大陸の探索と開発計画、これにどうせならネテロ会長やハンター協会も組み込もう。
俺達の存続には人類が不可欠で、野生化する様な生活より文化的で快適に過ごしたい。
無害では無いだろうけど、人類の存続と発展に関しては嘘偽りなく望んでいるのだから。
第一陣は身内だけでの探索になるだろうが、計画の段階から会長に協力要請は出しておこう。
大陸自体の捜索はメビウス湖の北側を想定しているが、カキンの進出予定地と被らないよう真北では無くて、北東で見つけたい。
新大陸の環境が判明するまで探索して得られた情報はまず船で管理する事になるだろう。
上陸要員は未知の感染症対策として上陸地点に臨時拠点を置く必要がある。
必要となる資材とそれを運べる大型船舶も管理運営するのは自前の人材で行いたい。
新大陸に大きなリソースを割く事になるが、従来の近代5大陸での活動も継続が必要だ。
楽しみにしているG.Iが発売されたら何本か確保しておきたいし。
念の存在を前提とした法の整備なども新大陸では必要になるので、そのための人材などは早めに協会からも紹介してもらいたい。
チードルやミザイストムが半世紀早く産まれていれば協力要請をしたのだが……
既存の法を適用できる部分と新たに整備する部分の選定をしておかないと居住可能になってから法の整備を始めたのでは、杜撰で穴だらけなモノになりかねない。
原作の国民総背番号制度の登録と同時に念の秘匿義務や悪用の禁止を盛り込んだ『ギアススクロール』にも血判を提出させる。
そして成人したら改めて署名させることで無意識下でも問題を起こす事を避けさせて、責任の取れる年齢になったなら破ったなら死ぬ事になる契約を結ばせるか。
ざっと思いついた事前準備だけでも数年がかりの大仕事ができてしまった。
最低限見せられる形の計画書を作成出来たらネテロ会長に会いに行こう。
◇◇◇
「ざっとですが、このような形で新大陸のハントを進めたいと考えています」
計画書が出来上がり、資材の確保などが進んでいる中で俺はハンター協会本部の会長室へと足を運んでいた。
何の因果か1966年、冨樫先生の産まれた年に計画が始動した。
「ハンターとしての初仕事としては、えらくデカいモノを選んだじゃないかギブソン」
「大陸ハンターなんて名乗りはしませんし、二つ目なんてやってる時間があるかは分かりませんが」
ハンターは未知に挑戦する気概が必要で、未知の塊だが危険すぎる暗黒大陸はネテロ会長がタブーとして渡航を禁じている。
手ごろでハンター達の挑戦しやすいフロンティアは協会にとっても価値があるだろう。
「こちらに居るような政治家先生は新大陸には来ないでしょうし、折衝も楽になるはずです」
新大陸で政治に携わるには、法と市民の生活を守る事を『ギアススクロール』を使った誓約書に署名して貰う事になる。
これがスタンダードになるとは思っていないが、様々な問題へ向き合うテストケースになればいい。
「そりゃええの、こちらでも導入して欲しいくらいだ」
「まずは、法律に詳しいハンターに念の存在を前提とした法の整備を検討して欲しいのです。可能ならばチームで事に当たるのが望ましい」
念の存在を無暗に広める事は禁忌にあたるので、信頼でき変な勘繰り方をしない人物が必要だ。
「守秘義務を課した上で事務員を導入してよいなら、問題なくチームを出せるぞい」
「助かります。大陸自体の捜索と上陸地点の選定はこちらで済ます予定なので、ハンターの協力がいる本格的な探索は第二陣からを予定しています」
「動植物の発見、記録とそれらに配慮した開発地の選定などを考えるなら、ハンターの仕事に事欠かないじゃろうな」
人手が掛かりすぎて出費が嵩むと言いたいのだろうか、入植はただの予定で時期も調査結果を見て決めるので無茶な要求は出さない事を明記しておこう。
兄弟子は静かに出来ない人だから護衛にも向かない、師範代は流石に長い事道場を空けられる程に暇じゃないだろう。
「ですが余計な横槍や密猟者などに煩わされない環境でハントが可能なら人手も集めやすいかと」
未知の環境なので新人などは連れて行けない。
だが功績欲しさに無茶をしない誓約書を出して仕事をするならば、ここだけで星の取得を目指せる大仕事だ。
本物のハンターなら志願してでも探索したい条件を揃える事が出来ているはず。
「それに今は会長の実力と名声に大人しくしていますが、いずれまたリターン目当ての遠征が行われるでしょう」
未知の環境で必要になった道具や人員、あったら便利だと思った物に発などの情報を蓄積しておく事は将来の後輩達が命を守れる可能性を少しでも高められるはず。
わざわざ言われなくとも理解してくれているだろうが、仕事で得た情報は各ハンターが提出したものなら協会内部での閲覧なら問題ないと宣言しておく。
未来の
原作ならどう動くか気になっていたが、被害を被る側になるとそんな事は言ってられない。
「ふむ、仕事はまあこれから詰めていけばいいだろ、しかしギブソンまだ発をどうするか悩んでるのか?」
何でもできるからこそ下手な選択をしたら取返しのつかなくなるのが、発なので未だに決めかねていた。
「足りていないモノが多くて、必要になる力が何か決めかねています」
回復能力など、どこでも必要になる能力もあるが系統から言って自己治癒の強化以外は相性が悪く、これだとアレルギー反応などは治せない。
そう考えるとポンズの蜂は使い方次第で強化系殺しになっていたのかもしれない。
ただ、ウボォークラスに蜂の針が刺さるのか問題と、アナフィラキシーショック狙いなら抗体の作られた後にもう一度刺す必要があるので暗殺にしか向かなさそうである。
ミルキのサポート有りでなら不自然でない死に方の暗殺を可能にできそうだ。
ただネイチャー系のハンター志望なのか暗殺者はしないだろう。
再登場の時はNGLでキメラ探索を行うポックルのチームに入っていたしな。
ポックルもなんだか惜しい能力を作っていた一人だと思う。
試験で使っていた痺れ薬など狩人らしい装備を使わず、念だけに頼ったのは残念だった。
放出系なら薬品の効果を隣の系統で強化することも、罠を遠隔で操作する事も出来ただろう。
弓矢に周を使うだけでも強力な攻撃になるし、オーラだけの矢は陰をかけて相手が攻撃を避けた先に置くなど選択できる手札が増えただろうに。
念を知ってそれだけを脅威だと思い込んで能力を作ってしまったのか、試験の時見せた長所が完全に死んでいる発だった。
念の初心者あるあるかもしれないが、致命的な失敗をしない様に念を教えた師匠は指導しなかったのだろうか?
