「・・・気が重い」
現在わたくしがどこに来ているかというと、夏の定番であるプールですわ!家族連れや友達同士。周り気にせずイチャイチャしていらっしゃるカップルなど沢山の人で溢れてますのよ・・・どうして俺はお嬢様口調を使っているのか、その原因はこれから起きるイベントを考えると頭が痛くなるのでちょっとした現実逃避しているからです。
娯楽施設であるプールで何故こんな気持ちになっているのか、それはそろそろ来るであろう人物が理由である。
「待たせちゃってごめんね、ゆうくん。これ新しい水着なんだけど・・・似合ってるかな?」
・・・女神、彼女を見た瞬間その言葉が僕の頭によぎった。白い水着は清楚な美しさを強調させており、それでいて優しさを感じさせる彼女の佇まいとは裏腹にスタイルは男なら誰をも欲情させるであろうエッチボディで」
「俺の思考みたいに言わないでくれます!?そもそもあなた誰ですか!?」
誤解しないでほしい、今のは俺の近くにいる全く知らん男の感想だ。前半は真面目なのに後半IQ下がりすぎだろ、何だよエッチボディって・・・幸い彼は小声で言っているため姉さんには聞こえてないらしく助かった。
俺の気が重かったのはこれのせいだ、一般人が殆どであろうこのプールの中でモデル顔負けの容姿とスタイルを持つ姉さんは当然目立ちまくってしまう。普段歩いてるときも視線は集めているが、今は水着姿でなおかつ人もかなり密集しているため視線の嵐と言っていい。
姉さんは視線に慣れているのか周りは全く目に入ってないといった感じで・・・俺は弟だけど彼氏かとしょっちゅう勘違いされるので嫉妬には多少慣れてるが、流石に今回はキツいのでひとまずこの場から離れたい。変態野郎もいるしね?
「ゆうくん・・・返事がないってことは私の水着姿ダメだったんだね」
「あっ、いやそういうわけじゃ」
色々考えてたから返しを忘れてたよ・・・正直姉の水着姿の感想を言うとか恥ずかしくて行く前から嫌だったけど、姉さんの落ち込んだ顔を見るのはもっと嫌だと思った。だから仕方ない、あの変態のような事は絶対言わないが弟の俺から見ても姉さんの姿は。
「そのお姿・・・わ、悪くないですわよ!?」
やっば、お嬢様引きずっちゃった上にツンデレも軽く混ざっちゃってるし。だがそんなトンチキな言葉でも何故か姉さんはとても嬉しそうに笑っていて、暗い気持ちは晴れたようだった。
「ゆうくんのそういう所好きだよ」
「・・・自分で言うのもアレだけど今のじゃ伝わらなくない?」
「人を調べて色々読み取ることはできるけど、ゆうくんの場合は表情だけでわかるんだ。ふふっ、弟だからね」
「・・・はいはい」
こちらを見る姉さんからの温かい目に耐え切れず俺は顔を逸らした。
あの場所から離れ、夏休みだからか家族連れなどで流れるプールはかなり人が密集していたけれど別のプールは意外と人がまばらで視線も少なく落ち着けるためそちらに入ることに。
「ここは初めて来たけど、選んだ理由としてはやっぱりアレかな」
そう言って姉さんが向いた方向にあるのは大きいウォータースライダーだった、これがあるのは知っていたけれど写真ではなく実物を見るとやはり違った迫力がある。
「高いし結構怖そうだけど姉さんやりたいの?」
「私自身興味はあるよ、それにテレビのバラエティ番組でよくウォータースライダーに乗る企画があるから・・・もし将来それに呼ばれたときの練習の意味も込めてね」
そう言ってる姉さんの顔はとても真剣だが一つ思う事がある。
「女優とかそういうのしなくない?大体スタジオから見る感じだよね」
「・・・そ、それララライの人にも同じ言われたけどゆうくんもそう思う?」
ガチ顔だ・・・前々から思ってたが、姉さんやっぱバラエティとかそういう系絶対向かないなぁ。真面目や分析気質は役者ではいい風に働くがこっちでは逆に足かせになってしまいそうだ。
「若いからお願いされて・・・ぽっ、ポロリのハプニングとかあるかもしれないんだよ」
「姉さんアダルト系作品参考にするのやめて??」
何でそんなん見たんだ、だからいつもと違って思考がめちゃくちゃになってるのか・・・普段は頭いいんだけど今はポンコツすぎる。そんなポン姉を呆れながら見ていると、姉さんは急に顔を赤らめ始めて。
「じっと私を見てるってことは・・・本当はゆうくんポロリ見たいんだね?え、エッチだからダメだよっ!」
「そんなの思ってないよ!?」
・・・お腹空いてきたので昼食にしたいな、もうツッコミしきれないから一旦休憩で。