殺人現場より、愛をこめて   作:トリスメギストス3世

72 / 122
072:制度崩壊

「霊火さん、クラスの皆に無事ですって連絡してあげなよ……。凄い心配してるよ……?」

 

「え、せっかく生死不明なんて都合のいい状態をキープできているのに? 池袋警察署で死んだと思われていた方が色々と安全なんだけれどな……」

 

「それじゃあ僕が連絡しておくね」

 

「ああもう分かった分かった怖い顔しないで。私からメッセージを送るから。それでいい?」

 

 割と呑気な観光中であった。

 京都暮らしだった時の霊火の部屋に二人で逃げ込んでから丸一日。

 殺人事件故に"お父さん"の葬式も後回しになり、暇な時間が生じていた。

 

 ゆっくりと睡眠と休息を取った緑谷と霊火は、古都の散策を始めていた。

 

 そして夏は暑くて冬は寒いでお馴染みの京都である。

 酷暑を避けるため早朝に家を出た霊火たちは電車に乗って移動する。

 

 そして降りた駅にはこうあった。

 

「宇治……? 抹茶とかで有名な所だっけ?」

 

「そうそう。抹茶はブランドイメージが独り歩きしている感はあるけれどね。後はほら、十円玉の平等院とかがある駅だよ」

 

「わわ、京都って凄いね!! どこに行っても有名なものばっかりだ!! ……それで霊火さんはどこに行こうとしてるの?」

 

「まあ鳳凰堂ほどじゃないけれど、それなりに有名なスポットではあるよ。私にとって思い出深い場所でもある」

 

 霊火は普段の黒いパーカー姿に控えめな私服で、緑谷も制服ではない普段着だ。

 有名人二人で顔を隠すことなく街中を堂々と歩いていても、周囲の人は誰も話しかけてこない。

 

 とはいえ、霊火たちが気が付かれていないという事ではない。

 若い女性たちが小声で何かを囁き合い、子供の手を引く母親が早足で通り過ぎる。全体的に避けられているという印象だ。

 

 あまり歓迎ムードとは言えない雰囲気に緑谷は不安そうに周囲を見回すが、社交性皆無の霊火はまったく気にしていなかった。

 

「……ねえ霊火さん、これ大丈夫かな。霊火さんのお父さんだってあんなことになっちゃったんだから、ここでいきなり攻撃されたりとかしたら……」

 

「私が叩き潰して終わりじゃない?」

 

「………それはそうだけどダメだからね?」

 

「それじゃあ出久くんが頑張ってね。私は知らん」

 

 焦げ茶のキャスケット帽を被った少女が手ぶり一つで不吉な燐光を漂わせて悪戯っぽく笑うと、少年の方も苦笑の気配を返してきた。

 

「……僕、霊火さんを誰かから守るより、霊火さんから誰かを守ることの方が多い気もするよ」

 

「ふうん? そりゃ私から目を離せないねえ?」

 

 目的地には最寄駅から歩いて10分も掛からない場所にある。

 そして霊火が路上で立ち止まると、少年が拍子抜けしたかのような声を出した。

 

「え、ここ? この橋に行きたかったの?」

 

「ま、地味だよね。そういう反応になると思ったよ」

 

 堀川にかかる一条通の橋は、平安遷都の時代から続く歴史的な場所だ。

 

 ……これでも古代から中世を経て京の境界として重要な役割を果たしてきた場所ではあるのだが、いかんせん目の前にあるのはアスファルトの車道に石の歩道と欄干。

 そして黄色い点字ブロックが目に眩しい、絵に描いたような生活道路だ。

 同じ京都の橋でも、木造でロケーション最高の渡月橋のような特別感は皆無。緑谷の反応も当然と言える。

 

「一条戻橋……出久くんは覚えているかな? 中学校の時、古典のテスト対策で”これ”の解説を貴方にしたことがあるよ」

 

「あ、ああ!! ()()()()()!! これか!!!!」

 

「よく覚えてたね。……まあこの橋は『死んだ人が生きて戻ってくる』とか『渡辺綱が美しい鬼に出会った』とか。まあ『橋姫』とは別枠の伝説も色々あって――」

 

