出歩くな、じっとしてろ。
そんな謂われない中傷を受けそうな念能力を持って産まれてしまったが、元気に生きていこうと思う。
ジョイント型の能力として最初に作ったのは、全ての俺自身を繋ぐネットワークの様なモノである。
『
とあるシリーズのレベルアッパーが近いかもしれない。
または常時影分身修行を可能にするコンボパーツ。
魂を同一とする俺自身達を繋ぐネットワークであり、系統別の習得率を一人でも上げたなら他の自身も系統の習得率上限に引っかからないなら同じ精度で扱う補助輪になる。
即座に同じ精度で扱えるのが理想だが、体が違う以上調整は個々にする必要があるだろうから補助止まりでメモリの節約を心掛けた。
また、これはあくまでジョイント能力を有効に使える環境の整備だ。
『
先に作った能力と対になる能力。
操作系の早い者勝ちに引っかからず、複数のバフを重ねるために能力を『一人は皆の為に』を対象として発動させ、必要になる自身に繋いで能力を使用する。
能力と能力を繋ぐハブであり、安全弁。
オーラの負担先を任意で割り振る事で手隙の者のオーラを有効活用できる。
自身の強みである数を活かす為の能力開発は、ひとまずこれで。
島の外に出るためには、個人の力量も底上げしなくてはならない。
問題の質の改善だが、モレナ組のやっていたアレをそのまま真似する事は出来ない。
人員の補充の目途が立たない状況で共食いなんてやってられない。
グリードアイランドにあった才能の卵は、能力として作れるだけの人員が育っていないし時間もかかる。
遅くても二世代目からは使えるように開発したいのだが。
なので今はレベルアップのシステムだけを取り入れたいのだが、少々迷っている。
個人に対してキャラクターシートを持たせ、オーラを経験値として注ぐことでレベルアップさせる能力にしたい。
だがキャラシを実物と具現化物のどちらにするかが問題だ。
デメリットの多さでは圧倒的に実物が上になる。
要となる用紙を破壊されてはいけない上に、レベルアップに必要なオーラ量次第では絶が意味を無くすだろう。
それに加えて陰を使わないと不自然にオーラの集まっている部分、弱点が丸出しになってしまう。
レベルアップの為の媒体を具現化できるまで待たなくていい事が利点と考えられ、リスクによる強い強化が見込める。
使いやすさでは、具現化側に分がある。
各個人のオーラに紐付けて『皆は一人の為に』からダウンロードして使うイメージ。
盗られたり破壊されたりのリスクを負わずに済み、注いだオーラを使って自己改造していると考えればレベルの上昇を想像しやすくなる。
リスクのバネが低い分強化率が低くなりそうな事が欠点になる。
いずれにせよ各種能力は、凡人である俺が使う前提で考える必要がある。
盗賊の極意や伸縮自在の愛なども作ること自体は不可能では無いだろうが、使いこなすだけのプレイヤースキルが致命的なまでに無い。
雑に使っても強い能力が理想となる。
分かり易いのがフランクリンだ、制約部分は問題があるが強い。
発現して使用可能になるまでに時間がかかっても、使い勝手の良い方を選ぶべきだろう。
使いこなせずに無駄になる能力を作る事こそが、最も避けるべきだ。
その範囲が才能ある原作の登場人物よりかなり広くなりそうなのが凡人たる所以だけど。
系統別の修行をしてしまう前に最初の個体、ハジメでいいかこいつの能力に更に制約と誓約を足そうと思う。
役割がブレないよう、発はこれだけしか持たない事。
『お前の人生も俺の人生』に必要な系統以外に習得率を割かない事。
凡人である事を自覚し、その上で足掻くなら汎用型を運用するなんてやってられない。
個人の才能や技量に頼ったりせず、可能な限り役割りに沿った特化型でチームを組むべきだ。
具現化系の素質持ちにキャラシの具現化の準備をさせつつ、それぞれが纏と練でオーラ容量を伸ばす活動が停滞する時間に入った。
最低でも具現化と操作、放出の三人はこの能力の作成に必要だろう。
なんなら十倍の人数を使ってでも、これからのためなら惜しくは無い。
この島に住民は千を少し越える人数がいる。
その半分が俺なのだから初期段階での設備要員になら百程度の人数を使っても痛くない。
◇◇◇
住民の数で思い出したが、クルタ族って襲撃がなくても滅ぶ段階だった気がする。
近親婚のリスクなく集団を維持できる人数が、最低で繫殖可能状態の男女を百人。
どの組み合わせでも問題ない初期世代を用意してディストピアのように血統の管理を行う前提でこれ。
子供から年寄りまで入れて血縁を重ねた状態で百数十人のクルタ族は明らかに詰んでる。
そもそも文明の機器を利用出来ない秘境で、村から出てはいけない掟がある。
嫁いだら最後会えなくなり、相手側からも婚姻のための人員を出さないなんて相手からすると搾取にしかならない。
そもそも隠れ里なので嫁や婿のあてが通常手段なら無いはず。
ちなみにこの時期とある街は社会的な存在証明が無い事から、住人を狩りにやってくる悪党にまだ悩まされていた時期でもある。
原作開始時点の時間軸では旅団とクラピカはお互いが間接的に仇だったのかもしれない。
ウボォーが言っていた強かったクルタ族とは流星街にとっての旅団のような念能力者の戦闘部隊だった可能性を妄想してみよう。
マフィアから嫁や婿を斡旋してもらう代わりにクルタ族が提供したのが念能力者の武力だったのではないか?
