航空自衛隊TSギア作戦記 ―出撃せよ、戦闘少女飛行隊!……でも中身は皆男性!?―   作:えぴっくにごつ

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ミッション24:「その姿」

 苛烈な空中戦が、周辺空域の全域で繰り広げられる中。

 

 作戦編隊主力は「目標」の間近へと迫り。

 それに伴い、いよいよ作戦はその主目的へと及ぼうとしていた。

 

 いくつもの小中のグループから成される、作戦編隊主力の後段。そこ位置取り飛行するは、二機のE-767 AWACSの、その力を携えた少女隊員等。

 むろんその正体は、男性航空自衛官である。

 

 本来ならばより後方の安全な空域に居るべきはずのAWACS機が、しかし主力と共にここまで出張って来たのにはもちろん理由がある。

 

 現在作戦編隊が目指しているのは、フィアーの「母船」、その「コア」。

 その位置情報こそ、クルェスの持ち込み形にした技術によって、すでに特定に至っているが。

 その「実体」を引き出すには、フィアー側の厳重な秘匿隠蔽を剥がさなければならない。

 

 その役目を担うのが。此度のための特殊な装備装置を増加実装した、AWACS機の彼女(彼)等なのだ。

 

「対象ポイントの範囲内ッ」

 

 メイン機とサポート兼予備機である二機一組のAWACS少女たちの、その片方が。

 眼前に投影されるレーダー表示に、「それ」を確認して相方に発し伝える。

 

「了。始める――」

 

 それを受け、そしてメイン機側のAWACS少女が発したのは、そんな宣言の言葉。

 

 そして彼女は、その腹側の両側に抱えるように装備していた。本来のE-767には無い、物々しいポッド型の装置を。

 それこそ、フィアーの秘匿隠蔽を剥がすための要であるそれを、展開。

 

「――起動ッ」

 

 そして、その「起動」の旨を宣告。同時に強くそれを心に念じ。

 瞬間――

 

 AWACSメイン機の彼女を中心に。

 電子的な、しかし一種の爆発のような音声が発生。

 そしてそれと同時。まるで電波を、電子を可視化したかのような青白い「波」が。球体の形で爆発的に拡大。

 それは一瞬の内に、作戦編隊の全てを覆ってさらに越え。周辺の広大な空間を、包み込む様相で広がった。

 

 球状に広がった電子の波はそれから、周辺広くの空間に馴染むかのように消失。

 そこから一瞬の、しかし永遠と感じるかの如き時間を。近くに遠くにジェットの音に、戦闘音を聞きながらも、しかし静寂が訪れたと錯覚するようなその間を。

 作戦編隊の皆は、固唾を飲んで見守る。

 

「――!」

 

 間もなく。誰かが最初に「変化」に気付き、目を剥くその気配でそれを周囲に伝える。

 

 そしてその向こう、大海原の上空の宙域に――景色が、「空間」が。「揺らめき歪む」光景を、作戦編隊の皆が見止める。

 

 目視した最初は、ごく小さなものであったそれは。しかし直後には加速度的に拡大を見せ、巨大な「空間の歪み」へと膨張して形を成す。

 そしてしかし、それも束の間。

 

 空間の歪みを、揺らめき歪に変えていた景色を。まるでその「内」から破り崩すかのように。

 

 

 ――「それ」は現れた。

 

 

 ――――――!!

 

「ッぉ!」

 

 空間、空域の広く全域に、直後に響いたのは。

 形容し難い、生物の本能的恐怖を、そして嫌悪感を煽り揺さぶるかのような「唸り声」。

 まるで巨大な何かの存在が、眠りを妨げられて不快感を示すかのようなそれ。

 

 そしてそれを伴い――「それ」はその実体を現した。

 

 歪んでいた空間、景色を。それをまるで纏っていたベールを、崩して脱ぎ捨て去るかの様相で現れたそれは。

 あまりに巨大で、そして禍々しい存在。

 

 詳細に、なんと表現するべきか。

 

 空中に浮遊、いや「航行」する。禍々しい彩色の巨大な構造物であるそれは、巨大な「都市」を思わせた。

 詳細には、その「都市」が。区画の配置によって、まるで超々巨大な軍艦を成しているかのような、そんな全形。

 

 そしてその「超巨大都市艦」の中心に。

 そのために専用に設けられた区画であろうそこに。

 何か一層禍々しい、ブラックホールの如きで蠢き揺らめく巨大な、構成物質すら定かではない球体が堂々と収まっている。

 それこそ。異次元世界からこの地球へフィアーを招き出現させる、「コネクター」を生み出す諸悪の根源。

 

 「コア」。

 

 そしてそれを内包する超巨大都市艦こそ。フィアーの「母船」、「要塞」に他ならなかった。

 

「……マジかよ……」

 

 あまりに異様で、禍々しく圧巻すら覚えるその全容を目の当たりに。

 作戦編隊の内の誰から零されたのは、しかしやっと絞り出したかのような、呆けてしまったかのようなそんな声。

 

「――ッぁ!」

 

 その誰かに違わず、「母船」のとてつもない姿に思わず見入ってしまっていた各員であったが。

 それを覚ますように。次にはそのフィアーの「母船」より、大中小無数の、そして強烈な熱光線が。

 フィアーの「砲火」が飛び来て襲い掠め始めた。

 

 さらに同時に「母船」からはおびただしい数の、各形態のフィアー個体が。フィアーたちの「艦載機」が、飛び出してくる様子が見える。

 フィアーたちの、「迎撃」行動だ。

 

「来たなッ――様相に飲まれるな、始めるぞッ!」

 

 それを見止め、やはり飲まれ掛けていた意識を、しかし数多を振るって覚まし。

 そして、伝え鼓舞する声を張り上げたのはダニエル。

 

 その響き上がった声に、次には各員も応じ。各員各機はそれぞれに定められた役目のための行動に移行。

 作戦の根幹。フィアーの「母船」の「撃沈」、破壊無力化を成すべく。

 

 全機がその作戦行動を開始した。

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