 橋姫と言えば、緑谷に渡した『首輪』にインストールした人工知能へ霊火が与えた名前だ。

 その由来となった場所である。緑谷は市が設置した駒札に駆け寄ってそこに書かれた橋の由来を読みながら、先生モードの霊火にこう質問する。

 

「でも霊火さん、何でここが思い出深いの? 首輪のAIにまでここ由来の名前を付けてるし……」

 

「……ね、出久くん。何か私に隠し事してない?」

 

「え!?!?!?!???!?!?!? あ、その、えっと……!?????!?!??!?!?!? 何の話!?!?!??!?!?!?」

 

 面白いぐらい大きな反応が返ってきた。

 目が泳ぎ手は落ち着きなく空中を彷徨い、言葉を詰まらせる。

 分かりやすすぎる反応に霊火は思わず吹き出してしまう。

 

「ふふっ、まあいいよ。私の『橋姫』ちゃんと何を話してるのか知らないけれど、聞かなかった事にしてあげる。……その気になれば会話ログが取れちゃうから程々にね?」

 

「ごっ、ごごご!!!! ごめん霊火さん!!!! 大丈夫なんでも無いんだ!!!!」

 

「…………そんなに慌てる? もしかしてだけど……私の悪口大会でもしてた?」

 

 すぐに涙目になる霊火を見た緑谷の良心が崩壊しかける。

 ……実際の所緑谷が『レイ』と話した内容は、悪口大会どころでは無い爆弾だ。しかし幸いにして霊火は、細かいことまでは詮索しないつもりであるようだ。

 

 感情豊かな少女は、ちょっと震えちゃってる声で呟いた。

 

「……私って報われないなあ」

 

「霊火さんの悪口大会なんてしてないからね!!!! ね!!!!」

 

「…………………………じゃあ会話ログ見ていい?」

 

「ちょ、それはちょっと……困る……!!!!!!! あ!!!!!!! 悪口なんか言ってないんだけどね!?!?!??!?!?!?

 

「…………………………………………酷いよ。……いいもん。私だって性格が悪い自覚はあるし」

 

 弁明不可能な袋小路に追い詰められた緑谷はもう全力で謝るしかなかった。

 ……まさか最初から霊火の事を信じていないなんて話、言えるはずがない。

 思い返してみれば、つい二日前のあの頃と比べても今の霊火は、こちらにかなり大きなことを開示してくれてはいるのだが。

 

 余計な所で大ダメージをもらった霊火は震える声でこう続ける。

 

「まあ……こう丑の刻参りの元ネタだから『呪い』繋がりで縁があったりするんだけれど……私なんの話してたんだっけ……?」

 

「ごめんって霊火さん!!! 落ち着いて!?!?」

 

「あ、ああそうだ。そう、私って殻木球大の養子で血は繋がっていないんだけれど……まあ血の繋がった両親がね、この辺りに住んでいた……らしい?」

 

 わたわたと動いていた緑谷だが、霊火の話す内容の重大さに急停止した。

 一方で緑谷は妙な違和感に囚われる。だから素直に疑問点を口にした。

 

「『らしい』? なんか……霊火さんらしくないというか……調べられなかったの?」

 

「私を特定の王か何かと勘違いしてない? いや、私を置いて行った実の両親はもう死んでるのよ。……"お父さん"を亡くした今、ちょっとアンニュイな気分になっても仕方ないでしょう?」

 

「あ、ああ……そうかもね。……そっか、霊火さんもそんな事思ったりするんだ」

 

「出久くんの中の私のイメージについては一度じっくりと話し合う必要があるね」

 

 帽子の少女は不満そうに口を尖らせた。

 ……まさか本当の目的を言うわけにはいかない。

 

(……"元の少女"の家とお墓がこの辺りなんだよね。……花ぐらいは添えたかったけれど出久くんと一緒じゃ無理かな。そもそも墓石に『戻橋火燐』って書かれちゃってるから一発で特定される可能性があるし……)

