【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する 作:流石ユユシタ
「なんか、元気でましたわ。ありがとう。アムダ君」
ふむ、モエは大分気分が良くなっていたようだ。顔色が明るくなっているし、声も弾んでいる。
「ここは不思議な場所ですわね。本当に……エレモンのレベルが相当高いのではないでしょうか?」
「まぁね」
これでもレベルダウンしてるんだけどね。クイーンが言っていたように全てではないが一部はレベルがダウンしている。
卵に戻ってしまったエレモンすらも、それらを元の水準まで引き上げるのも俺のやるべきことなのだ。
「……アムダ君、以前ここに両親を呼んでも良いと仰ってくれましたね?」
「うん」
「……本当に呼んでもいいですか?」
「どうぞ」
「チカも?」
「うんまぁ」
そう言うと彼女はエレフォンを弄り出した。まぁ、ほとぼりが冷めるまでは呼んでもいいだろう。
永住権などはないけどもね。
『アンタも少し変わったわね。昔なら絶対に呼ばなかったでしょ。呼びたくなかったでしょ』
確かに昔なら絶対に呼びたくはなかった。しかし、最近考えが少し変わったのかもしれない。少しくらいは手を貸しては良いんじゃないかと思えるくらいにはだけど。
人は必要かもしれない。今後必要になるかもしれない。今のうちに慣れておいた方がいいかもしれん。
ディザスターの整備もだけど、単純に人手が必要な気がする。ラリラ博士もそうだが、医者的な知識を持っている人が居てくれたら……俺も勉強が必要ではあるけど。
「お父様とお母様、チカを呼びましたわ」
──グレン、父である彼をその娘のモエが超えた
そう世間では言われているが、実際はどうなんだろう。ゲームだとスタードラゴを捕獲してエンディング。しかし、グレンの本気と戦えるのはクリア後。
裏ボスほどじゃないから、レベル65平均くらい。裏ボスだと70使ってくる。確かに、スタードラゴとか使えば勝てるかもしれない
しかし、間違いなくグレンは強い。
まだまだ、伸び代があるんじゃないかとは思う。まぁ、当たり前だけど俺達には勝てないだろうけども。
「あらー、すごい島ねぇー」
「……ここは」
「アムダ君久しぶり!!」
モエの母ホムラ、父グレン、友達チカがこの島を訪れた。前にチカはここにきたことがあっただろうけど、グレン夫妻は初めてだ。
ホムラも驚いているが、何よりもグレンが震えている。
「ここは……なんて言う濃い気配だ」
冷や汗を流しつつ、あたり一面を見渡し続けている。ふ、流石はグレン、ここに対してここまでビビるとは見る目があるぜ。
「ここで……過ごして良いのか?」
「はい。少しですけど」
「……このエレモンはお前のなのか」
「はい。バーサスしたいならどうぞ。ただ、森の中で火系のスキルとかはやめてください」
そう言うとグレンは嬉しそうな顔をしながら1人で歩き始めた。ゴッドリーグテイマーの血が騒ぐのだろうか、
「あらあら、あの人ったら」
「アムダ君、お父様が申し訳ありません」
謝る必要はない。未知の場所に来てワクワクしているのだろう。まぁ、グレンじゃどうにもならないほどのエレモンが沢山いるだろうしね。ここは楽しいだろう、ただこれは貸しにしておくよ。
あの時、助けた恩があるよね? と言うスタンスで恩を売る。
「アムダ君、ここは本当にすごいね。なんだか空気が美味しいぜ! それとモエ、スタードラゴ捕獲はやばすぎでしょ!!」
「運が良かっただけですわ」
モエはわずかながら笑って見せたが、確かにすごいことであろう。あれだけ世間が騒いでいるのだからな、俺なんて二体持っているが、絶対に外には出さないと固く誓った。
一体であそこまで騒がられるのだから、二体出したらそれはもうやばいだろう。
やはり、モエに世界をまかして良かった。まぁ、ちょっと任せ過ぎてしまったかなと思ったからこうやって助けたんだけども。
まぁ、この四人は暫く置いておいてもいいだろうさ。さて、次にやるべきはなんだろうか。
ファランの生まれ変わりにでも話をしに行くべきだろうか。ジーググラモンを会わせるって約束したからな。
◾️
「お、お父様?」
夜、辺りが暗くなった頃わたくしはテントの中で気絶をしているお父様を見つけた。アムダ君がわたくし達のために用意してくれたテント。
「あぁ、モエか」
「どうしましたの? ぼろぼろですが」
「……負けた。エレモンに」
「そ、そうでしたの」
「ここのエレモンはすべて強いな。今までとは格が違う存在しかいない。しかも、ランクが高いのは平気で存在している。ランクが低くても狡猾でステータスが強いのもいる」
こんな傷だらけのお父様は初めてみた。しかし同時にこんな楽しそうなお父様も初めてみた。
「特に強かったのはあのエレモンだった」
「なんですの?」
「……龍人、雷を纏っていた。圧倒的な速さと攻撃力でこちらを蹴散らしてきた。しかも、少し戦った後、戦う価値がないかの如く、ため息を吐いてな」
「……そんなエレモンが」
「和ノ国に伝わる、戦いの申し子かもしれんな」
わたくしも見たことのないエレモンと今日は邂逅した。あの森にいたプリンセスのような、圧倒的な存在感を放つのは何者なのだろう。
「ここは摩訶不思議だ。少し先には雪が降っている、吹雪が降っている。火山のような場所、清流のような川。全く違う生態系のエレモンが協力をし、共存をしている」
「……アムダ君が作った島ですわよね」
「人の身でこんな場所が作れるとはな。恐らくだが……この島は最近できたのではないか?」
「そうであるとわたくしも思いますわ」
最近でなければ理解できない。このとんでもない島を誰も知らない理由は昔はなかったからだ。
それにアムダ君がエレフォンを持ち始めたのは最近だろうし
「島を作るか……まるでテラゴラムのようなことができる存在がこの島にはいるのかもな」
「……アムダ君ならいてもおかしくはないかと。わたくしがスタードラゴを持っていても、それくらいは気にしてないようなそぶりでしたし」
「かもしれんな。スタードラゴぐらいでは驚かんか」
お父様は笑いながら再び、テントの中で横になった。そのタイミングでお母様がテントに入ってくる
「あらら、仲良くお話中ねー」
お母様の手には果物が握られていた。デカイチゴが三つほどだ
「これはさっきファームモンがくれたのよ。この島のエレモンは親切ねー」
「違うな。主人の言うことを聞いているだけだ。俺達が敵だったら速攻で攻撃してきている」
「あらら、それでも親切なことには変わりないじゃない。主人が親切だからエレモンもそうなのでしょうー?」
「忠誠心が高いだけだろう」
「ふふ、そうかもね。はい、2人ともデカイチゴ。すごーく美味しいから。これエレネットで高値で転売されていたやつかしら? 食べてみたかったのよ」
確かに以前話題になっていたデカイチゴなのかもしれない。アムダ君の製造場所は謎だったけど、ここだったのか。
「ふむ……なるほど、これは……これは旨いなッ。クク、この島は謎しかないな」
お父様がずっと笑っている。子供みたいだ。さて、わたくしも一口食べてみよう
「いや、めっちゃウメェ! ですわ!!!」
この島マジでやばすぎですわね