聖杯さんが囁いてくる   作:エヴォルヴ

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聖杯さんが話し続けている

 中間テストを終えた翌週、最初の昼休みに試験結果が張り出されているのを見て頭を抱えている聖杯です。本体が聖杯ですよろしくお願いします。聖杯です、聖杯はありますよろしくお願いします。むごごご、勉強を怠っていたわけじゃないけど、ちょっと点数が落ちてる……どこで間違えたのだろう……そんな疑問が浮かびます聖です。聖杯はありますよろしくお願いします。

 

 廊下の掲示板に貼り出されたテストの結果を大勢のクラスメイト達に混ざって確認していたけど、十位以内にはランクインしていなかった。うーん、ケアレスミスばっかりだったかな。平均点は────80点。ううん、まずまずといったところ。けど、もう少し上の点数を狙えたと思う。

 

『まぁ、ケアレスミスが多いだろうな』

 

(やっぱり?)

 

『桐条美鶴や山岸風花から勉強を教えてもらっていながらこの点数なら、ケアレスミスだろう』

 

 だよねぇ、と心の中で呟いて教室に戻る。タルタロスの攻略やら、ベルベットルームの人達からの依頼もあるが、僕の本分は学生なのだ。そこを怠ってしまうと、よろしくないだろう。ちなみに僕は聖杯さんと一緒に決めたことの一つとして、点数を落としたら月々に使えるお金を減額するというルールを自分に課している。現状維持であれば変わらず、点数が上がれば使える額が上がる。点数を落とせば減額。この増減については生活費ではなく、お小遣いの金額で、減額した分は将来使う軍資金として貯金箱に行くシステム。貯金箱、そろそろ新しいのを買いたい。

 

『さて、聖よ』

 

(うん、減額でしょ? この前の平均点が90点だったから……千円減額?)

 

『そうだ。よく考えて使え』

 

(分かってるよ)

 

 千円は貯金箱に。多めにお小遣いをもらっているから、そこまで大きな減額ではない……なんていうのは大間違いだ。千円あれば三キログラムの豚小間肉が買える。ちょっと高いご飯も食べられるし、はがくれ丼と小ラーメンのセットも食べられる。ルブランのカレーとコーヒーを飲食してもちょっとだけおつりがくる。それだけ大きな金額なのだ。

 

(あ、そういえば聖杯さん。今日のご飯、魚にしようと思うんだけど……やっぱり王道の鮭かな)

 

『イサキが魚屋で売られていたぞ』

 

(旬の魚……!!)

 

 旬の魚は安く手に入れることができるし、旬を楽しめるから欠かせない。今日はイサキの塩焼きに決定だ。脂が乗っていて美味しい魚を味わう時だ。

 

『ところで聖よ』

 

(何?)

 

『今日は山岸風花と買い物に行くつもりだったな?』

 

(うん。そうだよ)

 

 今日は風花お姉ちゃんがご飯を食べに来る日であり、料理教室の日だ。焼き魚に失敗するレベルの料理下手ではない……と言いたいところだけど、やらかしかねない心配があるという不安感。風花お姉ちゃんってあれなんだよ……レシピ通りに作ることは絶対にできているんだけど、そこに自分なりのアレンジを加えてしまうせいで大失敗してしまうタイプの人なんだよ。ちゃんとレシピを見て、レシピ通りに料理ができるのに、アレンジを加えて大失敗する……うん、荒垣お兄ちゃんが見たら頭を抱える人。

 

『一応言っておくがな、貴様はもっと────いや、これ以上は言うまい』

 

(え、何? もっと何?)