 

 件の飛行機事故で戻橋家は3人揃って死んでいるため、勿論3人とも同じお墓だ。

 ……"元の少女"だけでなく両親分の遺体も見つかっていないため、お墓が空っぽなことには目を瞑ろう。というか『ドクター』に回収された遺体が悪趣味な使い方をされないと良いのだが……。

 

「……まあいいか。後は出久くんの行きたいところに付き合うよ」

 

「え、それじゃあこの看板に書かれてる橋姫神社って所に行ってみたいな」

 

「…………………………………………………………」

 

 そこは縁切りで有名な神社だから行きたくない。

 

 ―――――――――――

 

「そろそろダメかな」

 

「え、何の話?」

 

「治安の話……警察が完全に機能停止している事に悪党共が気が付き始めた」

 

 ちゃんと楽しんだ京都デートも夕方になり、カフェで一息。

 スマホを見た霊火は呆れ顔で、対面に座る緑谷へネットニュースの画像を見せる。

 

 緑谷が真っ青になった。

 

「銀行強盗銀行強盗爆破テロ強盗殺人殺人誘拐誘拐電車爆破テロ!?!?!? なんだコレ、全部今日起きたこと!?!?」

 

「出久くんには言ってなかったけれど、今の日本って警察が3割近く死亡か精神錯乱でリタイアしてるのよ。ぶっちゃけ110番をしたら警察が来るという当たり前のルールすら壊れた状態な訳。今の所はまだ大パニックになっていないけれど、明日には無法地帯になるよこれ」

 

「そんなサラッと言う!?!? え、何とかしないと!!!!」

 

「つい先日に"個性"無断利用で酷い目に遭ったのを忘れたの? 私たちにやれる事は何もないよ……って言いたいところだけれど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

 そう言う霊火は片目を吊り上げて肩を竦めると、緑谷に1つのスマホアプリを提示した。

 星型アイコンのそれを見て、緑谷がその名前を読み上げる。

 

「……『()()()()()()()』?  なんだコレ、見たこと無いアプリだ……」

 

「そりゃ15分前にリリースされたアプリだから知らなくて当然だよ。 だけどまあ、ちゃんと政府が公的に出したアプリな割にちょっと危険すぎるなこれ……。治安回復のためとはいえ劇薬過ぎるというか、()()()()()()()()()()()()()()()いし……」

 

「え? どういう物なのこれ」

 

「……ザックリ言うと『一般人が敵を捕まえられるようにするアプリ』。曰く、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。例えば今そこを走っているひったくり犯を捕まえたら20万円の賞金が出る。ま、賞金首と保安官の時代にまでステージが巻き戻ったって感じだね」

 

 ぱちりと、指を鳴らす音があった。

 屋外から豪快なクラッシュ音と悲鳴が聞こえてくる。

 

 霊火が緑谷に向けた画面には、20万円の表示があった。

 

「GPSに連動するタイプのコレクション系スマホゲームっぽいなこれ。そうすることで心の障壁を乗り越える設計なのかな?」

 

「…………………………え? それってヤバくない?」

 

「滅茶苦茶ヤバい。プロヒーロー制度はどこ行ったんだって話だし、訓練を受けていない運動不足の一般人が賞金につられて敵退治に出てくるなんて普通に怖すぎる。高額の懸賞金に目が眩んで絶対勝てない凶悪犯に自殺まがいの突撃をするパンピーが大量発生するに決まっているし、正義感に燃える素人がひったくりを勢い余って殺しちゃったみたいな事故も頻発しそうだし、そもそも私がちょっと考えただけで悪用のアイデアが山ほど思い浮かぶんだけれど……」

 

「……例えば?」

 

