キャサリン・ロングボトムは魔女である   作:Yumoru

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決闘クラブ後半です。よろしくおねがいします。


第6話 決闘クラブとパーセルタング

決闘クラブ本番

 

この日は体感として、あっという間に授業が終わった。魔法使いの決闘が楽しみなキャサリンを含めたグリフィンドール一行は大広間へ集まっていた。

大広間は普段とは違うカーテンがかけられ、テーブルはどかされ、だだっ広い空間にたくさんの生徒が集まっている。グリフィンドールもハッフルパフもレイブンクローもスリザリンもいる。

 

「もう帰ってもいいか?ネビル」

 

 キャサリンがぼやく。

来てから知ったのだが、主催はロックハートだったのだ。さらに、助手はスネイプで今にも人を殺しそうな顔をしている。

 

「キャサリン!一緒にいてくれるっていっただろ…。」

 

ネビルはスネイプを見た途端に怖くて泣きだしそうな顔になった。

 

「大丈夫よ。わたしはいるから」

 

ハーマイオニーがハリーとロンと共にネビルの隣にやってきた。

手には“決闘の基本魔法”と書かれた本が握られている。

相変わらず用意周到だ。

 

「わたしのおすすめは、まず、武装解除呪文ね。後は、吹き飛ばし呪文、舌縛り呪文。うーん、状況によるけど、変身呪文も使えそうだわ」

 

(さすが、ハーマイオニー…)

 

 そうキャサリンは思った。ネビルは女神の声を聴くようにハーマイオニ―の言葉を聴き、メモを取っている。

 その後は、スネイプに挑んだロックハートが当たり前のように武装解除呪文で吹っ飛ばされ、個人戦が行われることになった。

 

「ざまーみろ」

 

ハリーがぼそっと呟く。

スリザリン生がスネイプの勝利に歓声を上げ、ホグワーツ生は女子生徒の数人以外はロックハートを誰も心配しないのでキャサリンは胸がかなりスカッとした。

 

「グレンジャーとミス・ロングボトムはミスター・ロングボトムから離れたまえ。

お姫様を守るナイトかね、君たちは。

ミス・パーキンソンはこっちへ。

ポッターとマルフォイが組みなさい。」

 

ロックハートが気絶している間に、スネイプによる悪意が込められたペア決めが行われていく。

キャサリンはネビルと組みたかったのだが、容赦なく引き離されてしまった。

スネイプはグリフィンド―ルを嫌い、スリザリンを常に贔屓することで有名な魔法薬学の教授だ。見た目は清潔感のないこうもりようで、いつも嫌味っぽい。

ネビルはいつも授業でいびられているらしく、そのせいか、キャサリンにまで魔法薬学の授業の中であたりがきつい。

まあ、キャサリンは要領がいいので魔法薬学で、いびられるミスは滅多にしないが。

 

「ミス・ロングボトムは…。ふむ、ノットとどうかね」

 

なすすべもなく、ネビルから引き離されたキャサリンはノットの前に連れていかれる。

ノットはつまらなそうな無表情から一転、ニヤッと笑った。

上級生と組ませるなんて、キャサリンに対するスネイプの完全な嫌がらせだ。

相変わらず根性が腐っている。

キャサリンが何も言わずに会釈すると、ノットも軽く会釈を返す。

一応の礼儀は守ってくれるらしい。

まあ、ノットは今からキャサリンをズタズタにする予定なので、最後の慈悲だと思っているのかもしれないが。

キャサリンは杖を構えた。何の呪文がいいだろう。キャサリンの目の前のノットは、2年生なので当然だが、キャサリンより多くの呪文を知っている。

(ナメクジを吐かせる、武装解除、うーん…。

体術を使ってもいいんだろうか。ダメだったら、さっき言うはず。

まず、勝つなら隙を作らなきゃ。)

 

「1,2,3,さあ、始めてください!」

 

みなが同時に何か叫び、閃光や火花が大広間中にはじけた。

 

「サーソーペンティア 蛇を出す魔法」

「コンファンド 錯乱せよ」

 

キャサリンはノットに蛇をけしかけ、ノットは錯乱呪文を唱えた。

魔法の基本として、杖から出た魔力の光線はその場限りで消える。ときどき予想外のものに充てると、術師が込めた魔力の大きさによって当たったものを爆発させたりするが、効果は続かない。

しかし、召喚系の魔法は違う。召喚されたものはそれらを消去させる魔法を用いなければ、持ち主の魔力量に応じて、かなり長時間消えずに、その場に残り続ける。

キャサリンはあまり呪いの類を知らないし、呪いというものはかなり難しいものが多い。だから、比較的簡単なこの魔法で蛇を出してノットを驚かせ、ノットが他に攻撃しなくてはいけないものを作ろうと思ったのだ。