 

『気にするな』

 

 気にするよ? え、何? 僕はもっと何をすればいいの? ねぇ教えてよ聖杯さん、教えてってば。ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ。

 

『くどい。鈍い貴様が悪い』

 

(あんまり鈍くないよ僕。聖杯さんのお蔭で色々勘違いすることもないし、頭ピンク色にならないようになってるし)

 

『そういうところだぞ貴様』

 

 どういうところなの聖杯さん。…………まぁ、僕が気付くべきことみたいだし、ゆっくり考えていけばいいや。聖杯さんが教えてくれないってことは、僕が自力で気付いていかなくちゃ。……何に気付くべきなのかが分からない時点で、道が見えないんだけど。

 

(そういえば聖杯さん)

 

『どうした』

 

(タルタロスで手に入った道具、あるでしょ?)

 

『ああ』

 

(その中に変なのが混ざってたんだけど……)

 

『……ふむ、あれか』

 

 タルタロスでは色んなものが手に入ったりする。お金だったり、魔石やソウルドロップ、スナフソウルみたいな不思議な道具だったり、おにぎりだったりサンドイッチだったり、服だったり、武器だったり、よく分からない素材だったり……とにかく色んな道具が手に入るんだけど……僕が先行して見てきた場所の中で手に入れた道具の中に変なのが混ざっていたのだ。

 

(ビキニアーマーって言うんだっけ、あれ?)

 

『そうだな。ゲームの装備にあるようなあれだ』

 

(何でタルタロスにあったの……?)

 

 そう、僕が拾ってきた道具の中にあったビキニアーマーなる防具。正直お姉ちゃん達に見せることができないと僕の頭の中で小さい僕達が審議をして、僕の部屋に隠している防具だ。でも、間違いなく今お姉ちゃん達が着ている制服よりも質がいいものを使っている。でもこれを渡したらきっとお姉ちゃん達から白い目で見られてしまう。そんな予感がして、僕は拾ってきたビキニアーマーを隠しているのだ。

 

『さてな。案外、シャドウの趣味かもしれんぞ?』

 

(シャドウって本能で動いてるお化けだよね?)

 

『だが人間の負の面が滲み出たものでもある』

 

(……人間は基本的に頭がピンク色だってこと?)

 

『人間の三大欲求とは何だったか思い出してみろ』

 

 食欲、睡眠欲、性欲だよね。……まさか本当にシャドウの趣味? 分からない……僕には全く分からないよ聖杯さん……シャドウもだけど、あんな防具は防具として機能していないと思うんだ。しかもあれを宝箱に入れていたタルタロスのことももっと分からなくなってきたよ……

 

『考えすぎるとおかしくなるぞ。そういうものだと受け入れるんだな』

 

(受け入れたら負けな気がする……!)

 

 ゴミの日には出せないし、そのうち分解して別のものにしてやろう。うん、きっとそれがいい。金属だし、削れば色々作れる気がするんだ。

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 ……………………来ない。

 放課後、高等部の正門で風花お姉ちゃんと待ち合わせをしていた僕は、風花お姉ちゃんを待ってもう30分はここに立っている。途中、宮本お兄ちゃんが西脇お姉ちゃんと競い合うかのようにランニングに向かうのを見かけた。宮本お兄ちゃん、無理してそうだったけど、大丈夫かな。

 

 あとは、末光お兄ちゃんがご飯に誘ってくれたけど、今日は待ち合わせがあるからと伝えたら残念そうにしながらも、何か色々頑張れって応援してくれた。……色々頑張れってどういうことだろう? 前に風花お姉ちゃんが料理下手だから教えてるんだって言ったこと覚えてたのかな? 

 

 あとは汐見お姉ちゃんが岳羽お姉ちゃんと伊織お兄ちゃんと一緒に帰ってるのを見かけた。わかつでご飯食べるから夕ご飯はいらないって言われた。でも塩焼きは全員分焼くよ。朝ご飯に食べたっていいもんね。

 

「来ないなぁ」

 

『ふむ……山岸風花が約束を破るような人間だとは思えんが……』

 

(うん、風花お姉ちゃんはそんなことしないよ)

 

 ずっと一緒にいたんだもん。風花お姉ちゃんがどんな人なのかはよく知ってる。約束を守れそうにないならちゃんと連絡してくれたりもする。けど、僕が両親から持たせられている携帯電話には着信がない。

