姉がハイスペックすぎる   作:ガテル

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第11話

 

 

「いい朝だなー」

 

夏休みが始まって1週間、学校はなく時間に囚われることもないので俺は絶賛ぐうたら生活を送っていた。今さっき起きた所で部屋に入り込んでくる光が眩しい、これは朝日か・・・時計の針は午後12時を指してるように見えるがきっと気のせいだよねっ。

 

俺は朝食?を食べるため2階から下りてリビングへ向かう、穏やかで心地良い朝食??タイムの始まりは近い・・・

 

 

「ゆうくん、今何時かわかってるよね?」

 

リビングへ入るとそれはそれは不機嫌そうな姉さんが頬をプクっと膨らませて待ち構えていた、今何時かという質問とかそんなの簡単すぎるよ。答えは一つ。

 

 

「午前7時に決まっ「真面目に答えて」

 

 

「午後12時です、ごめんなさい・・・」

 

 

俺の姉がこんなに怖いわけがない・・・前々から運動関係は姉さんに注意されてきたが、夏休み入ってからほぼ毎日だらけているので流石に我慢の限界を超えてしまったらしい。

 

 

 

発せられるオーラに怯えていると姉さんは氷のように冷たい表情から一転、温かく慈愛に満ちた笑みを浮かべた。その笑顔を見て俺の心は安堵・・・などするわけはなくこれから発せられるであろう言葉が予想でき絶望しかない。

 

 

「ゆうくん」

 

「はい」

 

「私が一緒にいるから運動しようね」

 

「はい・・・」

 

 

・・・俺に非があるし、やるしかないな。

 

 

 

 

姉さんは女優業のために普段からストレッチや運動を欠かさず行っている、そのため身体はかなりの柔軟性を持ち開脚とかどうやったらそこまで開けるんだよと思うレベル。今も「運動前には必ずストレッチ」と言われ俺は床に座り両足を広げ上体を前に倒す前屈を始めた。

 

 

 

「身体の固さが小学生の頃と全く同じ・・・ふふっ、昔を思いださせるね。可愛いなぁ、ゆうくんあんまり無理しちゃダメだよ?」

 

 

く、屈辱!?でもこれより更に上体を倒したら足の痛さに耐えられない、体育の授業でも思うけどこういう系マジでキツいって・・・そんな苦戦中な俺を姉さんは懐かしむような微笑ましいといった様子で見ている。まるで小学生の子供の運動会を見守る保護者のような空気と純粋な身体の痛みにダブルパンチを受けた俺は一旦止めた。

 

 

「も、元からヤバイけど夏休み入ってから家に籠ってばっかなせいで余計に固くなってるのか」

 

 

夏休み効果恐るべし・・・まぁ前も部屋で軽く運動しただけでダウンしたから実は大して関係ないのかもしれない、悲しいなぁ。

 

小学生のときと変わらない、そんな現実に打ちひしがれているとふと俺の背中に両手が当てられた感触があった。

 

今は姉さんの部屋、当然ここには2人しかいない、つまり。

 

 

「前屈は誰かが背中を軽く押しながらやるといいよ、だっ、だから私が押してあげるね」

 

 

・・・それは凄く助かるんだけど目をキラキラさせて顔もちょっと赤いのが不安すぎる、手助け以外にも何か理由があるような気がするが姉さんを信じよう。うん、そうしよう。

 

 

 

「軽く押してるけど大丈夫かな?痛かったら言ってね」

 

「大丈夫、さっきより全然いけるよ。ありがとう姉さん」

 

 

痛くはあるがちゃんと身体が前に倒れていく、ストレッチなんて苦痛でしかなかったけど案外いいかもしれない。苦痛より気持ちよさが上回るのも姉さんの絶妙な力加減による手押しがかなり大きいと思う、本当に感謝だ。

 

 

「ゆうくんの背中、あったかい。もっと・・・」

 

 

「姉さん今何か言った?」

 

 

「な、なんでもないよ!?」

 

 

小さい声でよく聞こえなかったが今の聞き逃しちゃいけない事だった気がする、まぁ考えすぎか・・・ってだいぶ身体倒したな。さっきよりかなり進歩できて嬉しいぞ、でもこれ以上は足と背骨が悲鳴上げちゃうからキツいか。

 

 

「姉さんもう大丈夫、これ以上はキツ・・・痛った!?てか急に重いな何で?」

 

 

これ以上前に倒すのはキツいのに重さによる限界ライン越えで身体が悲鳴を上げ始めた、両手だけなのにこんな重いわけ・・・いや一つ思い当たる原因があるじゃないか。もう大丈夫という俺の言葉に対し姉さんの返答はなく、それは前にもあった周りの言葉が聞こえてないトリップ状態かもしれない。

 

当たってほしくない一心で恐る恐る顔を後ろに向けると。

 

 

 

「・・・ぎゅー」

 

 

「当たりかよ、てか姉さん何幸せ顔でトリップしてんの!全体重でのしかかるから身体が痛いんだって!!」

 

 

悲しきことに全く言葉は耳に入らない、完全にパフェの日に手を繋いだときと同じ状態である。いつの間にか両手から全身に変化しておりこの前屈中の状況では最悪としか・・こんなときでも大きく柔らかな二つの感触はしっかり感じ取れてしまうのは弟として何とも言えない。

 

 

「ちょ、これ以上はホントに・・・あっもう無理」

 

 

「わ、私何を・・・えっ!?ごめんね今すぐ下りるから!ゆうくん?ゆうくん大丈夫!?」

 

 

 

幸い何ともなかったがこれからは身体を動かしていくのを心がけようと思った、今日はストレッチ段階で不慮の事故により終わっちゃったけど。

 

後姉さんのトリップ化も何とかしたい、色んな意味で俺が持たないので・・・

 

 

 

 

 

 

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