大丈夫‼俺、悪意はない外来種だよ   作:性癖サンドバッグ

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順調な攻略と親の愛

ゴン達が行った事の無い街を巡りビスケが聞き込みした情報や交換店で情報を買って、その街の周辺の指定カードを獲得して回っているが自分達に必要なカード以外は攻略の主体がゴン達になるようにしている。

聞き込みなどを手分けして手伝うが、戦闘やカードの入手に必要になる情報の推理は念を使った戦闘の良い経験になるだろう。

 

指定カードがどの街にあるかを調べる『道標(ガイドポスト)』などの補充でマサドラで呪文カードを買った後でカード化の限度枚数から、大多数のプレイヤーが実力不足でG.Iの攻略を出来ていない事に気が付き『離脱(リーブ)』を使ったトレードで指定カードの枚数を大幅に増やす事に成功した。

 

『奇運アレキサンドライト』のイベントは渡す事が出来ない物を持ち込んでいない者で既にクリアしているので後方腕組みで見守らせてもらった。

 

 

ここで現実の方での仕事が入ってしまい数日の間攻略から離れる事になった。

フリーポケットの中身はほとんど水と食料なので師範代に預け、移動能力持ちの待つ港へと所長を殴り飛ばして出る事にした。

 

 

◇◇◇

 

 

外での仕事自体はその日の夜に終わった。

移動の方が時間が掛かったくらいだが、それでも移動系能力を使っているのでこの世界でも破格の移動速度だったはずだ。

 

十老頭が死んだ事が公然の秘密として広まっていて、連中のコミュニティの統率が緩んでいるらしい。

はねっかえりが余計な事をやり出してQoLにも影響が出そうなので駆除するよう自分達に指示が下りた。

 

余計な事をやらかした自信の根拠は念能力者を組が囲っていたからだったが、練度はお粗末の一言。

G.I基準だと島から出られない程度の実力しかなかった。

その上自ら法の支配を抜けた癖に、何故か一対一の決闘に応じてもらえると思っていたらしい。

能力の制約なのかベラベラ喋り出したので自分がそいつの胸を撃ったら傷口を不思議そうに眺めて視線を外したハリギリに首を飛ばされて終わりだった。

 

後はただのゴミ掃除だ。

ガラスを割って大きな音を出さない様に気をつける必要があったが、相手は油断しきっておりフライングディスクの方が撃つ難易度が高いくらいだった。

 

『終わったので回収を』

 

 

 

声や姿を残さない様に気をつけて始末を終えた後、瞬間移動能力で回収されて拠点で寛いでいる。

 

「なにか美味い夜食でも作ってもらって明日からのG.I攻略に備えるか?」

 

久々の仕事が運動にもならない内容だったが相方に不満そうな様子は無い。

新大陸から届いた荷物を満足そうに見ているが木刀なんてどうするんだ?

 

まさか纏わせたオーラの鋭さで斬りたくて刃物だと鍛錬が進まないから頼んだのだろうか。

群狼がお気に入りだったし上達が感じられると打ち込んでしまうのは強化系共通の癖なのかね。

 

説明書きに書かれている情報ではオーラを通しやすい新大陸産の木材で年輪から見るに数百年物であるらしい。

箱一杯分届いたそれは大部分を自分の武器庫に格納してG.Iに戻る事になりそうだ。

 

 

◇◇◇

 

 

問題無くゲーム攻略に戻って二月に入ってからも攻略の勢いが落ちる事なく、順調に指定カードの枚数を増やしている時に『交信(コンタクト)』がゴンのバインダーに使われて見過ごせない情報がもたらされた。

 

「一度会わないか?相談があるんだ」

 

「何の?」

 

カードを奪ってきたプレイヤーからの相談でも聞くことはしてあげるゴンは人が良い。

ミトさんや祖母の育て方が良かったのだろう。

 

「もうすぐクリアしそうな奴等がいる」

 

 

『一坪の海岸線』に繋がるイベントだがバインダーに名前が登録されている事が条件で使用出来るカードもある為、情報を聞きに行く側と待機する側に分かれる事になった。

 