操作系の能力があれば攫われて来たのではなく、嫁いできたと認識を変える事だって可能だ。
また対価であると同時に自分たちに手を出したらこの力で牙を剥くとの警告にもなる。
付き合いがどの程度の期間続いたのかはわからないが、マフィアは気が付いていたのではないだろうか。
外から血を入れていては本来の血筋が薄くなる、緋の目が発現しなくなるかもしれない事を。
そんな時に人身売買組織に対して報復を行っていた幻影旅団によって実働の下っ端マフィアとクルタ族の戦闘部隊が全滅する。
金の卵を産む鶏を絞めてしまうのは愚か者のする事だが、その鶏が老いて死ぬ寸前ならどうだろう?
これはチャンスだと思っても不思議では無い条件が揃う事になった。
現場に流星街の報復だと示す文言が残されていた事も流星街の住人含む取引きをしていたならば、不自然でないと考えたのかもしれない。
しかし住人を全滅させたなら誰に見せるつもりだったのか、何故不自然な早さで発見されたのか。
◇◇◇
駄目だな、同じ事を繰り返す日常に想像の羽がバッサバサだ。
でも能力の付与どころか具現化さえまだ出来ていないし、それが終わっても島の外に出るための能力を作る人員に優先して
外洋航海できる船の作成は諦めた。
他の補給可能な陸地まで何日かかるかわからない状態で海に出る選択は、全滅の可能性すら普通に出てしまう。
暮らしている村の日常は安定している。
念に目覚めた恩恵で子供でも以前の大人以上の働きが出来ているし、開拓は順調に進んでいるから余り者扱いだった人員も新たに作っている村で努力相応の生活が出来るだろう。
村社会の序列や開拓の功績を誰に割り振るかの調整も責任者全員が俺だから問題を起こさずサクサク進められる。
ここで気が緩んで集中出来ないのが駄目なのが分かっていても、集中力が続かないのが俺なんだよね。
ゴンやキルアのゾーンに入っているような集中力は発揮出来ないんだ。
人里や覚えている大陸などの場所を示す能力や、神字の補助無しで最悪大陸間移動出来るだけの方法を考えておかないといけないのに。
思考の脱線ついでに物語の核心に触れる可能性があったのにスルーされた、一番好きだったグリードアイランド編に思いを馳せてみよう。
ゴンはクラピカに復讐を続けて欲しくないと言っていたのに、説得をできる可能性のあるアイテムに触れられなかった謎。
死者への往復葉書。
これがあれば緋の目が無念だと語りかけてくると言っていたクラピカも、説得に落ち着いて耳を傾けたのではと思う。
クラピカに連絡を取ったのが本格的に攻略を開始する前だったが響いたのかもしれない。
ゴンが父親の情報で舞い上がって頭からクラピカの事が抜けてしまっていても、キルアは冷静だったはず。
タイミング悪くクロロが除念師を探しているとの情報を知った事でキルアの頭からも優先順位の低い話として抜け落ちたのだろうか?
クリア後にも死者への往復葉書の話題を知らせている様子はないし、この時期のクラピカは忙しく連絡が取れなかったのか。
そんな時のためのホームコードだろうに。
またクラピカだけではなく、旅団にも刺さるアイテムである事が旅団結成の過去話で明らかになったけどやはりスルー。
旅団の初期メンバーなら、亡くした幼馴染に再会できたならと言ったクロロの言葉を聞いていたのはずなのに。
除念師探しがメインでゲーム自体は二の次だった。
しかしクリア報酬の三枚だけでなくアイテムを根こそぎ持っていけるか考えていたのだから、どんなアイテムがあるのかをシャルナークなら調べていてもおかしくは無いと思うのだが。
さらにゴン達と違ってG.Iの入ったゲーム機を盗って来ているのだから、ゲーム内でアイテムを使わせる事だって出来ただろう。
悪役ロールプレイも続けていたら自身の生き方に影響が出て、役の人柄に染まっていったのだろうか?
そうならないためには何のために戦っているのかを振り返り、可能な限り客観視した分析で今行うべきは何かを考える機会を定期的に設ける必要があるだろう。
やりたい事が分からなくなって、ただ行っている事を続けるだけになるなんて御免被る。
◇◇◇
どのような方法なら島の外、他の人類のいる場所にいけるのかこれが今一番重要な課題だ。
これを考える以外に変化の薄い生活を送っているとも言える。
G.Iの移動スペルの模倣は能力の候補になったが、座標指定と飛んでいる間の防備に懸念がある。
物語序盤のトリックタワーでさえ、人よりでかくて人を捕食する飛行生物が出てくる。
凶悪犯の収容施設だったので、逃げる事が困難な地点に建ててあった可能性もあるけど。
島の漁師が保有する小舟だと日帰り出来る範囲に他の陸地が発見出来ず、巨大生物のいる世界の海で小舟で夜を明かす危険は犯したくない。
大型船?建造技術が無い状態で作製した物に命を預けるなんて出来る訳も無い。
そうなると空中でも自衛可能な戦闘用の放出系人員を連れて、気球を飛ばして視界内限定で瞬間移動可能な能力者で運ぶ。
これくらいが今いる人員で実現可能になる範囲だろうか。
島での生活が順調になった分、島の外に出るための計画が中々進まない事が気になるが無理をしても失敗するだけだ。
基礎能力が身についていないと能力の精度も下がるだろうから、ジョイントを使ってのごり押しも得策ではない。
レベル上げが出来るようになるのが待ち遠しい。
文明的、文化的な生活が欲しいのにスローライフを強いられているのはストレスが溜まる。
ユピーのようにストレスをエネルギーに変換出来たらいいのに。
ただ待っていても余所の人と会えねえのはつれえなぁ。
フィンクスのような事を言ってみたが、隔離されているような島暮らしマジでつれえ。