言葉足らずな箇所をメインに修正を加えました。
昔、あるところに千代(ちよ)という女の子がいました。
千代は小学5年生。最近転校してきました。
千代はいじっぱりで負けずぎらい。
みんな千代からにげていきました。
先生も心ぱいしていましたが、千代はあいかわらずでくちびるをぎゅっとかんで、ひとりぽつんとすごしました。
千代のおうちは大きなおやしき。
やとわれのめしつかいが何人もいます。
夜ごはんにはかならず、千代の大好きなハンバーグとおやつのプリンアラモードが出ます。
千代のお父さんとお母さんはいそがしく、何日も会えないこともあります。
そんなとき、千代はさみしがってめしつかいさんや、ペットの犬たちや鳥たちと、ねるまでおしゃべりをします。
クリスマスの夜。
まちはピカピカとにぎわい、キャロルと笑顔であふれています。
やしきのお手伝いさんは皆クリスマス休暇。
この日もやっぱりひとりぼっちの千代。
冬休みに入っても、誰も構ってくれないのでひとりでさんぽに来たのでした。
雪をぼーっとながめていたら、とつぜん目の前に女の子がやってきました。
「ねぇ今ひま?あそぼうよ」
「いいけど、べつに。なにするの?ていうかだれ?」
「遠いところからきたの。でも友だちいなくてさ。親は仕事だし。たぶん同い年でしょ。
……そうだ、名前は?」
「わたし?わたしは千代だけど。あなたは?」
「澄華(すみか)!わたしたち今日から友だちね!」
友だちということばに、ちょっと頬が赤くなる千代。
生まれて初めてできた友だち。
うす暗い外灯の下でさむがりな澄華の手を、いつまでもいつまでもにぎってあたためていました。
雪はいっそうひどくなり、どんどん積もっていきました。
ふたりはよりそって眠りました。
千代のお父さんとお母さんがサンタの格好をして、ごめんね、ごめんね、とふたりを抱きかかえてお家へ連れて帰りました。
楽しいクリスマスパーティーをして、ご飯をいっぱい食べました。
そして4人でかたまって幸せに眠りました。
みなし子だった澄華は教会にあずけられました。
初めのうちは千代と同じ学校で、千代のとなりに座ってじゅぎょうを聞いていましたが、いつの間にか学校に来なくなりました。
友だちがたくさん欲しくなった千代は、色んな人に話かけてすっかりクラスのみんなと仲良くなりました。
千代も澄華のことを気にしていたのですが、親の仕事で転校が重なり、そのうちすっかり忘れていきました。
❁ ❁ ❁
昔、千代ちゃんという女の子がいました。
彼女は高校を卒業したあと大学に入り、冬休みにを使って遠い外国まで行きました。
すっかり大人になった千代は、時々あの夜を思い出すようになりました。
初めてのお友だち。初めての寂しくないクリスマス。
きっと澄華ちゃんは神の使いだったんだと。
友だちのいないわたしを救いに来てくれた天使。
いまはかのじょを探すため、世界の教会をめぐって旅をしています。
いつかまた、会えるかな。
❁ ❁ ❁
ある雪の日。
大きな大きな教会の、大きな大きな絵画の目の前で。
ここにいたのね、澄華ちゃん。
来てくれたのね、千代ちゃん。
ずいぶん遠くから来たのね。
あの日はありがとう。
そして、愛すべき友よ。メリークリスマス。
皆様沢山の感想ありがとうございました。
執筆した手触りや感想を完結に書かせていただきます。
私の記憶が間違いなければ、実はしぶころは初参加でした。
最後にコンテスト等に出したのは3年前?のヒヨコロで、私なんかが出ても良いのだろうか?と疑問を抱きつつ皆さんの執筆ヂカラにビビりながら、最後の方にコソッと出した作品でした。(へなちょこ作家)
酒のアテになりそうって何だろ〜〜と考えた結果小粒でも心が温まる(煮豆みたいな。)お話がいいなと思いつき、今回のお話は敢えて小学校の教科書に掲載してそうな分かりやすく短い文にしてみました。
普段、生や死、心に抱えた迷いなどを思いのまま文にして書き表すことが殆どなのですが、この作品だけはどうしても幸せに終わらせたかったので私の中ではちょっと変わった味付けのお話です。
千代ちゃんは、2年前私の夢の中に出てきた見知らぬ女の子です。
きっと具現化した私の弱い部分なのでしょう。
彼女は夢の中でも救いのない存在でした。今回ハッピーエンドを形にすることによって、私の中に眠る彼女の傷ついた魂が癒やされるのを心から願っています。
以上