 

(むむむ……約束、忘れちゃったのかなぁ)

 

『思ってもいないことを言うな』

 

(うん、ごめんなさい)

 

 とりあえず待ってみよう。もしかしたら委員会とかの仕事があって遅くなっているのかもしれないし。でも夕日が沈んでも来なかったらどうしよう……それはやだなあ……

 

「明日花! 見つけた!!」

 

 ネガティブな思考がグルグルと回りそうになった直後、僕の名前を叫んで走ってきた人がいた。

 

「あれ? 夏紀お姉ちゃん。どうしたのそんなに慌てて」

 

 森山夏紀。僕の従姉弟で、どういうわけか知らないけど、高校生になってから真っ黒に日焼けしてる人だ。風花お姉ちゃんと初めて会った時はちょっと相性が悪かったのか、こう……あんまりいい関係じゃなかったんだけど、テストのお疲れさまでした会で遊びに行った時に凄く仲良くなった。デスティニーランドのジェットコースターって凄い。あ、パレードも見てきたよ。凄いよね、あのパレード。

 まぁ、とにかく。風花お姉ちゃんとは親友と言ってもいいくらいには仲がいいお姉ちゃんだ。そんなお姉ちゃんは現在、慌てて走ってきたのか汗だくである。

 

「……閉じ込められた……!!」

 

「?」

 

「風花が、体育館倉庫に閉じ込められたんだって!」

 

「…………は?」

 

 なんで? 何で風花お姉ちゃんが体育館倉庫に閉じ込められたの? え? 何で? 本当にどうして閉じ込められたの? 分からないよ。何で? 

 

『いじめだろう。山岸風花は優秀だからな。優秀な人間に嫉妬する人間は少なくない』

 

 聖杯さんがそんなことを言ってくるけど、その言葉を理解することができずに疑問がグルグルと頭の中を回り続ける。夏紀お姉ちゃんが途切れ途切れの言葉で伝えてくれた情報によると、夏紀お姉ちゃんが仲良くしていたグループの女子達が風花お姉ちゃんのことをいじめの対象としてロックオンして、夏紀お姉ちゃんがいないタイミングで風花お姉ちゃんをどこかに連れて行ったみたい。数の暴力の前にはさすがの夏紀お姉ちゃんも勝てないので、その現場を見つけてすぐに僕を探しに来たらしい。…………えーと、夏紀お姉ちゃん、あのさ? 

 

「先生に言わなかったの?」

 

「……焦りすぎて伝えてなかった……!」

 

「伝えてきなよ。僕は倉庫に行くけど」

 

 風花お姉ちゃんが閉じ込められたなら、開けられない代わりに外から声をかけてあげないと。暗くて狭い所って落ち着く時は落ち着くけど、暗くて狭い場所は不安になることだってある。風花お姉ちゃんはあんまりそういった場所が得意じゃないから、心細いだろう。

 

「いや先生呼んでくるからそれ待った方がいいって! 絶対あいつらあそこでたむろしてるし……!」

 

「じゃあなおさら行かなくちゃ」

 

 あの時よりも穏やかな気持ちだけど、それでも聖杯さんの声が聞こえた時と同じように腹の底から怒りの感情が湧き上がってくるのを感じる。でもこれを振りかざすと良くない。聖杯さんの囁きを払い除けた時のように深呼吸を繰り返しながら、風花お姉ちゃんが閉じ込められたという体育館倉庫に向かう。まだ日が沈んでもいない時にそんなことをするなんて、信じられないことをする人もいたものだ。……まあ、いじめなんて日が昇っていようが沈んでいようがやっちゃいけないことなんだけど。

 

『場所は分かっているのか?』

 

(高等部に用事がある時が結構あるのは知ってるでしょ、聖杯さんも)

 

『そうだったな』

 

 用事があって高等部に訪れる機会が多いからこそ、高等部の施設がどこにあるのかを記憶している。まさかこんなところでその記憶に頼ることになるとは思ってもいなかったけど。