自分は聞きに行く側になったのでG.I編で大人気のゴレイヌを見る事が出来た。

正確に言うならばゴン達とは別の組になる自分達だが余計な事を言って情報交換を荒らす意味は無いので護衛代わりに控えている。

 

態度は良く無いけどタンクトップのアスタはツンデレぽっくて見てる分には面白い。

情報交換は特に変化した部分が無くスムーズに進んだ。

気になっていた問題はソウフラビへの『同行』での移動が十五人を超えていてもイベントのフラグが立つのかどうかだったが、大丈夫だった。

 

人数丁度でないといけないなんて指定されていたらイベント名を知らない者には理不尽すぎるから、人数が多い分にはカードの分配で揉める可能性が高くなるがイベントには参加できるのだろう。

 

「えげつねェな……」

 

「そうかな?むしろ愛を感じるけどな」

 

インパクトのあるセリフを生で聞けた喜びもあるが、実際にプレイする事で気が付いた事を言っておく。

意地悪でもあるが親としての愛が込められたイベントだと思う。

 

レイザーに会う条件で行った海賊相手の腕試しはゴン達の実力が修行でどれ程上がったのか、以前勝負すら出来なかった相手が格下になっている事をキルアが認識する出来事だった。

 

ゴン達がゲームを始めた頃だったら格上だった相手の練を見ただけで、話にならないと思える程に鍛え上げたビスケはやはり凄いと思う。

この結果で最高効率で鍛え続けられる『魔法美容師(マジカルエステ)』を使っていないのだから。

いや違うか?コンディションが悪い時の体の動かし方や、疲労が溜まっていてもしっかり動けるように指導するのが目的だったなら使っていない現状が最善かもしれない。

 

十五人以上でもボスの所までは一緒に行けるのは、向こうが指定する競技が得意な人員を選べる様にとの調整だろう。

今回は様子見なので気楽に種目とルールを確認するだけでいいだろう。

 

 

◇◇◇

 

 

集まった理由の爆弾魔のゲームクリア阻止がこのカードを連中が取れないだろうから達成出来たと考えて、殆どの組が離脱していったがゴレイヌだけはそのまま残った。

彼の思慮深さを感じるこのカードを取り巻く状況の解説はとても助かった。

 

「えげつないの意味は分かったけど、アイアスの言った愛ってなんだよ。どこにそんなもん感じんだよ」

 

「このイベントをクリアしたいなら手練れの仲間が必要になる」

 

「そんな事は分かってる。でもカードの分配である程度引き込めるだろ?」

 

「ゲームばかりしてないで、なんて親の言う定番の言葉だろ?」

 

ゲーム機を知らなかった野生児のゴンはピンッと来ない様だし、家庭環境が一般とかけ離れてるキルアもそんな経験が無し。

ビスケは言う側だろうけど見込みのある相手しか弟子にしてないだろうから、こちらも一般常識ならそう言うかも程度の理解。

 

ゴレイヌだけがこの言葉に共感してくれた。

この場にレオリオも居たら‼彼なら言われた経験ありそうなのに。

 

それでも自分達を含め大半のメンバーに普通の親子としての会話が実感湧かないのは悲しいな。

 

まだゴンがゲーム開発者の息子と知らないから、ゴレイヌもどこに親の愛があるのか理解出来ないのだろう首を傾げている。

 

「ハンターなら『ゲームだけせず外で仕事して信頼出来る仲間作れ、そうすればこのイベントもクリア出来る』そんな意味を込めたイベントかも知れないだろ?」

 

「それをこんなクリア目前で集めるだろう難易度のカードでやるのは性格悪いぜ」

 

「そこは否定できない」

 

自身が様々な事を高水準で可能だから息子もそれくらい出来ると考えていたのだろうか?

