【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する 作:流石ユユシタ
「そちらの方は?」
「……知り合いかな」
「それならよかったです」
おお、なんだか修羅場にならなくてよかったぁ。ヤヨイ連れてきて、一緒にいるところがバレたら、モエに嫌な顔されたりするかと思っていた。
「初めまして。モエさん、ヤヨイと申します」
「わたくしを知っているのですね」
「勿論です。あの、黄金の星龍を捕獲したテイマーですからね」
へぇ、ヤヨイがニコニコして話しかけているとは珍しい。いや、俺以外には基本的にあんな話し方なのだろうか。
内心どう思っているのか気になるが。
『強いのは間違いないけど1年で越せるって思ってるわね』
前から思っているがクイーンがチートすぎるな。流石だよ。これはこの島の姫で間違いないね
『ふふふ』
クイーンがほくそ笑んでいるのはさておいて、モエとヤヨイ。二人ともゲームにおける主人公だ。前作主人公と今作主人公ってことになるだろうけども。
基本的に主人公同士はゲームでは絶対に相対することはない。絶対に行方不明みたいに主人公はなるからね。
これが初めての邂逅か。
「モエさん、私見てみたいんです。黄金の星龍を」
「……まぁ、構いませんわ」
「それと、なぜここに?」
「それはこちらの方……ん? あぁ、ライオンくんと一緒に住んでるからですわ」
『モエがアンタの名前いいそうだったから、ライオンって名前にしておいてと言っておいたわ』
クイーンのフォローが毎回、神がかり的なんだよね。
「一緒に住んでるんですね……同棲ということですか?」
「そうとも言えますわね」
「地ノ国ナンバーワンテイマーとすら言われている貴方のパートナー、ですか。なるほど、そうでしたか」
二人が色々と話を進めているようだ。そして、モエは何事もないように俺の隣に座った。
「また女性を落としたのかと思いましたが、安心しましたわ」
「そんなことしない」
「わたくしという前例がありますし。それとチカも」
「あ、そうなんだ」
モエは若干、むっしていたがすぐさまいつも通りにもどおった。あんまり不機嫌んで人を動かすタイプではないし。
ヤヨイは今日は喧嘩腰ではないので助かる。これでいつもみたいにガンガン来られたら面倒だったかもしれない。
「それで、こちらの方はなぜ?」
モエがこちらに聞いてきた。
「彼女のエレモンが野宿しそうだったから」
「人間ではなく、エレモンが理由とは。貴方らしいですわね」
モエが半笑いになっている。エレモンを優先するのはいつものことだから、笑う必要性がないと思うけども。
◾️◾️
新たな伝説とも言われているテイマー。モエ。どの程度の存在かと思っていましたが……なるほど、これは確かに才能ありでしょう。
雰囲気がどことなく、天才である私に似てますからね。
天才である私に似ていると言うことは、才能がないわけがないのでしょう。
しかし、疑問なのはなぜ彼女がこの島にいるのかと言うことでしょうか。彼の島であると言ってますが、普通年頃の異性の住居に一緒になるってあり得るのでしょうか?
恋人関係……それにしても同居は早い気がしますが。
まだ11歳では? 彼もですが彼女も、11歳。この二人同期ということになるのでしょうか?
地ノ国ではなく、なぜ和ノ国に来たのでしょうか?
「まぁ、わたくしは恋愛的な意味合いで島に来ないのであればなんでも構いませんわ」
「あ、そう」
モエさんはどうやら、ライオンさんが好きなご様子。こんな意地悪な人のどこがいいのか。めっちゃ煽ってきますし。
「最近修羅場を流すパッシブスキルを覚えたようですわね」
「流石に」
会話が謎すぎますね。この二人、仲がいいのは確かでしょうけども。天才である私が空気のようになってしまっています。
普通に二人でいちゃついてるのが腹立ちますね。モエさんは積極的なようで、ライオンさんの太もも触ったり、肩に頭乗せたり。
イライラしますね。
いちゃつくのは勝手にどうぞ、と思いますが、天才である、世界の宝である私が目の前にいるのに無碍にするのはめちゃくちゃ腹立つのですが。
いちゃつく前に頭下げてくださいね
まぁ、ニコニコして不機嫌ではない感じを出しておきますがね。恋人いないやつの僻みとか思われても癪ですし。
恋人とか、天才には不要なんですよね。弱者はいつも馴れ合いますからね。
「次いつデート行きます?」
「島で一緒にいるじゃん」
「それでは、一緒に散歩しましょう。朝早く」
「なぜ早朝?」
「チカが起きられないからですわ」
くっ。天才である私が無視をされ続けるとは。まぁ、カツサンドのおかわりもあるみたいですし、ニコニコしながら食べ続けますかね。
──結局、その後も私は無視され、黄金龍を見せてもらう約束も忘れらており、屈辱の一夜となった。
振り返ると、お金を巻き上げるつもりが20万取られ、美味しいカツサンドをご馳走になり、目の前でいちゃつかれ、ふかふかのベッドで眠る1日、屈辱の1日となった。