「いじめられっ子に万引きさせてそれを撮影して金儲け、嫌いな人の合成映像を作って犯罪者に仕立て上げる嫌がらせ、仲間内で軽犯罪と通報を繰り返して報奨金を稼ぐ詐欺、見た目や出身で狙い撃ちして通報する差別助長装置、わざと喧嘩を売って相手に手を出させて通報するコンテンツ化、治安の悪い場所にカメラを置いて犯罪映像で稼ぐビジネス、雇ってきたバイトに犯罪の演出代行をさせる闇バイト、子どもに小さな悪さをさせて親が「撮影者」で利益を得る捨て子報奨金スキーム、動画を上手くトリミングして正当防衛を“暴力”として演出する切り抜き編集、設置した財布等を通行人が手に取った瞬間を通報するターゲット誘導型、猫を蹴るか何かして止めに来た誰かを撮影する動物虐待通報トラップ、子どもが親を通報する家庭内通報バトル、固定カメラで犯罪が起こる瞬間を撮り続ける自動通報ビジネス――――」

 

「待って待って霊火さんなんでそんな悪用方法を思いつくの!?!?」

 

「逆だよ出久くん、こんなの誰でも思いつく。まず間違いなく今言った悪用の全てが今日中に発生するよ」

 

 数々の脆弱性を指摘しつつも、殻木霊火はこう続けた。

 あらゆる変化を自分にとってのプラスに変換する、霊火のポジティブな面が表に出る。

 

「ただ、このアプリのリリースで公共の場での”個性”使用が事実上解禁された以上、貴方は合法的に(ヴィラン)退治を出来るという事でもある。その”個性”を存分に生かして人助けをすれば、公的にその成果を認定されてお小遣い稼ぎまで出来るってわけ」

 

「あ」

 

「……いい表情。やる気は十分って感じだね」

 

 霊火から見ても、緑谷出久は十分に強くなった。

 そろそろその力を実践レベルで振るってみるべきだ。

 

「既に全国で問題は起きている。まあ本気で取り組むなら、今夜は眠れないだろうね?」

 

「……望むところだよ霊火さん。皆が安心して暮らせる社会を取り戻して、こんなバカげたシステムを終わらせよう」

 

 それを聞いたスマホを指先で弄ぶ少女は好戦的に笑って、あっさりと言う。

 

「キツネ狩りを始めましょう」

 

――――――――――

 

# 緊急事態宣言:治安維持システムの抜本的改革について

 

各法執行機関及びヒーロー事務所 各位

 

報告番号:PK-20250515-001

発信元:内閣府特命担当室

分類:緊急通達

 

 本邦における近時の複合災害により、従来の治安維持体制は重大な機能不全に陥っている。

 特に法執行機関への壊滅的打撃により、既存の警察・ヒーローシステムによる犯罪抑止は事実上困難な状況に至った。

 

 この状況を鑑み、本部は以下の緊急措置を講ずるものとする

 

## 1. 民間協力体制の確立

 

 即時導入する協力窓口アプリケーション『ピースキーパー』を介し、治安維持活動における民間リソースの効率的な活用を図る。

 各機関においては本事態の重大性を鑑み、以下の指針に従い業務を遂行されたい。

 

1. 法執行機関及びプロヒーロー各位におかれては、本来の職務権限及び責任範囲を十分認識した上で、今般導入される民間協力体制との適切な連携を図られたい。

2. フリーランス人材との協働に際しては、指揮命令系統の明確化及び情報共有体制の確立を徹底されたい。

3. 各自の専門性及び権限を最大限活用しつつ、相互補完的な治安維持体制の構築に努められたい。

 

## 2. 報償システムの運用開始

 

・対象制圧完遂時:報償金満額支給

・情報提供時:貢献度に応じた按分支給

・複数対応時:アルゴリズムによる自動按分

※全支給額は非課税措置適用

 

## 3. 高額報償対象の告知

 

 現時点でタグ付けされた賞金首は全国で4000名で、今も増加中。

 その中でも報償金3000万円超の対象は8名。各個体は卓越した戦闘能力を有し、プロヒーロー級の戦力を以てしても対処困難な脅威と判断される。

 個別の能力詳細は別添資料を参照されたい。

 

 本通達の効力は即時発生するものとする。

 

資料:高額懸賞首の詳細資料

 

1:『マスタード』

懸賞金額:32,000,000円

 