実は、これは魔法戦闘の基本的な戦術として推奨されるものだが、キャサリンは本能で勝つための方法を嗅ぎ取っていた。

コブラのような毒蛇がノットに向かって宙を舞い、キャサリンは持ち前の運動神経で横へ飛び、緑の光線を避ける。

ノットは自らの攻撃を回避されたことに驚き、動転した。

そして、さらに場に残り続けてノットの前で威嚇を始めた毒蛇と杖を構えたキャサリンのどちらを攻撃しようかを迷ってしまう。

しかし、それは大きな隙だった。

 

「エクスペリア―ムス!」

 

自分が攻撃系の魔法が得意であることがホグワーツでわかったキャサリンにとって、武装解除呪文はさっき一目見てコツがわかったし、日常で使う呪文に比べたら楽勝である。

キャサリンは勝利を確信して笑う。

キャサリンは続けて叫び、宙を舞ったノットの杖をキャッチした。

 

「勝負あり!ミス・ロングボトムの勝ちだ。」

 

スネイプの声が響く。

ノットは屈辱的な表情を浮かべ、大きく舌打ちしたが、杖を盗られているためか何かをする気はないようだ。

キャサリンは満面の笑みを浮かべた。

ノットを打ち負かせて最高に気分がよい。

毒蛇はもういらないので、誰かのものかわからない床に落ちていたネクタイピンを拾った。キャサリンが魔力を込めると鋭い銀のナイフに変じたそれをためらいもせずに毒蛇に向かって投げる。

ドサッ、と音がして、最後までキャサリンに忠実にノットに唸っていた蛇は倒れた。

50センチはある毒蛇の胴体にナイフは貫通する。

ノットは驚愕した表情で、キャサリンを眺めた。

気づくと、周りにはもうもうとカラフルな煙が立っており、様々な魔法による惨状が広がっていた。

ネビルは何かやらかしたらしく、ペアの男子とともに昏倒しており、ハリーはダンスを踊っている。ドラコは呪いによる笑いすぎで窒息死しそうだ。

 ハーマイオニーのペアに至っては、杖を捨て、相手にヘッドロックをかけている。

“決闘の基本魔法”は、スリザリンの2年生、パンジー・パーキンソン相手に役に立たなかったようだ。

 

「フィニート」

 

スネイプは杖一振りですべての呪文を終わらせた。

死んだ蛇も怪しい霧も一瞬で掻き消え、ナイフは誰のものか知らないネクタイピンになる。

みな我に返ったような顔になった。

 

「さて、これからお手本を選ばれし2人に見せてもらいたいと思います!」

「ドラコ、ポッター出てこい」

 

この惨状をつくらせながら、教師はまだ決闘をさせるらしい。

かなりキレたハリーとドラコが前に出てくる。

 特にドラコのほうは禁じられた魔法でも使いだしそうな顔になっていた。

キャサリンはノットに杖を返し、最前列に並ぶ。いつの間にかノットも隣にいた。

 

「よお、先輩。今回はわたしの勝ちだ」

「うるせい。お前さあ…。」

 

ノットは何か言いかけたが、決闘が始まったことで話は打ち切られた。

ハリーとドラコは、お互いに会釈もせず、向かい合った二人はロックハートの合図で決闘を始めた。

 

「サーソーペンティア!」

 

ドラコが叫ぶ。キャサリンと同じ蛇を出す魔法だった。

1メートルもある毒蛇が魔法によって現れる。

怯えるハリーを見てスネイプが前に出ようとしたが、ハリーの行動の方が早かった。

ハリーの口元からシュー、シュー、という音が出る。

蛇は2年生のハッフルパフ生の前で身体をくねらせた。

ハリーと蛇のシュー、シューという音だけが大広間に響いていた。

 

「うわああーーー」

 

そのハッフルパフ生は悲鳴を上げる。周りの生徒もざわつき、ハリーと距離を取ろうとした。

普段から無表情が売りのノットもさすがに驚いた顔をしている。

キャサリンもさすがに驚く。パーセルタングは本でしか知らなかった。

というか、パーセルタングに会ったことのある人間なんてホグワーツにほとんどいないだろう。

ハリーはどこかキョトンとした顔をしており、なにをしでかしたかわかっていないようだった。

 ハリーはパーセルタングなのだ。

そして、自分の能力がどうみられるのか知らないらしい。

 キャサリンはため息をついた。

ハリーは悪いやつではないのにどうしてかトラブルに巻き込まれる体質のようだ。

 




番外編の閑話を書きたいと思っていますが、主人公変えると書きにくいよー
読了ありがとうございました。
寒いので風邪にお気をつけて
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