「・・・朝か」
プラン通りに物事は進まず、結局姉さんと一緒に寝てしまった・・・普段よりよく眠れた気がするのは気のせいだと思いたい。温かさや安心感とか断じてないよ?疲れてただけですね、俺を信じてください。
姉さんはまだ寝てるのだろうか、あの後ハイテンション状態で俺を抱きしめ続けたぐらいだ。先に寝てしまったから分からないが、あれだけ高ぶった気持ちが落ち着くのは時間がかかるはず。ただでさえ時間は遅かった、3時くらいに寝たなら今はぐっすりしてるだろう。そう思い姉さんの方を向くと・・・
「おはよう、ゆうくん。今日はいい天気だね」
「ばっちり起きてたわ」
身体をこちら側に向け微笑みながら俺を見つめていた、その姿はまるで洋画の一夜を共にした後同じベッドに寝てる主人公を隣から熱の籠った瞳で見つめるヒロインのシーンのようで・・・つまりそういうことか。
「姉さん、それ映画の真似?」
「うん、そうだよ。こういうの一度やってみたかったんだ」
「わかる、ああいうシーンいいよね。ロマンスを感じさせるというかさ・・・いやでも俺弟だよ」
「何か問題でもあるのかな?」
問題しかないね!?台本のときもそうだけど姉弟なんだってば俺達、赤く染まった頬に手を当て満足そうにうっとりしている姉さんに何を言っても無駄そうだけど。遅く寝たはずなのにこれがやりたくて俺より先に起きてたのか・・・起きたてからツッコミの連続な状況に頭を回すのが大変だ。
幸せそうにうっとりしている姉さん、だが何かを思いだしたのか。一転表情を暗くしてしまい申し訳なさそうな顔で。
「えっと・・・夜はごめんね強くしちゃって、痛かったよね」
「それってアレのこと?最初はビックリしたけど、言ったら力緩めてくれたし別に気にしてないよ。まあ俺が雑魚すぎたのも大きいしね」
「気持ちよくて考えずにいっぱいしすぎちゃった事はちゃんと反省するよ、ありがとうゆうくん」
急に何かと思ったが、そんな気にすることでもないのに。でもそういう所が優しい姉さんらしいというか。
こんなのいっぱいされちゃっただけの・・・いや待て何だこの会話。言葉だけ聞くとアウトすぎだろ、抱きしめられただけだぞ!
他者が聞こうものならドン引き確定の意味深オンパレードなこのやり取りに、俺は頭を抱えていると姉さんも遅れてそれに気づき顔を真っ赤にしてモジモジし始め。
「・・・ゆうくんのエッチ」
「何で俺だけなの!?」
寝起きから大変な思いをしたが今日は日曜日、だが特に予定なし・・・ではなく今日は姉さんと2人で外出。遊びに行くのだ、姉さんは忙しいからこういう日は多くない。
今回行く所は姉さんの希望の場所だ、舞台であれだけ頑張ってたし。ただ懸念すべきがあり俺は全部合わせるよと言ったとき、姉さんから不穏な雰囲気を感じたこと。とんでもない所に行かないか不安である、例えばホラー系にホラー系とか?二回言うぐらい嫌です。
今は玄関で姉さんの支度待ちをしているが、どうやら終わったようで2階から下りて来る音が聞こえる。
「ゆうくん、待たせてごめんね」
「姉さ・・・」
・・・顔とスタイルが良ければ服など殆ど何でも着こなせる、変な服だろうと好意的にそれがファッションと捉えられる事も。ではそういう人が気合い入れてオシャレしたらどうなるか。
「答えはシンプルに凄いことになりますね」
「今何か言った?」
「何でもないよ」
この顔面スタイルつよつよ姉め相変わらず着こなしすぎだろ!?馬鹿みたいな文句だが実際その通りだ、弟の俺もイケメンだったらよかったのになぁ。
けれどそんな悲しい妄想を考えても仕方ない、気持ち切り替え今日行く場所を姉さんに聞くと。
「つ、着いてからのお楽しみだよ!?」
・・・演技力はどこへ、慌てて目を泳がせながらはぐらかされてしまった。追及してもダメそうなのでどうか悪い所じゃありませんようにと祈るしかない。
「そろそろ行こう」
「うん、楽しみだね!」
まるで喜びのオーラが全身から溢れ出してるように見え、それほど上機嫌な姉さんにこちらも少し嬉しくなる。今日は楽しい日に・・・は?手??
ギュっと俺の手は姉さんに握られていた、つまり手繋ぎの状態。察した俺は諦め半分、希望半分で姉さんの方へ顔を上げる。
「今日はずっとこうしてようね?デートだよっ」
一切の曇りもない輝く笑顔で姉さんはとんでもない事を言ってきた・・・俺達は姉弟です、デートって表現おかしくない??