あるいはゴンがG.Iを所持している状況で時間を掛けてクリアに辿り着く事を想定していたのかも知れない。

 

バッテラ氏が500億の懸賞をかけてプレイヤーの大半をしっかり審査せず入れてしまったから状況が行き詰まった訳だしな。

ハンター基準で中堅くらいの実力者が一ダース居ればクリア出来るが、世界的に見てそれはかなりの上澄みになる。

ジンが王墓の件で得た、利害では無くつるむ仲間を息子にも持って欲しかったなら不器用なやり方だと思う。

 

 

◇◇◇

 

 

クラピカ達と合流して『一坪の海岸線』攻略の為のメンバーをどうするか話し合う。

ゴンのバインダーには当然クロロの名前は入っていない。

ヒソカがゲーム内に居ないし、そもそもクロロに念をかけていないので除念が必要ない。

本物は来ているだろうが、ゴン達と活動が被る所には来ていないはずだ。

 

 

幸い自分達のバインダーにツェズゲラの名前が登録されていたので、若さで侮られない様にゴレイヌに『交信(コンタクト)』で交渉してもらう。

 

 

直ぐに会って話す事になったのは機を見逃さない熟練のハンターらしい行動だと思う。

報酬の10%の50億をふっかけられても冷静に判断して共に入手を目指す事が出来るのはマネーハンターとして積んだ経験からの判断だろうか。

 

ゴン達がゴレイヌ入れて六人でツェズゲラが四人組、そして残りは自分達の担当だ。

レオリオ、クラピカに加えて自分達も居るので攻略に数合わせを入れる必要はなかった。

 

「師範代以外にも協力してもらっているから、彼等を呼んだら十五人の条件は達成出来る」

 

「相手次第だが勝算はあるのか?」

 

「100%じゃないが見た限りではボス以外の力量はオレ達より下だ」

 

ツェズゲラがこちらに視線を寄越したのはここに居ない自分達の残りのメンバーの力量を問うものだろう。

 

「ボス以外なら問題無いし、条件次第でボスにも通用すると保証する」

 

 

数合わせが居ないから勝算がツェズゲラ次第では無くなっているが、練は見せてもらうらしい。

 

垂直飛びで16m以上跳ぶのは凄いが、それは念能力者なら建物の五階や六階くらいなら飛び降りても無傷で済む事を意味する。

そちらの方が驚きが大きいのは感性が普通過ぎるだろうか?

 

「オイ!やばいぜ……‼ゲンスルー組が97枚になってる‼」

 

ツェズゲラの仲間の言葉で残り時間が余り無い事を全員が認識したので早速競技の練習などを始めた。

自分はその前に残りの仲間をここに呼ぶ必要があるから呪文カードで連絡を取る。

 

 

◇◇◇

 

 

『秘密のマント』を身に付けてフードで顔も分からないのが新しく呼んだ二人だが、仲間には顔を一旦見せているので不審者扱いはされていない。

 

再戦した『一坪の海岸線』ボス前の競技はツェズゲラの仲間が全員勝って楽勝ムードが漂い始めていたのに、ボポボが余計な事をしてレイザーに殺された事で空気が一変した。

 

 

「仲間だったんだろ?ボポボって人が殺されなきゃいけない程の何をしたっていうんだ‼」

 

「強盗殺人、強姦殺人、確定してるだけで11件だったかな」

 

なんて事ない様にレイザーが罪状を上げたが、普通に死刑になる内容だった。

 

「G.Iは現実世界のどこかにある、このゲームは現実で行われているんだ」

 

ツェズゲラがレイザーをゲームマスターと断言し、プロハンターが死刑囚を雇用する事がある事も説明してくれた。

 

「ジンもこの中にいるの⁉G.Iの中に‼」

 

よかった『身重の石』の話を振らないでくれた。

 

「お前が来たら手加減するな……と言われてるぜお前の親父にな」

 

レイザーは親父と言ったけど雇用されている死刑囚の一人だから、リストやドゥーンが否定するまでは確定情報じゃないな。

 

不味いな、切り替えるべきだ。

これからはイベントの本番ボス戦の時間、不確定な面白情報などで気を抜いていたらさっき死んだ奴と同じ末路を辿るだろう。

 

 

 

 

 

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