるで世界の中心が自分であるかのように錯覚をするほどに。
スタードラゴ、それすらも対面した瞬間に……勝てるという確信があったほどだ。
『グレンの娘、モエ。スタードラゴを捕獲する!!』
『新たなる世界の神!?』
『星すらも創造出来る力を子供に預けていいのか? 人に余る力では』
ネットではそんな話ばかりで盛り上がっている。伝説、伝承、空想と言われている力をわたくしは手に入れてしまった。
その代償は計り知れない。
ラゴラゴンの時も凄まじかったが、スタードラゴはその比じゃない。どこ行くにしても、報道陣が付き纏う。
知らない人からのDMが鳴り止まない。
お父様とお母様も今絶賛報道陣に追われているようだ。チカですら、最近はやたら質問攻めが多いようだ。
『アムダ君とどこまで行きました!?』
『ライバルはやはり、ラリラ博士ですか!?』
『ライバル多いですよね!』
あぁ、あんまりわたくしは関係ないようで安心した。しかしそれにしても、あまりに有名になってしまっている。
今はビジネスホテルにいるが……
「……外には報道陣がいますわね」
一体どこから来たのだろうか。わたくしは……まぁ、どっかの誰かが見かけて情報を教えてしまったのだろうけども。
「無人島も無理ですし」
お父様から無人島をいただいている。しかし、そこだって報道陣がマークをしているだろう。
まさか……ここまでされるともう、ゴッドリーグとか言ってる場合じゃない。頭が痛くなってしまっている。
お父様の人気より、一時的ではあるがわたくしの方に興味が勝ってしまっている。スタードラゴの存在がこれほどとは。
星を作る……それは言い換えれば星を壊すほどのことだってできるはずだ。作るより壊す方が簡単なはずだし。
それに対して危機感を持っている人々が多いことはおおかた想像がつく。管理協会から、手放すようにという連絡が来るレベルだ。
「署名も集まっているようですし」
だからと言って、これを他に預ける人、預けられる人がいるわけない。管理協会はお父様がきな臭いと言っていたし。
「わたくしがずっと持っているしか道がないですわ。かと言って、ずっと報道陣は面倒ですわ」
このままだとメンタル的にキツくなってしまいますわ。どうすれば、良いだろうか。
──そういえば、貴方がいましたわね
「報道陣を躱わす大先輩が居ましたわね」
わたくしは、とある人に連絡をした
◾️◾️
第一部ゲーム完。
と評するのが正解なのだろうか。まぁ、一応世界の危機的なのがさったわけだしさ。
エレメンタルモンスターズ・パラダイスは毎度のことだが世界を巻き込むイベントが多い。俺はストーリー性は嫌いじゃないが、どっちかと言うと育成部分が好きだった。
主人公がLランクを捕獲するのは毎度のお約束だ。主人公が管理しないと、別の誰かが持つ可能性があるって言うのが問題になるらしい。
ゲーム設定だと別の誰かが持つと世界の危機になるらしい。
だが、今のニュースを見ていると捕獲して世界平和ってわけでもないらしい。ニュースとかでモエが大きく取り上げられているとそう感じる。
『そりゃ、世界を壊すくらいの力を子供が持ったら大騒ぎになるわね。しかも、地ノ国の中でもダントツの伝承だし』
まぁ、当然現実となればこうなるだろうな。世界破壊爆弾を子供が持っているとなれば大騒ぎにもなるだろう。
いや、俺の時とは少し違うか。
どんな人間が持っていてもスタードラゴはやばいな。伝承とかの規模が他とは違いすぎる。
『助けてあげるの?』
「……うん。ちょうど、助けを求める連絡が来たし……まぁ、放置はできない」
もう関わってるしな。メンタルが病まれて、とんでもない行動とかされても嫌だしな、
──てなわけで、連絡して。待ち合わせして……
「来てくれて、ありがとう」
「……うん」
少し、疲れた表情をしている。
「痩せた気が」
「ふふ、ダイエットしてましたから」
「冗談、と思った方が」
「いいですわね」
世界の誰もこの島を知らない。1人だけ直接来た化け物みたいなのがいるが、それはそれで無視しておけば良い。
あんなのはバグみたいな不具合と同じだ。
「暫くゆっくりしてくといい」
「そうですわね。ありがとうございます」
「父親と母親も呼んでいい。この島は誰も知らない」
「……そうですか。ありがとうございます」
大分疲れているみたいだし、森の中でも歩かせてあげよう。植物系エレモンの棲家としてずっと作っていた。
完璧ではないけど、森みたいになっている。
だから、歩かせるのも悪くないだろう。
◾️◾️
「不思議ですわ。島にこんな森があるなんて」
わたくしはアムダ君に呼ばれた島、そこに存在している森を歩いていた。隣には奥マル……をあえて退化させた武者マルが歩いている。
なんだか、唐突に武者マルと歩いてみたくなったから。初めて旅をして、思えばここまで来てしまった。
どれほど、自分が成長をしたのかをみてみたくなった、実感をしてみたくなったのかもしれない。
「ここは……不思議な場所ですわね。人が通れるように整備されている……彼は誰もこの場所は知らないと言う」
知らないと言うのは昔はなかったと言えるかもしれない。最近存在が形になった。彼の動画を見ていると他にもエレモンを保有している。
そのエレモンに手伝ってもらい、この森は出来たのだろうか。
見渡すと……いろんなエレモンがいる。
「……しかも、全部強いですわね」
旅をして戦ってきてわかった。ある程度の強さ、どれほど強いのか。勝てるのだろうか。
スタードラゴの時は、勝てると思ったように。
しかし、今この森のエレモン……全てに勝てる気がしない。ここではきっと、わたくしの強さなど、石みたいなものなのだろう。
「むしゃ?」
「……ここはすごいですわね」
只管に歩き続けて、川を見つけた。清流のように綺麗な水を飲んだ。
「んんっ! この水、凄く美味しい……」
「むしゃー!」
この森……なんだか、本当に不思議な場所。神秘的な雰囲気で、異様な活力があるような気がする。
水を飲むだけで元気が出てくる。
「セナ……」
「……エレモン?」
ふと、誰かの視線を感じた。振り返ると、まるで……白いプリンセスのようなエレモンがいた。
真っ白で人に近いフォルム、紫の瞳、頭には花冠をかぶっている。人のように二足歩行だけど、エレモンであると一発でわかった。
「……」
ジッと、こちらを値踏みするかのように視線を向けている。目が合った瞬間に看破した、あれはスタードラゴよりも強い。
そして、この森の最大の原動力はあれだ
わたくしは伝承とか伝説について詳しくはないけど、あれはLランク相当の力を持っているとわかる。
一度、瞬きをするとそのエレモンは消えてしまった。
そのエレモンがいた場所には、花で作られた冠が置かれている。しかも二つ……
「プレゼントってことなのでしょうか? わたくしと武者マルの」
「むしゃ!」
試しに被ってみた。折角だし、写真を撮って……お父様とお母様に送っておこう。心配しているだろうし。
「……なんだか、ここにずっと居たい気がしますわ」