 走りたいけど、走って向かったら心が落ち着いた状態でそこに訪れることができない気がして、でも風花お姉ちゃんのところに急ぎたい。そんな思いが早歩きという形となって発現している中、風花お姉ちゃんが閉じ込められているという体育館倉庫に近付いてきた。

 

「ほんと笑えるわ」

 

「見た? あの顔。マジでウケる! 写メ撮っちゃったし」

 

「写真クラスの連中にチェーンメールで送ろうよ! 絶対ウケるよ!」

 

 ……………………………………………………

 

「ねぇ」

 

「ん? 誰あんた」

 

「その制服、中等部のやつじゃん。何? 迷子?」

 

「何してるの?」

 

「は? ここでウチらが何やっててもあんたに何の関係が────」

 

「何、してるの?」

 

 限界だった。あの時、風花お姉ちゃんをいじめていた男の子達を前にした時と同じように、お腹の底から怒りの感情がどんどん溢れ出てくる。

 

「いや、だから……」

 

「ねえ、何してるの?」

 

「ウチらがここで何してようが、あんたに関係ないでしょ? 何その目」

 

「風花お姉ちゃんに、何したの?」

 

「ああ、あんたもしかしてあの女の彼氏? 年下趣味あ────」

 

 ゆらり、とまるでシャドウに後方から襲いかかる時のように近付き、足払いで写真を撮っていたらしい女の人を転ばせ────怒りのままに顔のすぐ横を思い切り踏み抜く。

 

「ひっ……!?」

 

「質問に、答えろ。風花お姉ちゃんに、何をした」

 

 お腹の底から溢れ出てくる怒りの感情が僕の行動だけではなく、目や表情にも乗り始めているのか、転ばされた女の人の表情はホラー映画に登場する殺人鬼にこれから殺される人のような怯えが混ざり始めている。

 

「僕、そんなに難しいこと言ってる? 風花お姉ちゃんに何をしたのって聞いてるだけなんだけど。ねぇ、どうして答えないの? ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇねぇねぇねぇ。別に難しいこと言ってないでしょ? どうしてお姉ちゃん達がここにいて、風花お姉ちゃんに何をしたのかって聞いてるだけだよね? どうして答えないのかな?」

 

「い、ぁ……」

 

「ああ、別にお姉ちゃんだけに聞いてるわけじゃないんだよ? そっちのお姉ちゃん達が答えたって全然いいんだよ? ねぇ、どうしてだんまりなの? 黙っていても何も始まらないよ? ほら、教えてよ。風花お姉ちゃんに何をしたの? どうして風花お姉ちゃんにそんなことをしたの? ねぇ、ほら。早くー」

 

 転ばせた女の人から離れ、動けずにいるもう数名の女の人達に、できるだけ柔和そうな笑顔を浮かべながら近付いていく。僕が怒ってるから答えにくいのかもしれない。まぁ、怒ってる人に対して言葉をあれこれ出すのって難しいよね。うん、桐条お姉ちゃんに怒られている時とか、本当に何か言おうとも思えなくなるんだから凄いよね。本当に怖いんだよ、桐条お姉ちゃんが本気で怒っている時の顔。しかも僕のことを思ってくれているからこそのお説教だから反論が難しいし。あと聖杯さんに叱られてる時も口答えができない。

 

『聖、少し落ち着け。このままではその女共が失禁するぞ』

 

(えー……それは嫌だなぁ……)

 

『それに、ろくなことは言われないだろう。見逃してやれ』

 

 …………………………ううん、それもそっか。考えてみれば、いじめなんてしてる人達がちゃんとした理由なんて言うはずがないもんね。うん、それもそうだ。なのに僕は怒りに身を任せてしまった。これは良くない。聖杯さんがよく言っているように、怒りなどの負の感情とされる感情とは、上手く付き合っていかないといけないのに。

 

「────────ごめんね、お姉ちゃん達。でも、風花お姉ちゃんに何かしたのは許してないから……まぁ、うん」

 

「何をやっている?」

 

 桐条お姉ちゃんを交えて先生達からお説教されてきてよ。夏紀お姉ちゃん、先生を呼びに行っただけじゃなくて、生徒会室にも出向いて桐条お姉ちゃんを呼びに行ってきてくれたみたい。この短時間でよくそこまで手が回せたね? ……あ、もしかして、桐条お姉ちゃんも職員室にいたのかな? 

