姉がハイスペックすぎる   作:ガテル

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第18話

 

化野さんと再会イベントからの姉さんによるお姉ちゃん同担拒否騒動は死を覚悟したが、無事収まり家へ生還を果たすことができました。本日は8月29日、夏休みも残り僅かだけれどまさかプールの日以上に感情が混乱する出来事が起きるとは思わなかったよ・・・俺としてはこれ以上何もなく穏やかに終ってほしいですね。

 

 

「ごめんなさい、俺はあなた以外にお姉ちゃんって言ってしまった。今からその償いをしたい、どうか許してくれあかね・・・ゆうくんお願いがあるんだけどね、これもう一度言ってくれないかな?」

 

「俺それ言ってないからね!?後一言一句覚えてるのやめてよ怖いって」

 

 

残念ながら穏やかに終わることはなさそうだ、姉さん?スマホの録音開始してるのチラっと見えてますよ??

 

 

「・・・行き詰まったときに聞くやる気引き出しボイスにしたかったなぁ」

 

「絶対お断りです・・・てか行き詰まるって勉強のときとか?姉さん頭良いんだからそんな事あるようには思えないけど」

 

 

確か偏差値78ぐらいあるしな、役者をやりながら勉学も超ハイレベルで両立できるとかどうなってんだ。基本何事もできるイメージなので行き詰まる姿というのは想像できないが、意外にも姉さんは困ったような表情を浮かべて。

 

 

「勉強だって行き詰まるときはあるし、演技に関しても同じだよ・・・それ以外ならゆうくんの私に対する好感度どうしたらもっと上げられるかとかもよく悩んでるかな」

 

「うん・・・うん?」

 

いや最後おかしいだろ、偏差値78の頭脳をギャルゲー攻略みたいに使わないでよ。まぁでも俺はチョロインじゃないのでそう簡単に好感度は上がらないけどね。

 

 

「今日の夜ごはんなんだけどね、最近料理教室で習ったのをお母さんと一緒に作るんだ・・・ゆうくんの好きな食材ばかり入ってるよ」

 

「くっ!?」

 

 

・・・料理で攻めてくるとはやるな姉さん、完全にツボを突いてきた。こちらの動揺を見て成功と言わんばかりに笑顔で嬉しそうだし、確かに前はそれで喜んでしまった事実を素直に認めよう。だがチョロインじゃないので2度目はない、これで攻略できると。

 

 

「やったー!食べるー!」

 

 

思わないことだな!

 

 

 

 

「失敗しなくてよかったよ、美味しかったかな?」

 

「・・・めっちゃ美味しかった」

 

「ふふっ」

 

 

お姉ちゃん度マシマシといった感じの温かな視線向けてこないで!?いや本当に美味しかったけどさ、このまま料理方面で攻められ続けたら好感度振り切りそうとビビるぐらいには。自分で言うのもなんだが姉弟としては今の状態で十分仲良い方だと思うし・・・いや仲良くてもあーんとか普通するかなぁ?

 

 

疑問に思った俺は、とても変な質問だが「好感度上げて何かしたいことでもあるの」と聞いてみると。

 

 

「今までは何をしたいか決まらなかったけど、今日目標ができたよ。いつも私をお姉ちゃんって呼んでもらう・・・べ、別にゆうくんがいいなら今からでもいいからねっ?」

 

「嫌です」

 

 

あのときはまたいつか呼んであげてもいいと思った気はするが、毎回お姉ちゃん呼びは流石にない。絶対チョロイン脱却しなきゃ、わたくしに3度目はありませんわ!もう欲望には屈しませんことよ!

 

でも今の完堕ちアヘ顔Wピースフラグにしか聞こえないな。

 

 

「・・・まぁとりあえず俺はこれから風呂入って、いいとこでセーブ中のゲームあるから2階に上がるよ。残り数日だけど夏休み中にはクリアさせたいし」

 

 

特におかしな事を言ったとは思えないけど、姉さんは何故か不安げにこちらを見てくる。それはまるで子を心配する母親を思わせるような、というかさっき似たものを母さん本人からも向けられたような・・・そのとき言われた言葉は。

 

 

「ちゃんと宿題したのかな、不安。って思ってるよね、姉さん」

 

「お、思ってないよ!?」

 

「俺は子供か・・・いや一応子供だけどさ?」

 

 

母さんは分かるけど姉さんはやめてよ、俺一応中2なんだって。今でもときどき小さい頃と同じ感じで見てこられるのは恥ずかしいしキツい。

 

 

「宿題が大丈夫なら勉強はどう?1学期でわからない所があったら私が教えてあげるね」

 

「わ、わからない部分は少しあったけどいいよ」

 

 

気持ちはありがたいのだが、大きな問題があって・・・姉さんは頭が良い。いや良すぎるため教え方が難しい、よく言われる天才は人に教えるのができないアレだ。沢山の情報を考察し纏めて一つに繋げ合わせたり、物語を深層まで読み取る力は他者に説明しても理解や真似は到底できない。だからその感じで問題を「こうするとやりやすい」と言われても申し訳ないが頭の中が毎回ハテナマークで埋め尽くされる。

 

 

「お、お姉ちゃんが力に」

 

 

「その気持ちだけで嬉しいよ・・・ごめん」

 

 

「・・・じゃあゆうくんの隣に座って正解するたびに私が頭を撫でて褒めるっていうのはどうかな」

 

 

「おい真面目な顔で何言ってんだ」

 

 

正解するたびとか何回撫でられるんだ俺は、もうそっちに気を削がれて集中できないでしょ・・・この後提案が完全に脱線し始め止まらず。

 

最終的には近いうちに1回だけ、勉強が終わったら姉さんに膝枕をしてもらうという案に落ち着いた。もう勉強関係なくね??

 

 

 

 

 

 

 

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