【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する   作:流石ユユシタ

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第77話 最強

 私の前には能面を被った男が立っていた。その少年の前には私と同じエレモンが佇んでいる。

 

 

「──勝負しませんか?」

 

 

 

 その私の一言から始まった。少年、その隣にはそれよりも小さな女の子が手を繋いでる。しかし、注目をするべきは少年だった。

 

 

 

 私の勝負宣言に彼は少し悩むそぶりを見せたがあっさりと承諾をした。

 

 

 

 ─広場に集まった若いテイマーたちが見守る中、私と彼のボルガンが正面から睨み合っていた。双方のエレモンからは雷の気配が漂い、空気がピリついている。

 

「ボルガン、行きなさい」

 

私が静かに指示を出すと、ボルガンは鋭い稲妻を纏いながら前進した。その動きは滑らかで、一切の無駄がない。周囲のテイマーたちはその威容に感嘆の声を漏らしたのです。

 

 

 

「やっぱりヤヨイさんのボルガンは凄いな……圧倒的だ。」

「これじゃ能面テイマーのボルガンなんて相手にならないんじゃないか?」

 

そんな声があちこちから聞こえる中、彼は静かに微笑んでいた。

 

「左2、【1番】」

 

その言葉と共に、彼のボルガンが動き出した。その瞬間、地面が震え、雷が空間を裂くように走る。

 

 

私のボルガンが攻撃を当てるよりも一瞬早く、彼のボルガンが「雷刃」の構えを取った。

 

 

 

「速い……!」

 

 私のボルガンも同じスキルを繰り出そうとしたが、彼のボルガンはすでに間合いを詰めていた。

 

「ボルッ!」

「──ぼ、る!?」

 

彼のボルガンの鋭い一閃が私のボルガンを襲う。雷を纏った牙が光のように閃き、私のボルガンは間一髪でその攻撃を受け止めた。しかし、その勢いに押され、後ろに大きく吹き飛ばされる。

 

「何ですか、この力……! 同じランクAのはずなのに……!」

 

私は驚愕の声を漏らしてしまった。しかし、私も天才、すぐさま冷静さを取り戻す。

 

ここまでの状況を推理するに、彼はアクティブスキル名を言わずに、別種の単語や記号にて指示を出している。

 

しかも、それを理解しているエレモンの知能の高さ。更に言えば、指示が私の声に重なるような形で出されていた。私のボルガンはそれによって、動き出しを迷い、回避すらできなかった。

 

 

先ほどエレフォンで彼のボルガンのステータスを確認したのですが、同程度であったはずなのですがね……。明らかに彼のボルガンの方が速さでも上を言っていたような気がします。

 

違いますね。気がするのではなく、確定していると言った方がいいでしょう。

 

 

何がどう言うことになっているか……。いえ、まだこの勝負は終わっていない

 

 

 

 

「嘘だろ……ヤヨイさんのボルガンが押されてる?」

「どうなってるんだよ! あいつのボルガン、何かおかしいぞ!」

 

彼はそんな周囲のざわめきを無視して静かに立っていた。その目は冷静に戦況を見極めている。

 

「【1番】」

 

 

 

畳みかけますねッ! 面白じゃないですか!!

 

 

 

 

「左1」

 

 

 

貴方の指示の仕方は面白いです。だからこそ、私も使わせてもらいます。先程の指示を見ている限り、左1で【左に1メートル移動】と言う意味なのは把握しました。

 

 

彼にできたのですから、全ての才能を持つ私が出来ないはずがないのです……あれ?

 

 

 

「ん?」

 

 

 

 彼のきょとんとした声が聞こえた。気づくと彼のボルガンによって、私のボルガンが吹き飛ばされていました。

 

 

 

「……え?」

 

 

 

 

 私も思わず、変な声が出てしまいました。そして、彼が状況を見て一言つぶやきます。

 

 

 

「あ、俺達の真似をしたのか……いや、流石にそれは無理ですよ。もうちょっと、初歩から、基本を積み重ねた方がいいですよ」

 

 

 

 

 ──ぶち

 

 

 

 

 一瞬、イラッとしましたが……落ち着きましょう。なるほど……彼の指示はすぐに習得できるはずのない高度な技術であったのですか。

 

 

 

 まさか、全ての才能を持つ私でも真似ができないとは……

 

 

 

 

「……なるほど、ここまでとは……」

 

 

 

 

 色々と考えたいですが、先にボルガンを回復をしないといけません。戦闘不能状態になるまで頑張ってくれたわけですから。

 

