【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する   作:流石ユユシタ

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第81話 野宿

「見てました。見事な勝利でしたね。まぁ、既に私はコードを獲得してますが」

 

 

 俺は無事にエレメンタルコードを獲得することができた。思えばこの世界で初めてコードを獲得した記念すべき日だ。

 

 

『素晴らしいわ。新たなるコードを王が手にしたのだから、歓迎するわ!』

 

 

 

 ぱちぱちとクイーンは隣で手を叩いている。どうやら祝福をしてくれているらしい。いやー嬉しいね。

 

 

 やはりクイーンはちょっとツンとしているが、ちゃんとデレもある。ツンデレ的なところが可愛いのだ。

 

 

 

『ふふふ、そうでしょうとも』

 

 

 

 

 さて、そろそろ帰るか。島でやらなくてはならないことが沢山あるしな。次はコード二つ目を確保しに行かないといけないが……

 

 

 

 

「無視とはいい度胸ですね」

「あ、文なし天才」

「おいこら」

「大丈夫。飯は用意してる、エレモンだけど」

「私も用意お願いしますね」

 

 

 

 まぁ、主人公だしね。一応、男版は俺も操ってたし、思い入れが微量ながらにある。

 

 

 1番はエレモンもテイマーが元気ないと元気なくなってしまうからね。彼女のボルガンが心配だからだけど。

 

 

 

「それじゃ、こっち来て」

「はい」

「転移するよ」

「……転移持ちでしたか」

 

 

 

 

 島に入れるかどうかは迷うけど、エレモンをその変に野宿させるのも嫌だしね。かと言って適当な飲食店に入るのも嫌だ。

 

 

沢山人がいるからである。

 

 

 

 

 

「じゃ。転移で。一晩泊まったら帰ってね」

「はい」

 

 

 

 

 意外と素直である。基本的には面倒臭いやつではあるけども……まぁ、島のことを言いふらすようなタイプでもないだろう。

 

 

 

 

 

 

──そして、転移にて島に移動した。

 

 

 

 

 

 

 

◾️◾️

 

 

 

 

 

 

私が転移でたどり着いた場所は異様だった。島なのに視線の先には森が見えて、空には黒く見たことのない龍が飛んでいた。

 

 

空気は澄んでいて、風は信じられないほど心地がいい。太陽は美しく輝いている。

 

 

 

「ここは……?」

「まぁ、俺の島だね」

「……」

 

 

 

 私も島は持っている。

 

 

 私の才能に恐れを抱いた両親は、無人島に私を置こうとしたらしい。私は全ての才能を持っているからこそ、どこに置いてきても帰ってきてしまうから。

 

 

 絶対に帰ってこれない無人島に置こうとしたらしい。

 

 

 

 

 

「こんな島、地図では見たことありませんね」

「あ、そうなんだ」

 

 

 

 思わず、天才である私は冷や汗をかいてしまいました。まさか、天才である私が冷や汗をかくだなんて。

 

 

 それほどまでに、この島は何かがおかしい。

 

 

 姿は一切見えないのに、こちらを()()()()()()()。単体ではない、複数……これで冷や汗をかくななんて無理でしょう。

 

 いや、これは凡人には気づかない程度の気配。私は天才であるが故に、視線などはすぐに元を辿れます。

 

 

 しかし、この視線は……場所がわからない。

 

 

 それは天才である私にとっては大きくストレスなのです。全てが自分より下であり、上がない私にとって謎の視線は恐怖……いえ、恐怖ではありません。少しワクワクしているだけでしょう。

 

 

 

 

 

「あの、ここ大丈夫ですか? どう考えても普通の島ではないですが」

「まぁ、大丈夫」

「……まぁ大丈夫ですか……」

「びびってる?」

「は? 天才である私が? びびってる? 私が? ビビるわけがないでしょう」

 

 

 

 

 それならよかった! と彼は島を進んでいく。太陽が相変わらず眩しい……ちょっと待て、先程まで夕方、なんだったら日は沈みかけていたはずなのに。

 

 

 

 なぜ、太陽が出ている?

 

 

 

 

 そして、彼はそれに対して疑問を持っていないように見えるのですが、原因を知っているのでしょうか? それともバカなだけですか?