## 犯罪歴

・雄英高等学校林間学校施設襲撃事件の実行犯の一人

・昨夜発生の拘置所襲撃事件における逃走被疑者

 

## 能力特性

"個性"『ガス』の詳細分析

- 生成物:意識喪失性神経ガス(桃色)

- 効果:吸入した対象の意識を即時に抑制

- 副次効果:ガス充満空間における探知能力を保持

- 使用制限:本人にも耐性なし。防護装備の着用が必須

 

## 現状分析

 本被疑者は現在、中部地方人口密集地域において有毒ガスによる無差別テロを実行中。

 被害者数は現時点で4,000名を超過。事態は深刻化の一途を辿っている。

 

2:『ムーンフィッシュ』

懸賞金額:84,000,000円

 

## 犯罪歴

・連続殺人事件実行犯(死刑判決確定)

・雄英高等学校施設襲撃事件における実行犯

・拘置所からの逃走被疑者

 

## 危険性評価

 本容疑者は極度の攻撃性及び反社会性を有し、理性的な対話による説得は困難と判断される。本事案における最重要確保対象の一つとして認識されたい。

 

## 能力解析

"個性"『歯刃』の特性

・歯牙組織の任意伸縮及び分岐が可能

・近接・遠隔問わず戦闘における致死性が極めて高い

・”個性”を応用した高度な移動能力を持つ。

 

## 現状報告

 仙台市街地において無差別殺傷行為を継続中。

 民間人被害者3,000名超、プロヒーロー殉職者も確認。事態は更なる悪化の様相を呈している。

 

3:『無貌』

懸賞金額:100,000,000円

 

## 外見的特徴

- 顔面部に霧状の異常現象を伴う身長2メートルほどの人間

- 携行武器:日本刀(全長300cm超)

 

## 能力解析

何らかの視覚干渉能力

- 対象者の視線を強制的に自身の顔面に固定

- 複数観測者に対して同時作用し、全員に対して”目を合わせる”

- 映像転送による間接観測でも効果発現。写真での発動も確認されている

- 観測者に強度の恐怖を惹起

- 容姿は極めて端正との報告あり

 

補足:能力発現後の特徴

- 被観測者の眼瞼機能が完全に停止

- 瞼による視界遮断が不可能な状態となる

:能力解除条件

- 手掌等による物理的な視界遮蔽により効果停止

- 障害物による視線の遮断により効果停止

: 射程距離

- 距離による制限は確認されず

- 視認可能な全距離において即時発動

 

 

## 戦闘能力

- 長物武器による接近戦に特化

- 格闘技能は専門家レベル

- 視線固定による行動制限を利用した戦術を展開

 

## 危険性評価

- "個性"により観測者の頸部可動域を著しく制限

- 急激な回避行動や被弾時の体勢によっては、頸椎損傷の危険性が極めて高い

- 首の可動域を超える動作は即死の可能性あり

 

## 現況報告

 

 札幌市街地において活動を開始。住民の大規模パニックと多数の事故を誘発。

 カメラ越しに発動する”個性”の特異性も合わさり、マスメディア対策も必要とされる。市民の安全確保が急務。

 

 

4:『ウォルフラム』

懸賞金額:120,000,000円

 

## 能力特性詳細

"個性"『金属操作』の作用機序

- 周辺金属に対する完全な制御能力を保持

- 大規模金属塊による圧殺及び切断攻撃が主要戦術

- 通常の人体能力値を大幅に超過する身体性能を確認

 

## 戦術上の重要注意事項

 本被疑者に対する従来型武装(銃器・刃物)による攻撃は無効。

 接触時は非金属性の攻撃手段を選択されたい。

 

## 現状分析

 鎌倉近郊地域において活動を確認。

 複数のプロヒーロー部隊が既に制圧を試みるも全隊が壊滅的打撃を受けている。現時点で有効な対処法は確立されていない。

 

5:『マスキュラー』

懸賞金額:200,000,000円(大幅な上方修正の可能性あり)

 

## 犯罪歴

・雄英高等学校施設襲撃事件における実行犯

・多数の殺人及び重傷害事件の実行犯

 