 

 医者の才能もある私は回復させるのも簡単にできます。普通の薬を効果的に使い、治療もできます。

 

 

 

「……ぼる」

「悪くはなかったですよ」

 

 

 

 起きたボルガンに対して私は言葉を発した。

 

 

 

「まぁ、今は休みといいでしょう。エレフォンに帰ってください」

「……ぼる」

 

 

 

 

 私は自身のボルガンをエレフォンに格納した。完全回復はさせていないが、エレフォンに入れていたらここから先の回復は問題ないでしょう。

 

 

 

 

 

「……なるほど、私が負けますか。ふふふ、面白い」

 

 

 

 

 えぇ、非常に面白いですね。興味が湧きました。まだまだ発展途上とはいえ。天才である私を下したのですから。

 

 

 

「え? なんで笑ってるんです?」

 

 

 

 

 彼は思わず私に聞いてきました。

 

 

 

 

「ふふふ、面白いからです。まさか、私を下すとは」

「笑ってる場合じゃないと思います。エレモンが負けたんだから、もっと熱くなって今すぐにでも改善点をエレフォンのメモ帳とか、紙の用紙に書くとかするべきですよね?」

「……あ、はい」

「もっとこう、ちゃんとした方がいいですよ。あのね、いきなり上級者である俺達の真似するとかね無理なんだから。まだまだ初歩なんですから、基礎からしっかりやっていきましょう」

 

 

 

 

 あれ、なんで私説教をされているんですか……

 

 

 

 

 

「随分とアドバイスをしてくれるのですね。しかし、次は私が勝ちます。貴方のことはだいぶわかりました。そして把握をしました。これは勝利への布石です」

「負けてる時点で何言っても恥ずかしいだけですよ。もっと、全力を出した方がいいかと。自分のエレモンが戦ってくれてるわけだし」

「そうですね、彼女にも感謝はしています。次は勝ちます」

「それは無理です。俺達には。もっと低い目標からコツコツやっていきましょう。無駄に自分のエレモンを負けさせて、負け癖とかつくとダメですから」

 

 

 

 

 

 

 ……言い返したいですね。弁論の才能も持っていますが、この状況では何を言っても戯言になるでしょう。

 

 

 才能があると言っても、弁論とかはあくまでも自分のレスバの勝率を最高クラスに高めるイメージです。そもそも勝ち目がない場合は大人しくしているしかありません。

 

 

 

 

「……まぁ、気をつけます」

「はい。初歩からやっていきましょう。エレモンを大事に! 俺も大事にしますから! 互いに大事に!」

「……そうですね。はい……」

 

 

 

 説教とか初めてされましたよ……。くっ、若干屈辱的ではないですか。でも正しいから何も反論できないじゃないですか。

 

 

 

 

「それじゃ」

「あの名前はなんですか」

「ライオンフィッシュ竹中です」

「クソ偽名使ってますね」

「クソって言うな」

 

 

 

 

 まぁ、偽名とかどうでもいいですが……しかし、これは面白い余興ができました。私が油断をしていたとはいえ、この私を一度下した。評価に値します。

 

 

 

「ぼる」

 

 

 

 彼に対しての評価を出していると、私のエレフォンから、ボルガンが飛び出した。

 

 

 

「次は勝てます」

「ぼる」

 

 

 

 私にはエレモンの考えていることがわかる才能がある。ボルガンはなんともいえない顔をしている。

 

 

『彼に挑むのはもうやめた方がいいんじゃ……』

 

 

 そう言っているのでしょう。

 

 

 

 

「勝ちます。絶対勝ちます。負けっぱなしでは終わりません」

『えっと、あれやばい感じがする』

「なーに、勝てばいいんですよ。勝てば」

 

 

 

 

 

 そう、勝てばいいんですよ。勝てばね……別にエレモンバーサスだけではなく、ボードゲームでもなんでもいいんですよ。

 

 

 

「私に黒星をつけた唯一の相手……必ず、白星にしなくては気が済まないのですよ」

 

 

 

 ライオンフィッシュ竹中、どう考えても偽名ですが……まぁ、ライオンさんとでも呼んでおきましょう。

 

 

 

 ふふふ、次に戦う時が楽しみですね。その時が貴方の敗北の時です。次はトランプで対決しましょう。

 

 

 

『エレモンバーサスで勝つのが無理って悟ったんだ』

 

 

 

 

 黙れ!!!!! 

 

 




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