あれから俺は蛍に案内されてモンドというところへ来た。そこで現地の人達から色々聞いたのだが、どうやらこの世界はテイワットと言う世界で七つの国があるらしい。そして、それぞれの国には七神と呼ばれる神が存在しているらしく、このモンドは風神バルバトスが収めていて、「自由」の国と呼ばれている。
俺はとりあえず蛍に冒険者協会まで案内してもらい、冒険者の登録を済まし、そこで毎日依頼をこなして小銭を稼いでいる。
幸いにも俺の体は前世程の力では無かったが、この世界でも強者と呼ばれるくらいには強いので、冒険者の中でも結構稼げる方だった。
「星と深淵を目指せ!」
『キャサリンさん、はいこれ。今日の分の任務終わらせてきましたよ。』
「ありがとうございます♪これは今日の分の報酬です!」
『毎度毎度ありがとな。』
「いえいえこちらこそ♪これからも冒険者教会をよろしくお願いします!」
『おう。』
キャサリンからの報酬を受け取り、俺はある場所へ向かうのだった。。
俺はこの国の教会の中へと入る。そこにあいつはいる筈だ。
『んー、、、今日はここって聞いてたんだが。。。』
「あ!護さん!!」
俺は顔を名前を呼ばれた方へ向ける。するとそこには、真っ白な髪色をツインテールで結び、身長は140センチ(らしい)と小柄で顔立ちはちょっと幼なげな可愛い顔をした、100人中100人が美少女だと答える程の美貌の持ち主。バーバラだ。
『おー、、バーバラ、久しぶり。』
「む、久しぶりって何!昨日も会ったでしょ!」
『それはそうなんだがな。』
「全く。。。私、これでも一応モンドのアイドルなんだからね!!」
『ハイハイスゴイスゴイ』
「あー、今絶対適当に返事したー!!」
「もー、私だってヒマじゃないんだからね?」
『嘘だな。』
「嘘じゃないよ!?」
『本当に暇じゃなければここ最近毎日会ったりする時間なんて無い筈だからな。』
「それは...うぅ...」
図星を突かれ押し黙ってしまう彼女に対し俺は一切の容赦をせずにドヤ顔を披露した。
『ふふ...名探偵まもるはいつも真実を見抜いてしまうからな。。。』
「だったら、私の好きって気持ちも見抜いてよ。。。」
『ん?なんか言ったか?』
いかんせん声が小さかったので、何を言ってるのか聞き取れなかった。
「なんでもない!!!!」
『お、おう。。』
そこまで怒らんでも。。。
『ごめんって、冗談だよ、冗談。』
「はぁ、、次やったら怒るからね?」
『御意』
ため息つくところも可愛い、そんな歩く美少女ことバーバラはモンド内一のアイドルでありながら、教会の牧師もこなしている超スーパー有能人なのである。前世でいう所のスパダリって奴だ。
とまあ、そんな彼女と俺がいつ知り合ったのかなんだが、別に運命的な出会いでもなんでも無く、ただ俺が怪我した時に彼女に手当してもらい、そこから仲良くなったってだけだ。
彼女にはお姉ちゃんがいるらしく、その姉もまたエグいスペックの持ち主である。
なんでも、西風騎士団の代理団長らしい。団長は今遠征中らしく、その残った騎士団の中で一番優秀なのが彼女だった為、任命されたらしい。
ただ、彼女の性格上頑張りすぎてしまう事が多く、困っているらしい。
休むのも大事だからな!....能力のある人は特に。変に仕事ばっかよりも、休息と仕事の切り替えを上手くする事を覚えた方が結果的には成績が伸びたりするからな。
「でね、またお姉ちゃんが————」
バーバラのお姉ちゃんはまた仕事をしすぎたことによる寝不足でぶっ倒れたらしい。
……うん、俺が知る限りでは一週間に一回は寝不足で倒れてるので、そろそろ生活習慣を改めた方が良い気がしてきた。流石に一週間に一回はまずい、そりゃバーバラも心配するわ。てか身内がこんなになってたら誰でも心配するでしょ。
『……大変だな、本当に。』
「でしょ!?おねちゃんってば、今ある奴終わらせたら、さらに先のやつまで進めようとしてさ、それが終わったらさらに次のやつ。。。それでこの前、一ヶ月も先の予定の任務を終わらせようとしてたんだよ!?」
うん、バーバラのお姉さん、お前は寝ろ。一回寝ろ。話はそれからだ。
『一ヶ月も先なら別に後回しでよくない、、、?』
「だよね!?そう思うよね!?」
俺たちのお茶会....もとい、愚痴会は最近毎日開かれている。なんで俺とバーバラがお茶会をしているのか、大体の流れを説明すると
いつもの様にバーバラの治療を受ける
↓
なんかバーバラが浮かない顔をしている
↓
なんか気まずかったので我が秘技ドシタンハナシキコカ構文で何があったのか聞く
↓
なんかお姉ちゃんが頑張りすぎてて体が心配らしい
↓
なら相談に乗ろうか?
↓
うん!!
……と言った流れである。
それで最近は特にひどいのか、毎日のように相談に乗っているという形だ。といえども、彼女も最近だと結構働き詰めなので心配ではある。
今も元気そうではあるが、目元には微かに隈が出来ている。
『…バーバラ』
「———?なあに?」
『あまり、無理しすぎるなよ。』
「へ?わ、私は別に無理なんて…」
『俺はバーバラが倒れる所なんて見たく無いからな。だから適度に休みを入れてくれ。……最近、寝てないだろ?』
「……見てたの?」
『ああ、最近お前は働きすぎだ。偶には休んだらどうだ?正直、今のお前はいつ倒れるのか分からなくて心配だ。』
「……ありがと、でも、私は大丈夫だから。」
『———そうか。』
これ以上は野暮ってもんだな。
『そろそろ時間だ。』
「あっ……」
俺はバイバイと言い、後ろへ振り返って帰路へとつく。。。。
「護さん!!」
と急に後ろからバーバラの声が聞こえた。
『な、なんだ!?』
さっと後ろを振り返る。
『どうし———』
次の瞬間、何か柔らかいものが唇へと触れた。
「んっ————ぷは……」
唇と唇が触れたのはたったの数秒なのだろうが、その数秒は、俺とっては永遠にも近い時間に思えた。
『……バーバ、ラ?え、あの、なに、して。。。』
「えへへ、護さん。」
バーバラがゆっくりと、言葉を紡ぐ。俺はそれをただ黙って聞いている。
「———好きです!!わ、私と!付き合って下さい!!」
「へ、返事は次会った時で構わないので!!!」
それじゃ!と顔をあからめながら小走りでバーバラは去っていった。
『……うへ?』
……バーバラに、キスされた。
…………………ふへ
『えええええ!?!?!?!?』
俺は今日一の声で叫んだ。
ちなみに帰る時、俺の顔は真っ赤だった。