 

「聖、あとのことは私達が請け負う。……そこの鍵は持っているか?」

 

「持ってないよ。多分このお姉ちゃん達の誰かが持ってるんじゃない?」

 

「そうか……」

 

 桐条お姉ちゃんが絶対零度の視線を女の人達に向け、鍵を渡すように無言で促すと、僕が転ばせた人がポケットから体育館倉庫の鍵を取り出して桐条お姉ちゃんに渡した。

 

「聖、使え。……あとで必ず返すように」

 

「うん。ちゃんと返すよ」

 

「ああ、そうしてくれ。……それと、君達には少々話を聞く必要があるな」

 

 拒否権は無いと言わんばかりに教師と一緒に女の人達を連行していく桐条お姉ちゃんを見送り、残ったのは僕と夏紀お姉ちゃんだけ。言葉を交わすわけでもなく、急いで体育館倉庫の鍵を開けると、反射的な動きで体を縮こまらせ、僕達の姿を確認した瞬間、パッ、と明るい表情を浮かべた。

 

「明日花君……それに、夏紀ちゃんも……」

 

「風花! 大丈夫!? 何かされてない!?」

 

 僕が何か言いかける前に、夏紀お姉ちゃんが飛び出していき、風花お姉ちゃんの顔を両手で触ったり、手や首などに怪我がないかを確認し始めた。まるで気が弱い妹を守るお姉ちゃんみたい。なんて、そんなことを言ったら絶対に否定されるから言わないけど。

 

「だ、大丈夫……ここに閉じ込められただけ、だから……」

 

「だけ、じゃないってそれ……! ごめんね、助けに入れなくて……!」

 

「ううん、大丈夫だよ。現に今、助けに来てくれたでしょ?」

 

 夏紀お姉ちゃんと風花お姉ちゃんが熱い抱擁を交わす中、僕はというと、心を落ち着かせるために深呼吸をしようとして、埃を吸い込んで咳き込んでいた。もうちょっと丁寧に掃除をしてほしい。

 

「明日花君もありがとう。声、聞こえてたよ」

 

「ああー……お恥ずかしいところを、見せました?」

 

「ううん。私のために怒ってくれたんでしょ? 昔みたいに」

 

 だから、ありがとう。そう言って笑う風花お姉ちゃんの目元は昔と違って赤くはなっていない。けど、それでもどこか不安さを顔に滲ませている。なら、僕ができることは……

 

「久しぶりに三人でご飯食べない? ……寮の皆と一緒にもなっちゃうかもだけど」

 

「私はいいけど、夏紀ちゃんは────」

 

「え、いいの? マジで? 明日花の料理マジで久しぶりじゃん」

 

「乗り気みたいだよ」

 

 というわけで今晩の料理がもう一品増えることが決まりました。イサキの塩焼き、ご飯、味噌汁、漬物、大根おろし……あとは何作ろうかな。明日の朝も食べられるやつで副菜的なものがいいよね。……となると、ひじき煮とか? それとも切り干し大根の煮物? きんぴらごぼうも捨てがたい……ううん……

 

『冷蔵庫にほうれん草が残っていたぞ』

 

「煮浸し……!」

 

「明日花、どうしたん?」

 

「ああ、今日の献立の話。とりあえず買い物行こう?」

 

 イサキ、売り切れてないといいんだけど。




森山夏紀
この世界では聖と従姉弟の関係になった結果、こうなった。デスティニーランドを讃えよ。
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