 

 

 

 ある程度歩いていると、テントが見えてきました。

 

 

 

「ここ、寝床ね」

「一緒に寝る感じですか?」

「いや、普段は俺使ってるけど、使っていいよ」

「ふふふ、可愛い私に優しくしたくなってしまったのですね」

「いや、ボルガンだけね、ヤヨイはあっちのヤシの木の下で」

「おい」

 

 

 

 

 彼は適当に私を流すと、手をパンと叩いた。そうするとエビシェフマンと言う料理を作るのが得意なエレモンがやってきた。

 

 

 

「夕食作ってくれてるんだ。そこの休憩所で食べよう」

 

 

 

 エビシェフマン、捕獲していたのですね。ボルガンしかまだ見ていないですから、他にスタメンがいたとしても不思議ではありません。

 

 

 

 木によって作られた椅子と机、日差しよけに屋根もついている。そこに、エビシェフマンがカツサンドを持ってきました。

 

 

 あら。美味しそうですね。天才である私が作った方が美味しいでしょうけど

 

 

「食べていいよ」

「また、ボルガンだけと?」

「いや。食っていいよ。テイマーが元気ないとエレモンも心配でしょ」

「あくまでエレモン基準なんですね」

 

 

 

 

 ボルガンもエレフォンから放出し、カツサンドを食べてさせてあげました。

 

「ぼる!」

 

 

 私のボルガンは信じられないことを言いました。なんと、私が以前作ったことのあるカツサンドよりも美味しいと……

 

 

 

「はい? 私が作ったのより美味しいと言いましたか? ありえないですよ。全ての才能がある私より美味しいだなんて。料理の才能もあるんです」

「エレモンの話すことわかる才能羨ましい」

「え? あ、ど、どうも」

 

 

 

 急に羨ましがられたりすると、なんかもどかしいじゃないですか。いけないいけない。今は私の料理の才能よりも上をいくと言う、信じられない事態について考えなければ。

 

 

 

「大袈裟なんですよ、私が作るより美味しいだなんて……もぐもぐ……」

「美味しいでしょ」

「……いやまぁ、引き分けですねこれは。うん、引き分けかな」

「ヤヨイの引き分けは負け宣言と同じ」

「違いますよ。勝手に解釈しないでくださいね」

 

 

 

 まぁ、引き分けですね。これは……いや、もうちょっと食べてみないと勝敗は分かりませんね。もう一回食べたら私の方が美味しいとはっきりわかるかもしれません。

 

 

 

「もぐもぐ……やはり、引き分けですね」

「あっそう」

「もぐもぐ……美味しい。あ、違った、引き分けですねこれは」

「指にマスタードついてる」

「あら、ぺろ……しませんよ。指についたマスタードぺろぺろなんて食事を美しく食べる才能がある私がするはずありません」

 

 

 

 くっ、あまりに美味しいマスタードソースだったのでつい舐めそうに……危ない天才である私の威厳が消えるところでした。

 

 

 

 私が食べている前で彼はエレフォンを横にして何やら動画を見ているようでした。隣には相変わらず能面を被った妹が居て、ずっとハグしている。

 

 

 これはあれですか。ブラコンというやつですか。

 

 

 

 

『臨時ニュースです。暗影連(あんえいれん)と名乗る集団がテロ行為を予告。緑川(りょくかわ)の町に警察などが集結しております。テロ行為は明後日の──』

 

 

 

 

 

 彼の見ているエレフォンから音が聞こえてきました。どうやら、物騒な世の中のようですね。そういえば地ノ国では星の龍がよみがえり、この星そのものが危機に晒されたとかなんとか……

 

 

 

 

 

「物騒ですね」

「そうだね」

「いくのですか? その場所に」

「うん」

「即答ですか。貴方が行くなら私も行きますよ」

 

 

 

 

 天才である私の実力を彼に教えてあげましょう。

 

 

 

 

「おかえりなさ……何してますの? てかこの女誰ですの?」

「あ、モエ」

 

 

 

 

 彼の後ろから現れた女。私はそれを知っています。そう、一時期テレビで見ない日はなかったテイマー。

 

 

 今や、世界の伝説とすら評される……

 

 

 

──モエ

 

 

 

 

 それが、彼の後ろで目を鋭くさせていた。と言うかこっちをめっちゃ睨んでいるのですが……

 

 

 あれですか。修羅場ですか。私は修羅場に巻き込まれているのですか?

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