姉がハイスペックすぎる   作:ガテル

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第32話

 

姉さんの学校へ行き、「俺はもしかしてあかねさんの弟だったのかもしれない!」「BSO(僕が最初に弟だったのに)」などとほざくヤバい生徒達や変態生徒会長な赤木さんによりトラウマを刻まれてから数日が経った。あの危険地帯を脱出できて一安心、もう大丈夫だよ!

 

そう思ってたんだけどなぁ。

 

 

「私、やっぱりあの感触と温もりが忘れられないよ。だからお願いがあるんだ、ゆうくん……アレをもう一度してくれないかなっ」

 

「何かいやらしい行為みたいに言うのやめて?ハグの事でしょ??」

 

 

学校でようやく姉さんがやってきたときに深い精神的ダメージからか、ついつい安らぎを求め抱きついてしまった。今思うとマジで何してんだろ案件だが、俺も姉さんをギュッとして凄く落ち着いたような……いやそんなわけないですね。きっと気のせいデスワ。

 

どうやらハグイベントは姉さんの中でかなりぶっ刺さったらしく、それ以来何度もアンコールを受けている。

 

 

「うん、そうだよ。でもここは家の中だからね?ハグだけじゃなくてもっと……な、何でもないよ!?」

 

 

顔を紅潮させながら言いかけた言葉の続きを要求する勇気など俺にはない、ハグより「もっと」な事って何だよぉ。ただでさえ他よりおかしい姉弟のラインがもうめちゃくちゃ化する可能性に震えている中、ポケットに入ったスマホからメッセージの受信音が鳴っている事に気づいた。手に取り誰からか確認すると、そこには。

 

 

「今週の土曜日って予定空いとりますか、もしよかったら遊びに行かへん?」と寿さんからメッセージが届いていた、先に言っておくが俺は寿さんが嫌いとかでは当然ない。ただ、何故か姉さんがこの人関連になると色々心配してくるからこれを見られるのはマズいと思うんだよな。

 

「写真の子ってグ、グラビアアイドルかな!?大きすぎるよね!?」「早く雑誌届くといいね」「一番エッチなのは誰かな」

 

 

……変なのも混じってた気がするけど、実際会ったと話すたびにアワアワして大変な状態になるのだ。正直姉さんは考えすぎだと思う、前提からこっちは普通の一般中学生で向こうは美少女グラドル高校生というあまりにかけ離れた存在だし。それに俺はまだ知り合って間もないが寿さんの事は話していて楽しい友達であり、グラビアという仕事に対して真剣に向き合う姿にも尊敬している。だから特にそんな感情ないんだけどな。

 

あっ、今ハプニングとはいえ胸に顔うずめた奴が何言ってんだって思いましたね?あれは本当に事故なんですごめんなさいでした。

 

 

「ね、姉さん?お、俺やりたいゲームあるからそろそろ自分の部屋に行くね」

 

 

姉さんの直感スキルは恐らく【A】、実質サーヴァントレベルの勘の良さなので気づかれる前に自室へ逃げると決めた。もしここでバレてしまったら、二度目の「エッチなのは誰かな」尋問が始まる可能性が高くそれだけは何としてでも避けたい。

 

そんな俺の祈りに対し、姉さんの返した反応は。

 

 

「ふふっ、少し考えるだけで沢山したい事が出てくるよ。いつか叶えるために頑張らないと……」

 

「……姉さんのそのモード久しぶりに見たよ」

 

 

頬に手を当てて、恍惚とした表情を浮かべながら自分の世界へ入っている。もはや俺の声など全く聞こえていない様子だった、バレずに済むし助かったな?まぁいつか叶えるって部分は完全スルーで。

 

 

「……距離が離れていても姉弟で思考が繋がって会話とか出来るようになる、それもいいよね」

 

 

そんなニュータイプ嫌すぎる、てか何てものを叶えようとしてんだ。

 

 

 

 

 

 

「あっ、いいですよって返信来とる。土曜日が楽しみやわ、黒川君にはこの前うちの中で開いてしもうた性癖の扉の責任を取ってもらわへんと。だから絶対……みなみお姉ちゃんって呼ばせてみせるで」

 

 





戦いの始まり。
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