姉がハイスペックすぎる   作:ガテル

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第5話

 

劇団ララライに行き姉さんの演技を見た日から数週間が経った、あのとき俺は断じて絶対ホントに照れてません!肝心の舞台は大成功を収め3日前に最終公演で幕を閉じ・・・俺は初日に見に行ったがララライの舞台は相変わらず高クオリティでとても楽しく中でも姉さんの演技は凄く心を掴まれたような気分に。

 

「い、いや・・・別に掴まれてないし?」

 

照れた疑惑をかけられた後、しばらく姉さんがずっと上機嫌で俺を見てはニコニコしてくる始末。正直恥ずかしくて仕方なかった・・・姉に対し弟の立場というのは弱い、だがこの先もこんな感じで進むのは誠に遺憾である。

 

対等とは言わないが少しは強くならないと、俺がチョロくないって事を証明するのだ。

 

 

「ゆうくん、パスタグラタンできたよ」

 

「ヤッター食べるー!」

 

 

証明するのだ。

 

 

 

 

「どう?美味しいかな?」

 

「めちゃくちゃ美味いです」

 

 

姉さんの作る料理は本当に美味しい、舞台や勉強の傍らやっていたイメージだけど・・・それでも熱心に練習していた記憶がある。普通に料理が好きなんだろうが、実は何か他の理由でもあったりするのかと気になり聞いてみると。

 

 

「料理は好きだよ?楽しいし・・・でも一番の理由はね、自分の作った料理をゆうくんが凄く喜んで食べてくれるからかな。それが嬉しくて頑張ったんだ」

 

 

そう言って姉さんは笑っていた・・・ド直球ストレートが来て何と言ったらいいかわからない、とりあえず「嬉しいよ、俺の大好きな姉さんっ」は絶対なしな事だけはわかる。

 

そんな感じで返しに悩んでると、姉さんは笑顔から急に頬を赤く染め何かを想像しているような表情に変わり。

 

 

「後はこういうのカップルみたいって思ったりもしたよ?好きな舞台作品でこういう場面があって、彼女が作った料理を見た彼氏が大好きだって愛を伝える。ゆ、ゆうくんもこんな感じで気持ちを伝えてくれてもいいからね!」

 

「伝えるとしても愛はねぇよ」

 

絶対なしと思った俺は正しかったな、まぁ言う気もないけど。これを選択肢に選んでたらルート突入する可能性が高い、実姉ルートはいかんでしょ・・・

 

感謝の気持ちで「ありがとう、姉さん。本当に美味しいよ」とお礼を伝えた、何か本人めっちゃうっとりしてたけど。

 

 

 

 

昼食が終って時間は午後1時を過ぎた辺り、今日は土曜日で母さんも今は出かけておりいない。この後の予定は姉さんと映画を見ることになっている、俺の好きなジャンルは姉さんはあまり合わないため作品を探しているが中々見つからない。

 

 

「映画何見るか決めてないけど、姉さんは何か見たいのある?」

 

「一つ気になってたのがあってね、休憩中に吉富さんが面白いってオススメしてくれて」

 

邦画でジャンルはコメディ系、ホラーじゃない事に安心だな・・・姉さんによれば吉富さんは「姉弟で楽しく見てね!」と言ってたらしい。言い方に何か怪しさを感じる気が、ララライでからかわれたように含みがあるというか。

 

「知らない作品だと思ったけど、タイトルをどこかで見たことある気が・・・」

 

 

まぁ多分気のせいだろう、あらすじ読む感じコメディだし。そう思い普通に見始めた。

 

 

 

 

 

「吉富さんめ!?」

 

現在映画は終盤に差し掛かる辺り、めちゃくちゃ怖いです助けてください。このタイトルどこかで見たことあるなと思ってたら、ネットで途中からコメディからホラーにジャンルシフトする怪作映画と紹介されてたやつでした。洋ホラーはギリギリいけるけど邦ホラーはマジで無理なんだよ!吉富さんに騙された、今すぐ視聴をやめたくて仕方ないが・・・

 

 

 

「これ凄いなぁ、何か参考にできるかも」

 

横に座ってる姉さんは怖がるどころか演技の参考にできそうとまで深く楽しんでいる、姉はホラー大丈夫な人で前に入ったお化け屋敷にも全然怖がらなかったその姿から番組の恐怖ドッキリとかも余裕でいけそうだなと感じた。

 

 

対して震えまくってる俺、それに気づいた姉さんは何かハッと閃いたような表情を浮かべ。

 

「・・・私の手、握ってもいいよ?」

 

「嫌だよ、子供か」

 

 

誰でもわかるレベルで残念がってる・・・いやそんな露骨にガッカリしないで?お姉ちゃんと仲良く手繋ぎ鑑賞とか出来るわけないじゃん、まだ諦めてなさそうなので面倒とホラーを天秤にかけた結果仕方なく姉さんから画面の方へ顔を向き直した。

 

怖いよぉ

 

 

 

 

 

「よ、ようやく終わった」

 

エンドロールも終わり、地獄の時間は終了。姉さんの方を見てみるとそれはそれは満足顔で、それで終わってくれればいいんだが何か考えるような仕草をし始め・・・その感じに映画全体よりも強い恐怖を抱き。

 

 

「まさか姉さん、ホラー関係深く調べようとしてないよね?」

 

「・・・し、してないね!?」

 

「それだけはやめてお願いだから」

 

 

都市伝説のキャラでも調べ出したりしたらヤバい、実在してる人物じゃないにしても情報だけで再現というか恐怖出そうだし。

 

その雰囲気を纏ってしまったら怖くて泣く自信がある。

 

 

「か、軽くなら」

 

「絶対ダメ」

 

 

まさか映画が終わった後に最大のホラーが待ち構えているとは。

 

 

 

 

パスタグラタンで気分は上がりホラーでだだ下がった本日、あの後姉さんを説得するのに苦労し疲れたので早めに寝ることにした。電気を消して、お休みなさ・・・

 

 

 

「ゆうくん、どうしたの?」

 

「・・・れません」

 

「えっ?」

 

「ごめんなさい、怖くて眠れません・・・」

 

 

夜は続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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