7月21日、明日から夏休みに入るので学校は今日が最終日だ。いつ寝ても起きても問題のない期間、気になってたアニメと映画のリストは既に纏めてあり結構な数となっているけど時間はあるので問題ない。さっそく今日から夜更かししようと心躍らせていたが・・・
「優斗、お前の姉ってSNSやってるんだな。見つけて即フォローしたぞ!」
「・・・やってるらしいね」
友達で二次元オタの姉萌えである祐介がそう言って姉さんのアカウントを俺に見せてきた、姉関連になると嫉妬爆発で対応するのが大変だったが今日はこの話題でも冷静を保っていて珍しい・・・友達から「姉のアカをフォローしました!」って言われるのがこんなに複雑な感情に駆られるとは知りたくなかった。
「やってるらしいって、優斗はアカウント見てないのか」
「そういう系に特に興味がなくて、それに姉のSNSとか弟が見るのも何か色々思っちゃうっていうかさ」
姉さんの投稿にフォロワーが「可愛いー!」とか「綺麗ですね!」って反応してるのを見るのは弟としては気まずい、コメントしてるのは女性だけじゃなく男性もって思うと何故か余計に・・・
「・・・じゃあ知らないんだな」
「は?」
そう言った祐介の額にはいつの間にか青筋が立っていて、えっ?怒ってるのか??知らないってのは姉さんアカウント関連の何かを指しているんだろうけど・・・何が原因なんだ。
「ほら、これを見てみろよ」
祐介が見せてきたのは最近の投稿で、というか姉さんと一緒に行ったパフェの写真だった。別に写真自体におかしい所は特になく、それ以外は「ゆうくんとデート、楽しかったなぁ」と書かれてるくらいで・・・くらいで?
「姉さん何してんだ!?」
「ようやく理解したか、ちなみに過去の投稿にもゆうくんって名前が何度も登場してるぞ」
「・・・マジ?」
「大マジ」
急いで他のも見てみると本当に俺ことゆうくんの名が出ている、顔が写ってるものはないが軽く手や足は入っていて正直匂わせにしか見えない。弟とも書かれてるから勘違いはされないだろうけど・・・とりあえず祐介がビキってる理由はわかった、この件は当然本人に追及するが今は処されないようこの場を乗り切らないと。
目を閉じ呼吸を整え・・・今度は負けないよ、勝ってやります。
「祐介これは「パフェ互いにあーんしたんだろ、ゆうくん?」
「いやしたけど・・・あっ、また俺ミスを」
普通に処されました!
「・・・はぁ」
放課後、帰りながら姉さんの投稿を見ているが困惑の感情しかない。もう色々ツッコミたいことはあるけど一番頭抱えたい案件なのはコメント欄で。
「ゆうくんパフェ食べれてよかったね」
「弟さんイケメンなんだろうなぁ」
「顔出ししてください!」
俺の存在がおかしくなってることだ、そりゃ姉さん見れば弟もカッコいいのでは?と思うだろうけど現実は違うんですごめんなさい。後顔出しとか動画投稿者に言うやつでしょ、何か違くね。
「イケメンで運動神経抜群ながら料理などもできる家庭的な一面を持ってそう!」
「一つも当てはまってないです・・・」
姉さんは悪気があるわけじゃない、善意100%の純粋さで俺の名が何度も出ているせいで良い風に定着してしまいイメージの過大化も起きている。困ったことだ。
「彼氏にしたいなー!」
・・・こっ、困ったことだ?
「あっ、ゆうくんおかえり」
「ただいま、いやー本当にありがとう姉さ・・・じゃなくて!」
危ない、あのコメントで許してしまうところだった。姉さんにしっかり伝えなければ。
「姉さん、SNSアカウントのことなんだけど」
・・・そう言うと姉さんは瞳を輝かせながら俺に近づいてきた、今までアカウントを見てこなかったからようやく見てくれたという嬉しさなんだろう。別に弟とか載るのは嫌じゃないんだけど俺の存在が飛躍しすぎてるのが問題というか。
目の前まで来ると俺の手を掴み、期待を乗せた声色で。
「ゆうくんも一緒に写りたくなったんだね?嬉しいよ、ずっと姉弟で写真上げたかったんだ」
「いや違うよ」
「・・・えっ」
めちゃくちゃガッカリしてるな!?そんなに一緒にしたかったのか、ちょっと罪悪感・・・でも流石にそれは無理だ恥ずかしすぎるし。それにコメントの人達がイケメンではないという現実を見てしまう。
俺の拒否により姉さんはグルグル目で手をあたふたさせながら。
「姉弟お揃いコーデとかいいんじゃないかな、そういうの上げてる人いるし。その服で舞台鑑賞デートした後、ご飯食べて色々回った後に最後は観覧車で・・・恥ずかしくて言えないよっ」
「途中からただの願望では?」
最初はプレゼンしてたのに今は頬を赤く染めながら妄想でキャーキャーしちゃってる・・・
「そ、それでデートの最後に手を繋いでる写真を上げてハッピーエンドに」
・・・それを投稿したら俺の羞恥心が爆発してバッドエンドだよ。