キャサリン・ロングボトムは魔女である   作:Yumoru

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評価本当にうれしいです。更新がんばります。


第7話続 ハリーと不死鳥 

「レモンキャンディー」

 

暗い廊下をマクゴナガル先生とハリーは歩いた。

そして、マクゴナガル先生はガーゴイル像にいきなり話しかける。

マクゴナガル先生ではなければ、ふざけているのか、と思うところだ。

しかし、ガーゴイル像は生き生きと動き出し、パッと横に飛びのいた。

いつのまにか目の前には螺旋階段があり、明るい光に満ちた上に続いているようだった。

 

「校長先生は、この上にいらっしゃいます。ポッター、校長先生にすべてお話しなさい。彼なら今回の事態のすべて理解することができるでしょう」

 

マクゴナガル先生は、ハリーにそういうと、さっと廊下の向こうへ歩き去ってしまった。

この上が校長室らしい。

ハリーはしょうがなく登っていく。

校長室は予想した通り、春の木漏れ日のような光に溢れた明るい空間で、ハリーが見た中で最も不思議な教授の部屋だった。

まず、壁に歴代の校長の絵画がかかっており、みなすやすやと眠っている。

さらに、魔力に満ちた小さな物音に満ちていて、組み分け帽子やしなびた老鳥がいたり、なぜか水盤があったりした。

水盤をハリーが覗きこむと、魔力のこもった灰色の霧のようなものが漂っている。

ハリーは、ダンブルドアが現れるまで、不思議な品々に見入ったり、組み分け帽子に話しかけてみて、失望したりした。

 

(僕はスリザリンに選ばれるべきだったんじゃないか?でも、キャサリンが言ってたじゃないか。何を選んだのかが重要だって)

 

ハリーが年老いた鳥がいきなり燃えたことに驚いていると、ダンブルドアが後ろに不意に現れ、驚くハリーに笑いかけた。

ダンブルドア曰く、このフォークスは火で自らを焼き、若返る不死鳥だという。

さらに、校長室にやってきたハグリットがハリーの弁護をしてくれた。急いで外から帰ってきたらしく全身雪まみれだ。

 

「ハリーは秘密の部屋の継承者じゃねえです!」

 

ダンブルドアはハグリットの必至の弁護に大きくうなずく。

 

「ハリー、君は決して犯人ではない。しかし、わしに言いたいことはないかね」

 

ブルーの瞳がハリーを見据える。

ダンブルドアの瞳は、まるで凪いだ深い湖面のようだった。

ハリーには、新学期が始まってから何個も不安なことがあった。

ドビーに着け狙われること、パーセルタングであること、秘密の部屋の継承者扱いされていること。

しかし、ハリーは何も言えなかった。

 

 

 

 

「ジニー?」

 

ジニー・ウィーズリーは、キャサリンに呼びかけられ、はっと、我に返った。

ここは3階の女子トイレ前の薄暗い廊下だ。普段から人気の無いこんなところにどうして自分はいるのだろう。

まるで夢から覚めたような気分だ。

ここ最近、こんなことがよくある。

キャサリンもジニーを不思議そうに見つめた。

 

「なんでこんなところにいるんだ?ハッフルパフのフレッチリー先輩と“ほとんど首無しニック”が秘密の部屋の継承者に襲われた。廊下を一人でうろうろするのは危ない」

 

 ジニーの口から小さな悲鳴が漏れる。

それは、もちろん、秘密の部屋の継承者が怖いからもあったが、もう一つあった。

ジニーが記憶をなくした後に、秘密の部屋の新たな犠牲者が発見されるのだ。

怯えた様子のジニーを見たキャサリンは、やっぱり知らなかったんだな、と嘆息した。

 

「とりあえず寮に戻ろう。わたしもさっきまでハグリットの小屋に行ってからジニーを探してたから少し身体が冷たいんだ」

 

キャサリンがぶっきらぼうに、しかし、ジニーを確かに心配していることが分かる口調で話しかけた。

しかし、ジニーは自分を心配して探してくれたのであろうキャサリンを見てなぜか、ムカムカしてきた。

なぜかはわからない。

キャサリン・ロングボトムは、ジニーと同室でいちばん仲が良い友人だ。ジニーよりも美人で、頭が良くて、口も回る。そして、いつもジニーを助けてくれる。

今日だってジニーを探しに来てくれた。

でも、キャサリンを見ていると、強烈な嫉妬や憎しみの感情が込み上げてきた。

キャサリンが黙り込んだジニーを連れて行こうと、手を引っ張ると、ジニーの手は氷のように冷え切っている。

キャサリンの手は反対に暖かい。

ジニーはキャサリンの手の感触が嫌で、差し出された手を思いっきり振り払った。

 

「触らないで…」

 

その拍子に懐から“トム・リドルの日記”が飛び出す。拾おうとしたキャサリンをジニーは止めた。これはジニーの親友だ。ジニー以外は誰も触ってはいけない。

 

「触らないでよ!!」

「っ、悪い」

 

キャサリンは、何か悪いことをしてしまったのかと、ジニーに謝った。

普段気が強くて、自分が悪いと理解しなければ絶対に謝らないキャサリンにしてみたらとても珍しい状況である。

キャサリンは、ジニーのことがそれだけ大切なのだ。

ジニーは戸惑った顔のキャサリンを置いて、一人でフラフラ歩き出す。

寮に向かって歩いても、ジニーの胸にあるのは不安だけだった。

そして、ジニーの手も身体も氷のように冷え切っているのに、ローブのポケットの中の小さな友人、“トム・リドルの日記”だけが熱を発しているのをジニーは感じた。




読了ありがとうございました。第7話が長すぎたので中途半端なのはわかっていましたが、次の話にまわしてしまいました。次回は閑話休題の予定です。
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