クラピカやゴン達が当たりの師匠を引けただけで、レオリオの様に纏しか教えられて無いハンターもいたのかも知れない。
ヒソカに会長選挙編で2点と判定された人とか。
いや、レオリオを指導した師匠どうなってんだ?ヨークシンで集合するときになんで纏しか教わってなかったんだ。
受験勉強があるから最低限だけ聞いて後回しにした?それでも基礎の四大行までは区切りとして聞かせるだろう。
自分が裏試験受けてないからまったく分からん。
悪い能力なら例が出せるが、自分が使いこなせる範囲で必要な能力になると考案する難易度が非常に高くなる。
こちらの大陸なら身体強化した上で殴れば基本解決するのも発を後回しにしてしまう原因だ。
操作系は対策しているし、概念系も五感強化による恩恵でやばそうならわかる。
人数集められるのだから、戦隊ものも出来るな。
幻影旅団のハントにカタヅケンジャーを能力にしたチームぶつけたら、返り討ちに出来ても彼ら情緒的に死にそうだ。
俺は本来なら戦闘が役割りで補助は任せられるから、戦闘用の発を考えるべきなんだろうけど、兵器の進歩が飛躍的に進んでいて強力な攻撃したいなら武器持てばいいのが現状だからな。
ハンターなら武装していても咎められないし。
「悩んどるなら無理に決めん方がいい、なにが必要になるかなんて必要になるまで分からん事もある」
必要か、漫画やゲーム、そもそも娯楽に楽しめる物が全然ないから俺達としてはその方面になるんだが、寝ている間にしか出来ない縛りでフルダイブ型のゲームとか修行用のもはや格ゲー扱いのあれから発展して作れないかな?
増え続ける能力者の数から言ってオーラは足りそうだけど、シナリオと舞台をどうするか。
なによりハジメの引継ぎ要員以外の特質系が出て来ないとジョイントでも全員の夢を繋げて好きなように扱うのは無理そうだ。
『ドリームアイランド』計画、成功したら娯楽不足が一気に解消されそうだ。
計画の名前が少し不吉かもしれないが他にいい名前が浮かばなかったから仕方ない。
「悩むばかりで気が塞ぐなら体を動かすのもいいじゃろ、どれ久しぶりに揉んでやろう」
考え事がとっ散らかっていただけで、気落ちしてる訳じゃないんですけど、分かっていてただ組手をする口実ですよね?それ。
「押忍、お願いします」
でも体育会系で躾けられたから返事は反射でしてしまうんだ。
◇◇◇
神字によって補強されている道場に向かい合って立ち、礼をした後こちらだけ構えを取る。
ネテロ会長は自然体で立っているだけだが、ふてぶてしく強者としての自負が溢れている。
既に始まっているので「行きます」などと声はかけず仕掛ける。
最短正面からハートショット狙いの正拳。
流もひたすら格ゲー気分で使い倒している内に攻撃の速度に合わせられる練度に仕上がっている。
起こりも分からない動きで拳をそっと流される。
知覚し体が流される前に行動、ショルダータックルで超インファイトに持ち込む。
こちらから打ち込んだのに微動だにしない会長、タックルの勢いを利用し衝撃をこちらに返された。
微々たるダメージだ、強化系なら一呼吸の間で回復する。
ボディにワンインチパンチを打ち込もうとするが、これは流石にガードされた。
打ち込んだ拳を握られ関節をきめるのではなく、投げられる。
無防備な空中で追撃を掛けられないよう念弾を放つが、道場を傷つけない為か逸らさず迎撃して全て相殺された。
一分もかかっていないやり取りでこちらは汗を感じているのに、会長は涼しい顔で楽し気な雰囲気を感じる。
まだ一歩も動かせてない。
リーチの内側にいながらそこから先が途方もなく遠い。
搦め手なども相手の方が戦闘経験も技術も上であるから通じない。
体を動かすためにと誘われたのだから純粋に鍛錬の成果をぶつけよう。
何度か手段を変え正面から打ち込んでいたが、ここまで逸らしたり受け止めていた会長が今度は腕の内側にいた。
不味いと分かっても打たれる覚悟を決めるしか出来る事は無く、カウンターで吹き飛ばされた。
衝撃が内にだけ届く形でなく後ろに吹き飛ぶ打ち方のお陰で、内臓のダメージが少なく済んだ。
何故自分が吹き飛んでいるのか分からなかった頃よりは成長を感じる組手が出来たと思う。
動きの速さと上手さの融合具合が途轍もない、組手中に糧にする事は出来なかったが情報をアップデートして皆の技量を上げて攻略法を考えよう。
いずれ第二、第三の俺がこの経験を活かして高みを目指すだろう。