姉がハイスペックすぎる   作:ガテル

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第25話

 

文化祭から1ヶ月程経ち、今日は10月31日。世間が浮かれるハロウィンである、「トリック・オア・トリート!お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ!」俺はお菓子じゃなくエッチなお姉さんにいたずらされたいです・・・すいません欲望が出てしまいました。

 

まぁ知らない人の方が少ないであろうハロウィンだが、自分は仮装して街に繰り出したりパーティーに参加するわけでもない。なので普段の日とそこまで意識は変わらずといった感じだ、別に空しくなんかないんだからね!

 

 

「・・・もうやめよ」

 

 

学校から帰ってリビングのソファーに寝そべりながら、一人こんな事考えてる自分に何とも言えない感情を抱いていると玄関のインターホンの音が鳴り響いた。誰かが宅配便でも頼んだのか、とりあえずドアを開けると。

 

 

「ふふっ、いつでもお姉ちゃんにいたずらしていいんだよ?」

 

「俺は姉じゃなくお姉さんにいたずらされたいので結構です」

 

 

謎のドヤ顔を見て一瞬ドアを閉めたくなったが、俺も残念ながら暇なのでもう少しだけ付き合ってあげることにした。

 

「・・・じゃあお菓子でもください」

 

何故か変なテンションの姉さんは、そのままドヤ顔を保ちながら。

 

 

「お菓子はないけど、その代わりに頭を撫でてあげることならでき「結構です」ごっ、ごめんねゆうくん軽い冗談だからドア閉めようとしないでくれるかな!?」

 

 

お姉ちゃんを名乗る不審者がいるので誰か助けてください。

 

 

「・・・何かいつもと違くない?どうしたの姉さん」

 

 

姉さんのキャラからは考えられない、玄関でジョークぶちかます行動。家に入ってからもずっと上機嫌でよほどいい事でもあったのだろうか?疑問に思い、気になって聞いてみると。

 

 

「次の舞台が決まったんだ、私が今まで演じた事のない役でね。でも最近興味あったし、演じてみたいと思ってたから嬉しいなぁ」

 

「さ、最近興味があるって」

 

 

猛烈に嫌な予感がした、舞台での姉さんの演技は何回見ても惹きつけられる魅力的なものだと思う。でも今回は行くのを拒否したい・・・何故なら最近やってみたいって言ってた役って確かアレだよね。

 

不安が当たらないように願ったが、現実は残酷である。本人は満面の笑みで。

 

 

「ホラー系で全体を通して、主人公達に襲い掛かる恐怖となる女幽霊の役だよっ」

 

「そんないい笑顔で言わないでくれます?」

 

 

吉富さんオススメのホラー映画を見たとき、姉さんはそういう系に興味を抱いた様子だった。この前の文化祭でお化け屋敷に入ったのもそれが理由で、いつか演じたいなと話していたけどまさかの速さで驚きを隠せないよ?それだけ聞くと作品としてちょっと心配になったが、脚本のクオリティは高く面白いらしい。

 

・・・さっきのどうして俺が見たくないと思うかの理由だが、純粋にホラーが苦手なのもあるけれどそれ以上に。

 

 

「役者として幅を広げていく事は本当に大事、今回も私は覚悟を持って役作りに挑むよ。調べ上げて考察し尽して、見る人全員の心に残れるように頑張るね!」

 

「やだよぉ、姉さんが全力出したら絶対俺トラウマになっちゃうよぉ」

 

 

天才女優の手にかかれば、それはそれは凄い事になるだろう。だから見たくないんだよ!心に一生残るわ!?もう今のままで充分な完成度になると伝えなければ・・・いや実際、化野さんと姉弟ごっこしてたのがバレたときの姉さんマジで怖かったし。

 

 

「お、俺が化野さんの事をお姉ちゃんって呼んだときの姉さん凄かったよね。アハハッ」

 

「・・・ゆうくん、私のどこが凄かったのかな。普通に反応しただけで怒ってなんかいないよ?」

 

「充分どころか今の時点でも恐怖度オーバーしちゃってるよぉ」

 

 

・・・手段はないと悟り、諦めの境地に至った俺は「震え上がるようなもの見せてよ、がんば!」とやけ気味に応援の言葉を送った。

 

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