## 能力解析

"個性"『筋肉増強』の作用機序

- 筋繊維組織の任意増幅が可能

- 体表及び体内における筋力増強を実現

- 高層建造物の破壊が可能な膂力を保持

 

## 危険性評価

 被疑者は極度の戦闘衝動及び破壊衝動を有する。理性的な対話による収束は期待できない。

 

## 現況報告

 静岡県域において活動を確認。民間協力者(ピースキーパー・システム使用者)の死亡例が多発。

 現場における損害規模は既存の懸賞金算出基準を上回る。これに伴い、報償額の大幅な上方修正が検討されている。

 

6:『ふうか』

懸賞金額:1,100,000,000円

 

## 犯罪歴・実体情報

・雄英高等学校林間合宿襲撃事件における重要実行犯

・実体に関する情報は現在も調査中

・有力情報として完全機械化個体(アンドロイド)説が存在するも未確認

 

## 能力解析

複数”個性”の使用が確認されている

- 何らかの手段で捕食した対象の"個性"の転写及び使用が可能

- 複数"個性"の並列運用能力を保持

 

## 戦術上の重要警告

上記の『捕食(仮)』の性質上、本個体との交戦は極めて危険

- 交戦による敗北は対象の戦力を直接的に強化する要因となる

- 従来型の制圧戦術は事態の悪化を招く可能性が顕著

 

## 現状分析

超大型敵の被害現場となった都心部において活動を確認。

以下のプロヒーローとの交戦で勝利を収めている

- ベストジーニスト("個性":ファイバーマスター)

- マウントレディ("個性":巨大化)

- シンリンカムイ("個性":樹木)

 

上記を含めた"個性"の並列使用が確認されており、戦闘能力は著しく向上している。

 

## 緊急指示

 本個体との接触が確認された場合、独力での対応は厳禁。

 直ちに特殊対策本部への通報を実施されたい。一切の交戦行為は特別許可を必要とする。

 

 

7:『新型脳無』

懸賞金額:1,480,000,000円

 

## 組織帰属

敵連合所属の可能性が極めて高い

 

## 能力特性詳細分析

複数"個性"の並列運用を確認

- 『筋肉増強』:物理的破壊力の著しい増強型”個性”。リーチの伸縮も可能

- 『超再生』:頭部を除く全身における即時治癒能力

- 『ジェット噴射』:超高速移動能力

※上記以外の"個性"保持の可能性も排除できず

 

## 戦闘能力評価

・卓越した身体能力

・即時再生による致死困難性

・高機動力による接近戦闘能力

・複数"個性"の同時運用による相乗効果

上記要因により、既存の危険度評価基準を超越

 

## 被害状況報告

出現地域(福岡)における壊滅的被害を確認

- 都市機能の完全停止

- プロヒーロー多数の死傷者発生

- 民間協力者(ピースキーパー・システム使用者)及び民間人への甚大な人的被害

 

## 緊急指示

 本個体との接触が確認された場合、即時退避を実施。

 特殊対策本部による緊急展開までの間、絶対に交戦を行わないこと。

 

8:『デヴィット・シールド』

懸賞金額:4,000,000,000円

 

## 対象者属性

・"個性"研究分野における世界的権威

・複数の研究機関での要職経験を保持

 

## 危険性評価

直接的な戦闘能力は皆無と判断されるものの、以下の重大な疑惑が指摘される

- 神野区隕石災害への関与の疑義

- I・アイランド襲撃事件における重要参考人

- 高度科学技術の軍事転用の可能性

- 人工生命体『ふうか』の製作者である可能性が指摘されている

 

## 接触時の警告

 本容疑者は直接的な戦闘能力を有さないものの、その科学的知見及び技術力により、予測不可能な危険性を内包している。接触時は常時最大限の警戒態勢を維持されたい。

 

 本容疑者との接触が確認された場合、即時に特殊対策本部への報告を要する。

 独自の判断による接近は厳禁とする。




ほのぼの!!!

感想や評価ありがとうございます。大きな励みになっております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。